泥々の川

フロイライン

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居候

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樹陽介は、もう何年も久美子の家に住み続け、だらしない生活を送っていた。

あまり外にも出なくなり、体重は激増。
二十六にして、下腹も出てすっかり貫禄ある体に変貌した。


これには久美子の責任もあった。
久美子はその性格上、陽介を溺愛するあまり、甘やかしてしまい、彼の言うことは何でも聞いて、何でも与えた。

そこまで自堕落な男でもない陽介だったが、気がつけばすっかり甘え切ったダメ人間に変貌していたのだ。

久美子は、陽介に何もさせず、トイレ以外の事は全部久美子が代わって行った。

風呂で体や頭を洗う事。
着替えに食事
とにかく全てにおいて、陽介を甘やかせてしまったのだ。


その日も、朝から晩まで仕事をしていたにもかかわらず、久美子は帰宅すると一息すらつかず、すぐにキッチンの前に立った。

冷蔵庫から肉や野菜を出し、陽介のために料理を作り、何品も出した。

陽介は礼も言わずに、出来た料理を黙々と食べ、食べ終わると、食器をそのままにして、ソファーに寝転がり、テレビをつけた。

久美子はそれに文句を言わずに、サッと片付け、自分は簡単なものを作り、素早く食べ終わった。

お風呂の用意が出来ると、久美子は陽介の服をからパンツまで、全てを脱がせ、浴室に入って、頭や体も全部洗ってあげるのが日課となっていた。

至れり尽くせりのご奉仕だったが、久美子は文句を言うどころか、嬉しそうにそれらの事をこなしていった。

収入のない陽介は、当然その対価を久美子に支払う事は出来ない。

陽介が久美子にお返しできるもの…
それはセックスであった。

陽介は毎夜のように久美子を抱き、きっちりとイカせた。

久美子にとって陽介とのセックスは何にも変え難いものであり、陽介に抱かれ、肌と肌が触れ合うだけで、異常なくらいの満足感を得ることが出来た。

その日もイヤと言うほど久美子をイカせ、二人で満足そうにベッドで寝ていたが、陽介がポツリと言った。

「いよいよ久美子も引退か…
ホントに後悔してないのか?」


「うん。
全然してないよ。

でも、唯一心配な点があるとすれば、ワタシ、新潟に一緒について行ってもいいのかなあ。」


「そんなのいいに決まってるよ。」


「陽介が良くても、お父様やお母様は絶対に認めてくれないと思うし…」


たしかにそうだった。

陽介は、もう何年も久美子と付き合っているにもかかわらず、両親に彼女のことを紹介していなかった。

理由は様々な事があると、久美子もわかっていたが、新潟に帰る日が近づくにつれ、その不安は一層増していった。
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