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16章 英雄の国
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「ナディア様ですか。別にいいのでは?」
「嬢ちゃん、適当に言っただろ。母親の聖女に会いたくないから、いい加減なことを言って女神の機嫌を損ねたら、4000千年前の二の舞だぞ。」
シェリーはため息を吐く。確かに母親である聖女に会いたくはないが、会わなくても女神ナディアの声を聞くぐらいはできる。しかし、女神ナディアにその意を尋ねなくても、そんな神託を下したかは理解ができる。
「はぁ。神々の気まぐれですよ。ナディア様は白き神を嫌っていますからね。嫌がらせをしたかったのでしょう。」
そう、あの謎の生命体によって己の血族が二度も聖女にされることは女神ナディアにとって面白くないことだったに違いない。そこで、シェリーの番の一人が己の血族から選ばれると知れば、どうすれば謎の生命体を牽制できるかと考えたはずだ。どの様な行程をたどりシド総帥の次女をラースに嫁がせるように神託を下したかはわからないが、結果としてグレイが女神の寵愛を授かっているのだ。
「意味がわからないのだが?」
「女神の寵愛の加護を授けることで、神意をグレイさんに伝えることができる。それだけで十分意味があるのですよ。閣下。」
「それはグレイシャルが女神ナディアに操られているということか?」
「この世界ではそれが当たり前でしょう?なぜそんな事を言われるのですか?ツガイというものが存在している時点で、それを受け入れている時点で、神の意を受けていることに気づかないのですか?」
『相変わらずシェリーちゃんは捻ているわね。もう少し素直に物事を捉えてくれてもいいと思うわ。』
突然、鈴が鳴っているような美しい声が部屋を満たした。いや、声の持ち主はシェリーの目の前にいた。ずっとこそにいたかのように、長椅子に座っているシド総帥の隣に足を組んで座っていた。
「ナディア様お久しぶりです。」
そう言ってシェリーは立ち上がり礼の姿勢をとる。慌てて、シェリーのツガイたちも立ち上がり同じように礼の姿勢をとった。
「頭を上げて、楽にすればいいわ。」
ころころと鈴が鳴るような声で笑っている女性は先程から話題に上がっていた女神ナディア本人である。長い赤い髪を高く結い、優しげな金色の目をシェリーに向けている。とても美しい女神だ。
そんな女神が突然自分の横に突然存在したシド総帥は飛び上がるように部屋の端まで駆けて行った。そう、シド総帥の格好は未だに寝癖のついたボサボサの髪に上半身裸の状態だった。神と呼ばれる存在に会う格好ではない。
「そこの者もう少し身なりを整えてきなさい。」
女神に指摘され脱兎の如く部屋を出ていくシド総帥。その姿を見て女神ナディアはころころ笑う。
「あなた達も座るといいわ。」
座ることを勧められたシェリーは立ったままに女神に聞いた。
「神殿でなくてもいいのですか?」
突然ラースの女神が他国であるギラン共和国の一施設に降臨してきてよかったのかと尋ねているのだ。
「ええ、あのムカつくヤロー程、私は周りに悪影響を与えないからいいのよ。まあ、弱いと息苦しさを感じるぐらいよ。それにそれ程、長居はしないわ。」
女神ナディアが言うムカつくヤローというのはシェリーが言う謎の生命体と同一人物のことだ。あの者が術を通してこの地に降り立っただけでも、強制的な影響を周りに与えているのは確かだった。
問題がないようなので、シェリーはさり気なく、カイルの隣に座ろうとしたが、引き寄せられ元のとおりにカイルの膝の上に座らされてしまった。ちっ。
扉からノック音が聞こえた後すぐに扉が開き、シド総帥が身なりを整えて入って来た。あの寝癖で跳ねていた髪を後ろに撫で付け、詰め襟のギラン傭兵団の軍服を着て現れたのだ。早かった。それ程早くできるのであれば、シェリーに会うまでに身なりを整えることができたのではないだろうか。
「金狼も座ると良いわ。」
女神ナディアに言われシド総帥はオルクスの隣に座る。
「先程から私の愛し子の事で色々言っているみたいだけど、まぁ大体シェリーちゃんの言っているとおりよ。私の意志を愛し子に反映させるというよりも、あのムカつくヤローに対する牽制よ。
あいつが何をしようとしているかを知って、少しこっちで手を加えたのよ。
ほら、ビアンカが聖女にされたあと最悪だったじゃない?私とラースの子供達をいいように使われて、今度も勝手なことをしようとしているでしょ?
