79 / 121
波
しおりを挟む
「あっ!」
佐藤は、思わず、声を出してしまった。
この日、初めて、まどかのスパイクが紅陽のブロックに止められてしまったからだった。
「高山先生、止められちゃいましたよ。
マズイんじゃないですか、コレ。
しかも、相手の古川さんは段々良くなってきている。
ウチとは全く対照的じゃないですか。」
佐藤の問いかけに、高山は何も答えず、腕組みをして、まどかの一挙手一投足をじっと見つめるだけだった。
「ちょっと、聞いていますか?
高山先生」
無反応の高山に、佐藤は少しイラッとした口調で言った。
「…
校長…」
「はい?
どうかしましたか?」
「木本監督とすぐにコンタクトを取れませんか。」
「木本監督と?
バカな…
今、試合中ですよ。
無理に決まってます。」
佐藤がそう言うと、高山は持っていた鞄から、手帳とペンを取り出し、何やら書き出した。
「何を書いてるんですか?」
「…」
高山は無視して、しばらく書き続けていたが、終わったのか、懐にそのペンを仕舞い込んだ。
そして、手帳から紙を破り、切り取ると、その紙切れを持って立ち上がった。
「校長、ちょっと行ってきます。」
高山は、佐藤にそう告げ、前に歩いていった。
「高山先生…」
人をかき分け、なんとかベンチの近くまでたどり着いた高山は、部長の山口を捕まえ、さっき何かを書いていたメモを手渡した。
山口は、二度三度頷き、高山と言葉を交わしていた。
(一体何の…)
佐藤は、首を傾げながら、不安そうにその様子を見つめるのだった。
佐藤は、思わず、声を出してしまった。
この日、初めて、まどかのスパイクが紅陽のブロックに止められてしまったからだった。
「高山先生、止められちゃいましたよ。
マズイんじゃないですか、コレ。
しかも、相手の古川さんは段々良くなってきている。
ウチとは全く対照的じゃないですか。」
佐藤の問いかけに、高山は何も答えず、腕組みをして、まどかの一挙手一投足をじっと見つめるだけだった。
「ちょっと、聞いていますか?
高山先生」
無反応の高山に、佐藤は少しイラッとした口調で言った。
「…
校長…」
「はい?
どうかしましたか?」
「木本監督とすぐにコンタクトを取れませんか。」
「木本監督と?
バカな…
今、試合中ですよ。
無理に決まってます。」
佐藤がそう言うと、高山は持っていた鞄から、手帳とペンを取り出し、何やら書き出した。
「何を書いてるんですか?」
「…」
高山は無視して、しばらく書き続けていたが、終わったのか、懐にそのペンを仕舞い込んだ。
そして、手帳から紙を破り、切り取ると、その紙切れを持って立ち上がった。
「校長、ちょっと行ってきます。」
高山は、佐藤にそう告げ、前に歩いていった。
「高山先生…」
人をかき分け、なんとかベンチの近くまでたどり着いた高山は、部長の山口を捕まえ、さっき何かを書いていたメモを手渡した。
山口は、二度三度頷き、高山と言葉を交わしていた。
(一体何の…)
佐藤は、首を傾げながら、不安そうにその様子を見つめるのだった。
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる