1 / 6
第1話
しおりを挟む
薔薇が咲き乱れる、庭園の一角に位置するガゼボ。そこで、バーガンディ伯爵家の女当主であるグリゼルダは信頼の置ける老執事──スチュアートと共にティータイムを満喫していた。
「グリゼルダ様がお好きなローズティーとブリオッシュでございます」
「まあ、私の好物を用意してくれたのね。ありがとう、スチュアート」
スチュアートにローズティーとブリオッシュを差し出されたグリゼルダは、にっこり微笑んで礼を言う。
グリゼルダはもう不惑の年だが、未だに独身だった。
というのも、若い頃に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠されていたからだ。
二十二年前。グリゼルダは、恋仲だった王太子──ジェラールと結託して彼の婚約者である公爵令嬢ヒルダを陥れようとした。
だが、結局計画は失敗に終わり、当然ながらジェラールとも破局。
その後、ジェラールは廃嫡された挙句修道士として修道院に幽閉され、グリゼルダは邸に軟禁状態で四六時中監視される生活を送ることとなった。
国王がフェミニストで寛大だったのと、バーガンディ伯爵が王室の遠縁に当たるということもあり、グリゼルダは軟禁処分に留まったのだ。
犯した罪の重さを考えれば、本来ならグリゼルダも修道院に幽閉されたとしても何らおかしくない。けれど、グリゼルダは一人っ子で兄弟がいなかった。
だから、きっと父親であるバーガンディ伯爵も跡取りのことで悩んだ末に娘を邸に軟禁することにしたのだろう。
グリゼルダがスキャンダルを起こして以来、バーガンディ伯爵は気苦労が絶えなかった。その心労がたたったのか、十年前に病床に伏せそのまま亡くなってしまった。
母親もグリゼルダを産んですぐにこの世を去ってしまったため、グリゼルダは頼れる人間がろくにいない中、爵位を継ぐことになったのだ。
そんなグリゼルダには前世の記憶がある。
前世のグリゼルダは二十歳の日本人女性で、ある小説にはまっていた。
ところがある日、不慮の事故で死んでしまったのだ。そして、気づけば直前まで読んでいた小説の世界にヒロインであるグリゼルダとして転生していた。
前世の記憶が蘇った瞬間、グリゼルダは歓喜した。
グリゼルダは、前世の推しだったジェラールと結ばれる日を心待ちにしていた。
けれど、一向にその日は訪れない。何故なら、悪役であるはずの公爵令嬢ヒルダがなかなか尻尾を出さなかったからだ。
本性を現さないどころか、寧ろ彼女は品行方正な性格のいい令嬢として評判を上げている。グリゼルダは、ついに痺れを切らした。
このまま本性を現さなければ、あの女とジェラールが結婚してしまう。何とかしなければ。
悩んだ末に、グリゼルダはヒルダを陥れることにした。
駄目元でジェラールを誘惑したら、すぐに彼はグリゼルダに靡いた。
作中では、グリゼルダは地味だけれど美人という設定だった。
だから、ちょっとお洒落に気を使えば、ジェラールはおろか学園中の男子生徒たちが虜になったのだ。
原作と展開が違うなら、自分で流れを変えて修正すればいい。そうすれば、自分はきっと幸せになれる。グリゼルダは、そう信じて疑わなかった。
(どうして、私があんな目に遭わないといけないの……? せっかく、大好きな小説の世界に転生したのに)
二十年以上前のことなのに、あの日受けた屈辱がつい昨日の出来事のように鮮明に思い出される。
あの日──学園主催のダンスパーティーの最中、グリゼルダは「ヒルダに階段から突き落とされそうになった」と訴えた。
うるうると目を潤ませてジェラールの隣に並べば、事前に示し合わせていた通り彼はヒルダに婚約破棄を突きつけ断罪してくれた。
全部、思惑通りにいくと思ったのに……なぜか、ヒルダの取り巻きの男たちが邪魔をしたのだ。
ヒルダの取り巻きは、本来ならグリゼルダを好きになるはずだった。それなのに、彼らはグリゼルダがイメチェンをしても全く靡かないどころか、眼中にもなさそうだった。
それだけでも気に入らないのに、あろうことかヒルダを庇うなんて。
彼らは口々に「ヒルダ嬢がそんなことをするはずがありません」と言ってヒルダを擁護した。
そして──挙句の果てに、グリゼルダの秘密を暴露したのである。
実は、ジェラールを誘惑したグリゼルダはそれだけでは飽き足らず他の男子生徒たちとも関係を持っていた。
グリゼルダは浮かれていた。自分は物語の主人公なのだ。幸せな未来が約束されているのだから、多少の火遊びは許されるはず。そう思い、自身の美貌を利用して生徒どころか教師にまで手を出した。
それを知るなり、ジェラールはこめかみに青筋を立てて憤慨した。そして、仲間割れをした挙句、責任の擦り付け合いにまで発展し──結局、ヒルダと取り巻きたちによって返り討ちにされてしまったのだ。
(はぁ……もう一度、初めからやり直せないかしら。あ、でも……もしかしたら、今世で死んだら今度は別の異世界に転生できたりして。それなら、次は大好きだったあの乙女ゲームの世界に転生したいな)
そんなことをぼんやりと考えながら、グリゼルダはティーカップに口をつける。
「そう言えば、今日はカーラの命日ですね」
「え? あ、ああ……そうね」
スチュアートに話しかけられ、はっと我に返ったグリゼルダは慌てて返事をする。
カーラ──彼女は、グリゼルダの侍女だった女性だ。
二十二年前。グリゼルダがスキャンダルを起こしたのを皮切りに、使用人が次々と辞めていった。
そんな中、最後まで邸に残ってグリゼルダに忠誠を誓ってくれたのがカーラだった。もちろん、今、自分の隣にいるスチュアートもその一人だ。
『何があろうと、私はお嬢様の味方ですからね』
それが、カーラの口癖だった。グリゼルダは、まるで向日葵のような彼女の笑顔に救われていた。
だが、同時に妬ましくもあった。カーラには夫と小さな息子がいた。夫が体を壊してからは、彼女が大黒柱を担っていたらしい。
夫の治療費も払わなければいけないため、家計はいつも火の車だったらしいが、彼女はいつも幸せそうだった。
(伯爵令嬢である私が、カーラより不幸だなんて……そんなの、絶対に許せない)
そう考えたら、グリゼルダは無性にカーラが憎くなった。
ある日、グリゼルダは所用で外出したカーラを尾行した。
そして、彼女が階段を下りようとしている時にそっと背後から忍び寄り、ドンッと背中を押して突き落としたのだ。
当時、カーラは妊娠していた。カーラ自身は怪我をしただけで済んだが、お腹の子は流産してしまったと聞いた。
グリゼルダは胸がすく思いだった。
侍女のくせに、私より幸せになるから悪いんだ。これは、ちょっとしたお仕置きなんだと──そう自分に言い聞かせ、正当化した。
子供を失ったカーラは意気消沈していた。
一応、仕事には復帰したものの、どこかうわの空でいつも虚ろな目をしていた。
そして、月日は流れ──数ヶ月後。カーラは、ある日突然死んでしまった。
その日。無断欠勤が何日も続いていたので流石にグリゼルダもおかしいと思い、スチュアートに様子を見に行かせたのだ。
鍵は開いたままだったらしい。怪訝に思いながらもスチュアートが部屋に入ると──なんと、カーラが首を吊っていたらしい。その傍らでは、まだ幼い息子が泣きじゃくっていたそうだ。
なんでも、彼女の夫は数ヶ月前に病死したらしい。
スチュアートも彼女の夫が死んだことは知らなかったようで、「きっと、誰にも相談できなかったのでしょうね。可哀想に」と哀れんでいた。
遺書などは特に見つからなかったらしいが、使用人たちの間では「きっと、あんなことがあった後に旦那にまで先立たれてしまって、希望が見出だせなくなったんだろう」と噂になっていた。
──もう、十五年も前の話だ。
カーラが首を吊って死んだという知らせを受けた時は、流石にグリゼルダも動揺した。
けれど、元はと言えば彼女が悪いのだ。だから、気に病む必要なんてない。
「グリゼルダ様がお好きなローズティーとブリオッシュでございます」
「まあ、私の好物を用意してくれたのね。ありがとう、スチュアート」
スチュアートにローズティーとブリオッシュを差し出されたグリゼルダは、にっこり微笑んで礼を言う。
グリゼルダはもう不惑の年だが、未だに独身だった。
というのも、若い頃に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠されていたからだ。
二十二年前。グリゼルダは、恋仲だった王太子──ジェラールと結託して彼の婚約者である公爵令嬢ヒルダを陥れようとした。
だが、結局計画は失敗に終わり、当然ながらジェラールとも破局。
その後、ジェラールは廃嫡された挙句修道士として修道院に幽閉され、グリゼルダは邸に軟禁状態で四六時中監視される生活を送ることとなった。
国王がフェミニストで寛大だったのと、バーガンディ伯爵が王室の遠縁に当たるということもあり、グリゼルダは軟禁処分に留まったのだ。
犯した罪の重さを考えれば、本来ならグリゼルダも修道院に幽閉されたとしても何らおかしくない。けれど、グリゼルダは一人っ子で兄弟がいなかった。
だから、きっと父親であるバーガンディ伯爵も跡取りのことで悩んだ末に娘を邸に軟禁することにしたのだろう。
グリゼルダがスキャンダルを起こして以来、バーガンディ伯爵は気苦労が絶えなかった。その心労がたたったのか、十年前に病床に伏せそのまま亡くなってしまった。
母親もグリゼルダを産んですぐにこの世を去ってしまったため、グリゼルダは頼れる人間がろくにいない中、爵位を継ぐことになったのだ。
そんなグリゼルダには前世の記憶がある。
前世のグリゼルダは二十歳の日本人女性で、ある小説にはまっていた。
ところがある日、不慮の事故で死んでしまったのだ。そして、気づけば直前まで読んでいた小説の世界にヒロインであるグリゼルダとして転生していた。
前世の記憶が蘇った瞬間、グリゼルダは歓喜した。
グリゼルダは、前世の推しだったジェラールと結ばれる日を心待ちにしていた。
けれど、一向にその日は訪れない。何故なら、悪役であるはずの公爵令嬢ヒルダがなかなか尻尾を出さなかったからだ。