だから、3人の変革者の影響を受けたガレーネかフィーディスの血を取り入れたかったのよ。あのムカつくヤローの影響が最も少ない血をラースに入れることで、あいつの影響をなるべく受けないようにしてたのに、肝心なシェリーちゃんがこれでしょ?」
女神ナディアのシェリーに対する評価はあまり良くないらしい。
「嬢ちゃん、適当に言っただろ。母親の聖女に会いたくないから、いい加減なことを言って女神の機嫌を損ねたら、4000千年前の二の舞だぞ。」
シェリーはため息を吐く。確かに母親である聖女に会いたくはないが、会わなくても女神ナディアの声を聞くぐらいはできる。しかし、女神ナディアにその意を尋ねなくても、そんな神託を下したかは理解ができる。
「はぁ。神々の気まぐれですよ。ナディア様は白き神を嫌っていますからね。嫌がらせをしたかったのでしょう。」
そう、あの謎の生命体によって己の血族が二度も聖女にされることは女神ナディアにとって面白くないことだったに違いない。そこで、シェリーの番の一人が己の血族から選ばれると知れば、どうすれば謎の生命体を牽制できるかと考えたはずだ。どの様な行程をたどりシド総帥の次女をラースに嫁がせるように神託を下したかはわからないが、結果としてグレイが女神の寵愛を授かっているのだ。
「意味がわからないのだが?」
「女神の寵愛の加護を授けることで、神意をグレイさんに伝えることができる。それだけで十分意味があるのですよ。閣下。」
「それはグレイシャルが女神ナディアに操られているということか?」
「この世界ではそれが当たり前でしょう?なぜそんな事を言われるのですか?ツガイというものが存在している時点で、それを受け入れている時点で、神の意を受けていることに気づかないのですか?」
『相変わらずシェリーちゃんは捻ているわね。もう少し素直に物事を捉えてくれてもいいと思うわ。』
突然、鈴が鳴っているような美しい声が部屋を満たした。いや、声の持ち主はシェリーの目の前にいた。ずっとこそにいたかのように、長椅子に座っているシド総帥の隣に足を組んで座っていた。
「ナディア様お久しぶりです。」
そう言ってシェリーは立ち上がり礼の姿勢をとる。慌てて、シェリーのツガイたちも立ち上がり同じように礼の姿勢をとった。
「頭を上げて、楽にすればいいわ。」
ころころと鈴が鳴るような声で笑っている女性は先程から話題に上がっていた女神ナディア本人である。長い赤い髪を高く結い、優しげな金色の目をシェリーに向けている。とても美しい女神だ。
そんな女神が突然自分の横に突然存在したシド総帥は飛び上がるように部屋の端まで駆けて行った。そう、シド総帥の格好は未だに寝癖のついたボサボサの髪に上半身裸の状態だった。神と呼ばれる存在に会う格好ではない。
「そこの者もう少し身なりを整えてきなさい。」
女神に指摘され脱兎の如く部屋を出ていくシド総帥。その姿を見て女神ナディアはころころ笑う。
「あなた達も座るといいわ。」
座ることを勧められたシェリーは立ったままに女神に聞いた。
「神殿でなくてもいいのですか?」
突然ラースの女神が他国であるギラン共和国の一施設に降臨してきてよかったのかと尋ねているのだ。
「ええ、あのムカつくヤロー程、私は周りに悪影響を与えないからいいのよ。まあ、弱いと息苦しさを感じるぐらいよ。それにそれ程、長居はしないわ。」
女神ナディアが言うムカつくヤローというのはシェリーが言う謎の生命体と同一人物のことだ。あの者が術を通してこの地に降り立っただけでも、強制的な影響を周りに与えているのは確かだった。
問題がないようなので、シェリーはさり気なく、カイルの隣に座ろうとしたが、引き寄せられ元のとおりにカイルの膝の上に座らされてしまった。ちっ。
扉からノック音が聞こえた後すぐに扉が開き、シド総帥が身なりを整えて入って来た。あの寝癖で跳ねていた髪を後ろに撫で付け、詰め襟のギラン傭兵団の軍服を着て現れたのだ。早かった。それ程早くできるのであれば、シェリーに会うまでに身なりを整えることができたのではないだろうか。
「金狼も座ると良いわ。」
女神ナディアに言われシド総帥はオルクスの隣に座る。
「先程から私の愛し子の事で色々言っているみたいだけど、まぁ大体シェリーちゃんの言っているとおりよ。私の意志を愛し子に反映させるというよりも、あのムカつくヤローに対する牽制よ。
あいつが何をしようとしているかを知って、少しこっちで手を加えたのよ。
ほら、ビアンカが聖女にされたあと最悪だったじゃない?私とラースの子供達をいいように使われて、今度も勝手なことをしようとしているでしょ?
だから、3人の変革者の影響を受けたガレーネかフィーディスの血を取り入れたかったのよ。あのムカつくヤローの影響が最も少ない血をラースに入れることで、あいつの影響をなるべく受けないようにしてたのに、肝心なシェリーちゃんがこれでしょ?」
女神ナディアのシェリーに対する評価はあまり良くないらしい。
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