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20章 趣味と実用性を兼ね備えたモノは奇怪な存在
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「やっぱ、あの鎧と戦うのが一番手っ取り早いと思うんだけど。」
依頼先に向かいながら、グレイが言う。
今日はそのまま王都の中の依頼を済ますことにした。第一層内に荷物を配達する依頼なのだが、それだけなら誰でもできるように思える。
しかし、物がモノなので新人に頼むことができないし、そもそも第一層内に入る許可がでない。
「それで?」
「戦わせてくれないか?」
オルクスがシェリーに懇願するように尋ねる。シェリーに鎧対する命令権が無いというのに、さもシェリーの許可がないと戦かえないと言わんばかりに
「先に『愚者の常闇』ダンジョンに行って陽子さんに認めてもらってください。」
「それだと、ご主人様の側を離れることになりますよね。駄目ですよね。」
シェリーが陽子の許可が必要だと言うが、スーウェンはシェリーの側を離れることを嫌がる。
「鎧の命令は陽子さんしかできません。」
「シェリーが駄目と言うから、ヨーコという者が駄目だと言ったのだろう?」
リオンがシェリーを伺うように尋ねる。
シェリーは駄目とは言ってはいない。鎧と戦うのが無駄だと言ったのだ。
「はぁ。剣を持ったことのない子供にドラゴンと戦えと言っても無理なこと。」
「シェリー。その例えは酷すぎだよ。」
カイルに諌められるが、シェリーはそこまで酷い例えとは思っていない。
「カイルさん。あれは意思のない人形です。手加減というものができない力の暴力の塊。そんなモノを力を得るための相手にするなんて子供がドラゴンを相手にすることと同意義だと思いますよ。モノには順序というものが必要なのでは?」
その言葉にカイルは納得するように頷いた。
「そういうことか。」
カイルは4人に向かって言う。
「『愚者の常闇』に行くのが先みたいだね。」
だが、納得していない様子のグレイが不満そうにシェリーに問う。
「でも、シェリーは所詮鎧って言っていたよな。それをドラゴンに例えるのはおかしいよな。」
シェリーはここまで言って分かってもらえない事にため息が漏れてしまう。
「はぁ。」
ため息の言葉にせずに含まれているものは、朝言った事すら分かってもらえていないことへの呆れだった。
今回の目的の建物の前まで来たが、あれ以降シェリーは無言を貫いていた。面倒だと思いつつも言葉にし説明しても、あの鎧たちの特異性も自分たちの現状をわかってもらえなかったのだ。今の彼らの状況で鎧を行動不能にする事なんて絶対に無理なのだ。
建物の扉を開け、シェリーは中に入っていく。ここは先日来た軍本部の建物である。何かと軍本部に来ることが多いので、一般人にも関わらず勝手を知ってるシェリーがサクサクと進んでいく。すれ違う軍の者たちが案内も付けずに本部内を勝手に歩いている見たことのない黒髪のシェリーに目を見張り、声を掛けようとするが、周りにいる者たちを見て怯んでしまっている光景が廊下のあちらこちらで見られた。
そして、シェリーは広報部の扉をノックする。中から『はーい』という声と共に顔なじみの女性が出てきた。
顔を出した女性はシェリーが何かを言う前に慌てて扉を閉めて
「ぐんそ~。めっちゃヤバいです。メロメロシェリーちゃんが再来です!」
なんて声が聞こえてきた。またおかしな呼び方をされてしまった。
「なんですって!」
中からサリーの声がに響いてきて、慌ただしく歩く靴の音が響き、再び扉が開かれた。今度は青い髪に長いうさぎの耳がピンと伸びたサリーが出てきた。
「シェリーちゃん今日はどうした・・・うっ」
シェリーを見て、その周りを見渡して、顔を背けて『マジでヤバい。』と言葉を漏らしてから姿勢を正して
