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第22話「班分け」
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港街ヘケケラ 食事処『竜の腰掛け』――
商人に紹介された店は、かなり大きな店で五十人は入れそうなレストランだった。壁は石造だが床はフローリングになっており雰囲気も悪くない。ゾロゾロと店に入っていくと店員に驚かれたが、今は団体席に通されていた。
辺りを見回すと客の殆どがリザードマンで、まばらに人族や他の獣人族が混じっている感じだった。シャルルのような若い人族の女性は珍しいのか、客の何人かはチラチラと横目で視線を送ってきている。見られることに慣れているシャルルは特に気にしていないようだ。
しかし、席に着いて注文する段階で一つ問題が起きた。会話に関しては国際共通語が通じていたので気にしてなかったが、メニューに書かれていた文字はスルティア諸島で使われている象形文字で書かれていた為、シャルルたちはまったく読めなかったのだ。
仕方がないので給仕を呼んで、オススメを注文すると共に少し話を聞くことにした。呼ばれて来たのは青鱗のカーマン族の女性だった。女性と判断したのはフリルの付いたエプロンドレスを着ていたからで、性別は正直わからない。
「えっ、炎の神殿ですか?」
「うん、このスルティア諸島にあるって聞いたんだけど知らないかな?」
「う~ん、聞いたことないですねぇ。でも炎だって言うなら、赤鱗たちなら知ってるかもしれませんよ。あっ、すみません! 呼ばれちゃいました」
奥から声が聞こえ給仕は、そそくさと走り去ってしまった。丁度昼時なこともあり、あまりゆっくりと話している時間はないようだ。シャルルが困った様子で辺りを見回していると、隣に座っていたカイルが何かを思い出したようだった。
「あっ! そう言えば先生がサラマンデル族が火、カーマン族が水、レオ族が土属性だって言ってましたよ」
「なるほど、つまり部族ごとに属性が違うんだね。マギとの魔法の授業で習ったの? 練習は順調?」
「う……実はあんまり」
カイルは航海中の暇な時に、マギから魔法の授業を受けていた。彼は水属性なのが判明しているが魔力が多いわけではないため、魔法の発動すらあまり上手く行ってないのが実情だった。
それでもカイルに足りなかった様々な知識を教えて貰えるので、楽しんでマギやヴァル爺から話を聞いているようである。
「まぁ頑張って! 今度、わたしも戦い方とか教えてあげるから」
「えぇ!? 船長さんの動きは僕には無理ですよ~」
シャルルの常人離れした動きを思い出しながら、カイルは慌てて首を横に振った。それを聞いていたハンサムが豪快に笑い出す。
「はっははは、まぁ姫さんの動きは無理だよなぁ。戦い方なら俺が今度教えてやんぜ」
「ちょっと、ハンサム!? この子はわたしのだからね!」
「別に誰のもんでもねぇだろ」
カイルを渡さないように抱き締めながら抗議するシャルルに、ハンサムはまるで相手にしていない感じで鼻で笑う。そんなやり取りをしていると、給仕が料理を次々と運んできた。
大きなお皿には、チキンのソテーに輪切りになった芋や豆を添えた物、茹でた甲殻類、焼いた魚に何かが掛かった物、果物がふんだんに入ったサラダなどである。飲み物として何かの果汁を搾った飲み物が、人数分用意されている。
「わぁ美味しそうですねっ!」
「うん、何かこう……奇妙な物が出てこなくて良かったわ」
文字が読めなかったこともあり、虫などが出て来たらどうしようかと少し心配していたシャルルも、目の前の美味しそうな料理には一安心である。それどころかオリーブオイルと、香ばしい匂いに食欲が掻き立てられていた。
「よし、まずは食べちゃおう! 情報収集は食べた後にしよう!」
「にゃ~!」
シャルルの言葉に反応して全員が食べ始めた。シャルルはチキンのソテーを頬張る。程よい弾力と噛めば噛むほど染み込んだ肉汁が溢れ出し、その美味しさに彼女は自然と笑顔になっていく。ハンサムは甲殻類を殻ごとバリバリと食べ始めカイルを驚かせ、黒猫たちは焼いた魚とチキンのソテーを争うように食べてご機嫌な様子だ。
「なに、これ? 芋なのに甘い!」
フォークで輪切りになった芋を口に運んだシャルルが思わず声を上げる。彼女が今まで食べてきた芋と言えばじゃがいもで、このように甘い芋は初めて食べたのだ。カイルも同様に食べてみて、味を確かめると大きく頷いた。
「これはクマラって言う蜜芋の一種ですね、前に食べたことがあります」
「へぇ、この辺りの特産品かな? あとで店員に聞いてみよ」
さっそくクマラを仕入れリストに追加すると共に、一先ずその後も昼食を楽しむことにしたのだった。
◇◇◆◇◇
昼食を終えた一行は、一度ホワイトラビット号に戻ることにした。諸手続きをしてくれていたヴァル爺たちと合流するためだ。主要メンバーは甲板上で円になって座っており、黒猫たちは積荷を降ろす準備を進めていた。
シャルルが集めてきた情報を聞いてヴァル爺が小さく頷く。
「なるほど、火のサラマンデル族と『炎の神殿』ですか」
「だから、まずサラマンデル族に会いに行こうかなって」
「サラマンデル族の縄張りは確か西側でしたな、船で移動しますか?」
「本島と小島の間は干潮時は歩いて行けるみたいだよ。そんな感じだから船じゃちょっと無理でしょ? だから歩いて向かおうと思ってる」
ホワイトラビット号は比較的小さな船で喫水もそこまで深くないが、干潮時に水がなくなるような水深ではとても動かすことはできない。無理に向かえば即座に座礁してしまうからだ。
「ふむ、では分担はどうしますか?」
「う~ん、そうだな~」
シャルルは少し考え込む、彼女たちがこの島に来たのにはいくつか目的がある。『炎の神殿』に関わる伝承を調べることもそうだが、持ち込んだ交易品を売り捌くことや、アイナから頼まれた鱗などを仕入れることなどだ。それに船を守る見張りも必要である。
「よし、それじゃこうしよう」
シャルルはそのまま班分けを伝えていく。ハンサムとヴァル爺、そして黒猫たちの大部分は交易品の販売と鱗などの仕入れ。黒猫の中でも当直の者は船番。シャルルとカイル、マギの三人と黒猫四匹はサラマンデル族との交渉役となった。
その班分けを聞いたハンサムは、少し小馬鹿にした様子で尋ねる。
「お前らだけで大丈夫か?」
「ふふふ、お土産はトカゲの丸焼きでいいかしら?」
マギは余裕たっぷりに答えるが、ハンサムは額に皺を寄せて苦笑いを浮かべる。マギがシャルルの班に選ばれたのは別に護衛のためではない。もし『炎の神殿』を発見した場合、古語が読める彼女の知識が必要になるからである。
「香辛料とか蜂蜜は交渉でも使えそうだから、一部持って行くね」
「そいつは構いませんが、その子は邪魔になりませんかな?」
ヴァル爺は不安そうにカイルを見つめる。他のメンバーと違いカイルには戦闘技術がない。サラマンデル族が友好的とは限らず、万が一襲われた場合は足手まといにしかならないのだ。
「大丈夫、わたしが守ってあげるからっ!」
「ふむ……十分に気をつけてくだされ」
「ヴァル爺たちもしっかりね。これ追加で欲しいものリストだから」
ヘケケラの町や竜の腰掛けで集めた情報から、クマラなど新たに欲しい物を書いたリストをヴァル爺に手渡す。それを受け取ったヴァル爺はチラリと目を通して頷いたが、その表情は心配の色が色濃く残っていた。
それほどシャルルたちの班には問題が多かったのだ。何かと甘い上に暴走がちなシャルル、それを止めもせずに煽るマギ、非戦闘員のカイルである。しかもハンサムとヴァル爺というストッパーが不在の状態なのだ、これでは心配するなと言うのは無理があった。
ヴァル爺は難しい顔をしながら、最後の希望を託すと言わんばかりにカイルの肩を叩く。
「お主、しっかり頼むぞ?」
「は、はいっ! 頑張りますっ!」
ヴァル爺からはシャルルたちの暴走を止める足枷になるのを期待されているのだが、彼女の足手まといにならないように忠告されたと勘違いしたカイルは元気良く返事する。
「よーし、それじゃ準備するよ!」
立ち上がったシャルルが拳を突きあげると、全員が一斉に立ちあがった。こうして様々な心配の中、それぞれの班に別れて行動を開始することになったのである。
商人に紹介された店は、かなり大きな店で五十人は入れそうなレストランだった。壁は石造だが床はフローリングになっており雰囲気も悪くない。ゾロゾロと店に入っていくと店員に驚かれたが、今は団体席に通されていた。
辺りを見回すと客の殆どがリザードマンで、まばらに人族や他の獣人族が混じっている感じだった。シャルルのような若い人族の女性は珍しいのか、客の何人かはチラチラと横目で視線を送ってきている。見られることに慣れているシャルルは特に気にしていないようだ。
しかし、席に着いて注文する段階で一つ問題が起きた。会話に関しては国際共通語が通じていたので気にしてなかったが、メニューに書かれていた文字はスルティア諸島で使われている象形文字で書かれていた為、シャルルたちはまったく読めなかったのだ。
仕方がないので給仕を呼んで、オススメを注文すると共に少し話を聞くことにした。呼ばれて来たのは青鱗のカーマン族の女性だった。女性と判断したのはフリルの付いたエプロンドレスを着ていたからで、性別は正直わからない。
「えっ、炎の神殿ですか?」
「うん、このスルティア諸島にあるって聞いたんだけど知らないかな?」
「う~ん、聞いたことないですねぇ。でも炎だって言うなら、赤鱗たちなら知ってるかもしれませんよ。あっ、すみません! 呼ばれちゃいました」
奥から声が聞こえ給仕は、そそくさと走り去ってしまった。丁度昼時なこともあり、あまりゆっくりと話している時間はないようだ。シャルルが困った様子で辺りを見回していると、隣に座っていたカイルが何かを思い出したようだった。
「あっ! そう言えば先生がサラマンデル族が火、カーマン族が水、レオ族が土属性だって言ってましたよ」
「なるほど、つまり部族ごとに属性が違うんだね。マギとの魔法の授業で習ったの? 練習は順調?」
「う……実はあんまり」
カイルは航海中の暇な時に、マギから魔法の授業を受けていた。彼は水属性なのが判明しているが魔力が多いわけではないため、魔法の発動すらあまり上手く行ってないのが実情だった。
それでもカイルに足りなかった様々な知識を教えて貰えるので、楽しんでマギやヴァル爺から話を聞いているようである。
「まぁ頑張って! 今度、わたしも戦い方とか教えてあげるから」
「えぇ!? 船長さんの動きは僕には無理ですよ~」
シャルルの常人離れした動きを思い出しながら、カイルは慌てて首を横に振った。それを聞いていたハンサムが豪快に笑い出す。
「はっははは、まぁ姫さんの動きは無理だよなぁ。戦い方なら俺が今度教えてやんぜ」
「ちょっと、ハンサム!? この子はわたしのだからね!」
「別に誰のもんでもねぇだろ」
カイルを渡さないように抱き締めながら抗議するシャルルに、ハンサムはまるで相手にしていない感じで鼻で笑う。そんなやり取りをしていると、給仕が料理を次々と運んできた。
大きなお皿には、チキンのソテーに輪切りになった芋や豆を添えた物、茹でた甲殻類、焼いた魚に何かが掛かった物、果物がふんだんに入ったサラダなどである。飲み物として何かの果汁を搾った飲み物が、人数分用意されている。
「わぁ美味しそうですねっ!」
「うん、何かこう……奇妙な物が出てこなくて良かったわ」
文字が読めなかったこともあり、虫などが出て来たらどうしようかと少し心配していたシャルルも、目の前の美味しそうな料理には一安心である。それどころかオリーブオイルと、香ばしい匂いに食欲が掻き立てられていた。
「よし、まずは食べちゃおう! 情報収集は食べた後にしよう!」
「にゃ~!」
シャルルの言葉に反応して全員が食べ始めた。シャルルはチキンのソテーを頬張る。程よい弾力と噛めば噛むほど染み込んだ肉汁が溢れ出し、その美味しさに彼女は自然と笑顔になっていく。ハンサムは甲殻類を殻ごとバリバリと食べ始めカイルを驚かせ、黒猫たちは焼いた魚とチキンのソテーを争うように食べてご機嫌な様子だ。
