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27章 魔人と神人
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「佐々木さん。もしかして神さんと交信しているのか?」
言葉としては間違っていないが、オカルト的な響きがある言葉に、シェリーはシュロスを睨みつける。
「あ?」
機嫌の悪さが声に漏れ出ていた。ここに来てシェリーの口の悪さが思いっきり出てしまっている。それは家族以外は敬語で話すわけだ。
しかし、佐々木の記憶を持ち、この世界では成人している年齢のシェリーだ。感情のまま言葉を吐き捨てることは、思いとどまることはできる。
「シュロス王。お静かに」
いや、言葉の強さが、シェリーの機嫌の悪さを滲み出していた。
そしてシェリーは、再び独り言のような言葉を紡ぎ出す。
「私の今から使う幻影スキルに干渉すれば、この世界に降り立てます。そして威圧しながら、馬鹿なことは止めるように言ってください」
『それ楽しそうだね』
シェリーの言葉に、了承ではない言葉がクスクスという笑い声と共に降ってきた。
「ちっ!」
今の白き神と全く同じ対応に、シェリーから舌打ちが出てしまう。その舌打ちを聞いてますます笑い声が、大きくなっていった。
ここでイライラしても、暖簾に腕押しの白き神だ。シェリーは深呼吸して、そのイライラを吐き出す。
白き神とシュロスは案外似ているのかもしれないと思いつつ。そう、自分勝手なところがだ。
「『夢の残像』」
シェリーは何も考えずにスキルを発動した。白き神がこの地上に降臨するきっかけであり、白き神が初めて世界に降り立つきっかけをシェリーは作ったのだ。
そして世界は、その神にひれ伏すように音が無くなった。
まわりの景色は何も変わらず、青いガラスのような壁に囲まれ、天上に空いた円状の空間から光が落ちている。
そこに何もかもが白い存在が佇んで、青い空を見上げていた。
その光景を目にしているのは、シェリーとシュロスの二人のみ。後の者たちは己の身を冷たい床に伏し、少しでも視界に入らないように身を縮め震えていた。
今までここで死した神とは全く別の存在だと、その身で感じ取っているのだ。
『空はこんな色をしているのか。美しいな』
思いっきり外面のいい白き神の言葉に、シェリーは舌打ちをしそうになるも何とか思いとどまる。
ここの者たちに神に逆らってはいけないと、思わせるためだ。
『聖女か……ん? 何と戦うのだ? 世界は平和そのものだろう?』
白き神は青い空を見たあと、その視線をシェリーに移して首を傾げた。視線とはいっても白い絵の具を眼球に流し込んだような目をしているので、シェリーの方を向いたというのが正しい。
「私のことは良いので、ここの者たちに言うべきことを言って、帰ってください」
シェリーは白き神の言葉には答えず、さっさとバカどもに言えと促す。そのシェリーの態度に白き神は珍しく、呆然とした。
そして、クスクスと笑い出す。
『そうか。何が落ちてきたのかと思っていたが、君は私に気に入られているのだろう?』
「ちっ!」
今度は我慢が出来ず、シェリーは舌打ちをする。ここに連れてきた元凶が何を言っているのだと。
『さて、我は今はとても気分がいい。お前たちに罰を与えようと思っていたが、別のことにしよう』
「神殺しの罰は受けるべきです」
白き神の言葉にシェリーは反論する。考えていた罰を与えろと。
すると白き神は笑みをシェリーに向けたあと、白い絵の具を流し込んだ様な目をシュロスに向けた。
『シュロス。君はいい意味でも悪い意味でも世界を変革してくれた。君の望みを一つ言うといい。ある事以外なら、望みを叶えてあげよう』
「は?」
「よっしゃぁぁぁ!神エンディングだ!」
白き神の言葉にシェリーから低い声が漏れ、シュロスからは歓喜の叫びが発せられた。
「神さんよぅ!俺を元の世界に帰してくれ」
『それは無理だ』
「何故だ!何でもって言ったじゃないか!」
『ある事以外はと条件を言ったはずだ』
「もしかして、まだ何か足りないのか?何が条件なんだ?これで元の世界に帰れるはずだろう!」
シュロスの中では世界を越えるための条件を色々考え、ブツブツと言い出した。そのシュロスの姿を見て、シェリーは白き神に言葉をかける。それはとても残酷で、全てを崩壊させる言葉だ。
「シュロス王にあちらの現実を見せてあげてください。死して日常は何事もなく巡っていることを。できますよね」
シェリーは己自身で体験したことを、シュロスにも体験させようとしている。いい加減に現実を見ろと。
『おや?何故できると断言するのかな?』
「貴方が私に見せたからですよ!」
シェリーはふつふつとした怒りを持ちながら答えた。佐々木に現実を見せつけたことを。家族は佐々木の死後、新たな家族を迎えていたという佐々木の家族への執着を切断する光景をだ。
『へぇー。私がそこまでのことを君にしたのか。それはそれで驚きだ』
そう言って白き神は、ブツブツと言っているシュロスに向かって手を振った。するとシュロスは事切れたロボットのようにそのまま動かなくなってしまう。