「どうしたの?」
と言い直した。
「冒険者ギルドからの依頼で魔剣100本を持ってきたのですが、誰にお渡しすればいいのでしょうか?軍本部に持ってくるようにしか依頼書に書かれていなかったのですが?」
「ああ、その依頼ね。第6師団に持っていってもらえるかな?シェリーちゃんだから受け取りのサインは私がしておくわ。」
サリーにそう言われたため、第6師団でやり取りをすると面倒くさそうなので、受け渡しの記録用の魔石をサリーに渡し、受け取りの記録を魔力で刻んで貰う。
魔石を受け取りながらシェリーはサリーに尋ねる。
「そもそも、第6師団からの依頼なら、魔剣ぐらい技術者のユーフィアさんに頼めばいいのでは?」
サリーは何故か写真機をシェリーに渡しながら答える。
「ダメダメ。あの人の作る魔剣は私達じゃ扱えない物だから意味が無いの。」
魔武器を主に作っているユーフィアが作る魔剣は魔力量が少ない獣人にとって扱えない物のようだ。
「そうですか。それで、これは何故渡されたのですか?」
シェリーは写真機を示しながら尋ねる。するとサリーはシェリーの耳元で囁いた。
「後ろの彼達の写真お願いね。返すのはいつでもいいから。」
「それ広報活動と関係なく、サリーさんの趣味ですよね。面倒なのでお断りします。」
そう言ってシェリーは写真機をサリーに押し付け、広報部を後にした。
閑話
「軍曹!私、間近でご尊顔を拝む事ができました。生オクルス様かっこいいー!」
「ミルティー。コレを」
サリーは先程シェリーから返却された写真機をミルティーと呼んだ部下に手渡す。
「はっ!極秘任務でありますね。」
ミルティーはサリーに向かって敬礼を行う。
「そう、極秘任務よ。貴女にしか頼めないわ。」
「了解致しました。メロメロシェリーちゃんの後を付けて隠し撮りですね。」
「ああ、望遠レンズも渡しておくわ。失敗は許されないわよ。」
「はっ!」
広報部の者たちは、真剣に話すサリーとミルティーを見ながら、また私利私欲なことを始めたなと思っていた。
依頼先に向かいながら、グレイが言う。
今日はそのまま王都の中の依頼を済ますことにした。第一層内に荷物を配達する依頼なのだが、それだけなら誰でもできるように思える。
しかし、物がモノなので新人に頼むことができないし、そもそも第一層内に入る許可がでない。
「それで?」
「戦わせてくれないか?」
オルクスがシェリーに懇願するように尋ねる。シェリーに鎧対する命令権が無いというのに、さもシェリーの許可がないと戦かえないと言わんばかりに
「先に『愚者の常闇』ダンジョンに行って陽子さんに認めてもらってください。」
「それだと、ご主人様の側を離れることになりますよね。駄目ですよね。」
シェリーが陽子の許可が必要だと言うが、スーウェンはシェリーの側を離れることを嫌がる。
「鎧の命令は陽子さんしかできません。」
「シェリーが駄目と言うから、ヨーコという者が駄目だと言ったのだろう?」
リオンがシェリーを伺うように尋ねる。
シェリーは駄目とは言ってはいない。鎧と戦うのが無駄だと言ったのだ。
「はぁ。剣を持ったことのない子供にドラゴンと戦えと言っても無理なこと。」
「シェリー。その例えは酷すぎだよ。」
カイルに諌められるが、シェリーはそこまで酷い例えとは思っていない。
「カイルさん。あれは意思のない人形です。手加減というものができない力の暴力の塊。そんなモノを力を得るための相手にするなんて子供がドラゴンを相手にすることと同意義だと思いますよ。モノには順序というものが必要なのでは?」
その言葉にカイルは納得するように頷いた。
「そういうことか。」
カイルは4人に向かって言う。
「『愚者の常闇』に行くのが先みたいだね。」
だが、納得していない様子のグレイが不満そうにシェリーに問う。
