4 / 365
第一章 攻略対象一人目 正しい第一王子の取り扱い方
やっぱりやるんだ断罪イベントー④
しおりを挟む
(さて、仕上げにかかるとするか)
レティエルは引導を渡すべく王子に詰め寄る。
「さて、ご覧下さいましたか。クリスフォード様‥‥いえ、クリスフォード王子。その書面に記載されていることは事実でございますね。素直にお認めなさいませ。ではサインをお願いいたします」
レティエルはここぞとばかりに王子に迫る。圧かけまくりで。
王子はいつになく圧の強いレティエルにたじろぐ。
「レ、レティエル‥‥なぜお前が‥これを‥…」
王子の言葉が詰まる。必死に言い訳を考えるが事実を言い当てられ動揺が隠せないでいた。
(‥‥王子よ動揺しすぎだっての。悪巧みするなら腹芸覚えろよな)
顔色の悪い王子に気が付いたマリエラが心配顔で声を掛ける。
「クリスフォード様、どうなさったのですか?その書類がなにか?」
「クリスフォード様、如何いたしましたか?」
「レティエル嬢。王子に何を!」
どうやら様子のおかしい王子に気が付いた側近候補の野郎どもが騒ぎ出した。
‥‥お前らうるさい!
「さて?何かとは、何でございましょうか。もしやその書面のことでしょうか。それは婚約を解消するにあたり必要なことを書き記しているだけでございます。訝しがることではござません。お疑いでしたらお読みいたしましょうか」
今日一番の笑顔で提案をしてみたレティエル。
「まっ待て!待つのだレティエルッ!読み上げるのは許さん!こっこんな事実無根な書面など!」
王子が怒鳴った。
怒鳴ったものの広間には気まずい空気が漂う。
さきほどまで複数の囁き声でざわついていた広間がいつの間か静かに落ち着きを取り戻していた。
そして今は王子達の行く末を見届けようと固唾を呑んで待っていた。
「ではクリスフォード王子。書面の真偽を確かめるのは後にして、今は婚約解消を行うのが先ですよ。さっさとサインしてください。わたくしのサインの横にしてくれればいいのでささっとしろよ」
(ああ、いかん。ついつい口調が乱れたわ。王子達の相手は煩わしくて。ついつい素が出たわ)
婚約は破棄ではなく解消と聞いて王子の表情が曇った。
‥‥ン?口調のことではないよな。
(なんだ、解消は気に入らんってか。甘いわ!破棄と解消では我が公爵家が被る影響が違いすぎるんだよ。妥協できるか!)
王子と睨み合いだ。
(仕方ない。物わかりの悪い王子に教えてあげよう)
レティエルはそっと王子に耳打ちをした。
「王子‥‥大人しくサインした方が身のためですよ。陛下にばらされたくないでしょ?自分の行いを。こちらは証拠を揃えているんだよ。悪あがきはやめときな」
王子は顔面蒼白で押黙ったままだ。まるで人形のように動かなくなった。
固まったままの王子をそのままにして。
レティエルは思い返していた。
彼女は前世の記憶持ちだ。
4歳の誕生日に前世の記憶を思い出したのだ。
男だった。今では記憶もあやふやだが、男で齢は若くもなく老人でもなかったかな。
仕事に明け暮れていたのだと思う。朧げな記憶だが妙な確信がある。
レティエルは引導を渡すべく王子に詰め寄る。
「さて、ご覧下さいましたか。クリスフォード様‥‥いえ、クリスフォード王子。その書面に記載されていることは事実でございますね。素直にお認めなさいませ。ではサインをお願いいたします」
レティエルはここぞとばかりに王子に迫る。圧かけまくりで。
王子はいつになく圧の強いレティエルにたじろぐ。
「レ、レティエル‥‥なぜお前が‥これを‥…」
王子の言葉が詰まる。必死に言い訳を考えるが事実を言い当てられ動揺が隠せないでいた。
(‥‥王子よ動揺しすぎだっての。悪巧みするなら腹芸覚えろよな)
顔色の悪い王子に気が付いたマリエラが心配顔で声を掛ける。
「クリスフォード様、どうなさったのですか?その書類がなにか?」
「クリスフォード様、如何いたしましたか?」
「レティエル嬢。王子に何を!」
どうやら様子のおかしい王子に気が付いた側近候補の野郎どもが騒ぎ出した。
‥‥お前らうるさい!
「さて?何かとは、何でございましょうか。もしやその書面のことでしょうか。それは婚約を解消するにあたり必要なことを書き記しているだけでございます。訝しがることではござません。お疑いでしたらお読みいたしましょうか」
今日一番の笑顔で提案をしてみたレティエル。
「まっ待て!待つのだレティエルッ!読み上げるのは許さん!こっこんな事実無根な書面など!」
王子が怒鳴った。
怒鳴ったものの広間には気まずい空気が漂う。
さきほどまで複数の囁き声でざわついていた広間がいつの間か静かに落ち着きを取り戻していた。
そして今は王子達の行く末を見届けようと固唾を呑んで待っていた。
「ではクリスフォード王子。書面の真偽を確かめるのは後にして、今は婚約解消を行うのが先ですよ。さっさとサインしてください。わたくしのサインの横にしてくれればいいのでささっとしろよ」
(ああ、いかん。ついつい口調が乱れたわ。王子達の相手は煩わしくて。ついつい素が出たわ)
婚約は破棄ではなく解消と聞いて王子の表情が曇った。
‥‥ン?口調のことではないよな。
(なんだ、解消は気に入らんってか。甘いわ!破棄と解消では我が公爵家が被る影響が違いすぎるんだよ。妥協できるか!)
王子と睨み合いだ。
(仕方ない。物わかりの悪い王子に教えてあげよう)
レティエルはそっと王子に耳打ちをした。
「王子‥‥大人しくサインした方が身のためですよ。陛下にばらされたくないでしょ?自分の行いを。こちらは証拠を揃えているんだよ。悪あがきはやめときな」
王子は顔面蒼白で押黙ったままだ。まるで人形のように動かなくなった。
固まったままの王子をそのままにして。
レティエルは思い返していた。
彼女は前世の記憶持ちだ。
4歳の誕生日に前世の記憶を思い出したのだ。
男だった。今では記憶もあやふやだが、男で齢は若くもなく老人でもなかったかな。
仕事に明け暮れていたのだと思う。朧げな記憶だが妙な確信がある。
22
あなたにおすすめの小説
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜
naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。
※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。
素材利用
・森の奥の隠里様
・みにくる様
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
悪役令息(冤罪)が婿に来た
花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー
結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!?
王女が婚約破棄した相手は公爵令息?
王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした?
あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。
その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。
彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。
そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。
彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。
その数日後王家から正式な手紙がくる。
ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」
イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。
「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」
心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ!
※ざまぁ要素はあると思います。
※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。
Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜
橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる