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第十一章 帝国(お祖父ちゃん)の逆襲
じいじとザクワン爺ちゃん
しおりを挟む「えー、お館様が厳選を重ねられましたお土産が、レティエルお嬢様のご機嫌をこうも簡単に良くするとは。一介の婦女子に食べ物で釣るなどど愚策を強いられた時はお館様も年には勝てぬのかと心中でダダ泣き致しましたが、ああいやはや、しっかり釣られていらっしゃる。お館様のご酔眼、お見事でございます。さて、お館様もご満足なうちに煩瑣な話を済ませましょう。さあさあ今のうちですぞ?」
「うわぁ…‥ザクワン伯父さん相変わらず…‥」
「こりゃ、リー坊、人前で伯父呼びするでないと何度言えばわかるのじゃ。こりゃこりゃ」
「フッ」
「プファ」
あっしまった! 笑っちゃったよ、リー坊て。それってジェフリーのことだよね? プププ、何それ。
『妻を娶る甲斐性なしの男は半人前、坊で充分』と自論を炸裂させるお茶目なお爺秘書ザクワンさん。聞けば親戚だと教えてくれた。複雑な事情がありましてと言葉を濁されたので追及は止めたけどね。俺もリー坊呼びしたろかと内心で連呼すればリー坊に睨まれたよ。ププ。
ザクワン爺ちゃんは俺も良く知った人。確か七十は過ぎてたはず。ちょっと独創的な感受性の持ち主、お祖父ちゃんがお祖母ちゃん以外で頭の上がらない人でもあるのだ。困った時のザクワン爺ちゃんである。
因みに今の俺は貢物に真摯に向き合ってる最中なので、ザクワン爺ちゃんは目に入らない。いや入れない。糖度が脳内で炸裂して、ふぉわ~と幸福感を享受中で忙しいからね!
お祖父ちゃんもレティエルのご満悦で頬張る姿に大満足! 眼差しが孫を愛でるじいじだ。デレた顔と世紀末覇者の装いは、ギャップが酷すぎて目に毒だよね。何でそんな恰好なの?
「此度、第一王女殿下のご婚約披露式に第四皇子殿下並びに妹君であらせられる第二皇女殿下がご招待されましたのでお館様が護衛の任を賜ったのです。とは言え責任者は皇子殿下の近衛殿。お館様は名目上の護衛でございます。おかげさまで大手を振って王国に乗り込めました。祝賀の招待客さまさまと申しましょうか。王国も入国審査が甘く、ザルがザルザルでザルザルなままに、このザクワン老婆心ながら国防は大丈夫かと心配になりましたぞ」
えーと…‥話長いね。あと最後のセリフ、それ、感想。まあいいけどさぁ。
最近耳にした人物をまたもやここで。ちょっと思い巡らせる。
第二皇女で思い出すのは二つ。
一つは王国の第三王子の婚約者(候補?)が彼の皇女様。そんな人が来ちゃったんだ。ふーん。
二つ目は二作目のゲームでレティエルと並ぶ悪役の皇女様。うーん、今更感が半端ないわ。
既に俺の前世の記憶は薄らいでいて、【俺】の自我は存在しているがレティエルである自分を受け入れつつあるのだ。断罪イベントの前は区別があった。俺であって俺でない。レティエルで会って彼女ではない。そんな歪な感覚に付き纏われていた。
最近、その境界線が緩く感じるのだ。まだ感じ始めたばかりで、戸惑いが多いのも事実。これは時間が解決してくれないかな?とちょっと本気で願っている。
うん、ゲームシナリオはもうお腹いっぱいです。
うん、君子危うきに近寄らずだよね。素晴らしきかな見習おう。
よし、第二皇女様には、関わらない。
用心の上用心を。今後の方針をサクッと決めた。
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ご酔眼です。誤字ではありません。お祖父ちゃんは目に余る酒豪でザクワン爺ちゃんは嫌味でこの言い方をしてます。
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