鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

幕引き

まどか達は、失意の中、学校に戻ってきた。

そこで、佐藤校長や木本監督から労いの言葉をかけられると、最後は選手だけになった。


「みんな、勝たせてあげられなくて本当にごめんなさい。」


まどかは、自身の不甲斐なさを恥じ、皆に謝りの言葉を述べた。

下級生は涙し、同級生のレギュラーメンバーも涙ぐみ、誰も言葉を発しなかった。


そこでもまどかに涙はなく、サバサバしているのが意外だと、麻由香も陽菜も言い得ぬ違和感を感じてしまった。



こうして新田まどかをはじめとする三年生の高校バレーは幕を閉じ、それぞれの進路に向けて進み出す事になった。


三年生のメンバーは少し休みたいという心境になっていたが、まどかだけはまだやる事が残っていた。


それは、男性化した下半身を元に戻してもらう事。

高山とは、試合に負けた直後に会い、翌日に男に戻す薬を服用する約束を取り付けていた。



「まどか」


自宅に帰ろうとするまどかに、麻由香が声をかけてきた。


「どうしたの？麻由香」



「とうとう元に戻るんだね。」



「えっ

あー、その事ね。


うん。


もう、男でいる必要もなくなったし。」


「そっか

そりゃそうだよね。」


「？」


麻由香の様子がおかしい事に、何かを感じるまどかだったが、すぐに自分も同じ事が頭を巡っている事を自覚した。


「麻由香

最後にする？」


まどかの誘いに、麻由香は


「うん！」


と、即答した。