31 / 72
31 やっぱり気になるよね
しおりを挟む
「あのクロス義兄様がそのような状態にあったということは、聖女に近づくことが大変危険なことだと推察します」
「そうだね。じゃ、キマイラを倒したら領地に戻るよ。姫も一緒に帰るでしょ?」
ん?キマイラを倒す?
「キマイラ?」
「そうそう、今回受けた依頼は祠から5頭のキマイラが出てきて暴れているから討伐して欲しいと依頼されたんだ」
「祠?もしかして··········」
聖女がココでも封印の要を持ち去って行った?
「ここも封印の祠があったんだよ。幾度か来たことはあったけど全く知らなかった。一体何処から情報を得ているのか」
多分乙女ゲームのイベントだろう。私は全くもって知らないけれど。
というか愚兄その3。依頼を受けているならサッサと討伐に行け!あの満身創痍の人すごく困っていたじゃないか。
「愚兄。その依頼を受けているのにここで呑気に食事をしているのはなぜ?」
「それは勿論。姫がいるなら姫が最優先になるよね。ああ、討伐は先にアレンが行っているから大丈夫」
アレン·····愚兄その3の侍従だ。だけど、いつも良いように使われている可哀想な人なのだ。今回もお前一人で行って来いとか言われたのだろう。
「それ、愚兄が受けた依頼ならアレンが行くのは違うと思う。今からでも行ってくるといい。というか、早急に行け」
「えー。凄く久しぶりに会ったのに食事ぐらい一緒にしてもいいよね。それよりも·····」
愚兄その3の視線は私の隣に向けられた。仮面を被った怪しい人物にだ。
「こいつは誰なんだ?周りにカティーしか置かなかった姫の隣にいるなんておかしいよな」
愚兄その3、フォークで人は指してはなりませんよ。
微妙にいい方を変えてきたなぁ。やっぱり気になるよね。
まぁ、カティーしか側に置かなかったのは、カティーがまともだったからだ。逆に言えばカティーだけが私を私として見てくれたからだ。
しかし、誰っと問われてもどう答えるべきか。元の身分的は天と地ほどの差があるけど、本人は抹消したと言っているから平民?
名前をそのまま言うと面倒なことになりかねないし·····うん。そのまま言おう。
「怪我しているのを拾っただけ」
「はぁ。姫がお人好しなのはわかるけど、毎回よくわからないモノを拾っては駄目だと何度も言っているよね」
確かにカティーからも家族からもよく言われたけど、そんなに変なモノは拾ってきてはいない。·······はず。
「よく分からない者ではないよ。血筋的には私達より高貴なのは確か。ただ訳あり」
そう、色々訳あり。フェーリトゥールに“人か?”と言われるほどの訳あり。
「·······」
愚兄その3は仮面の怪しい人物をジッと観察している。何処の者か記憶から照らし合わせているのだろう。けれど、見た目の情報は2メルと大柄な人物で赤い髪というものしかない。
やはり、記憶の中に該当する人物がいなかったようで、ため息と共に首を横に振っている。
「領地まで一緒に戻るからいいか」
なんて独り言が聞こえてきたので、そこはキッパリと否定しておく。
「私は一旦王都に寄ってから領地に向かう予定なので、愚兄とは別行動です」
「え?なんで?」
さも、私と一緒に行動するのが当然のだろうと言う雰囲気を醸し出すのはやめてほしい。愚兄たちと共に行動すると私が精神的に疲れてしまうから嫌だ。
王都に向かうのはやはり今回の事が気になったのが一番なのだけど、2箇所の領地が人が住めなくなったというのが解せ無い。情報を得るにはやはり王都に向かうのが一番いいのだ。
「王都には気になることがあるので、確認の為にいくの。それから、私が話した聖女の事を前オヴァール辺境伯爵夫人に伝えて欲しい。今回の命令に一枚噛んでいるのでしょ?」
すると、愚兄その3は眉を潜め私を観察するように眺める。
「なんでそんなに他人行儀なんだ?普通にお祖母様と言えばいいだろう?」
「貴族位は剥奪されていますので、そこは線引させていただきます」
「クロス叔父上は義兄と呼んでいるのに?」
「本人の行動には色々問題があるけど、カティーには幸せになって欲しいので、という意味を込めて」
行動的には問題があるけど、今回の事は例外として、カティーの事を一番に考えてくれているのは確か。
魅了されていたときのことは覚えているらしく、義兄クロスはとてもとても落ち込んでいた。
カティーは義兄クロスに対してオヴァール家の四男という以外の感情は持ち合わせてないので慰めてはやらなかったけど。
まぁ、私は嫌われているので、私が『義兄』と呼ぶと悪態をつこうとしているけど、カティーがいる手前そこまで邪険にはできないとうジレンマを垣間見るのが面白いのもある。
「はぁ。お祖母様には報告をしておくよ。アレンにそろそろ怒られそうだから、行って来るけど、姫。」
愚兄その3が神妙な顔つきで呼びかけて来た。
「なに?」
「泊まるなら、中央通りの『メローラヒュッテ』なら大丈夫だと思うよ」
中央通り、覚えておこう。きっと愚兄その3もそこに泊まる予定なのだろう。
「そう、ありがとう」
「姫に褒められた」
愚兄その3は頬を染めながら笑った。可愛くないし、周りがキャーキャーうるさい。
「褒めてないし、さっさと行け!」
「そうだね。じゃ、キマイラを倒したら領地に戻るよ。姫も一緒に帰るでしょ?」
ん?キマイラを倒す?
