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嬉しい転生【彩音の場合】
3.どきどき
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ルイ先輩はリビングで、ソファに座って楽譜を片手にアイスコーヒーを飲んでいた。
そしてタオルだけで戻った私をみたルイ先輩は一瞬驚いたように目を見開いた。
(やばっ間違えた…!?服着てくるべきだった…!)
羞恥に硬直して、あまりの緊張に若干震えてしまう。
「うーんと…」
ルイ先輩は困ったように言うと、手元にあったバスタオルを肩にかけてくれた。ふいっと目は合わせてくれない。
「俺も…シャワー浴びてくるから、…待ってて」
(しくじった…)
私はタオルを握りしめながら、こみ上げる涙をこらえる。先輩が洗面所に行って、すぐ水音がしてきた。
スマホ、スマホがさっき手元にあればちゃんと正解を知れたのに!
“初H シャワー 格好”とかググったのに!くっそぉお!
(いや、いい。まだ本番はこれからだから。無事、本番に辿り付ければそれでいい。落ち着け、私)
…ところでセックスの前って何してればいいんだろう?
彼を待つこの間は何をしていれば??私はどんな格好で待ってるのが正解?
きょろきょろと見回すと、リビングのすぐ隣の、ルイ先輩の寝室が見える。
引き戸が開いたままになっているそこを、そーっと覗いてみる。
そこは8畳ほどで、家具やカーテンが紺色で統一された上品な雰囲気の部屋だった。
落ち着いたこげ茶のトーンのフローリングに、部屋の中は片付いていて、ダブルサイズの大きなベッドと、楽譜の詰まった本棚、パソコンデスクしかない。
(わぁ…ルイ先輩のベッド…。この部屋、すっごく先輩のいい匂いがする…)
誘われるように、ふら~っと寝室に足を踏み入れる。入って左手にベランダが見える。ベランダも綺麗にしてるなー。ちょうど見下ろす外の街路樹の緑が目に鮮やかだ。そして奥の壁際のベッドの足元に腰掛けた。
(うーんと、何をしてればいいんだろう…。あ、コンドームとかないんじゃ…?
私ってば実は本物のコンドームって見たことないな…。でも夢だしそんなの気にしなくていっかぁ。…あれ?)
ふとベッドのヘッドボードの引出しから何かのビニールの包みが挟まっているのが見えた。私はぎしっと四つん這いにベッドに乗り上げて、引出しに手を掛けようとした。
「…あのねぇ」
ビクぅッ
いきなり響いたルイ先輩の声に大仰に身体が跳ねた。
「いくらなんでも積極的すぎない?…その格好」
「え?」
気が付けば私は先輩のいる扉側に向かってお尻を突き出すような体勢になっている。それに気づいた瞬間、ぶわっと冷や汗が噴き出す。
振り返ると、寝室の戸にもたれかかるようにして立つ、人影。
タオルで濡れた髪を拭いながら、上半身は裸でグレーの緩やかなスウェットのパンツを履いた先輩がいた。
「え、!や、これはっ!違うんです!!」
膝立ちでベッドに起き上がり、先輩に向き合うと慌ててタオルを引っ張ってお尻を隠そうとする。と、引っ張りすぎて今度は両方の乳房が露わになってしまった。
「!」
「きゃああ!すみません!…こ、これも違うんです…!」
「はぁ…もう、分かったよ」
「え…」
ぎしっと先輩がベッドに乗り上げてきたかと思うと、唇を奪われた。
(あ…)
ゆっくりと舌が入ってきて、その感触にびくっと身体が強張った。
「ん…」
私がどうしたらいいのか分からないでいると、ゆっくりと舌が私の歯列をなぞり、その隙間から舌を絡ませてきた。交わされる唾液、熱い舌。強張りもすぐにとろとろに蕩けていった。先輩の熱い身体に抱きしめられると、ピタッと密着した素肌に、鼓動が伝わってしまいそうで、また緊張に身体が熱くなる。
「ん…」
キス…ルイ先輩とキスしてる…!う、嬉しいよぉ…。
ちゅ、ちゅ、ちゅ…
唇が離されると今度は頬や首にキスを降らせながら、ルイ先輩の片手は腰を抱き、片手は私の乳房をゆっくりと揉み始めた。
「あ、ん…」
ベッドの上で立ち膝になってたけど、どんどん身体の力が抜けて、起き上がっていられなくなる。
私はルイ先輩の首にすがるようにぎゅっと抱きついた。
「ん…」
また深いキスが交わされ、ゆっくりとベッドに仰向けに押し倒された。
とすっ
「あ…」
火照った身体に冷たいシーツの感触…。
唇を離して、鼻先の綺麗なルイ先輩の顔を潤む目で見上げると、先輩がごくっと唾を飲み込む音がした。
「あ、の…、本当にいいのかな…?」
「はい…ルイ先輩が大好き…夢なら覚めないでほしい…」
思わず潤んだ目から涙が溢れて零れ落ちた。
そしてタオルだけで戻った私をみたルイ先輩は一瞬驚いたように目を見開いた。
(やばっ間違えた…!?服着てくるべきだった…!)
