【完結】番である私の旦那様

ソフィーリア

　フェンがユアの部屋へ入った時にランが真っ先に気付き、ベッドへと寝かせた。
　王族が走るのは駄目な事だが、緊急事態だったので皆様は見て見ぬふりだ。
　皆様肩で息をしながらユアに近付いた、顔色が悪く唇は紫色に近い色をしている。王様は震える手でユアの頬を触ると冷たかった。
「ショーン！　ショーンを呼べ、今すぐだ！
　ユアが死んでしまう！！」
『っっっ！！』
「はい、只今！」
「「「ユアッ！」」」

　ショーンは直ぐに来て「癒せ、ハイヒール！！」治癒をしてくれた、白い光が身体に包み込まれたあと唇の色と頬の温もりは元に戻った時にオールとジンは部屋へと入って来た。
　オールとジンも肩から息をしながら「ユアは……」「ユア様は……」聞きながら言葉を待った。

「ショーンが治癒でなんとか助かった。が、あと一歩遅ければ亡くなっていた！
　何があったんだ……ジン聞かせてくれ」

　ユアンはジンに尋ねた。
　ジンは学園へ手続きするのに本人であるユアの署名も必要だった為、ポイズン侯爵家・パーロニー伯爵家・イーリス子爵家の皆様で手続きを無事に済ませ学園を出た中庭で起こった事を全て話した。
　倒れた場所に刃物らしき物、まるで計画されたような出来事に皆の顔は曇っている。
　2人ずつ交代でユアの看病を王妃と皇女様方にオールは順番を決めていた。

「私はディロールへ騎士とドラゴンを連れて行きます。
　兄上、あとは宜しくお願いします」
「ああ、ジンは早く番の元へ行ってやれ。
　ジン、ユア様を守ってくれてありがとう。
　大変だったろう、帰ったらゆっくり休め」
「兄上……ありがとう。
　行ってきます」
「ああ」

　ユアンとジンは礼儀正しく敬礼をしたあと、微笑み合った。


　ディロールからソフィーリアへとドラゴンで移動したが、皆様は怖がるどころか大喜び。
　男性は興味津々で、リー様とアル様が真っ先にドラゴンに近付き撫でていたのにはジン達は驚いていた。

「皆様、ようこそソフィーリアへ。
　王が待っておりますので、謁見の間へどうぞ」
「ユアン・オルフォード公爵様、初めまして。
　わたくしはジーナ・イーリスです。
　宜しくお願い致します」

　ジーナ様は綺麗なカーテシーをした。
　ユアンは心から微笑み。

「私の弟を宜しくお願いします。
　可愛い義妹のジーナ嬢」
「は、はい」

　謁見の間へ入り、女性はカーテシーをし男性は敬礼をし挨拶をした。

「私はサンリード・バールナです。
　宜しくお願い致します」
「わたくしはレインズ・バールナです。
　宜しくお願い致します」
「私はホーリー・バールナです。
　宜しくお願い致します」

「私はロバート・ポイズンです。
　宜しくお願い致します」
「わたくしはドリス・ポイズンです。
　宜しくお願い致します」
「わたくしはレイン・ポイズンです。
　宜しくお願い致します」
「私はアル・ポイズンです。
　宜しくお願い致します」

「私はポール・パーロニーです。
　宜しくお願い致します」
「わたくしはナタリー・パーロニーです。
　宜しくお願い致します」
「私はロイ・パーロニーです。
　宜しくお願い致します」
「わたくしはハーティー・パーロニーです。
　宜しくお願い致します」

「私はイゾルテ・イーリスです。
　宜しくお願い致します」
「わたくしはサマンサ・イーリスです。
　宜しくお願い致します」
「私はジャック・イーリスです。
　宜しくお願い致します」
「私はギル・イーリスです。
　宜しくお願い致します」
「わたくしはジーナ・イーリスです。
　宜しくお願い致します」

　王様は満面な笑顔で皆様を見た。

「姿勢を崩してくれ」

　姿勢を崩した後、王族の皆様が前に出て挨拶をした。

「私はルーヴァン・ブラック・オニキス、このソフィーリアの王であり皆の家族だ。
　民はみんな家族と思っている、宜しくお願いします」
「わたくしはメーリア・ブラック・オニキスです。
　ジーナ様、わたくしの甥っ子の番になって下さりありがとうございます。
　バールナ公爵家の皆様・ポイズン公爵家の皆様・パーロニー侯爵家の皆様・イーリス侯爵家の皆様、宜しくお願い致します」
「わたくしはリアローズ・ブラック・オニキスです。
　皆様、仲良くしてくださいね」
「私はオパール・ブラック・オニキスです。
　バールナ公爵・ポイズン公爵・パーロニー侯爵・イーリス侯爵、私達は家族だ。
　宜しくお願い致します」
「わたくしはリリーティア・ブラック・オニキスです。
　わたくしとも仲良くして下さいね」
「ドラゴンに乗って疲れたであろう、ゆるりと休んでくれ。
　別棟は好きなところを使ってくれて良いぞ」
「「「ありがとうございます」」」
「王族の皆様、この度は誠に申し訳ありません……」
「バールナ公爵、自分を責めなてやるな。
　あれは公爵ではないのだから、謝罪は良いんだよ。
　あなた方の……オーラは綺麗だ。
　メイド達に案内させる、何でも言ってくれて構わない」

　退出する時も女性はカーテシー、男性は敬礼をし「うむ」との一言を聞いてから姿勢を崩し別棟へと向かった。