「キマイラ?」
「そうそう、今回受けた依頼は祠から5頭のキマイラが出てきて暴れているから討伐して欲しいと依頼されたんだ」
「祠?もしかして··········」
聖女がココでも封印の要を持ち去って行った?
「ここも封印の祠があったんだよ。幾度か来たことはあったけど全く知らなかった。一体何処から情報を得ているのか」
多分乙女ゲームのイベントだろう。私は全くもって知らないけれど。
というか愚兄その3。依頼を受けているならサッサと討伐に行け!あの満身創痍の人すごく困っていたじゃないか。
「愚兄。その依頼を受けているのにここで呑気に食事をしているのはなぜ?」
「それは勿論。姫がいるなら姫が最優先になるよね。ああ、討伐は先にアレンが行っているから大丈夫」
アレン·····愚兄その3の侍従だ。だけど、いつも良いように使われている可哀想な人なのだ。今回もお前一人で行って来いとか言われたのだろう。
「それ、愚兄が受けた依頼ならアレンが行くのは違うと思う。今からでも行ってくるといい。というか、早急に行け」
「えー。凄く久しぶりに会ったのに食事ぐらい一緒にしてもいいよね。それよりも·····」
愚兄その3の視線は私の隣に向けられた。仮面を被った怪しい人物にだ。
「こいつは誰なんだ?周りにカティーしか置かなかった姫の隣にいるなんておかしいよな」
愚兄その3、フォークで人は指してはなりませんよ。
微妙にいい方を変えてきたなぁ。やっぱり気になるよね。
まぁ、カティーしか側に置かなかったのは、カティーがまともだったからだ。逆に言えばカティーだけが私を私として見てくれたからだ。
しかし、誰っと問われてもどう答えるべきか。元の身分的は天と地ほどの差があるけど、本人は抹消したと言っているから平民?
名前をそのまま言うと面倒なことになりかねないし·····うん。そのまま言おう。
「怪我しているのを拾っただけ」
「はぁ。姫がお人好しなのはわかるけど、毎回よくわからないモノを拾っては駄目だと何度も言っているよね」
確かにカティーからも家族からもよく言われたけど、そんなに変なモノは拾ってきてはいない。·······はず。
「よく分からない者ではないよ。血筋的には私達より高貴なのは確か。ただ訳あり」
そう、色々訳あり。フェーリトゥールに“人か?”と言われるほどの訳あり。
「·······」
愚兄その3は仮面の怪しい人物をジッと観察している。何処の者か記憶から照らし合わせているのだろう。けれど、見た目の情報は2メルと大柄な人物で赤い髪というものしかない。
やはり、記憶の中に該当する人物がいなかったようで、ため息と共に首を横に振っている。
「領地まで一緒に戻るからいいか」
なんて独り言が聞こえてきたので、そこはキッパリと否定しておく。
「私は一旦王都に寄ってから領地に向かう予定なので、愚兄とは別行動です」
「え?なんで?」
さも、私と一緒に行動するのが当然のだろうと言う雰囲気を醸し出すのはやめてほしい。愚兄たちと共に行動すると私が精神的に疲れてしまうから嫌だ。
王都に向かうのはやはり今回の事が気になったのが一番なのだけど、2箇所の領地が人が住めなくなったというのが解せ無い。情報を得るにはやはり王都に向かうのが一番いいのだ。
「王都には気になることがあるので、確認の為にいくの。それから、私が話した聖女の事を前オヴァール辺境伯爵夫人に伝えて欲しい。今回の命令に一枚噛んでいるのでしょ?」
すると、愚兄その3は眉を潜め私を観察するように眺める。
「なんでそんなに他人行儀なんだ?普通にお祖母様と言えばいいだろう?」
「貴族位は剥奪されていますので、そこは線引させていただきます」
「クロス叔父上は義兄と呼んでいるのに?」
「本人の行動には色々問題があるけど、カティーには幸せになって欲しいので、という意味を込めて」
行動的には問題があるけど、今回の事は例外として、カティーの事を一番に考えてくれているのは確か。
魅了されていたときのことは覚えているらしく、義兄クロスはとてもとても落ち込んでいた。
カティーは義兄クロスに対してオヴァール家の四男という以外の感情は持ち合わせてないので慰めてはやらなかったけど。
