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28 帰路
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一段落し、ようやく我が家へ帰る。叔父様はお父様の勧めで、今夜は泊まっていかれることになった。
家族全員が同じ馬車に乗り込み、和やかな空気の中で会話が弾む。
「おそらく後日、天璽家から呼び出しがかかるだろう。事件の聞き取りのためだ。緊張する必要はない。疑われているわけではないからな」
「「わかりました」」
「それにしても、光矢と叔父様が共同で開発していたのって、あの神具だったのね」
「うん。早速役に立ってよかったよ」
「本当に素晴らしいわ。世に出れば、子どもを持つすべての家庭で使われるようになるんじゃないかしら?」
叔父様が笑みを浮かべて答える。
「あれはね、光矢の方から『こういうものは作れないか』と相談を受けて始まったんだ」
「だって、これがあれば姉さまに何かあった時、すぐ駆けつけられるでしょ?」
「それで、使用した感想は?」
「本当に助けられたわ。でも……音が消せた方がいいかもしれない。犯人に気づかれたら、その場で捨てられてしまう可能性があるから」
「なるほど。まだまだ改良の余地はありそうだな」
お母様も口を添える。
「女性に持たせるなら、意匠にもこだわった方がいいわ。花紋を取り入れたり、ドレスや着物につけても浮かないように。価格は少し高めでも、個別に応じて」
「さすが透子さん。我々にはない視点だ」
今度はお父様が提案する。
「ならば、小型化すればいい。小さければ装飾品の一部として自然に身につけられるだろう」
「確かに。小型化は必須ですね」
叔父様の目が輝く。
「光矢!一度身につけてもらっただけで、これだけ改良点が出るとは!まだまだやることがあるぞ!」
「はい、叔父様!頑張りましょう!」
するとお父様が、真剣な面持ちで言った。
「克己。費用はもちろん出す。試作品でもいいから、瑞葉と透子、それから光矢にも持たせておいてくれ。受け側は私が持とう。……こちらから位置の確認はできるのか?」
あまりに過保護な言葉に、私と光矢は思わず顔を見合わせ、呆然とした。
お母様はくすくすと笑っておっしゃった。
「あなたたち、驚いたでしょう? 私もつい最近知ったの。この人、家族のことになると案外心配性なのよ。最初から、こうだったらしいの」
私と光矢はますます驚愕した。お父様がそんなふうに思ってくださっていたなんて……表には出ないにも程がある。
――こんなにも愛してくれる人たちに、もう隠し事はよくない。
胸の奥にずっとあった罪悪感が疼く。私は過去のことを断片的にしか覚えていない。だからこそ、役立つことは少ない。けれど……十六歳まで生きたということだけでも、伝えておきたい。私は天賦の才を持つわけでも、特別な存在でもないということも。
やがて、馬車は家の門をくぐろうとしていた。
私は意を決し、口を開いた。
「お父様、お母様、叔父様。家に着いたら……お話ししたいことがあります」
途端に、馬車の中が静まり返った。
お父様と叔父様は真剣な表情に変わり、お母様は、どこか覚悟していたように私を見つめていた。まるで、私がずっと何かを隠していることを、とうに気づいていたかのように。
家族全員が同じ馬車に乗り込み、和やかな空気の中で会話が弾む。
「おそらく後日、天璽家から呼び出しがかかるだろう。事件の聞き取りのためだ。緊張する必要はない。疑われているわけではないからな」
「「わかりました」」
「それにしても、光矢と叔父様が共同で開発していたのって、あの神具だったのね」
「うん。早速役に立ってよかったよ」
「本当に素晴らしいわ。世に出れば、子どもを持つすべての家庭で使われるようになるんじゃないかしら?」
叔父様が笑みを浮かべて答える。
「あれはね、光矢の方から『こういうものは作れないか』と相談を受けて始まったんだ」
「だって、これがあれば姉さまに何かあった時、すぐ駆けつけられるでしょ?」
「それで、使用した感想は?」
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「なるほど。まだまだ改良の余地はありそうだな」
お母様も口を添える。
「女性に持たせるなら、意匠にもこだわった方がいいわ。花紋を取り入れたり、ドレスや着物につけても浮かないように。価格は少し高めでも、個別に応じて」
「さすが透子さん。我々にはない視点だ」
今度はお父様が提案する。
「ならば、小型化すればいい。小さければ装飾品の一部として自然に身につけられるだろう」
「確かに。小型化は必須ですね」
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「はい、叔父様!頑張りましょう!」
するとお父様が、真剣な面持ちで言った。
「克己。費用はもちろん出す。試作品でもいいから、瑞葉と透子、それから光矢にも持たせておいてくれ。受け側は私が持とう。……こちらから位置の確認はできるのか?」
あまりに過保護な言葉に、私と光矢は思わず顔を見合わせ、呆然とした。
お母様はくすくすと笑っておっしゃった。
「あなたたち、驚いたでしょう? 私もつい最近知ったの。この人、家族のことになると案外心配性なのよ。最初から、こうだったらしいの」
私と光矢はますます驚愕した。お父様がそんなふうに思ってくださっていたなんて……表には出ないにも程がある。
――こんなにも愛してくれる人たちに、もう隠し事はよくない。
胸の奥にずっとあった罪悪感が疼く。私は過去のことを断片的にしか覚えていない。だからこそ、役立つことは少ない。けれど……十六歳まで生きたということだけでも、伝えておきたい。私は天賦の才を持つわけでも、特別な存在でもないということも。
やがて、馬車は家の門をくぐろうとしていた。
私は意を決し、口を開いた。
「お父様、お母様、叔父様。家に着いたら……お話ししたいことがあります」
途端に、馬車の中が静まり返った。
お父様と叔父様は真剣な表情に変わり、お母様は、どこか覚悟していたように私を見つめていた。まるで、私がずっと何かを隠していることを、とうに気づいていたかのように。
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