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第八章 出揃った駒
職質?
しおりを挟む‥‥‥硬直状態が続いてる。
俺達の護衛が殺気を込めて騎士達と対峙しているが彼方は‥‥
「貴女、確かエリックに魔力をぶつけて昏倒させたのよねえ」
小声で母さんがこの場に不釣り合いな質問を始める。ええーそれ今聞く?!
「は、はい。思わず弾けた魔力を‥…あのそれが何か?」
「そう、意識を失くしたのね?」
頷く俺の困惑顔とは違って母さんはイイ笑顔。
「宜しい許します。ドーンとぶつけなさいな」
「は? え? ええーーー」
急かされ睨まれビビりながらも母さんの言われた通り身構えたのだが。
「お前達、何をしている!」
「「「副団長!」」」
新たな騎士の登場で騎士団のメンバーは合計四人。
増えたよ。これ以上増えると厄介だよなぁ、後始末を思えば急ぐべき?
でも四人相手に出来るか不安だ。母さんも相変わらず不敵な笑みを浮かべて魔石を取り出しやる気だ。母さんの場合、漲るやる気は、殺る気か。最小限の被害でありますように、俺は必死に祈る。
護衛の後ろに隠れていた俺達に気が付いた副団長とやらがギョッとした表情で「もしやザックバイヤーグラヤス公爵夫人ではございませんか」と。身バレしたよ一瞬で。
「何故、ここに公爵夫人がいらっしゃるのでしょうか。今だ謹慎は解けていないのでは? 我等は収監された容疑者を殺害した嫌疑のある人物を召喚のため訪れたのですが‥…これはご夫人がこの場にいる理由は‥‥まさか」
言葉の最後が小声で聞き取れない。だが彼の雰囲気で一層不味い状況に陥ったのだと悟った。
これ、俺魔力ぶつけるしかなくね?
警戒を強める俺達とは逆に緊張を和らげた副団長は「私どもは敵ではございません。少しお話を‥‥」そう言って言葉を紡ぐ彼は痛ましい表情で「既に公爵家に通達済みです。公爵様もご存じでいらっしゃいます」
俺達は顔を見合わせ続く言葉を待つ。彼の言う「通達された話」とは?
「よもや公爵夫人が‥‥と、その後ろにいらっしゃるご婦人はどなたでしょうか。宜しければお名前をお聞かせ頂けないでしょうか」
俺達は誰も言葉を発しない。
「…職務ですのでご無礼お許しください」
副団長と母さんの笑顔で対峙する様は‥‥怖い。目がね、鋭いの。
「この者はわたくしの実家の縁者で帝国貴族ですの。これで宜しでしょう」
「‥‥本当は宜しくないのですが仕方ありません。私もご婦人の素性を詮索するのは好きではありませんから。ですがこの後はどうなさいますか? せめて行先だけでもお聞かせ願いませんか」
「‥…公爵家に戻ります。話は主人に聞きますのでこれ以上の会話は不要です」
「申し訳ございません。ご気分を害されましたでしょうか、職務なのでご了承願いませんでしょうか。ただ何故この邸に、しかも使用人が使う出入り口に公爵家の方々がいらっしゃるのかご説明をお願いいたします。出来ますね? 侯爵夫人」
うわあ…‥めっちゃ怪しまれてね?
母さん、睨んでも駄目だから、これガッツリ職質だよね。
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