【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ

文字の大きさ
39 / 76

高熱の原因とギルマス

しおりを挟む
 私はダンに横抱きにされて、イーベルの宿屋へと入った。

 真っ先に来たのはゼクスだった。

「ミオ! 顔色が悪いけど、何があったんだよ」

「話はミオを部屋へ運んでからだ」

 ゼクスはダンが、いつもの顔ではない事くらい分かっていた、だから皆も何も言わなかった。

 ミオを寝かし、降りて来たダンは今日あった事を話した。

「俺も昨日ミオと行ったから分かる、アイツまた無理したんだろ?」

 ゼクスは辛そうな顔をしていた。

「ジースアンが危険だ! と言ってミオはスピードを上昇して着いたは良いが、ジースアンの入り口付近で【ミノタウロス】が出現していた」

「なっ! まさかミオは戦ったのか?」

 ゼクスは驚いてダンとバズに聞いた。

 バズは頷き、ダンの代わりに話をした。

「俺達は退却しようと言ったんだが、最後まで諦めずに戦った。
 だがな、ミオは終始ずっと震えていたんだよ」

 ミノタウロスの話を聞いたルシアが心配するかのように言った。

「ギルマスに即知らせて! ううん、私が手紙を飛ばすわ!!
 ねぇ、ミノタウロスはミオの事を睨んでたんじゃないの?
 私ミオの側にいるわ」

「私もミオの側に行く」

 ルシアとアリアは頷き合って、先にアリアを行かせルシアはサラサラと手紙を書き、魔法で飛ばした。

「ギルマスだったら今日の夜中か早朝には来るでしょ、だから皆は対応してね」

 ルシアは手をヒラヒラとさせて、2階へと行った。

 夜中になった頃、私は【ミノタウロス】が口から赤黒い血泡を出しながら、こちらに向かって来る怖い夢にうなされていた。

 早朝、私は息が荒くなり目を覚ます事が出来なくて「れお……兄……ちゃん、助け……て」とうわ言のように言っている。

「れお……助け……れお兄……ちゃん」

 ルシアは私の額の汗を拭ってくれ、アリアは着替えを持って来てくれた。

「ルシアさん、ミオが言ってる『レオ』って好きな人の名前だよね?
 そのレオって人がこの世界にいるなら、あの人なのかなぁ?
 神によって転生したと言われているSSランクである英雄、3日間でこの世界のスタンピードを鎮めた人達だよね?」

「ルシアさん、ミオ凄い熱!
 誰か薬湯か解熱薬を持ってないか聞いた方が良いんじゃ?」

 ルシアは2階から下に居る皆に叫んだ!

「ミオの熱が高いの、誰か薬湯か解熱薬を持ってない?」

 真っ先に来たのは【ギルマス】だった。

「美音! 美音、大丈夫か?
 玲央はここにいるぞ!
 美音、もう大丈夫だからな、地球には魔物なんかいなかったもんな。
 美音、良く頑張ったな!」

 皆はギルマスの言葉に納得した、この世界のスタンピードを鎮めてくれたのは、神によって異世界から転生させられた『SSランクの英雄』であるギルマスを含めた、父親と母親だ。

 この世界の者なら子供でも知っている英雄譚だ!

「玲央、怖い…………助けて……私を1人に…………しないで……」

「美音、俺の大切な美音!
 俺はもう消えたりしない!」

 コンコンコンッ!

