目が覚めたら奇妙な同居生活が始まりました。気にしたら負けなのでこのまま生きます。

kei

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良く分かりません。

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 「では魔力操作の前に、自分の体内の魔力を感じることから始めましょうか」

 神官のレクチャー開始だ。もうワクワクが止まらない! 期待と興奮でそわそわと身体が左右に揺れる。

 「では、身体に流れる魔力ですが、これには適切な量があります。多すぎても少なすぎても体調に変調をきたすので魔力を感じる事が出来てから魔力操作を訓練します。幼いうちは大人の補助が必要です。決して安定するまでは勝手に一人で訓練しないで下さい」

 ‥‥わぉ、説明と注意を貰っちゃった。わかったから早く! 早く!

 『マテ!』をさせられた犬の気持ちがわかったよ。

 「‥‥はぁ、少し落ち着きましょうか。興奮していては訓練になりません」

 ‥‥はい。めっちゃ興奮してました。大人な私にあるまじきでした。

 神官の呆れた顔が気不味くてそっぽ向いてしまった。兎に角冷静になろう。私は軽く息を吐き気持ちを切り替える。

 …‥いよいよだよ。落ち着け落ち着け落ち着け…‥くふふ。

 にまにま顔の私を見た神官の溜息が耳に突く。幸せ逃げるよ~

 


 「‥…本来は貴女の様な幼子に教えません。ですが見た目の割に魔力量が多くて。時期早々ではと思うのですが‥‥予備知識のない貴女の為に簡単ですが少し教えたいと思います」

 ‥‥この人真面目だなぁ、こんな幼児相手にちゃんと接してくれる。

 私は面倒がらずに向き合ってくれた神官の人の好さに好感を持つ。
 
 神官の話は、大概の子供は幼いうちに魔力操作を訓練しなくても良い保有量だと言う。成長の妨げになるほどの魔力量を持つ幼児は‥‥言葉を濁していたが珍しいのだろう。その場合は適切な処置を施すので心配はいらないと安心させるように教えてくれた。

 
 魔力は体内で生成される内部魔力と身体の表面を覆う魔衣の二種が人の魔力と認識されていると言う。それ以外は自然界に存在する魔素があるのだと。

 魔法や魔術は内部魔力を呼び水に魔素を媒体として引き起こす具現化現象らしい。魔衣は体表を保護するものらしい。『らしい』は私がイマイチ実感してないから。それにしても聞き慣れないワードがチラホラ。

 (えっ? なんて?)

 サラッと意味不明なことを言われたので戸惑いが思考回路を鈍らせる。そう、決して私の理解力が足りない、脳みそが硬い、では無いはず。そうだそうだ。

  …‥これはあれか栄養素的な? 体内エネルギー? 皮膚膜? 膜がバリア機能をしてるとか? で、具現化?って何なの? 

 精一杯脳みそフル作動したがさっぱりだ。頼むから現代用語で話して欲しい。切に思う。

 私の困惑顔から神官は「やはり無理ですね」と小声で呟く。勿論聞き逃すことなく耳にした私は神官が説明を諦めた事を悟った。

 (うえぇ、見捨てないで、神官さん!)

 わくわくそわそわと浮かれた気持ちがすっかり萎む。しょぼぼ~ん。

  

 「説明は‥‥導師様にお任せ致しましょう。弟子の育成は師匠が担う責務ですし。‥‥そうですねぇ、何が分かり易いでしょうか」

 軽く右上を見上げる仕草の神官は何やら思案しているようで「うーん」「構わないか」「いや駄目か」と一人ブツブツと呟いている。何かをさせようと考えているのか躊躇いを感じた。責任感が強いのか、頼まれたからか、単に出来ないのが嫌なのか、良く分からないが乗り掛かった舟なのだろう。他の手段を案じる神官はまだ諦めていない。


 やっと意を決めた神官が「少しここで待っていてください」とアイナを一人この場に残し退出して行った。実はジェーンは一足先に孤児院に戻りアイナと神官と二人きりだったのだ。



 (えええ、一人にしないでーー!)

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