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17章 不確定な未来と不穏な未来の予兆
〜広報部サリー2〜
しおりを挟むサリー軍曹 side
「ぐへへへへへ」
いつもながらの怪しい声が室内に響いている。
「いい。やっぱりいい。」
一枚の写真を見つめながら怪しい笑い声を発しているサリーがいる。周りの者達はいつものことなので、個人の仕事を黙々としている。そんなサリーの楽しみに水を差す人物がいた。
「サリー軍曹。サリー軍曹!お仕事です!」
「誰?私の楽しみの時間を奪う不届き者は!」
そう言ってサリーが顔を上げると、黒髪に一部に白い髪が混じり背中には黒い翼を生やしたイリアが立っていた。
「あら?イリア外交官、帰ってきたの?」
「帰って来ましたよ。」
疲れた顔で言っているイリアにサリーは立ち上がって前のめりで言い寄っていく。
「ねぇ。シェリーちゃんの彼達と一緒にいた感想を聞かせて!やっぱ、むふふな感じ?それともぐふふふな感じ?」
サリーの感覚で問われてもイリアとして困ってしまうのだが、それは長年のサリーを見てきて慣れたイリアは
「ひやーって感じですか。」
「いいね。いいね。」
全くもってよくわからない会話が二人の間で成立している。そこに割り込んできた人物がいる。サリーの部下であり、サリーの良き理解者だ。
「どの辺りがひやーなのですか?」
「ミルティー。いい質問ね。それでどうなの?」
「シェリーちゃんはいつもどおりなのに、甘々な彼たちに囲まれていることですか。これはどういう関係?と思いつつ観察していると、互いを牽制しつつ表面上は協力しているっていうドキドキ感が半端なかったです。」
「「おお!」」
「それでイリアの一推しは?」
サリーがズバリと聞いた。
「ニコニコカイル様と視線だけで射殺すピリピリカイル様のギャップ萌えです。」
「いいわ。いいわ。」
そう言いながらサリーはじゅるりと涎を拭う。
「他はどうです?私、オルクス様推しなのですけど?」
ミルティーと呼ばれた女性がイリアに聞いてきた。
「オルクス様は普段飄々とした感じですが、ふとした時にシェリーちゃんに甘えています。」
「ぐふっ。」
ミルティーが陥落した。床にうずくまって『それ凄く良いわ。あのオルクス様が甘えてくるなんて、妄想が!妄想が!』なんて事を言っている。
「それで、サリー軍曹。本題ですが。」
「何々!モルテ王に会ったのよね。どんな感じ?噂は所詮噂ってこと?」
サリーはハイテンションでイリアに聞いてきたがモルテ王の名前が出た瞬間イリアの顔色が若干悪くなった。
「・・・モルテ王ですか。本題はそれじゃないのですが。」
「で?っどうなの?アンニュイ系?それともミステリアスって感じ?」
「あー。顔は良かったですね。」
「それで?それで?」
「影に人形や魔物の影のようなモノを飼っているようで、モルテ王の感情によって這い出てきていました。」
「え?それなに?」
サリーはイリアの雰囲気が先程と違うことに気がついたようだ。
「ふふふ。シェリーちゃんが、あのシェリーちゃんがモルテ王を怒らすし、私はね、ちゃんと忠告していたのですよ。あの外交官とモルテ王は怒らせないでって、なのによくわからない人の名前をシェリーちゃんが言ったと思ったらそれがモルテ王の逆鱗だったらしく。死を覚悟したのにそのモルテ王すら、生易しいものだったなんて。」
「イリア?大丈夫?」
「シェリーちゃんがね。神を喚んだのよ。あれが神じゃなかったらなに?悪魔?魔王?私なんて床に這いつくばるしかなかったのよ。あんな圧倒的な力の塊を感じたことなんて無いわ。」
「ちょっとー!誰かイリアにお茶を入れてあげて!」
イリアのただならぬ雰囲気にサリーは慌てて、椅子に座るように促した。
「はぁ。多分ノートル様とブライ第4師団長もトラウマになっていると思うわ。」
お茶を飲んで一息ついたイリアから出た言葉がそれだった。
「そ、それは大変だったわね。流石、破壊神シェリーちゃんってことなのかな?」
「それから、これが本題です。」
そう言いながらイリアは書類が入った封筒をサリーに渡した。
「ああ、毎年のシェリーちゃんにお願いしているものね。」
サリーは封筒から書類の束を出して見る。
「毎回のことだけど修正するところが多いわね。シェリーちゃんが作ってくれる方がいいんじゃないの?」
赤色の修正箇所を見ながらサリーはそんな事を言っているが、シェリーがしていることは本来サリーがすべき事だ。
「まあいいわ。いい話を聞けたから当分仕事の糧に出来そう。1週間はもつわ。ああ、イリア。今回のお礼として、コレをあげるわ。」
サリーはイリアに一枚の写真を手渡した。それは先程までサリーが怪しい声を上げていた写真だった。
「こ・・・これは、第3師団長様の!」
「イリアの推しでしょ?いい感じよね。やっぱ天才よね。シェリーちゃんは。」
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