羞恥に硬直して、あまりの緊張に若干震えてしまう。
「うーんと…」
ルイ先輩は困ったように言うと、手元にあったバスタオルを肩にかけてくれた。ふいっと目は合わせてくれない。
「俺も…シャワー浴びてくるから、…待ってて」
(しくじった…)
私はタオルを握りしめながら、こみ上げる涙をこらえる。先輩が洗面所に行って、すぐ水音がしてきた。
スマホ、スマホがさっき手元にあればちゃんと正解を知れたのに!
“初H シャワー 格好”とかググったのに!くっそぉお!
(いや、いい。まだ本番はこれからだから。無事、本番に辿り付ければそれでいい。落ち着け、私)
…ところでセックスの前って何してればいいんだろう?
彼を待つこの間は何をしていれば??私はどんな格好で待ってるのが正解?
きょろきょろと見回すと、リビングのすぐ隣の、ルイ先輩の寝室が見える。
引き戸が開いたままになっているそこを、そーっと覗いてみる。
そこは8畳ほどで、家具やカーテンが紺色で統一された上品な雰囲気の部屋だった。
落ち着いたこげ茶のトーンのフローリングに、部屋の中は片付いていて、ダブルサイズの大きなベッドと、楽譜の詰まった本棚、パソコンデスクしかない。
(わぁ…ルイ先輩のベッド…。この部屋、すっごく先輩のいい匂いがする…)
誘われるように、ふら~っと寝室に足を踏み入れる。入って左手にベランダが見える。ベランダも綺麗にしてるなー。ちょうど見下ろす外の街路樹の緑が目に鮮やかだ。そして奥の壁際のベッドの足元に腰掛けた。
(うーんと、何をしてればいいんだろう…。あ、コンドームとかないんじゃ…?
私ってば実は本物のコンドームって見たことないな…。でも夢だしそんなの気にしなくていっかぁ。…あれ?)
ふとベッドのヘッドボードの引出しから何かのビニールの包みが挟まっているのが見えた。私はぎしっと四つん這いにベッドに乗り上げて、引出しに手を掛けようとした。
「…あのねぇ」
ビクぅッ
いきなり響いたルイ先輩の声に大仰に身体が跳ねた。
「いくらなんでも積極的すぎない?…その格好」
「え?」
気が付けば私は先輩のいる扉側に向かってお尻を突き出すような体勢になっている。それに気づいた瞬間、ぶわっと冷や汗が噴き出す。
振り返ると、寝室の戸にもたれかかるようにして立つ、人影。
タオルで濡れた髪を拭いながら、上半身は裸でグレーの緩やかなスウェットのパンツを履いた先輩がいた。
「え、!や、これはっ!違うんです!!」
膝立ちでベッドに起き上がり、先輩に向き合うと慌ててタオルを引っ張ってお尻を隠そうとする。と、引っ張りすぎて今度は両方の乳房が露わになってしまった。
「!」
「きゃああ!すみません!…こ、これも違うんです…!」
「はぁ…もう、分かったよ」
「え…」
ぎしっと先輩がベッドに乗り上げてきたかと思うと、唇を奪われた。
(あ…)
ゆっくりと舌が入ってきて、その感触にびくっと身体が強張った。
「ん…」
私がどうしたらいいのか分からないでいると、ゆっくりと舌が私の歯列をなぞり、その隙間から舌を絡ませてきた。交わされる唾液、熱い舌。強張りもすぐにとろとろに蕩けていった。先輩の熱い身体に抱きしめられると、ピタッと密着した素肌に、鼓動が伝わってしまいそうで、また緊張に身体が熱くなる。
「ん…」
キス…ルイ先輩とキスしてる…!う、嬉しいよぉ…。
ちゅ、ちゅ、ちゅ…
唇が離されると今度は頬や首にキスを降らせながら、ルイ先輩の片手は腰を抱き、片手は私の乳房をゆっくりと揉み始めた。
「あ、ん…」
ベッドの上で立ち膝になってたけど、どんどん身体の力が抜けて、起き上がっていられなくなる。
私はルイ先輩の首にすがるようにぎゅっと抱きついた。
「ん…」
また深いキスが交わされ、ゆっくりとベッドに仰向けに押し倒された。
とすっ
「あ…」
火照った身体に冷たいシーツの感触…。
唇を離して、鼻先の綺麗なルイ先輩の顔を潤む目で見上げると、先輩がごくっと唾を飲み込む音がした。
「あ、の…、本当にいいのかな…?」
「はい…ルイ先輩が大好き…夢なら覚めないでほしい…」
思わず潤んだ目から涙が溢れて零れ落ちた。
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