『さて、君たちには我から祝福を与えよう』
白き神は床に伏している白き翼を持った者たちに、罰ではなく祝福を与えると言葉にしたのだった。
言葉としては間違っていないが、オカルト的な響きがある言葉に、シェリーはシュロスを睨みつける。
「あ?」
機嫌の悪さが声に漏れ出ていた。ここに来てシェリーの口の悪さが思いっきり出てしまっている。それは家族以外は敬語で話すわけだ。
しかし、佐々木の記憶を持ち、この世界では成人している年齢のシェリーだ。感情のまま言葉を吐き捨てることは、思いとどまることはできる。
「シュロス王。お静かに」
いや、言葉の強さが、シェリーの機嫌の悪さを滲み出していた。
そしてシェリーは、再び独り言のような言葉を紡ぎ出す。
「私の今から使う幻影スキルに干渉すれば、この世界に降り立てます。そして威圧しながら、馬鹿なことは止めるように言ってください」
『それ楽しそうだね』
シェリーの言葉に、了承ではない言葉がクスクスという笑い声と共に降ってきた。
「ちっ!」
今の白き神と全く同じ対応に、シェリーから舌打ちが出てしまう。その舌打ちを聞いてますます笑い声が、大きくなっていった。
ここでイライラしても、暖簾に腕押しの白き神だ。シェリーは深呼吸して、そのイライラを吐き出す。
白き神とシュロスは案外似ているのかもしれないと思いつつ。そう、自分勝手なところがだ。
「『夢の残像』」
シェリーは何も考えずにスキルを発動した。白き神がこの地上に降臨するきっかけであり、白き神が初めて世界に降り立つきっかけをシェリーは作ったのだ。
そして世界は、その神にひれ伏すように音が無くなった。
まわりの景色は何も変わらず、青いガラスのような壁に囲まれ、天上に空いた円状の空間から光が落ちている。
そこに何もかもが白い存在が佇んで、青い空を見上げていた。
その光景を目にしているのは、シェリーとシュロスの二人のみ。後の者たちは己の身を冷たい床に伏し、少しでも視界に入らないように身を縮め震えていた。
今までここで死した神とは全く別の存在だと、その身で感じ取っているのだ。
『空はこんな色をしているのか。美しいな』
思いっきり外面のいい白き神の言葉に、シェリーは舌打ちをしそうになるも何とか思いとどまる。
ここの者たちに神に逆らってはいけないと、思わせるためだ。
『聖女か……ん? 何と戦うのだ? 世界は平和そのものだろう?』
白き神は青い空を見たあと、その視線をシェリーに移して首を傾げた。視線とはいっても白い絵の具を眼球に流し込んだような目をしているので、シェリーの方を向いたというのが正しい。
「私のことは良いので、ここの者たちに言うべきことを言って、帰ってください」
シェリーは白き神の言葉には答えず、さっさとバカどもに言えと促す。そのシェリーの態度に白き神は珍しく、呆然とした。
そして、クスクスと笑い出す。
『そうか。何が落ちてきたのかと思っていたが、君は私に気に入られているのだろう?』
「ちっ!」
今度は我慢が出来ず、シェリーは舌打ちをする。ここに連れてきた元凶が何を言っているのだと。
『さて、我は今はとても気分がいい。お前たちに罰を与えようと思っていたが、別のことにしよう』
「神殺しの罰は受けるべきです」
白き神の言葉にシェリーは反論する。考えていた罰を与えろと。
すると白き神は笑みをシェリーに向けたあと、白い絵の具を流し込んだ様な目をシュロスに向けた。
『シュロス。君はいい意味でも悪い意味でも世界を変革してくれた。君の望みを一つ言うといい。ある事以外なら、望みを叶えてあげよう』
「は?」
「よっしゃぁぁぁ!神エンディングだ!」
白き神の言葉にシェリーから低い声が漏れ、シュロスからは歓喜の叫びが発せられた。
「神さんよぅ!俺を元の世界に帰してくれ」
『それは無理だ』
「何故だ!何でもって言ったじゃないか!」
『ある事以外はと条件を言ったはずだ』
「もしかして、まだ何か足りないのか?何が条件なんだ?これで元の世界に帰れるはずだろう!」
シュロスの中では世界を越えるための条件を色々考え、ブツブツと言い出した。そのシュロスの姿を見て、シェリーは白き神に言葉をかける。それはとても残酷で、全てを崩壊させる言葉だ。
「シュロス王にあちらの現実を見せてあげてください。死して日常は何事もなく巡っていることを。できますよね」
シェリーは己自身で体験したことを、シュロスにも体験させようとしている。いい加減に現実を見ろと。
『おや?何故できると断言するのかな?』
「貴方が私に見せたからですよ!」
シェリーはふつふつとした怒りを持ちながら答えた。佐々木に現実を見せつけたことを。家族は佐々木の死後、新たな家族を迎えていたという佐々木の家族への執着を切断する光景をだ。
『へぇー。私がそこまでのことを君にしたのか。それはそれで驚きだ』
そう言って白き神は、ブツブツと言っているシュロスに向かって手を振った。するとシュロスは事切れたロボットのようにそのまま動かなくなってしまう。
『さて、君たちには我から祝福を与えよう』
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