本性を現さないどころか、寧ろ彼女は品行方正な性格のいい令嬢として評判を上げている。グリゼルダは、ついに痺れを切らした。
このまま本性を現さなければ、あの女とジェラールが結婚してしまう。何とかしなければ。
悩んだ末に、グリゼルダはヒルダを陥れることにした。
駄目元でジェラールを誘惑したら、すぐに彼はグリゼルダに靡いた。
作中では、グリゼルダは地味だけれど美人という設定だった。
だから、ちょっとお洒落に気を使えば、ジェラールはおろか学園中の男子生徒たちが虜になったのだ。
原作と展開が違うなら、自分で流れを変えて修正すればいい。そうすれば、自分はきっと幸せになれる。グリゼルダは、そう信じて疑わなかった。
(どうして、私があんな目に遭わないといけないの……? せっかく、大好きな小説の世界に転生したのに)
二十年以上前のことなのに、あの日受けた屈辱がつい昨日の出来事のように鮮明に思い出される。
あの日──学園主催のダンスパーティーの最中、グリゼルダは「ヒルダに階段から突き落とされそうになった」と訴えた。
うるうると目を潤ませてジェラールの隣に並べば、事前に示し合わせていた通り彼はヒルダに婚約破棄を突きつけ断罪してくれた。
全部、思惑通りにいくと思ったのに……なぜか、ヒルダの取り巻きの男たちが邪魔をしたのだ。
ヒルダの取り巻きは、本来ならグリゼルダを好きになるはずだった。それなのに、彼らはグリゼルダがイメチェンをしても全く靡かないどころか、眼中にもなさそうだった。
それだけでも気に入らないのに、あろうことかヒルダを庇うなんて。
彼らは口々に「ヒルダ嬢がそんなことをするはずがありません」と言ってヒルダを擁護した。
そして──挙句の果てに、グリゼルダの秘密を暴露したのである。
実は、ジェラールを誘惑したグリゼルダはそれだけでは飽き足らず他の男子生徒たちとも関係を持っていた。
グリゼルダは浮かれていた。自分は物語の主人公なのだ。幸せな未来が約束されているのだから、多少の火遊びは許されるはず。そう思い、自身の美貌を利用して生徒どころか教師にまで手を出した。
それを知るなり、ジェラールはこめかみに青筋を立てて憤慨した。そして、仲間割れをした挙句、責任の擦り付け合いにまで発展し──結局、ヒルダと取り巻きたちによって返り討ちにされてしまったのだ。
(はぁ……もう一度、初めからやり直せないかしら。あ、でも……もしかしたら、今世で死んだら今度は別の異世界に転生できたりして。それなら、次は大好きだったあの乙女ゲームの世界に転生したいな)
そんなことをぼんやりと考えながら、グリゼルダはティーカップに口をつける。
「そう言えば、今日はカーラの命日ですね」
「え? あ、ああ……そうね」
スチュアートに話しかけられ、はっと我に返ったグリゼルダは慌てて返事をする。
カーラ──彼女は、グリゼルダの侍女だった女性だ。
二十二年前。グリゼルダがスキャンダルを起こしたのを皮切りに、使用人が次々と辞めていった。
そんな中、最後まで邸に残ってグリゼルダに忠誠を誓ってくれたのがカーラだった。もちろん、今、自分の隣にいるスチュアートもその一人だ。
『何があろうと、私はお嬢様の味方ですからね』
それが、カーラの口癖だった。グリゼルダは、まるで向日葵のような彼女の笑顔に救われていた。
だが、同時に妬ましくもあった。カーラには夫と小さな息子がいた。夫が体を壊してからは、彼女が大黒柱を担っていたらしい。
夫の治療費も払わなければいけないため、家計はいつも火の車だったらしいが、彼女はいつも幸せそうだった。
(伯爵令嬢である私が、カーラより不幸だなんて……そんなの、絶対に許せない)
そう考えたら、グリゼルダは無性にカーラが憎くなった。
ある日、グリゼルダは所用で外出したカーラを尾行した。
そして、彼女が階段を下りようとしている時にそっと背後から忍び寄り、ドンッと背中を押して突き落としたのだ。
当時、カーラは妊娠していた。カーラ自身は怪我をしただけで済んだが、お腹の子は流産してしまったと聞いた。
グリゼルダは胸がすく思いだった。
侍女のくせに、私より幸せになるから悪いんだ。これは、ちょっとしたお仕置きなんだと──そう自分に言い聞かせ、正当化した。
子供を失ったカーラは意気消沈していた。
一応、仕事には復帰したものの、どこかうわの空でいつも虚ろな目をしていた。
そして、月日は流れ──数ヶ月後。カーラは、ある日突然死んでしまった。
その日。無断欠勤が何日も続いていたので流石にグリゼルダもおかしいと思い、スチュアートに様子を見に行かせたのだ。
鍵は開いたままだったらしい。怪訝に思いながらもスチュアートが部屋に入ると──なんと、カーラが首を吊っていたらしい。その傍らでは、まだ幼い息子が泣きじゃくっていたそうだ。
なんでも、彼女の夫は数ヶ月前に病死したらしい。
スチュアートも彼女の夫が死んだことは知らなかったようで、「きっと、誰にも相談できなかったのでしょうね。可哀想に」と哀れんでいた。
遺書などは特に見つからなかったらしいが、使用人たちの間では「きっと、あんなことがあった後に旦那にまで先立たれてしまって、希望が見出だせなくなったんだろう」と噂になっていた。
──もう、十五年も前の話だ。
カーラが首を吊って死んだという知らせを受けた時は、流石にグリゼルダも動揺した。
けれど、元はと言えば彼女が悪いのだ。だから、気に病む必要なんてない。
101
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
婚約破棄上等!私を愛さないあなたなんて要りません
音無砂月
ファンタジー
*幸せは婚約破棄の後にやってくるからタイトル変更
*ジャンルを変更しました。
公爵家長女エマ。15歳の時に母を亡くした。貴族は一年喪に服さないといけない。喪が明けた日、父が愛人と娘を連れてやって来た。新しい母親は平民。一緒に連れて来た子供は一歳違いの妹。名前はマリアナ。
マリアナは可愛く、素直でいい子。すぐに邸に溶け込み、誰もに愛されていた。エマの婚約者であるカールすらも。
誰からも愛され、素直ないい子であるマリアナがエマは気に入らなかった。
家族さえもマリアナを優先する。
マリアナの悪意のない言動がエマの心を深く抉る
悪役令嬢に相応しいエンディング
無色
恋愛
月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。
ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。
さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。
ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。
だが彼らは愚かにも知らなかった。
ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。
そして、待ち受けるエンディングを。
今、私は幸せなの。ほっといて
青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。
卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。
そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。
「今、私は幸せなの。ほっといて」
小説家になろうにも投稿しています。
悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。
潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。
これぞほんとの悪役令嬢サマ!?〜掃討はすみやかに〜
黒鴉そら
ファンタジー
貴族の中の貴族と呼ばれるレイス家の令嬢、エリザベス。彼女は第一王子であるクリスの婚約者である。
ある時、クリス王子は平民の女生徒であるルナと仲良くなる。ルナは玉の輿を狙い、王子へ豊満な胸を当て、可愛らしい顔で誘惑する。エリザベスとクリス王子の仲を引き裂き、自分こそが王妃になるのだと企んでいたが……エリザベス様はそう簡単に平民にやられるような性格をしていなかった。
座右の銘は”先手必勝”の悪役令嬢サマ!
前・中・後編の短編です。今日中に全話投稿します。
特技は有効利用しよう。
庭にハニワ
ファンタジー
血の繋がらない義妹が、ボンクラ息子どもとはしゃいでる。
…………。
どうしてくれよう……。
婚約破棄、になるのかイマイチ自信が無いという事実。
この作者に色恋沙汰の話は、どーにもムリっポい。
アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!
アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。
「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」
王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。
背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。
受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ!
そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた!
すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!?
※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。
※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。
※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる