鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン

文字の大きさ
33 / 121

不都合な現実と都合の良い女

しおりを挟む
「話?」

陽菜に話があると言われ、身構えてしまうまどかだったが…


「まどか
アンタ、今日の試合で調子悪かったのは、ヤリすぎたからなんじゃないの?」


「えっ…」


「ようやく監督を遠ざけたと思ったら、麻由香とヤッてんだもん。
呆れてしまうわ。」


「…」


「毎晩、コソコソ二人でどこ行ってんのかと思ったら、トレーニングルームで明け方までヤッてんでしょ?
そりゃ、疲れで試合で精彩を欠くのもムリないわ。」


「ごめんなさい…」


「いや、どうせ麻由香に言われたんでしょ?

だって、あれだけまどかに当たりの強かった麻由香が、今では猫撫で声で甘えまくりだもんね。」


「…」


「私もさあ、まどかと麻由香の三人で、このチームを引っ張ってきたっていう自負があるんだよね。

だから、尚更私だけ除け者にされてたって事が許せないのよ。」


「陽菜、そんなつもりはなかったの。

私だって陽菜の事は信頼してるし、三年生の三人で協力し合ってここまで来たと、本心から思っているわ。」


「私はまどかを責めたいんじゃないの。

今は地区予選の真っ只中だし、外野の雑音に耳を傾ける必要はないって考えてる。

でも、このままじゃウチは予選の途中で敗退するに違いないわ。」


「そうだね…」


「後で三人で話をしよ。

わかってると思うけど、何よりも大事なのは、紅陽に勝って全国に行く事。

それ以外については、何の興味もないわ。

もしも、バレーボール以外に意識が向いている者がいたら、私は絶対に許さない。

言いたかったのは、それだけ。」


陽菜はそう言うと、トイレから出ていった。


まどかは忘れていた

陽菜のストイックさとバレーボールに賭けるその情熱を。


まどかも性転換する前はそうだった。

しかし、驚異的な身体能力を与えられるのと引き換えに、バレーボールへの一途さを失ってしまったのだ。


まどか、麻由香、陽菜の三年生の中心メンバー三人の関係に、微妙なズレが生じたのは間違いなかった。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...