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Super offensive lineup
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横山優香の完璧なトスに高い打点で合わせたまどかのスパイクが、相手のコートの真ん中に叩きつけられた。
相心に対し、25対21で鐘ヶ岡が第一セットを先取した。
しかし、監督の木本は、この結果が大いに不満で、イライラが爆発した。
絶対的エースのまどかに相手のマークが付くのは仕方ないとしても、その日のまどかは、やはり精彩を欠く場面が多く見られ、幾度となく相心のブロックに止められた。
さらに、麻由香と陽菜の三年生コンビも決して好調といえず、苦しみながらも孤軍奮闘するまどかの足を引っ張り続けた。
その中で、セッターの優香だけは、正確無比なボールをまどかに供給し続け、そのおかげで、辛うじてこのセットが取れたようなものだった。
しかし、優香の表情は冴えず、三年生トリオの顔色を窺っていた。
そして、確信した
噂は本当だった。
夜な夜な部屋を抜け出し、トレーニングルームに入っていくまどかと麻由香
まどかはともかく、麻由香の調子が落ちはじめたのも、まさにこの頃からであった。
そして、陽菜もまた、麻由香と同じように行動したことから、今日のこの体たらくに繋がっている。
優香は、激しい憤りを感じ、険しい表情のまま水分補給をするのだった。
第二セットが始まった。
相心の攻撃が変わった。
精彩を欠く、麻由香を集中的に狙ってきたのである。
麻由香とて、鐘ヶ岡ではNo.2の実力の持ち主である。
いくら精彩を欠いているからといって、ここまでダメになるものだろうか…
優香は、半ば呆れながら麻由香がボールを追いかけるところを見つめていた。
やはり、麻由香には粘りがなくなっている。
ボールを追いきれず、いとも簡単に相手に得点を与えているではないか。
優香は、思わずキレて
「しっかりしろ!」
という言葉が口から出そうになった。
しかし、下級生の自分が三年にキレたら、それこそこのバレー部が終わってしまう。
必死に堪えた。
それを察したのか、まどかが後ろに向かって手を叩きながら
「諦めずに最後まで追いかけよう!」
と声がけをした。
麻由香も滴る汗を拭いながら、頷き、前屈みで相手のサーブを待った。
まどかが自身の思いを代弁してくれた事で、多少なりとも溜飲を下げる事ができた優香だったが、イライラしている事を隠す事が出来なかった。
結局、第二セットは、ミスの目立った鐘ヶ岡が、立て続けにポイントを奪われ、25対17と、セットカウントをタイに戻した。
勝負の行方は、まだ誰にも予想出来ない状況であった。
相心に対し、25対21で鐘ヶ岡が第一セットを先取した。
しかし、監督の木本は、この結果が大いに不満で、イライラが爆発した。
絶対的エースのまどかに相手のマークが付くのは仕方ないとしても、その日のまどかは、やはり精彩を欠く場面が多く見られ、幾度となく相心のブロックに止められた。
さらに、麻由香と陽菜の三年生コンビも決して好調といえず、苦しみながらも孤軍奮闘するまどかの足を引っ張り続けた。
その中で、セッターの優香だけは、正確無比なボールをまどかに供給し続け、そのおかげで、辛うじてこのセットが取れたようなものだった。
しかし、優香の表情は冴えず、三年生トリオの顔色を窺っていた。
そして、確信した
噂は本当だった。
夜な夜な部屋を抜け出し、トレーニングルームに入っていくまどかと麻由香
まどかはともかく、麻由香の調子が落ちはじめたのも、まさにこの頃からであった。
そして、陽菜もまた、麻由香と同じように行動したことから、今日のこの体たらくに繋がっている。
優香は、激しい憤りを感じ、険しい表情のまま水分補給をするのだった。
第二セットが始まった。
相心の攻撃が変わった。
精彩を欠く、麻由香を集中的に狙ってきたのである。
麻由香とて、鐘ヶ岡ではNo.2の実力の持ち主である。
いくら精彩を欠いているからといって、ここまでダメになるものだろうか…
優香は、半ば呆れながら麻由香がボールを追いかけるところを見つめていた。
やはり、麻由香には粘りがなくなっている。
ボールを追いきれず、いとも簡単に相手に得点を与えているではないか。
優香は、思わずキレて
「しっかりしろ!」
という言葉が口から出そうになった。
しかし、下級生の自分が三年にキレたら、それこそこのバレー部が終わってしまう。
必死に堪えた。
それを察したのか、まどかが後ろに向かって手を叩きながら
「諦めずに最後まで追いかけよう!」
と声がけをした。
麻由香も滴る汗を拭いながら、頷き、前屈みで相手のサーブを待った。
まどかが自身の思いを代弁してくれた事で、多少なりとも溜飲を下げる事ができた優香だったが、イライラしている事を隠す事が出来なかった。
結局、第二セットは、ミスの目立った鐘ヶ岡が、立て続けにポイントを奪われ、25対17と、セットカウントをタイに戻した。
勝負の行方は、まだ誰にも予想出来ない状況であった。
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