目が覚めたら奇妙な同居生活が始まりました。気にしたら負けなのでこのまま生きます。

kei

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呪夢ー③

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 お兄姉さん…ことレギオン先生の話は、この世界のやり直しが今回で5回目でフローレンスの中身が別の人だったのは今回がお初。その彼女には幼少時からの婚約者が同じ学年にいて義妹と絶賛三角関係中だと言う。

 身内での横恋慕。修羅場展開ありありな設定に「修羅場、大変そう」と呟けばやるのは貴女よと突っ込まれた。うへぇ…

 フローレンス設定は、何と言うか一言で表すと「不憫」。

 幼少時にお家の都合で婚約が決まる。母親が病死。喪中にも関わらず父親のコブ付き浮気相手を後妻として迎える。虐待はないが前妻の子だ肩身が狭かろう。

 婚約者との関係は冷え切っているのが傍から見ても分かると言う。しかも義妹がちょっかい掛けているのだ。最悪だ。

 「イヤなら婚約止めればいいのに」私の言葉は一笑された。

 「政略結婚に本人達の意志は無いわ。黙って道具として従うだけよ」

 不毛だ。不毛過ぎやしないか。将来長い時間を共にする相手が浮気野郎だなんて、お先真っ暗だ。余りにも彼女が可哀想。

 彼女の不憫はまだまだ続く。入学時から悪評や噂に付き纏われ皆から腫物のような扱いを受けている。公爵令嬢にも関わらずだ。

 先生曰く、悪意を以て悪評や噂を流す者がいるのだろうなと興味なさげに教えてくれた。いやいやいや仮にも教師でしょ!? 助けてあげて!

 「それがねぇフローレンスの婚約者が悪評を信じてて擁護も難しい状況なの」

 何ですと!? 噂流してるのその人じゃね?

 「然もありなん。相手を陥れたいのよ」肯定する美形は渋面でも美形だ。

 「でも身分の高い彼女に太鼓持はいないのですか?」

 ドラマや小説の定番!『ザッ・お取り巻き』って人達だ。

 「あら、それも無理な話ね。婚約者の地位が更に上だから。上から睨まれるのわかってて手を差し伸べるお人好しはいないわね」

 公爵より上? それなら大公? 王家? え、え?

 先生、ニタリと悪意を込めた笑顔、最凶です。

 「うふふ、そうよ王子様よ」だとお!! 

 そんな面倒臭い塊が相手だと!? 厄介事をカモネギ状態で齎す相手だとしか思えない。私の心底嫌そうな顔を見た先生は「王子様を毛嫌いする人、いるのねぇ」としみじみ言われた。幾ら王子様でもう厄介な浮気者は嫌だよ。

  「ふふふ、貴女面白いわね」美形の微笑、リーサルウェポン。

 いろいろ知った彼女の不憫設定。これを私が演じるのか‥‥気が重い。

 (ン? そもそもシナリオ通りに演じる必要性ってあるの?)

 需要不明でしょ? だったら私の好きにしても問題ない。多分ここ仮想世界じゃないかな? いやいやドラマの見過ぎだよね。夢と思えばいいか。

 

 「やっぱり貴女は面白くて最高ね♪」

 『最高』のお言葉、美形から頂きました。やったね!




 【戦略的攻略法】…先生と二人で無事にこの世界から脱出する作戦を練る。

 先ずはこの世界の状況を掴む。頼みの綱である先生情報は学園内だけ。攻略案を練ろうにも全体図が掴めていない現状。

 先生と他のキャスターとの絡みが授業だけなのも偏りの原因だろう。これは積極的に生徒との交流を図って情報収集に勤しむ案件ですな。序でにそのご尊顔で義妹を誑かせて下さいませ。何となくだけどアレが元凶な気がする。
 

 メインキャストは三角関係の彼等だろう。学園内で良きも悪しきも噂の中心だからだ。あとは腰巾着の学友か。

 「ヒーロー&ヒロイン、要の悪役は誰だと思います?」

 私の質問を先生はイイ笑顔で「好きな人物を推せばいい」そうだ。まるでオタクなご意見いただきました。

 
 斯うして私達の『ヒーロー…アイナ』『ヒロイン…お兄姉さん』『ヴィラン…王子と義妹』役どころが決定した。

 (ゲームを攻略するみたいでわくわくしちゃう)


 私と先生と‥‥フローレンス。三人で楽しもうね。

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