「薬湯です。
 こんな物しかなくて申し訳ない」

 イーベルの町長のスタンさんが持って来てくれた。

「町長様、ありがとうございます」

 アリアは町長さんにお礼を言ってから、ルシアに薬湯を渡した。

 ルシアはミオにスプーンで飲ませようとしたが、口を開けてくれないので薬湯が零れていく。

 ギルマスはルシアから薬湯を取り、自分の口に入れミオの口に直接流し入れた。

「おい!
 ミオに何してんだよ!!」

 ゼクスは怒鳴ったが、ダンはゼクスの背中をポンポンと叩いた。

「ゼクス落ち着け。
 ギルマスとミオは結婚の約束をした仲で今は緊急時だ」

 ゼクスは「分かってる!」と言って、そっぽを向いている。

 お昼前には熱も下がり、ボーーッとした頭で周りを見ると、イーベルの宿屋だ。

 昨日の事、覚えてないや。



************ ミオが目を覚ます前の話 ************

「美音には俺の事を黙っててくれ。
 今はまだ話をしても混乱するだけだと思うんだ」

 ゼクスが真っ先にギルマスの言葉に納得がいかなくて聞いた。

「何で隠す必要があるんだ。
 全部話してやれば安心するんじゃないのか?」

「ミオは安心するだろうな、だが、ミオの能力を国王が勘付いたらどうなる?
 隠密が優秀な者が来たら、終わりだが?
 今でさえ領主がアビーネスでミオを追いかけ回してるんだ、これが国王になったら確実に囚われる。
 クソ国王の娘が俺の周りをうろついてるのもあるからな、俺の両親に知らせてからだ」

 そこまで考えてなかったゼクスは一言「分かった」国王の横暴っぷりは知っていたし、ギルマスの両親も国王に捕まってるようなものだから納得した。

「神によって、異世界から来た者は『ブラウンの髪、淡いパープルの瞳』なんだ。
 この世界では生まれないとされている色だから、まだ国王にはミオの存在を知られたくないんだ」

 皆は納得してくれて、その時が来るまで秘密にしてくれると言ってくれた。





 

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について

みん
恋愛
【モブ】シリーズ①(本編) 異世界を救うために聖女として、3人の女性が召喚された。しかし、召喚された先に4人の女性が顕れた。そう、私はその召喚に巻き込まれたのだ。巻き込まれなので、特に何かを持っていると言う事は無く…と思っていたが、この世界ではレアな魔法使いらしい。でも、日本に還りたいから秘密にしておく。ただただ、目立ちたくないのでひっそりと過ごす事を心掛けていた。 それなのに、周りはおまけのくせにと悪意を向けてくる。それでも、聖女3人のお姉さん達が私を可愛がって守ってくれるお陰でやり過ごす事ができました。 そして、3年後、聖女の仕事が終わり、皆で日本に還れる事に。いざ、魔法陣展開で日本へ!となったところで…!? R4.6.5 なろうでの投稿を始めました。

モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん
恋愛
【モブ】シリーズ② “巻き込まれ召喚のモブの私だけ還れなかった件について”の続編になります。 5年程前、3人の聖女召喚に巻き込まれて異世界へやって来たハル。その3年後、3人の聖女達は元の世界(日本)に還ったけど、ハルだけ還れずそのまま異世界で暮らす事に。 それから色々あった2年。規格外なチートな魔法使いのハルは、一度は日本に還ったけど、自分の意思で再び、聖女の1人─ミヤ─と一緒に異世界へと戻って来た。そんな2人と異世界の人達との物語です。 なろうさんでも投稿していますが、なろうさんでは閑話は省いて投稿しています。

召喚先は、誰も居ない森でした

みん
恋愛
事故に巻き込まれて行方不明になった母を探す茉白。そんな茉白を側で支えてくれていた留学生のフィンもまた、居なくなってしまい、寂しいながらも毎日を過ごしていた。そんなある日、バイト帰りに名前を呼ばれたかと思った次の瞬間、眩しい程の光に包まれて── 次に目を開けた時、茉白は森の中に居た。そして、そこには誰も居らず── その先で、茉白が見たモノは── 最初はシリアス展開が続きます。 ❋他視点のお話もあります ❋独自設定有り ❋気を付けてはいますが、誤字脱字があると思います。気付いた時に訂正していきます。

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

二度目の召喚なんて、聞いてません!

みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。 その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。 それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」 ❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。 ❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。 ❋他視点の話があります。

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

初恋の還る路

みん
恋愛
女神によって異世界から2人の男女が召喚された。それによって、魔導師ミューの置き忘れた時間が動き出した。 初めて投稿します。メンタルが木綿豆腐以下なので、暖かい気持ちで読んでもらえるとうれしいです。 毎日更新できるように頑張ります。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

処理中です...