【完結】番である私の旦那様

いきなりの婚約破棄！ そして、またお前かよ！

「お前との婚約を破棄にする！」

　はああぁぁぁっっ？
　このアホな侯爵子息は何言ってんの？
　ってか、またルリナ絡み？
　公爵剥奪されてディロール国から追放されて平民落ちになったはずなのに、なんで貴族が集まる夜会に参加しているのよ！
　もう付きまとわれたくないし、良い加減にしてほしいわ。

　オールは今日の政務が多忙の為、夜会への参加が出来なかった。
　ソフィーリアの国王と執事・宰相である王妃様の甥っ子、ユアンとジンも政務に追われており、騎士のジョニーに付き添ってもらい、ランとメメルが護衛として側にいる。
　私の周りにはポイズン公爵・パーロニー侯爵・イーリス侯爵・ソフィーリアの王族の皆様がいてくれるだけで心強い。

　ディロールの学園とソフィーリアの学園を一貫教育にしたのもあって、私をイジメる輩は少数にはなったが、でも何故かルリナがここに居るのよ！
　公爵家から追放されて、今は平民になってるはずでしょ？

    するとルリナが私に口を開いた。

「私はね、あのボンクラ王子を泣く泣く振ったんだから！　彼は『ルーガ・ドーガン様』侯爵家の嫡男なのよ、挨拶くらいしたらどうなの？
　礼儀も知らないクズな平民が！！」

　はあぁっ！　平民はお前だろうが！！


　なんでこうなってるかって？
　それはね………。

　ミーストの神であるシオンに、獣人族が住まうソフィーリア大陸の黒竜族の王であるルーヴェン・ブラック・オニキスからの希望で、息子であるオパールの『番』を探していた時にシオンと意識を繋いでるのもあり、オパール自らが『番』の気配を感じ取り、そこが【異世界の地球】だと判った。

　オパールはソフィーリア大陸の王族の中で唯一1人だけの皇太子殿下で王族にいる子は王女である姉と妹しか居ないのだ。
　オパールの父は病で一生子が作れないない体になってしまった為だった。
    陛下に治癒をしたが手遅れだった、命が助かった事にソフィーリアの民達は安堵していた。

　王族の男性に流れてる血（黒竜族の血筋）にしか世界最強の（ミーストを支える）子供が出来ないという事と黒竜族の血筋にしか触れられない封印の間がある。
　そこへは定期的に膨大な魔力を注がないと魔王の封印が解けてしまうからオパールの番が必要だった。

　シオンは優愛をこちらの世界へ渡る道として、優愛の部屋とこちらの世界を繋ぎ。
　私が部屋のドアを開けて入ったら、神の空間にいた。
　いわゆる異世界転移だ。

　私はこの世界へと呼ばれた。