「でも、シェリーは所詮鎧って言っていたよな。それをドラゴンに例えるのはおかしいよな。」
シェリーはここまで言って分かってもらえない事にため息が漏れてしまう。
「はぁ。」
ため息の言葉にせずに含まれているものは、朝言った事すら分かってもらえていないことへの呆れだった。
今回の目的の建物の前まで来たが、あれ以降シェリーは無言を貫いていた。面倒だと思いつつも言葉にし説明しても、あの鎧たちの特異性も自分たちの現状をわかってもらえなかったのだ。今の彼らの状況で鎧を行動不能にする事なんて絶対に無理なのだ。
建物の扉を開け、シェリーは中に入っていく。ここは先日来た軍本部の建物である。何かと軍本部に来ることが多いので、一般人にも関わらず勝手を知ってるシェリーがサクサクと進んでいく。すれ違う軍の者たちが案内も付けずに本部内を勝手に歩いている見たことのない黒髪のシェリーに目を見張り、声を掛けようとするが、周りにいる者たちを見て怯んでしまっている光景が廊下のあちらこちらで見られた。
そして、シェリーは広報部の扉をノックする。中から『はーい』という声と共に顔なじみの女性が出てきた。
顔を出した女性はシェリーが何かを言う前に慌てて扉を閉めて
「ぐんそ~。めっちゃヤバいです。メロメロシェリーちゃんが再来です!」
なんて声が聞こえてきた。またおかしな呼び方をされてしまった。
「なんですって!」
中からサリーの声がに響いてきて、慌ただしく歩く靴の音が響き、再び扉が開かれた。今度は青い髪に長いうさぎの耳がピンと伸びたサリーが出てきた。
「シェリーちゃん今日はどうした・・・うっ」
シェリーを見て、その周りを見渡して、顔を背けて『マジでヤバい。』と言葉を漏らしてから姿勢を正して
「どうしたの?」
と言い直した。
「冒険者ギルドからの依頼で魔剣100本を持ってきたのですが、誰にお渡しすればいいのでしょうか?軍本部に持ってくるようにしか依頼書に書かれていなかったのですが?」
「ああ、その依頼ね。第6師団に持っていってもらえるかな?シェリーちゃんだから受け取りのサインは私がしておくわ。」
サリーにそう言われたため、第6師団でやり取りをすると面倒くさそうなので、受け渡しの記録用の魔石をサリーに渡し、受け取りの記録を魔力で刻んで貰う。
魔石を受け取りながらシェリーはサリーに尋ねる。
「そもそも、第6師団からの依頼なら、魔剣ぐらい技術者のユーフィアさんに頼めばいいのでは?」
サリーは何故か写真機をシェリーに渡しながら答える。
「ダメダメ。あの人の作る魔剣は私達じゃ扱えない物だから意味が無いの。」
魔武器を主に作っているユーフィアが作る魔剣は魔力量が少ない獣人にとって扱えない物のようだ。
「そうですか。それで、これは何故渡されたのですか?」
シェリーは写真機を示しながら尋ねる。するとサリーはシェリーの耳元で囁いた。
「後ろの彼達の写真お願いね。返すのはいつでもいいから。」
「それ広報活動と関係なく、サリーさんの趣味ですよね。面倒なのでお断りします。」
そう言ってシェリーは写真機をサリーに押し付け、広報部を後にした。
閑話
「軍曹!私、間近でご尊顔を拝む事ができました。生オクルス様かっこいいー!」
「ミルティー。コレを」
サリーは先程シェリーから返却された写真機をミルティーと呼んだ部下に手渡す。
「はっ!極秘任務でありますね。」
ミルティーはサリーに向かって敬礼を行う。
「そう、極秘任務よ。貴女にしか頼めないわ。」
「了解致しました。メロメロシェリーちゃんの後を付けて隠し撮りですね。」
「ああ、望遠レンズも渡しておくわ。失敗は許されないわよ。」
「はっ!」
広報部の者たちは、真剣に話すサリーとミルティーを見ながら、また私利私欲なことを始めたなと思っていた。
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