ドラゴニックプラネット

未羊

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第64話 連携攻撃

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 マザーコンピュータの立てた作戦通りに動くことにしたアーツたちは、レンクスとテレップが飛び出してまずは恐竜の気を引く。
 うまく一体がおびき寄せられればいいのだが、はたしてうまくいくのだろうか。

「テレップ、俺が岩で注意を逸らす。お前は小さい石でもいいから奴らの体に当ててうまく誘導してくれ」

「分かりました」

 レンクスとテレップで、まずは第一段階の作戦を実行に移す。
 岩を投げてあさっての方向に大半の恐竜の気を引く。そして、テレップが撃破したい恐竜の体に転移能力で飛ばした石をぶつけてこちらに引き寄せる。
 近付いてきたところをラネッツァの能力で動けなくして、アーツが閃光剣と閃光銃でとどめを刺すという作戦である。

「おらぁっ!」

 レンクスはその辺に転がっていた岩を持ち上げ、思い切り放り投げる。
 自分の体よりも大きそうな岩だというのに、レンクスは軽々と、そして、高々と放り投げてしまった。
 ズシーンという大きな音が響き渡り、恐竜たちはそちらに意識が向いていた。

 まずはここまでは狙い通りだ。
 次にテレップがこぶし大ほどの石を見つけて、能力で一番後ろにいる恐竜へと転移させて激突させる。
 大きな衝撃になるように、恐竜よりも少し高い位置に飛ばして、左目にダメージをあたる感じだ。
 左から痛みを感じれば、自然とその個体は左を見ることになるからだ。
 その左側というのは、レンクスやテレップがいる方向なのである。
 これで恐竜たちを一体ずつ誘い込もうというわけだ。
 大半の恐竜が大きな音のした方に誘い出される中、小さな石をぶつけられた恐竜は、狙い通りにレンクスたちの方に向かってきた。

「ギャアアアアアスッ!」

 咆哮を上げ、レンクスたちの姿を見つけた恐竜が走って近づいてくる。

「今だよ、ラネッツァ!」

「任せて!」

 近付いてきたところで、ラネッツァが植物を操って恐竜の体をツルでぐるぐる巻きにしていく。
 恐竜は口から火を吐く変種であるために、口をふさぐことも忘れない。
 至近距離から火を吐かれてしまえば、この辺り一帯が地獄絵図に変わることは明白なのだ。
 ところが、地面に這いつくばらされた恐竜は、必死に抵抗を見せている。

「危ねえっ!」

 アーツが叫ぶ。
 それというのも、固定し損ねた恐竜のしっぽが、レンクスたち目がけて振り下ろされたからだ。

―させませぬぞ!―

 そこへガシャンガシャンという音を立てながらロボットが出てくる。

―ロケットパンチ!―

 左腕を前に突き出し、しっぽ目がけて発射する。
 勢いよく噴射されたロボットの左腕が恐竜のしっぽに命中し、爆発四散していた。

「ギャアアアッ!」

 恐竜にも相当のダメージが入ったようだ。ロケットランチャーよりも威力があったようで、しっぽがかなり損傷しているようだ。その痛みのせいで、恐竜は悲鳴のようなものを上げているのである。

―マスター、今です!―

 ロボットの声を合図に、アーツが飛び出していく。

「うおおおっ! 食らいやがれ!」

 閃光銃が放たれ、恐竜の防御の薄い部分へと的確に閃光を誘導する。

「ここだあっ!」

 アーツの声と同時に、閃光は恐竜の左目を貫く。

「グルアアッ!」

 さすがに防御が弱い場所だったのか、恐竜は苦しそうな声を上げている。
 だが、これが合図となり、他の恐竜たちがアーツたちの方へと振り向いてしまった。

「グワアアアアッ!!」

 アーツたちを見つけた恐竜たちが、一斉に頭を後ろに仰け反らせる。

「やばい! 火を吐きやがるぞ、全員退避!」

 アーツの声を合図に、全員が横穴へと戻っていく。
 レンクスだけは最後まで残り、近くにあった岩を拾い上げる。

「これでも食らえ!」

 叫ぶと同時に、火を噴こうとしている恐竜たちに一矢報いようと岩を放り投げた。

「ガアッ!」

 うまく一体に岩が命中し、頭部が横を向く。
 その直後、恐竜たちは一斉に火を噴く。
 当然ながら、一体だけ衝撃で横を向いてしまったので、隣の数体に向かって火を噴くことになった。

「ギャアアアアスッ!!」

 火に巻かれた恐竜がドスンバタンと暴れ始める。
 よもやの反撃に完全に不意を突かれた格好だ。
 ちなみに岩を投げたレンクスはどうにか退避が間に合い、火炎放射から逃れることができた。
 ところが、この奇跡的な瞬間を、アーツたちはもちろん、岩を投げたレンクスも見ることはできなかった。
 なぜなら、横穴の外は灼熱地獄だからである。
 穴の外へ出ようものなら、その高温で融けてしまいそうだから仕方がない。
 アーツたちは炎がおさまるまでの間、横穴の中で恐竜たちが立ち去ることを祈りながらじっと耐えていた。

「ふぅ、やっぱりあの集団から一体だけはぐれさせるっていうのは難しすぎるぜ……」

「まったくですね。距離が近いですから、何かあればこのようにすぐに反撃されてしまいますものね」

「でも、一体は確実に仕留められたはずだから、マザーコンピュータの作戦は間違ってなかったな」

「そ、そうですね」

 息を荒げながら、今回の作戦の結果を確認し合うアーツたちである。
 だが、このように反撃でまとめて火炎放射を食らうと、さすがに高確率で殺されてしまう。
 今回は横穴があったのでどうにかなったのだ。
 それでも作戦の効果を実感したアーツたちは、危機が去るのを静かに待つのだった。
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