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第四章 新たな攻略対象者 隠れたままでいて欲しかった。
推理してもー①
しおりを挟む隠れキャラことエリックは直ぐに何事もなかったように表情を変え、俺に義兄を頼りにしているのですねと見当違いなことを聞いてきた。
(いやいや違うから! 拉致犯(疑惑)なんて頼るかよ!)
受け答えに悩むわ。こいつ的には身バレしていないと踏んでるんだろう。
なら下手なことは言えねえ。ぐおおおおおお。イラつく。
俺が振る舞いを決め兼ねて黙り込んでいるのを意気消沈していると勘違いしたようだ。
「ふっ。お嬢様ご安心ください。貴女に無体を働く狼藉者はここにはおりません。ただし俺の意にそぐわない言動は控えて貰います」
こいつの態度はどこか慇懃無礼だ。嫌な感じ。
それよりも‥‥。
「貴方はわたくしの身分を知っていてこのようなことを? このような無礼を父や母は存じているのかしら?」
母さんの身の上が心配だが不用意に情報は洩らせない。たとえ義兄関係者でもな! 兎に角、僅かでもいい、情報が欲しい。
「‥…お嬢様は何も知らなくてよいのです。‥‥‥後ほど貴女の身の回りの世話をする者を連れて参ります。それまでは不自由でしょうがご了承ください。失礼いたします」
俺に何も教えたくないのかエリックは答えをはぐらかして部屋を出て行った。
俺は失意に呑まれそうだ。
それにしても俺、埒られ過ぎね?
しかも身内に(疑惑)
はー。それよか母さんだ。
せめて安否を知りたい‥…。
俺がもやもやしているうちにエリックが侍女を連れて来た。
俺の知らない顔だった。
ふとあの俺に魔術具を作動させた侍女さんのことが気になった。
「あの、影さん。わたくしと一緒にいた侍女はどうなりましたか」
「‥‥…貴女が気にかけることなどありませんが敢えて言えば無事です」
‥‥敢えて言えば? 含みのある言い方だな。
「それはどういう意味ですの。まるで何かがあるような言い方ですわね」
「ふっ。そうでしょうね。貴女と最後にいたのがあの女だ」
「‥…その言い方ですと私は公爵家の者が知らない場所に連れて行かれたと言うことでしょうか。そして彼女は公爵家にいる‥‥」
「さあどうでしょうね。‥‥無駄話はここまでです。お休みくださいお嬢様」
ちっ! こいつは教えない気だな。
エリックは不敵な笑みを浮かべながら退出した。
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