まぁ、私は嫌われているので、私が『義兄』と呼ぶと悪態をつこうとしているけど、カティーがいる手前そこまで邪険にはできないとうジレンマを垣間見るのが面白いのもある。
「はぁ。お祖母様には報告をしておくよ。アレンにそろそろ怒られそうだから、行って来るけど、姫。」
愚兄その3が神妙な顔つきで呼びかけて来た。
「なに?」
「泊まるなら、中央通りの『メローラヒュッテ』なら大丈夫だと思うよ」
中央通り、覚えておこう。きっと愚兄その3もそこに泊まる予定なのだろう。
「そう、ありがとう」
「姫に褒められた」
愚兄その3は頬を染めながら笑った。可愛くないし、周りがキャーキャーうるさい。
「褒めてないし、さっさと行け!」
1
あなたにおすすめの小説
断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
古堂 素央
恋愛
【完結】
「なんでわたしを突き落とさないのよ」
学園の廊下で、見知らぬ女生徒に声をかけられた公爵令嬢ハナコ。
階段から転げ落ちたことをきっかけに、ハナコは自分が乙女ゲームの世界に生まれ変わったことを知る。しかもハナコは悪役令嬢のポジションで。
しかしなぜかヒロインそっちのけでぐいぐいハナコに迫ってくる攻略対象の王子。その上、王子は前世でハナコがこっぴどく振った瓶底眼鏡の山田そっくりで。
ギロチンエンドか瓶底眼鏡とゴールインするか。選択を迫られる中、他の攻略対象の好感度まで上がっていって!?
悪役令嬢? 断罪ざまぁ? いいえ、冴えない王子と結ばれるくらいなら、ノシつけてヒロインに押しつけます!
黒ヒロインの陰謀を交わしつつ、無事ハナコは王子の魔の手から逃げ切ることはできるのか!?
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
お飾り王妃のはずなのに、黒い魔法を使ったら溺愛されてます
りんりん
恋愛
特産物のないポプリ国で、唯一有名なのは魔法だ。
初代女王は、歴史に名を残すほどの魔法使い。
それから数千年、高い魔力を引き継いだ女王の子孫達がこの国をおさめてきた。
時はアンバー女王の時代。
アンバー女王の夫シュリ王婿は、他国の第八王子であった。
どこか影の薄い王婿は、三女ローズウッドを不義の子ではと疑っている。
なぜなら、ローズウッドだけが
自分と同じ金髪碧眼でなかったからだ。
ローズウッドの薄いピンク色の髪と瞳は宰相ククスにそっくりなのも、気にいらない。
アンバー女王の子供は四人で、すべて女の子だった。
なかでもローズウッドは、女王の悩みの種だ。
ローズウッドは、現在14才。
誰に似たのか、呑気で魔力も乏しい。
ある日ストーン国のレオ王から、ローズウッド王女を妻にしたいとうい申し出が届いた。
ポプリ国は、ストーン国から魔法石の原料になる石を輸入している。
その石はストーン国からしか採れない。
そんな関係にある国の申し出を、断ることはできなかった。
しかし、レオ王に愛人がいるという噂を気にしたアンバー女王は悩む。
しかし、ローズウッド王女は嫁ぐことにする。
そして。
異国で使い魔のブーニャンや、チューちゃんと暮らしているうちに、ローズウッドはレオ王にひかれていってしまう。
ある日、偶然ローズウッドは、レオ王に呪いがかけられていることを知る。
ローズウッドは、王にかけられた呪いをとこうと行動をおこすのだった。
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
《完結》《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》でブスですって!女の子は変われますか?変われました!!
皇子(みこ)
恋愛
辺境の地でのんびり?過ごして居たのに、王都の舞踏会に参加なんて!あんな奴等のいる所なんて、ぜーたいに行きません!でブスなんて言われた幼少時の記憶は忘れないー!
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる