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「よろしいですか?宰相令息。ズレアバ様は入学して早々、学園の殿方たちに接触しよくふたりきりになっていたと、婚約者のいる女子生徒がたから苦情があったのです。」
フレドがわずかにたじろぐ。
ズレアバが僕やフレドたちだけでなく、多くの男に色目を使っていたことは、彼らの中では見て見ぬフリすべきタブーとして、これまで放置されていたからだ。
「そ、それは…それとこれとは関係ないだろう!」
「ございます。婚約というのは、当人たちだけの問題にはおさまりません。貴族と貴族の繋がり、お互いの関係と立場を守るためのものです。婚約者のいる殿方にアプローチをするということは、その繋がりを脅かし、ふたつもの貴族家に喧嘩を売ることです。失礼ながら一介の男爵家の令嬢であるズレアバ様にその責任が取れまして?」
「な、なんて高慢な!」
僕は今しがた行われたフレドとアーデルハイトの弁論をまとめる。
「要するに君は、ズレアバと関わりのある女子生徒たちに、彼女が犯している過ちを教えて、婚約者を奪われたり問題に巻き込まれたりしないよう、忠告していたということでよろしいか?」
「はい。」
「ぬぐぅっ…!!!」
僕とアーデルハイト、それとソラ以外の来賓者たちに、困惑の色が浮かび上がる。
「どういうつもりなの?王太子殿下。学園ではあんなにアーデルハイト様を断罪してやるって息巻いてたのに。」
「オイ、何考えてるんだよルシフの奴は!アイツが筆頭になってズレアバを守るから、俺たちは援護するって話じゃねえのかよ!」
アーデルハイトは依然として眉ひとつ動かさず、僕を見つめている。
「…では、これはどうなんだ?ズレアバの替えの制服やノートなどの私物を破いたり汚したりしたというのは。」
僕は証拠品である破れた制服や汚れたノートを出す。
「それは恐らく彼女の同級生がやったものでしょう。当時三学年のわたくしでは、フロアも違う教室に足を運び、他の生徒たちの目まで盗んでイタズラをするなど出来ません。」
「では君は直接的にも間接的にも、一切関与してないんだな?」
「はい。」
「嘘を吐くな!」
次に横槍を入れたのは、近衛騎士団団長の息子ガッツだ。
「ズレアバはお前に悪評を広められたせいで、女の子の友達が出来ないって、俺たちに泣きついてきたんだぞ!つまり女子生徒は誰も彼女に近寄らない!お前以外に誰がいるんだ!」
「先程も言ったとおり、わたくしが何を言ったところで、悪評が広まるのはズレアバ様の日頃の行いによるものです。ズレアバ様がこれまでアプローチした殿方のなかに、婚約者がいる方は何人いらっしゃいましたか?」
「ゔっ…」
ガッツは黙り、後ろに下がった。
「……え?え?どうしてよ皆、なんで。」
ズレアバは僕を含めた逆ハーレムメンバーを見回して、困惑している。
たったひとりの人間を相手にこれだけの数が揃ってるのだから、楽勝だと思っていたのだろう。
つくづく原始的で、おめでたい頭をしている。
フレドがわずかにたじろぐ。
ズレアバが僕やフレドたちだけでなく、多くの男に色目を使っていたことは、彼らの中では見て見ぬフリすべきタブーとして、これまで放置されていたからだ。
「そ、それは…それとこれとは関係ないだろう!」
「ございます。婚約というのは、当人たちだけの問題にはおさまりません。貴族と貴族の繋がり、お互いの関係と立場を守るためのものです。婚約者のいる殿方にアプローチをするということは、その繋がりを脅かし、ふたつもの貴族家に喧嘩を売ることです。失礼ながら一介の男爵家の令嬢であるズレアバ様にその責任が取れまして?」
「な、なんて高慢な!」
僕は今しがた行われたフレドとアーデルハイトの弁論をまとめる。
「要するに君は、ズレアバと関わりのある女子生徒たちに、彼女が犯している過ちを教えて、婚約者を奪われたり問題に巻き込まれたりしないよう、忠告していたということでよろしいか?」
「はい。」
「ぬぐぅっ…!!!」
僕とアーデルハイト、それとソラ以外の来賓者たちに、困惑の色が浮かび上がる。
「どういうつもりなの?王太子殿下。学園ではあんなにアーデルハイト様を断罪してやるって息巻いてたのに。」
「オイ、何考えてるんだよルシフの奴は!アイツが筆頭になってズレアバを守るから、俺たちは援護するって話じゃねえのかよ!」
アーデルハイトは依然として眉ひとつ動かさず、僕を見つめている。
「…では、これはどうなんだ?ズレアバの替えの制服やノートなどの私物を破いたり汚したりしたというのは。」
僕は証拠品である破れた制服や汚れたノートを出す。
「それは恐らく彼女の同級生がやったものでしょう。当時三学年のわたくしでは、フロアも違う教室に足を運び、他の生徒たちの目まで盗んでイタズラをするなど出来ません。」
「では君は直接的にも間接的にも、一切関与してないんだな?」
「はい。」
「嘘を吐くな!」
次に横槍を入れたのは、近衛騎士団団長の息子ガッツだ。
「ズレアバはお前に悪評を広められたせいで、女の子の友達が出来ないって、俺たちに泣きついてきたんだぞ!つまり女子生徒は誰も彼女に近寄らない!お前以外に誰がいるんだ!」
「先程も言ったとおり、わたくしが何を言ったところで、悪評が広まるのはズレアバ様の日頃の行いによるものです。ズレアバ様がこれまでアプローチした殿方のなかに、婚約者がいる方は何人いらっしゃいましたか?」
「ゔっ…」
ガッツは黙り、後ろに下がった。
「……え?え?どうしてよ皆、なんで。」
ズレアバは僕を含めた逆ハーレムメンバーを見回して、困惑している。
たったひとりの人間を相手にこれだけの数が揃ってるのだから、楽勝だと思っていたのだろう。
つくづく原始的で、おめでたい頭をしている。
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