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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (140)
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「それでだ、続きがある…ここからは君としては聞きたくない内容だろう」
マリンさんが戦線に戻るのを見送ってから、俺も眠りについたんだ。
君よりも幾ばくか早く目が覚め、何か手伝えることが無いか点滴を外し、移動していたところだった
まさか、彼が病棟に来ているとは思ってもいなかった。
休憩室に独り、ベンチの上で膝を抱え震え続ける彼を見た時は我が目を疑ったよ
王都が秘宝、エンコウ・センア王…
彼が玉座から離れる日が来るなんて想像だにしなかったさ。
そんな人物が膝を抱えて怯えているのが気になって、魂の同調を使って思考を読んでみるかと試みた。
王都が秘宝であれば、跳ね返してくるかもしれんと思ったが、そんな事も無く、頭の中で幾度となく擦り切れることが無い恐怖、忘れさせてくれないのかずっと彼を蝕む様に残っていた。
それを見て、彼がどうしてそうなったのか、理解することが出来たよ。
彼からすれば何があろうと安全だと思っていた玉座。
その城が落とされたのだからな、恐怖で震えのもわからないでもない…それも、死の大地であれば稀に見ることがあるが、王都では見ることなぞ一度たりとて見ることが無い白いミミズによってだからな。
王を守る城、誰も攻めてくることが無かった浮沈の城…
絶対的な安全な場所を突如、埋め尽くさんとする得体のしれない白いミミズ…
玉座にまで現れた白いミミズから逃げる為に近衛騎士と共に移動を開始するが、通路という通路には白いミミズに埋め尽くされ、城を守る為に配備されている騎士達や兵士達が、数の暴力によって次々と白いミミズに蹂躙されていく…
白いミミズに埋め尽くされた通路へ飛び込む勇気なぞ、かの王には無く、近衛騎士に先導され、まだミミズが溢れていない通路が無いのか、必死に逃げ道を探し続けた
王族だけが知る隠し通路もミミズ共には関係なく侵入されていた。
数多くの兵士や騎士を犠牲にしながら、何とか城から逃げ出ることに成功し、城下町に逃げのびようとしたが、城の外にも白いミミズが大量に我が物顔で闊歩していた…
街中を我が物顔で埋め尽くすミミズ共の中には、城の通路に溢れていたやつよりも大きく鋭い牙を有している個体もいた…
何処が安全なのか判断することが出来ず近衛騎士にしがみついていると、城の門を警護していた兵士や騎士達が2メートルはあるであろうミミズに噛みつかれ鎧ごと砕かれる姿を見て、王都に安全な場所など無いのだと悟り、彼は完全に心が砕けてしまい、生きるのを諦めた
動くことが出来ず、溢れ出てくるミミズたちに近衛騎士達も対処しきることが出来ず、何もせず俯いていると敵に巻き付かれ頭を噛み砕かれる
この絶望から解放されるのだと、死を受け入れた…
だが、彼の頭を噛み砕かれることは無かった。
巻き付いたミミズから解放され視線をあげると、白き髪の女性が槍を使い周囲のミミズ共を倒していた。
彼を助けたのが我らが医療班団長こと、ターア・ジラさんだ。
彼女が持つ槍と共に行動している人が周囲に術譜を投げ発動させていた
彼女たちによって、ミミズ共は駆逐されていき、結果的に見れば王様を助けたことになる。
死体だらけの中、誰も助けてくれることが無いと諦め震える彼の瞳に映った救世主。その姿を見て彼は遠き失った母を思い出したのか、彼女の事を母だと思い込み、幼子が助けを求める様に縋り、今に至るっというわけだ
「はぁ、本当に情けない男、ワームくらい倒せれるくらい己を鍛えといてよ」
「仕方がない、君が彼の野心を砕き心を圧し折ったからだろう?」
世間ではその様に思っている貴族が大勢いるみたいだけどさー、違くない?
直接的には何もしてないんだけど?結果的に彼の盾と剣が離れただけじゃん?
「何もしてないんだけどなー…したのは選挙の時だけだよ?それ以外は、特に?」
「はは、そうだな、そういうことにしておこう」
それに亡き母っていうけれど、生きてる、はずだよね?
普通に前王と一緒に優雅に暮らしているはずだよね?
複数の奥様達と一緒に暮らしているんじゃないの?
公にできないけれど、何度か専用の魔道具を作って欲しいって依頼があったから、生きてると思うんだけど?
お会いしたことが一度も無いから、どれが彼を産んだ人なのか知らないってのもあるから生きているっという確証はないんだけどね。
…私の知らない王家特有の何かがあるんだろうなぁ~どうでもいいけど。
「まぁそんなわけで、彼の心が正気を取り戻すしばしの間くらい、甘えさせてあげればよい、宰相と司祭様も彼の現状に心を痛め、拳を固め歯を食いしばって下がってくれたぞ?」
「あー…えー…うん、そっか司祭様もか~…ん?」
彼らの心情を考えるとね、何も言えないや、それと、司祭もこの街にきてたりする?
「司祭様の所在?ああ、彼は王都にいるよ、王都が混乱に満たされている間、団長は王と共に教会に居たみたいだからな」
成程、教会にいる間もあんな感じで離れなかったってことね。
叔母様、よく耐えたね?教会の人達が多いから手を出せなかったのかも?
寝る時とかもきっとシスター達と一緒だっただろうし、フラさんも傍に居たから。
…そりゃ、あんな見たこともない顔するよ。
「王都は?ワーム達はどうなったの?」
「君が開発したワームを弱体化させる術譜があるだろう?あれを街の至る所に刻み街の住人たちが発動させ、貴族平民共に手を取り合い、住人一丸となって駆逐したそうだ」
そっか、フラさんだったら作れるし、フラさんの一族だったら作成方法さえ教えれば何とかする。
フラさんが居てくれてよかった。お母さんだけだと、そこまで気が回らなかったと思う。
「街の負傷者も団長がいるからこそ、希望の光になったのだろうな」
一連の流れが手に取る様に情景が浮かんでくる。
そうだよね、ワーム如き、フラさんとお母さんが居れば対処するよね…
あの二人は何年、あの死の大地と隣接する死の街を生き抜いてきたんだっての
ワームの研究も何年してきたんだっての…
お母さんもああ見えて貴族の出自だからある程度の武器を扱えれるんだよね。
医療班に所属しているから戦闘が出来ないっていうイメージがあるけれど、ああ見えて文武両道なんだよね。
もっと、二人を、王都に居る人達を信頼して…いたとしても、この状況には陥っていただろうなぁ。
「王都に関してはもう危機を脱したとみていいだろう、ワーム以外の敵が地中から出てくる様子はない、あれはきっと」
「うん、こうすることもできるのだぞっていう、私達に恐怖を植え付ける為だけ、私達の選択肢を狭め、迷わせる為」
はぁっとお互い同時に溜息を吐き捨ててしまう。
「戦況は著しくない、全員が満身創痍になりつつある。人類が勝利するための起死回生の一手…確認のためだが、あるのだろう?そして、それを実行するのだろう?」
「ある、保管している場所が破損したり何かあったっていう報告はない、わかってると思うけれど、それをすると…」
共に行動する人達は生きて帰ってこれない
「もちろん、わかっているとも…人類が勝利するためには…やるしかない…っか」
言葉の雰囲気だけを見たらそんな覚悟何て無い、みたいに思われるだろうけれど、彼と深いつながりがあるからわかる。
彼からすれば、自分だけであれば命を惜しいと思っていない。
誰かの為に、ただただ、それだけ、彼は…自分から何かを成したいと強く願っていない。自分だけの生を欲していない。
「人類が勝利するために栄光の道へと進む為に、倒しておかないといけないやつがいる」
お互い、こいつだけは許して置けないやつがいる。
「憂いを断つ、未来に可能性を託すために、そう言いたいのだろう?」
首を縦に振る。
切り札も少ない、っていうか、初見に近い切り札は残すところあと一つ。
後は、過去に用いた魔道具を発展改良した程度のモノ。
「いつ…決行する?帰り道が無い作戦、皆には言えないだろう?」
今はまだ情報が少ない、頷くしか出来ない。
勇気くんは戦況を知っただけで、私が選ぶ行動を先読みし理解してくれる。
それでもこうやって確認する時間を作ってくれるのは二人で過ごした時間の賜物
「まだ、正確な時間は決めてない、私達が離れても問題ない様に全員に作戦を伝えてから決行しようって考えてたから…勇気くんもそう思ってるでしょ?」
抱き寄せてくれている肩をぽんぽんっと叩いてくれる。
「お互いの行きついた答えは一緒だったら、確認するまでもないのかもしれないけど、確認は大事だもんね」
「そうだな、君が俺に叩き込んでくれた教えだものな」
思い出してしまうその教えを叩きこんだ出来事を…
地下で研究している時に、確認せずに素材を錬金釜に放り込むなって何度も注意したことを
「では、下準備をして、準備が整い次第、行くとしようか…あいつだけは俺も許せないからな」
「うん…私も、あいつだけは許すことが出来ない」
抱き寄せられた肩に力が込められる。
この作戦を開始する前から、お互いずっと警戒していた相手がいる。
勇気くんの魂をユキさんの体にねじ込んだやつ
先生の魂を弄び、私達に苦汁を舐めさせているやつ!!
幾度となく燃やそうと、攻めようとしたが攻めきれなかった左奥、デッドラインに隣接している森。
あそこに…いる気がする。
これ見よがしに左奥に意識を向ける度に何かしてきた。
俺はここにいる、かかってこいっという挑発だ。
攻めれるものならどうぞ、攻めてこいよっという、自身が強者として私達を見下している。
どんな罠があるかわからない、故に、最善の状況を用意してから攻めてやろうと思っていたんだけど…出来なかった、逸る気持ち焦る気持ちを利用された。
私達の行動原理全てを紐解かれ綺麗に罠に嵌められたといえば、納得。
「君独り、死なせはしない。俺は君と共に生きる、最後も一緒だ」
「ありがとう、指揮官としては未来を紡いでほしいから街に残って欲しい…」
「けど、君としては…サクラとしては傍に居て欲しい、違うか?」
小さな声でうんっと呟くと、優しくキスをしてくれる。
マリンさんが戦線に戻るのを見送ってから、俺も眠りについたんだ。
君よりも幾ばくか早く目が覚め、何か手伝えることが無いか点滴を外し、移動していたところだった
まさか、彼が病棟に来ているとは思ってもいなかった。
休憩室に独り、ベンチの上で膝を抱え震え続ける彼を見た時は我が目を疑ったよ
王都が秘宝、エンコウ・センア王…
彼が玉座から離れる日が来るなんて想像だにしなかったさ。
そんな人物が膝を抱えて怯えているのが気になって、魂の同調を使って思考を読んでみるかと試みた。
王都が秘宝であれば、跳ね返してくるかもしれんと思ったが、そんな事も無く、頭の中で幾度となく擦り切れることが無い恐怖、忘れさせてくれないのかずっと彼を蝕む様に残っていた。
それを見て、彼がどうしてそうなったのか、理解することが出来たよ。
彼からすれば何があろうと安全だと思っていた玉座。
その城が落とされたのだからな、恐怖で震えのもわからないでもない…それも、死の大地であれば稀に見ることがあるが、王都では見ることなぞ一度たりとて見ることが無い白いミミズによってだからな。
王を守る城、誰も攻めてくることが無かった浮沈の城…
絶対的な安全な場所を突如、埋め尽くさんとする得体のしれない白いミミズ…
玉座にまで現れた白いミミズから逃げる為に近衛騎士と共に移動を開始するが、通路という通路には白いミミズに埋め尽くされ、城を守る為に配備されている騎士達や兵士達が、数の暴力によって次々と白いミミズに蹂躙されていく…
白いミミズに埋め尽くされた通路へ飛び込む勇気なぞ、かの王には無く、近衛騎士に先導され、まだミミズが溢れていない通路が無いのか、必死に逃げ道を探し続けた
王族だけが知る隠し通路もミミズ共には関係なく侵入されていた。
数多くの兵士や騎士を犠牲にしながら、何とか城から逃げ出ることに成功し、城下町に逃げのびようとしたが、城の外にも白いミミズが大量に我が物顔で闊歩していた…
街中を我が物顔で埋め尽くすミミズ共の中には、城の通路に溢れていたやつよりも大きく鋭い牙を有している個体もいた…
何処が安全なのか判断することが出来ず近衛騎士にしがみついていると、城の門を警護していた兵士や騎士達が2メートルはあるであろうミミズに噛みつかれ鎧ごと砕かれる姿を見て、王都に安全な場所など無いのだと悟り、彼は完全に心が砕けてしまい、生きるのを諦めた
動くことが出来ず、溢れ出てくるミミズたちに近衛騎士達も対処しきることが出来ず、何もせず俯いていると敵に巻き付かれ頭を噛み砕かれる
この絶望から解放されるのだと、死を受け入れた…
だが、彼の頭を噛み砕かれることは無かった。
巻き付いたミミズから解放され視線をあげると、白き髪の女性が槍を使い周囲のミミズ共を倒していた。
彼を助けたのが我らが医療班団長こと、ターア・ジラさんだ。
彼女が持つ槍と共に行動している人が周囲に術譜を投げ発動させていた
彼女たちによって、ミミズ共は駆逐されていき、結果的に見れば王様を助けたことになる。
死体だらけの中、誰も助けてくれることが無いと諦め震える彼の瞳に映った救世主。その姿を見て彼は遠き失った母を思い出したのか、彼女の事を母だと思い込み、幼子が助けを求める様に縋り、今に至るっというわけだ
「はぁ、本当に情けない男、ワームくらい倒せれるくらい己を鍛えといてよ」
「仕方がない、君が彼の野心を砕き心を圧し折ったからだろう?」
世間ではその様に思っている貴族が大勢いるみたいだけどさー、違くない?
直接的には何もしてないんだけど?結果的に彼の盾と剣が離れただけじゃん?
「何もしてないんだけどなー…したのは選挙の時だけだよ?それ以外は、特に?」
「はは、そうだな、そういうことにしておこう」
それに亡き母っていうけれど、生きてる、はずだよね?
普通に前王と一緒に優雅に暮らしているはずだよね?
複数の奥様達と一緒に暮らしているんじゃないの?
公にできないけれど、何度か専用の魔道具を作って欲しいって依頼があったから、生きてると思うんだけど?
お会いしたことが一度も無いから、どれが彼を産んだ人なのか知らないってのもあるから生きているっという確証はないんだけどね。
…私の知らない王家特有の何かがあるんだろうなぁ~どうでもいいけど。
「まぁそんなわけで、彼の心が正気を取り戻すしばしの間くらい、甘えさせてあげればよい、宰相と司祭様も彼の現状に心を痛め、拳を固め歯を食いしばって下がってくれたぞ?」
「あー…えー…うん、そっか司祭様もか~…ん?」
彼らの心情を考えるとね、何も言えないや、それと、司祭もこの街にきてたりする?
「司祭様の所在?ああ、彼は王都にいるよ、王都が混乱に満たされている間、団長は王と共に教会に居たみたいだからな」
成程、教会にいる間もあんな感じで離れなかったってことね。
叔母様、よく耐えたね?教会の人達が多いから手を出せなかったのかも?
寝る時とかもきっとシスター達と一緒だっただろうし、フラさんも傍に居たから。
…そりゃ、あんな見たこともない顔するよ。
「王都は?ワーム達はどうなったの?」
「君が開発したワームを弱体化させる術譜があるだろう?あれを街の至る所に刻み街の住人たちが発動させ、貴族平民共に手を取り合い、住人一丸となって駆逐したそうだ」
そっか、フラさんだったら作れるし、フラさんの一族だったら作成方法さえ教えれば何とかする。
フラさんが居てくれてよかった。お母さんだけだと、そこまで気が回らなかったと思う。
「街の負傷者も団長がいるからこそ、希望の光になったのだろうな」
一連の流れが手に取る様に情景が浮かんでくる。
そうだよね、ワーム如き、フラさんとお母さんが居れば対処するよね…
あの二人は何年、あの死の大地と隣接する死の街を生き抜いてきたんだっての
ワームの研究も何年してきたんだっての…
お母さんもああ見えて貴族の出自だからある程度の武器を扱えれるんだよね。
医療班に所属しているから戦闘が出来ないっていうイメージがあるけれど、ああ見えて文武両道なんだよね。
もっと、二人を、王都に居る人達を信頼して…いたとしても、この状況には陥っていただろうなぁ。
「王都に関してはもう危機を脱したとみていいだろう、ワーム以外の敵が地中から出てくる様子はない、あれはきっと」
「うん、こうすることもできるのだぞっていう、私達に恐怖を植え付ける為だけ、私達の選択肢を狭め、迷わせる為」
はぁっとお互い同時に溜息を吐き捨ててしまう。
「戦況は著しくない、全員が満身創痍になりつつある。人類が勝利するための起死回生の一手…確認のためだが、あるのだろう?そして、それを実行するのだろう?」
「ある、保管している場所が破損したり何かあったっていう報告はない、わかってると思うけれど、それをすると…」
共に行動する人達は生きて帰ってこれない
「もちろん、わかっているとも…人類が勝利するためには…やるしかない…っか」
言葉の雰囲気だけを見たらそんな覚悟何て無い、みたいに思われるだろうけれど、彼と深いつながりがあるからわかる。
彼からすれば、自分だけであれば命を惜しいと思っていない。
誰かの為に、ただただ、それだけ、彼は…自分から何かを成したいと強く願っていない。自分だけの生を欲していない。
「人類が勝利するために栄光の道へと進む為に、倒しておかないといけないやつがいる」
お互い、こいつだけは許して置けないやつがいる。
「憂いを断つ、未来に可能性を託すために、そう言いたいのだろう?」
首を縦に振る。
切り札も少ない、っていうか、初見に近い切り札は残すところあと一つ。
後は、過去に用いた魔道具を発展改良した程度のモノ。
「いつ…決行する?帰り道が無い作戦、皆には言えないだろう?」
今はまだ情報が少ない、頷くしか出来ない。
勇気くんは戦況を知っただけで、私が選ぶ行動を先読みし理解してくれる。
それでもこうやって確認する時間を作ってくれるのは二人で過ごした時間の賜物
「まだ、正確な時間は決めてない、私達が離れても問題ない様に全員に作戦を伝えてから決行しようって考えてたから…勇気くんもそう思ってるでしょ?」
抱き寄せてくれている肩をぽんぽんっと叩いてくれる。
「お互いの行きついた答えは一緒だったら、確認するまでもないのかもしれないけど、確認は大事だもんね」
「そうだな、君が俺に叩き込んでくれた教えだものな」
思い出してしまうその教えを叩きこんだ出来事を…
地下で研究している時に、確認せずに素材を錬金釜に放り込むなって何度も注意したことを
「では、下準備をして、準備が整い次第、行くとしようか…あいつだけは俺も許せないからな」
「うん…私も、あいつだけは許すことが出来ない」
抱き寄せられた肩に力が込められる。
この作戦を開始する前から、お互いずっと警戒していた相手がいる。
勇気くんの魂をユキさんの体にねじ込んだやつ
先生の魂を弄び、私達に苦汁を舐めさせているやつ!!
幾度となく燃やそうと、攻めようとしたが攻めきれなかった左奥、デッドラインに隣接している森。
あそこに…いる気がする。
これ見よがしに左奥に意識を向ける度に何かしてきた。
俺はここにいる、かかってこいっという挑発だ。
攻めれるものならどうぞ、攻めてこいよっという、自身が強者として私達を見下している。
どんな罠があるかわからない、故に、最善の状況を用意してから攻めてやろうと思っていたんだけど…出来なかった、逸る気持ち焦る気持ちを利用された。
私達の行動原理全てを紐解かれ綺麗に罠に嵌められたといえば、納得。
「君独り、死なせはしない。俺は君と共に生きる、最後も一緒だ」
「ありがとう、指揮官としては未来を紡いでほしいから街に残って欲しい…」
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