転生先は小説の‥…。

kei

文字の大きさ
83 / 365
第四章 新たな攻略対象者 隠れたままでいて欲しかった。

レティエルの魔力ー①

しおりを挟む


弾けた魔力がエリックに当たった。


奴はそのショックで気を失ったらしい。


ああ焦った。一瞬殺っちゃたかと思ったわ。

レティエルのお手手を汚しちゃうとこだった。


‥‥‥あれ? この感じ、覚えがある。


ああ、これ魔力が流れているんだ。どこに?

流れる魔力の先を注意深く追えば、エリックの体内だった。


「えっ?!」


流れ込んだ魔力は所々で塊ながら活性化している。

「うげげぇ‥‥」

美少女らしからぬ音が口から洩れた。

レティエルの能力(捕食系魔力)は健在だったね。

エリックの体内に病巣があったんだろう。それを食ってるっぽい。

嫌だけど。



「‥‥これは?」


活性が弱るに従い俺の魔力が上がるのがわかった。嵩が増した?

なんというか点滴で栄養補給されたみたい。


「はっ? 吸収したの?」


依然エリックは気を失ったまま。

まだ魔力は繋がっている。

「‥‥これ‥‥」

気にしたら負けな気がする。

うん。気にしない気にしない。

どうせエリックだし。


意識がないのを良いことに揺れる馬車の中でエリックの所持品を漁った。



「手掛かりが見つか‥‥これは?」 

見つけたのは所在地と商会名が記載された一枚のメモと見覚えのある紋章の印が入った許可書だ。



この印の紋章は‥…ドクタードビリオス公爵家の物。

なぜこいつがこの印の許可書を?



ジルベルト・ドクタードビリオス公爵。

今の陛下の弟だ。

臣籍降下をした一代限りの公爵閣下。

確か引き籠り公爵と揶揄されてたな。

そう言えば過去に王妃と噂があった人だ。噂の域だったけど。



はは、クリスフォード元第一王子を思い出したわ。

ゲームキャラじゃないから頭の片隅にもなかった、この人の事。





…‥今回の件。閣下は関係しているのか?

まさかのエリックの雇用主?!





「くそっ!!」

意外な人物が浮上したせいで俺はまたもや混乱した。



俺は一刻も早く家族の元に帰って安心させたいんだ!

それに公爵家の皆が心配だ。皆は大丈夫なのか。

エリックの話は本当なのか?!

裏で手を引いている奴は一体誰なんだ!



(さっさとここから逃げるぞ!)

(いや、犯人に辿り着けるチャンスだろ。このままでいいじゃん。

レティエルの脅威になるなら潰そうぜ!)



相反する思いがせめぎ合ってる。



ああ、もどかし!





今の俺は気が急くばかりで有効打がない。

圧倒的に情報が足りないのだ。考えようにも判断材料が乏し過ぎる。



一旦、冷静になろう。



‥‥家族も、公爵家の皆も、大丈夫だ‥‥。

義兄は‥…たぶん大丈夫だろう。殺しても死ななそうだし。

罪人だったら‥‥うん。綺麗な体刑に服すになってね。















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。 ※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。 素材利用 ・森の奥の隠里様 ・みにくる様

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

処理中です...