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第二章 リータ魔王国復興編
第51話 「四人のデーモン・ロード」
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「グレーター・テレポート!」
私は意識を集中させ、転移魔法を発動させる。茸が生い茂る森の光景は消え、代わりにまるで絵画の中のような美しく赤く染まった場所に移動する。アビス第570階層。サキュバスの女王マルカンテトが住む楽園。
「相変わらず綺麗なところだな。とてもアビスとは思えないよ」
私が美しいこの場所を褒めていると、早速魔物達が現れ、襲いかかってくる! 二十人ほどのインキュバスが両手の短剣を私に向けて迫りくる!
「地獄の業火の障壁!」
呪文発動と同時に黒い炎の壁がインキュバス達を焼き尽くす。彼らの身体は両翼ごと灰になり消滅する。
「やはりここはアビスだったな。油断も隙もない……」
そう私がつぶやいていると、私の存在に気づいたのか、上空から監視者が現れる。全長二十メートルほどのグリーンドラゴンだ。
「貴様、どこから来た? ここがマルカンテト様の領域と知っての事か!」
「ああ、そうだ。会いに来たんだ」
竜は私を威嚇しつつ警鐘を発する。
「我はグルメングルーム。この領域を守護する者。女王に会いたくば、我を倒してからゆくがいい」
竜の目は真剣で真実を語っていると理解できた。私も覚悟を決める。
「わかった。そうさせてもらうよ」
竜は私の言葉の直後、全力のブレスを浴びせかけてくる!
「絶対零度!」
呪文が発動し、竜のブレスをすべて凍らせた上彼の口を封じる。私はさらに闇魔法を唱える。
「闇魔法、『立方体の牢獄』!」
魔法は巨大な緑の竜の身体を圧縮し、手のひらサイズの立方体の中に押し込めていく。 竜の骨がきしみ砕ける音が辺りに響く。程なくして彼を入れたキューブが私の元に落ちてくる。
「これでいいかな」
落ちてきたキューブをキャッチし、中の竜に問う。
「貴様! ここから出せ! ぐふっ!」
グルメングルームは束縛から逃れるため暴れようとするが、何もできずにいる。
「女王の気配は……」
私が探ろうとした直後、気配が一気に現れる。あまりの感覚に驚いてしまう。
「私を呼んだのはお前か?」
私の目の前に女王の姿はあった。長い黒髪にルビー色の瞳と唇の美女だが、額には湾曲した角があり、背中には大きな皮の翼が生えている。
「貴女がマルカンテト様ですか?」
シルクのガウンを羽織り、剃刀が散りばめられた皮の肩ストラップを身に着けている。そして曲がりくねった長い尾が彼女の美を際立たせている。
「いかにも。私がこの階層の主、マルカンテトだ。貴様、何者だ?」
イブニンググローブをつけた左手に光るスカージを持ちながら私に尋ねる。私は一礼し挨拶する。
「タクトと申します。魔王クライスラインの夫になった人間で、今日は協力を求めるために来ました」
「魔王の夫だと! バカな事を言うでない!」
マルカンテトが驚いて聞き返す。私は左手を彼女に差し出す。
「嘘ではないです。貴女ならわかりますよね?」
私はマルカンテトの眼を見ながら答える。彼女は私を少しの間私を凝視し答える。
「なるほど。嘘ではないようだな。その右手の物は何だ?」
「貴女の守護者らしい。倒せば貴女に会わせてくれると言ってました」
彼女は驚き、表情が曇る。
「まさかグルメングルームなのか? 信じられん……。だが、私が呼ばれたという事は、まことなのだろうな」
マルカンテトは答えながら納得しているようだ。私は目的の内容を切り出し、正直にすべてを話して依頼する。
「何と! お前はあのグラズトを丸め込んだというのか。あなどれぬ奴だな……」
驚きながらも爪を噛み、斜め下を見て考えている。
「どうか力になってもらえないでしょうか?」
私の説得に彼女は私の顔を見て答える。
「なかなか面白い奴のようだが、グラズトと共闘はあり得ぬ。残念だが諦めてもらうしかない」
予想通りの答えが返ってきたが、諦めるつもりはない。
「無理は承知でお願いに来たのです。味方になってもらえないのなら、せめて相手に与するのだけは避けてもらえないですか?」
「そうだな……」
マルカンテトは少し考えた後、私に答える。
「私達と戦って勝てば、望みの一部を叶えてやらなくはない」
「え?」
私は意味が分からなかったが、彼女は急に高音の美声を発し始めた。少しして、私達の頭上に三つの黒い次元穴が現れる。中から全長三メートルほどの悪魔が現れる。
「こ、これは……」
「私の友人だ」
右手に鋭い長剣を持ち、四枚の茶色の翼をはばたかせる野生の鷹と人間の特徴を持つ顔。筋肉質の均整の取れた身体。嘴には針のような歯がびっしり並び、私を見てニヤついている。
「私の最も信頼する友、バズズ」
雄羊の頭部に牙がびっしり生えた顎、巨大な身体は筋肉と脂肪の両方をまとっているようだ。背中には血の色の大きな翼、異様に太い両腕には凶悪な爪を備えたガントレットを身に着けている。
「私の親しい話し相手、オルクス」
彼らの中で最も大きい身体の男はマントヒヒの頭を二つ持ち大猿の分厚い上半身、肩から長い触手が二本ついている。胴体の下はコウモリに似ているが、二股に分かれた巨大な尾を振って威嚇している。
「そして私の最大の理解者、デモゴルゴンだ」
今私の前に四人の悪魔公が聳え立ち、睨みを利かせている。圧倒的な圧を私に向けて放っている。しかもその二人はグラズトの天敵という。最悪だ。
「私達と戦って勝てば認めてやろう。どうだ?」
