転生先は小説の‥…。

kei

文字の大きさ
207 / 365
別視点

別行動の裏側 義兄視点ー②

しおりを挟む
王家と三公爵の言動に矛盾を感じます。

裏切り者の存在を匂わせますが、確証がないのです。
我等公爵家を蚊帳の外に置き、その後の対応も十全ではありません。

今も監視対象のクリスフォードを野放しに、領地内も荒れています。魔力保持者を隷属の契約で奴隷扱い。もう犯罪ですよ。


『邪魔者義父上をこれ幸いに』と野心を隠さない輩もいるのでしょう。

‥‥三公爵は、敵か味方か。

現状では判断出来兼ねます。迂闊な素振りを見せれば義父上にご迷惑が掛かります。どうしても慎重ならざる負えません。当の義父上はこれ幸いと高みの見物を決め込まれ、隠居状態です。
義母上は多分、ヤキモキされていらっしゃる。それでライオネル達は駆り出されたのでしょう。ふふふ、もう一人、義母上と取り引きされた人物もね。






邸に潜入したのは正解でした。思わぬ収穫です。


初めはレティの突拍子の無いお願いに戸惑いましたが、義父上からレティの希望は極力叶える事と厳命されていますし、痺れを切らした義母上からの密令もあり急を要したのも事実。
ですが、クレア情報をチラつかせるなど、何をお考えでした? 少々やり過ぎですよ。義母上。





取り敢えず、報告を終わらせましょうか。


「報告の続きを」


「主。事前情報の領兵の件です。やはり噂通り悪習が蔓延していました。平民の兵士だけでなく騎士も悪事に手を染めています。どうも素行の悪い者の集まりのようですね。中には元傭兵と噂のある者もいました。調査時間を掛ければ詳細を調べることが出来ますが」

報告者は私の影の護衛です。先行で領兵の調査をさせていました。町の食堂の一件で、です。彼には直ぐに調査を命じました。

「そうですか。ご苦労でしたね。ですがこれ以上の捜査は不要です。後は領主…いえ後任に任せましょう」

時期が来れば領主交代です。領内改革は次代の領主がされるでしょう。これ以上は越権行為、手出し無用です。露見すれば困るのは私です。立場上不味いのです。



他に報告は、なさそうですね。


「では、保護された者と後で会います。可能であれば解術を試みたいですね。その前に彼等の事情聴取を。ライオネルとハイデ、任せました。あと邸の探索ですね。念のためですが通信用や武器となる魔道具を探して見つければ確保です。くれぐれも壊さぬように。これにはミリアとマリア、それにガザ。頼みましたよ」


私は部下たちを見回し‥‥ある一点に視線が止まります。
おや、視線が合いましたね。残念ですが後回しです。



「不審人物の尋問と移送ですが、これは困りました。引き渡し先をどなたにすべきか悩みますね。王家も三公爵も当てになりませんし‥‥」


肝心の監督役であった王家の手の者、そして囮計画の発案者の三公爵。揃いも揃って疑わしいのです。引き渡し後、無罪放免されたら私の苦労はどうなりますか。許せませんね、確実に取り調べる人物に渡したいです。

…‥そういえば今は眠っていました。では暫く放置で。


尋問はクリスフォードから始めましょう。話の中で不審人物が特定できるやもです。後は随時致しましょう。




「何か質問は?」


確認のために言葉を掛けましたが、一人挙手する者がいます。


「若様、ギルガの拷問、私やっちゃっていいですか?」


余りの意気揚々さに呆けてしまいました。

…‥誰ですか、お馬鹿を紛れ込ませたのは。お馬鹿はジェフだけで充分です。
ちっ、そうでした部下の増員要請しましたね、私が。己の迂闊さは甘んじて受け入れましょう。


質問があるかと聞きました。貴女の希望は聞いていませんよ、ミリア。
調きょ‥‥いえ、教育的指導の不足です。戦闘能力のみで選抜をしたお義祖父おじい様に『粗悪品』と返品札を貼って押し付けたいです‥‥返品不可と返されそうなのでしませんが。


ああ、現実逃避はいけませんね。



ギルガを疑っていたので捕縛させました。皆も躊躇い無く行動したので気持ちは同じだったのでしょう。ミリアは目を輝かせて手に怪しげな機材を持っています。物騒ですからソレはしまいなさい。


彼については私が請け負います。

ですが、今は時間が無いので後回しです。転がしておきなさい。撤収時、回収し忘れのないよう頼みますよ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。 ※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。 素材利用 ・森の奥の隠里様 ・みにくる様

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

処理中です...