「なに、これ? 芋なのに甘い!」
フォークで輪切りになった芋を口に運んだシャルルが思わず声を上げる。彼女が今まで食べてきた芋と言えばじゃがいもで、このように甘い芋は初めて食べたのだ。カイルも同様に食べてみて、味を確かめると大きく頷いた。
「これはクマラって言う蜜芋の一種ですね、前に食べたことがあります」
「へぇ、この辺りの特産品かな? あとで店員に聞いてみよ」
さっそくクマラを仕入れリストに追加すると共に、一先ずその後も昼食を楽しむことにしたのだった。
◇◇◆◇◇
昼食を終えた一行は、一度ホワイトラビット号に戻ることにした。諸手続きをしてくれていたヴァル爺たちと合流するためだ。主要メンバーは甲板上で円になって座っており、黒猫たちは積荷を降ろす準備を進めていた。
シャルルが集めてきた情報を聞いてヴァル爺が小さく頷く。
「なるほど、火のサラマンデル族と『炎の神殿』ですか」
「だから、まずサラマンデル族に会いに行こうかなって」
「サラマンデル族の縄張りは確か西側でしたな、船で移動しますか?」
「本島と小島の間は干潮時は歩いて行けるみたいだよ。そんな感じだから船じゃちょっと無理でしょ? だから歩いて向かおうと思ってる」
ホワイトラビット号は比較的小さな船で喫水もそこまで深くないが、干潮時に水がなくなるような水深ではとても動かすことはできない。無理に向かえば即座に座礁してしまうからだ。
「ふむ、では分担はどうしますか?」
「う~ん、そうだな~」
シャルルは少し考え込む、彼女たちがこの島に来たのにはいくつか目的がある。『炎の神殿』に関わる伝承を調べることもそうだが、持ち込んだ交易品を売り捌くことや、アイナから頼まれた鱗などを仕入れることなどだ。それに船を守る見張りも必要である。
「よし、それじゃこうしよう」
シャルルはそのまま班分けを伝えていく。ハンサムとヴァル爺、そして黒猫たちの大部分は交易品の販売と鱗などの仕入れ。黒猫の中でも当直の者は船番。シャルルとカイル、マギの三人と黒猫四匹はサラマンデル族との交渉役となった。
その班分けを聞いたハンサムは、少し小馬鹿にした様子で尋ねる。
「お前らだけで大丈夫か?」
「ふふふ、お土産はトカゲの丸焼きでいいかしら?」
マギは余裕たっぷりに答えるが、ハンサムは額に皺を寄せて苦笑いを浮かべる。マギがシャルルの班に選ばれたのは別に護衛のためではない。もし『炎の神殿』を発見した場合、古語が読める彼女の知識が必要になるからである。
「香辛料とか蜂蜜は交渉でも使えそうだから、一部持って行くね」
「そいつは構いませんが、その子は邪魔になりませんかな?」
ヴァル爺は不安そうにカイルを見つめる。他のメンバーと違いカイルには戦闘技術がない。サラマンデル族が友好的とは限らず、万が一襲われた場合は足手まといにしかならないのだ。
「大丈夫、わたしが守ってあげるからっ!」
「ふむ……十分に気をつけてくだされ」
「ヴァル爺たちもしっかりね。これ追加で欲しいものリストだから」
ヘケケラの町や竜の腰掛けで集めた情報から、クマラなど新たに欲しい物を書いたリストをヴァル爺に手渡す。それを受け取ったヴァル爺はチラリと目を通して頷いたが、その表情は心配の色が色濃く残っていた。
それほどシャルルたちの班には問題が多かったのだ。何かと甘い上に暴走がちなシャルル、それを止めもせずに煽るマギ、非戦闘員のカイルである。しかもハンサムとヴァル爺というストッパーが不在の状態なのだ、これでは心配するなと言うのは無理があった。
ヴァル爺は難しい顔をしながら、最後の希望を託すと言わんばかりにカイルの肩を叩く。
「お主、しっかり頼むぞ?」
「は、はいっ! 頑張りますっ!」
ヴァル爺からはシャルルたちの暴走を止める足枷になるのを期待されているのだが、彼女の足手まといにならないように忠告されたと勘違いしたカイルは元気良く返事する。
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