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窮地
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恵美梨に代わって入った佐久間芽依は、劣勢を挽回すべく、奮闘したが、第二セットも落としてしまい、セットカウント0-2と、紅陽は、いよいよ追い込まれてしまった。
「大丈夫だ。
慌てることはない。
佐久間にボールを集めろ。
佐久間は、気にせずどんどん打っていけ。
お前の方が力は上だ。」
「はい!」
芽依を筆頭に、全員が頷き、大きな返事をした。
だが、恵美梨は、藤井の周りに出来た輪から一歩後ろに下がったところに立ち、虚な目で項垂れるだけであった。
選手たちがコートに散り、残りの人間がベンチに戻る中、藤井が
「古川」
と、恵美梨に声をかけた。
「大丈夫だ。
このセットも次もウチが取る。
お前には最後に出てもらい、試合を決めてもらう役目を課すからな。
なんて言っても、お前はウチのエースなんだから。
心だけは切らすなよ。」
「はいっ!」
恵美梨は、日頃はそんな言葉をほとんどかけない藤井から、優しい言葉をもらい、目をウルウルさせながら大きな声で返事をした。
しかし、一方で、藤井がそのような言葉を口にしなければならないほど、深刻な状況にあるとも言えた。
それぞれの思いが交錯する中、ようやく落ち着きを取り戻した芽依達は、自分達のバレーボールが出来るようになり、順調に点を重ねていった。
それでも、通常時の恵美梨と比べると、かなり見劣りし、相手を圧倒するまでにはいかず、薄氷を履む思いの中、なんとか第三セットを25-23で奪い返した。
セットカウント1-2
紅陽にとって、苦しい戦いが続いていた。
「大丈夫だ。
慌てることはない。
佐久間にボールを集めろ。
佐久間は、気にせずどんどん打っていけ。
お前の方が力は上だ。」
「はい!」
芽依を筆頭に、全員が頷き、大きな返事をした。
だが、恵美梨は、藤井の周りに出来た輪から一歩後ろに下がったところに立ち、虚な目で項垂れるだけであった。
選手たちがコートに散り、残りの人間がベンチに戻る中、藤井が
「古川」
と、恵美梨に声をかけた。
「大丈夫だ。
このセットも次もウチが取る。
お前には最後に出てもらい、試合を決めてもらう役目を課すからな。
なんて言っても、お前はウチのエースなんだから。
心だけは切らすなよ。」
「はいっ!」
恵美梨は、日頃はそんな言葉をほとんどかけない藤井から、優しい言葉をもらい、目をウルウルさせながら大きな声で返事をした。
しかし、一方で、藤井がそのような言葉を口にしなければならないほど、深刻な状況にあるとも言えた。
それぞれの思いが交錯する中、ようやく落ち着きを取り戻した芽依達は、自分達のバレーボールが出来るようになり、順調に点を重ねていった。
それでも、通常時の恵美梨と比べると、かなり見劣りし、相手を圧倒するまでにはいかず、薄氷を履む思いの中、なんとか第三セットを25-23で奪い返した。
セットカウント1-2
紅陽にとって、苦しい戦いが続いていた。
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