【完結】番である私の旦那様

桜もふ

文字の大きさ
58 / 96

ジーナ様との談笑

しおりを挟む
 ジーナ様にレイン様とハーティー様の事をお伝えしないと。


「「「ごきげんよう」」」
「レイン様、ハーティー様、お話が上手く行くよう祈っていますわ」
「ユア様、ありがとうございます。
 明日良い報告が出来るよう話し合いを頑張りますわ」
「わたくしも頑張って話し合いをしますわ。
 きっと上手くいきますわ、以前お父様が婚約破棄の話をしてましたし」
「レイン様もですの?
 わたくしの両親とお兄様も婚約破棄の話をしてましたのよ。
 きっと大丈夫ですわ」

 私達は笑顔で馬車に乗った。
 レイン様とハーティー様は帰路へつき、私はジーナ様の御屋敷へと向かった。
 オールとジンは政務が忙しく、私の頬にキスをしたあと名残惜しそうな顔をしたオールはジンと一緒に帰って行った。


「ユア様でしょか?」
「はい。あと、サンお父様からお預かりしたお手紙とこちらは皆様へとおっしゃっておりましたので、お受け取り下さい」
「まあ、御丁寧にありがとうございます。
 さあ、こちらです」

 淡い水色の髪に水色の瞳の凄く可愛い女の子だ、両サイドで髪を三つ編みで結われている。
 家族総出ですか!
 家族どころか、イーリス子爵家総出って言った方が正しいわね。
 初めは挨拶をして謝罪をしなくては!

 イーリス子爵家の皆様にカーテシーをし挨拶をした。

「イーリス子爵家の皆様、お初にお目にかかります。
 わたくしはユア・バールナでございます。
 本日はジーナ様と面談がしたく伺わせていただきました」

 イーリス子爵家の皆様の様子を伺いながら挨拶をしたが、皆様は終始ずっと笑顔で挨拶を聞いてくれていた。

「ユア様、姿勢を崩して下さい」

 私は姿勢をゆっくりと崩した後、イーリス子爵家の皆様も自己紹介をしてくれた。

「私はイゾルテ・イーリスです。
 ジーナに会いに来てくれてありがとう」
「わたくしはサマンサ・イーリスですわ。
 ジーナに会いに来てくれて嬉しいわ、いつでも来て下さいね」
「私はジャック・イーリスです。
 ジーナと仲良くしてくれると嬉しいです」
「私はギル・イーリスです。
 ジーナは気弱で自分から話せない妹だが仲良くしてくれると嬉しいです」

 私はイーリス子爵家の皆様に微笑み、ジーナ様を見て言った。

「わたくしの方こそ仲良くしてもらえると嬉しいですわ」

 私は背筋を伸ばして会釈した後、深々と頭を下げ謝罪をした。
 
「イーリス子爵家の皆様、ジーナ様、わたくしの妹がした不祥事、誠に申し訳ありません。
 許されない事は分かっております……」
「ユア様、貴女様やバールナ公爵家の皆様が悪い訳では無いのですよ。
 これはルリナ様が行った事、本来ならバールナ公爵家が我々に償うのが道理だが、その償い以上の事をバールナ公爵様はして下さいました。
 我々はもう怒っていないのです、公爵様にお伝えしてもらえると助かります。
 あとは、ジーナと楽しく過ごして下さい」

 顔を上げると、イーリス子爵家の皆様は笑顔で私を見ていた。
 ジーナ様と一緒にテラスでお茶を飲みながら談笑をしている。

「えっ、レイン様とハーティー様がわたくしとお話がしたいと申してましたの?
 凄く嬉しいですわ!
 ユア様、わたくしもレイン様とハーティー様と『お話がしたいです』とお伝えして下さい」
「ええ、分かりましたわ。
 わたくしの従魔である『フェンリル』もお連れしても宜しいでしょうか?
 今は小さくなってもらっていて、子犬のような姿なんです」
「まあ、お会いしたいですわ!
 わたくし動物が大好きなんですの。
 会えるのが楽しみですわ!」

 隣を見ると、ジーナ様のお兄様方が興味津々の様子でこちらを見ている。

「ジーナが笑ってるぞ!」
「あんなに笑顔になったのは何年振りだ?
 これで婚約破棄してジーナを愛してくれる男性が現れたら万々歳なんだけどな」

 ジーナ様のところでも婚約破棄の話が出ているんだ。
 獣人の番の事を言ってみようかな?
 獣人の愛は永遠だから絶対に幸せになれる事間違いなしだよ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】身を引いたつもりが逆効果でした

風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。 一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。 平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません! というか、婚約者にされそうです!

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。

海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。 アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。 しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。 「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」 聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。 ※本編は全7話で完結します。 ※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない

百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。 幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。 ※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。

前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!

ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。 前世では犬の獣人だった私。 私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。 そんな時、とある出来事で命を落とした私。 彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。

処理中です...