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準決勝を完勝した鐘ヶ岡のメンバー達は、自信を得て控え室に戻ってきた。
着替える選手達に向かって、監督の木本が演説を始めた。
「はい、着替えてる者は手を止めなくていいから、耳だけこっちに向けるように!」
「はいっ!」
全員が威勢よく返事をした。
「今日、皆んなの気持ちのこもったプレイで、こうして勝つことが出来た。
次はいよいよ決勝だ。
相手はまだ決まってないようだけど」
木本がそう言うと、まどかの表情が一気に曇った。
自分と高山の策略にハマった古川恵美梨は、苦戦を強いられている…
もし、これで紅陽が負けたとしたら?
こちらが勝利する確率は格段に上がるだろう。
しかし、そんな事をして勝って、果たして嬉しいと思えるのだろうか。
そもそも、あの注射の力を借りた事自体が間違っている…
全ては、それを受け入れた自分の甘さ、弱さが原因なのだ。
まどかは、一気に気持ちが堕ちてしまい、勝利の余韻に浸ることなど、全く出来なくなってしまった。
しかし
「まどか、どうしたの?」
隣にいた麻由香が顔を覗き込みながら、心配そうに聞いてきた。
「ううん。何でもない」
まどかは笑って首を横に振った。
そうだ…
こんな汚名を着ながら、恥ずかしげもなく試合に臨んでいるのは、他のチームメイトのためだ。
三年間苦楽を共にしたメンバーに、自分達の世話を献身的にしてくれた下級生のために、何が何でも勝たなければいけないのだ。
彼女達の未来は、自分の肩にかかっている。
この大会が終われば、バレーボールを辞める!
それが自分なりの罪の償い方だ。
だが、今は、彼女達のためにも全力でぶつかっていく
それしかないのだ。
まどかは決意を新たにし、顔を上げた。
着替える選手達に向かって、監督の木本が演説を始めた。
「はい、着替えてる者は手を止めなくていいから、耳だけこっちに向けるように!」
「はいっ!」
全員が威勢よく返事をした。
「今日、皆んなの気持ちのこもったプレイで、こうして勝つことが出来た。
次はいよいよ決勝だ。
相手はまだ決まってないようだけど」
木本がそう言うと、まどかの表情が一気に曇った。
自分と高山の策略にハマった古川恵美梨は、苦戦を強いられている…
もし、これで紅陽が負けたとしたら?
こちらが勝利する確率は格段に上がるだろう。
しかし、そんな事をして勝って、果たして嬉しいと思えるのだろうか。
そもそも、あの注射の力を借りた事自体が間違っている…
全ては、それを受け入れた自分の甘さ、弱さが原因なのだ。
まどかは、一気に気持ちが堕ちてしまい、勝利の余韻に浸ることなど、全く出来なくなってしまった。
しかし
「まどか、どうしたの?」
隣にいた麻由香が顔を覗き込みながら、心配そうに聞いてきた。
「ううん。何でもない」
まどかは笑って首を横に振った。
そうだ…
こんな汚名を着ながら、恥ずかしげもなく試合に臨んでいるのは、他のチームメイトのためだ。
三年間苦楽を共にしたメンバーに、自分達の世話を献身的にしてくれた下級生のために、何が何でも勝たなければいけないのだ。
彼女達の未来は、自分の肩にかかっている。
この大会が終われば、バレーボールを辞める!
それが自分なりの罪の償い方だ。
だが、今は、彼女達のためにも全力でぶつかっていく
それしかないのだ。
まどかは決意を新たにし、顔を上げた。
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