56 / 121
卑怯の極み
しおりを挟む
「ここからは私がお話ししましょう。」
高山に代わって、佐藤校長が口を開いた。
「身勝手だと思われるかもしれませんが、学校の都合を第一で話させてもらいます。」
この言い方が癪に触ってしまったが、木本もまどかも我慢して、黙って佐藤の話に耳を傾けた。
「単刀直入に申します。
今回、学校として、何が何でも全国大会に出てもらわないと困るんです。」
「困る?
何が困るんですか!」
木本は、結局カチンときてしまい、即座に反応した。
「木本先生
あなたのようにスポーツばかりしてきた人にはわかってもらえないでしょうが、現在の私立の学校運営は、相当厳しいものがあります。
少子化が進む我が国で、今の生徒数をキープするのは至難の業です。
特にウチのような偏差値レベルが中位の学校が真っ先に淘汰されていくんです。
それも、共学にせず、女子高としての伝統を重んじる当校は、さらに厳しい。」
「それは、あなたや理事長が考えることであって、私達には何の関係もありませんよ。
話の筋が全然通っていません!」
木本は、さらにイラつき、吐き捨てるように言ったが、佐藤は全く動じなかった。
「まあ、関係ないといえばそうでしょうが、あなた方卒業生にとっても、母校が無くなってしまうことは寂しいことでしょう?」
「それはそうですが、何でもかんでもバレー部と結びつけないで下さい。」
「いや、結びつけますよ。
ウチのバレー部には伝統があり、当校にとって数少ない武器なんですよ。
この窮地に、利用しない手はありません。
だからこそ、新田さんにもこんな無理をお願いしたわけです。」
「その計画も思ったほどの成果が得られなかったんです。
諦めてまどかを元に戻して下さい。
あとは実力で頑張るだけです。」
木本の言葉に佐藤は思わず吹き出してしまった。
「何がおかしいんです!?」
「木本監督
あなたの頭の中は、ご自分が高校生だったときから時計が止まったままでいるか、お花畑のどちらかですね。
現実がわかってらっしゃらない。」
「は?」
「もう後戻りなんて出来ないんですよ。」
「校長先生のおっしゃる事はよくわかりました。
では、私達はどうすればいいんですか?
具体的に教えて下さい。」
ずっと黙っていたまどかも、少しイラついた様子で佐藤に言った。
「新田さん
あなたにお願いがあります。」
佐藤は、真顔でまどかを見つめ、呟くように言った。
高山に代わって、佐藤校長が口を開いた。
「身勝手だと思われるかもしれませんが、学校の都合を第一で話させてもらいます。」
この言い方が癪に触ってしまったが、木本もまどかも我慢して、黙って佐藤の話に耳を傾けた。
「単刀直入に申します。
今回、学校として、何が何でも全国大会に出てもらわないと困るんです。」
「困る?
何が困るんですか!」
木本は、結局カチンときてしまい、即座に反応した。
「木本先生
あなたのようにスポーツばかりしてきた人にはわかってもらえないでしょうが、現在の私立の学校運営は、相当厳しいものがあります。
少子化が進む我が国で、今の生徒数をキープするのは至難の業です。
特にウチのような偏差値レベルが中位の学校が真っ先に淘汰されていくんです。
それも、共学にせず、女子高としての伝統を重んじる当校は、さらに厳しい。」
「それは、あなたや理事長が考えることであって、私達には何の関係もありませんよ。
話の筋が全然通っていません!」
木本は、さらにイラつき、吐き捨てるように言ったが、佐藤は全く動じなかった。
「まあ、関係ないといえばそうでしょうが、あなた方卒業生にとっても、母校が無くなってしまうことは寂しいことでしょう?」
「それはそうですが、何でもかんでもバレー部と結びつけないで下さい。」
「いや、結びつけますよ。
ウチのバレー部には伝統があり、当校にとって数少ない武器なんですよ。
この窮地に、利用しない手はありません。
だからこそ、新田さんにもこんな無理をお願いしたわけです。」
「その計画も思ったほどの成果が得られなかったんです。
諦めてまどかを元に戻して下さい。
あとは実力で頑張るだけです。」
木本の言葉に佐藤は思わず吹き出してしまった。
「何がおかしいんです!?」
「木本監督
あなたの頭の中は、ご自分が高校生だったときから時計が止まったままでいるか、お花畑のどちらかですね。
現実がわかってらっしゃらない。」
「は?」
「もう後戻りなんて出来ないんですよ。」
「校長先生のおっしゃる事はよくわかりました。
では、私達はどうすればいいんですか?
具体的に教えて下さい。」
ずっと黙っていたまどかも、少しイラついた様子で佐藤に言った。
「新田さん
あなたにお願いがあります。」
佐藤は、真顔でまどかを見つめ、呟くように言った。
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる