目が覚めたら奇妙な同居生活が始まりました。気にしたら負けなのでこのまま生きます。

kei

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消えた孤児院長と魔法陣

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 あのまま魔物の討伐を考えたが、夕暮れ時が近付いていたこともありその日は諦めた。暗くなれば分が悪くなるのは此方だからな。騎士団には討伐編成隊を組んでもらい翌朝、出動してもらう事にした。

 多分、あの魔法陣があるので女の遺体は無事だろう。







 「では皆の者、頼んだぞ」

 「はっ!」

 討伐に騎士団員を25名。警備隊10名。俺と友は結界の前で待機だ。

 実際の討伐は騎士に任せ、警備隊は周辺の見回りと領民に近付かないよう喚起に回ってもらうことになった。
 あの魔導士は魔力の乱れがないか警備隊の者と一緒に行動して異常がないか調べて貰うことになった。



 「ラグザスよ、これであの幼子の術は解呪されるであろうか?」
 「‥‥どうだろうな」
 「ところで、お前に渡した日記は? 何か手掛かりがあったか?」
 「ああ、あれな。手掛かりと言っていいのか‥…なあ、あの持ち主は一体誰なんだ? 歴代領主の霊廟の中にあったのなら領主一族の誰かの物だろ?」
 「そうかも知れぬと言いたいが知らぬ。アレは私が見つけたのではないのだ。ラウル魔導士が魔力を感知して見つけたのだ。棺の下に隠したようにあったらしい。彼は魔力の流れを感知するのは長けているのだが古語は得意でなくてな。私と同じだ」
 「なんだと?」

 (また、あの魔導士か‥‥‥何か引っかかるな)





 それほど時間が経っていない。俺達の前に騎士団長が神妙な面持ちで報告に来たのだが、その言葉に驚かされた。

 
 「領主様、女と魔法陣が消えてなくなっておりました」 

 

 「はっ?! 何を?」
 「デイモンド騎士団長、それは誠か!」
 「はい、領主様。昨日の地点には石標だけが残り、それ以外は何も。魔物もおりません。周辺を索敵致しましたが小物一匹おりませんでした」
 

 「そんな馬鹿な!」

  

 俺達は騎士団長の先導の元、魔法陣のあった場所に向かった。

 だが本当にそこには何もなかったのだ‥…
 
(これは一体どういう事だ‥…)


 「本当に何も無いな‥…おい、お前達この周辺は探したのか? 何でもよいぞ手掛かりになりそうなものは無いのか?」


 兎に角、何でもいいから手掛かりが欲しい。流行る気持ちを抑えつつ俺も必死で魔法陣の跡を探る。


 「ここに魔法陣があったのは確かだ。僅かだが魔力残滓を感じる」
 「そうか! 何か残っていないのか?」
 「ああ‥…」

 

 消えた孤児院長と魔法陣。


 クソガキとの関りが不明のまま唯一の手掛かりも消えてしまった。何ともやる瀬ない想いに焦燥感が募る。

 
 孤児院長の遺体におかしなところはなかった。だから魔法陣を描き自死をしたのかと判断したのだが、どうもその考えは違ったようだ。仲間か犯行に及んだ人物か。それとも組織的な何か‥…。女一人では出来ない。

 だとしたらこれは何かの儀式と見るべきか? だが孤児院長は独りで姿を晦ませた筈だ。仲間割れか? それとも?
 
 「おいラグザス、何かわかったのか? どうした?」
 「ん? ああ、いやちょっと考え事をだな‥…」

 あの孤児院長と最後にいたのはガキンチョだ。状況から見て術は孤児院長が掛けたとみて間違いないだろう。昨日見た孤児院長も眠るが如く横たわっていたが二人の状況が酷似していた。‥‥考えれば気分が悪くなる。
 
 俺は可能性としてガキの状態を思い返していたのだが‥‥


 「‥…おい、なぁ、あのガキを頼んでいいか‥‥何だか嫌な予感がする」
 「はっ? それはどういうことだ?」
 「‥…俺の気の所為ならそれでいいが、女と接点があり呪術に掛かっているのはあのガキだけだ。万が一ってことも有り得るしな。すまねぇ頼まれてくれないか」
   「わかった。私が責任を持って見よう。お前はどうするのだ」
 「俺は‥‥もう暫くこの場所を探ってみる」
 「そうか。‥…団長、聞いた通りだ。半数を残して残りは領館に戻るぞ」

 「はっ! 第一部隊は領主様の護衛だ。第二部隊は導師様をお守りしろ! 索敵班頼んだぞ」

 「「「はっ!」」」
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