マルカンテトは不敵な笑みを浮かべ私に問う。後ろに控える三人も私を見て嘲笑っている。一人でも圧倒的強さを誇るのはわかっている。とてもじゃないが四人を相手は苦労してしまう。
「そう……だなあ」
私は考えを巡らせる。だが彼らは待ってくれないだろう。実は一つだけ答えを持ってきていた。だがそれはスマートなものではない。一か八かのギャンブル的なものだ。しかし私にはほかに考える時間はない。
「その……」
私は小さな声でつぶやく。四人は相変わらず笑っている。私の声など届いていないだろう。
そうだ、ヒントはグラズトとザグトモイが教えてくれた。私はもうやるしかないのだ! 覚悟を決め彼らを直視し、言い放つ。
「エレノーラ」
私の発した言葉に彼らの笑いはピタと止まる。一瞬の出来事だが、間違いなく彼らは反応した。
「き、貴様、なぜその者の名を?」
マルカンテトが震える声で私に尋ねる。他の三人の顔色も先ほどとは打って変わって曇り出す。
「私はタクト=ヒビヤ。エレノーラ=オーベルシュタインの弟子……」
私の言葉に彼らは身体の震えを隠せなくなる。私は持っていたキューブをマルカンテトに投げ渡す。そして新たな結界でできたキューブを魔法で作り出す。
「そして魔王クライスライン=リータ=レイアの夫!」
透明のキューブの中から高速で渦巻く黒い物体が出現する。彼らは私の手に載ったこの物体を見て戦慄し始める。
「綺麗な景色だけど、空気が汚いな」
私の言葉にマルカンテト達は目を丸くする。
「な、何を言っている?」
「どうせなら、綺麗な空気を吸いたいだろ?」
マルカンテトは固まっている。ほかの三人も私の意図を掴めず困惑しているようだ。
「『不完全な黒い穴』、不純物を吸い取ってくれ」
私の言葉を受けてキューブは頭上に舞い上がり、強烈に不純物を吸い込んでいく。四人は必死に強力な風圧をしのいでいる。やがて風は止み、キューブは私の手元に戻る。
「これで綺麗になった」
マルカンテト達は辺りを見回し、風一つない中に心地よい空気を感じ取る。そして目の前の私を見直す。
「どうです? これでも私達の敵になりますか?」
彼らは言葉を失い、呆然と立ち尽くしているだけだった。やがてオルクスが口を開く。
「マルカンテト、我等の負けだ。彼の要求を呑むしかない」
グラズトの天敵があっさり降伏宣言する。その言葉にデモゴルゴンの二つの頭も深く頷き始める。
地上に降り立ったパズズがマルカンテトの肩に触れる。
「マルカンテト、戦いは無意味だ。わかるな?」
パズズの言葉にマルカンテトは振り向く。パズズが彼女に頷いた後、マルカンテトが私に答える。
「負けを認めましょう。私達は貴方の側につく事にしよう」
「おお! ありがとうございます!!」
マルカンテトからの信じられない回答に私は喜んだ。私は賭けに勝ったのだ。
「それで、俺達は何をすればいいんだ?」
パズズが私に尋ねる。私は彼らに戦争の事を改めて説明し、追って連絡する旨を伝えた。
「話は分かった。また連絡してくるがいい」
「ありがとう。必ず連絡するよ」
私は彼らにそう告げ、グレーター・テレポートを使用してレイア達の待つ魔王城へと戻るのだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【まめちしき】
【マルカンテト】…………サキュバスの女王。アビスに存在するデーモン・ロードの一人。快楽主義者や自身の魅力を使用して周囲の者を支配し破滅させる者の守護者である。シェンディラヴリに住み、多くのサキュバスとインキュバスを従え君臨する。長きにわたりイーグノフと争っている。さらにグラズトとは過去の因縁で完全に敵対している。
【シェンディラヴリ】…………アビス第570階層に広がる領域でマルカンテトの住まい。永遠の日没の中で赤く染まっている雄大な山脈と生命の豊富な海洋の間に位置している草木に覆われた土地の切れ端にある。美しく壮大なこの階層すべてはマルカンテトの為の楽園である。この階層に住む住民の大部分はサキュバスやインキュバスによってアビスに引きずり込まれた者である。
【パズズ】…………下方空中諸王国のプリンス。アビスに存在するデーモン・ロードの一人。マルカンテトの大親友。
【オルクス】…………アンデッドのプリンス。アビスに存在するデーモン・ロードの一人。グラズトの天敵。デモゴルゴンとも敵対し争っていた。
【デモゴルゴン】…………プリンス・オブ・デーモンの異名を持つ。アビスに存在するデーモン・ロードの一人。グラズトの天敵。オルクスとも敵対し争っていた。
お読みいただきありがとうございます!
「面白いかも!」「続きが読みたい!」「陰ながら応援してるよ!」
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「地獄の業火の障壁!」
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「やはりここはアビスだったな。油断も隙もない……」
そう私がつぶやいていると、私の存在に気づいたのか、上空から監視者が現れる。全長二十メートルほどのグリーンドラゴンだ。
「貴様、どこから来た? ここがマルカンテト様の領域と知っての事か!」
「ああ、そうだ。会いに来たんだ」
竜は私を威嚇しつつ警鐘を発する。
「我はグルメングルーム。この領域を守護する者。女王に会いたくば、我を倒してからゆくがいい」
竜の目は真剣で真実を語っていると理解できた。私も覚悟を決める。
「わかった。そうさせてもらうよ」
竜は私の言葉の直後、全力のブレスを浴びせかけてくる!
「絶対零度!」
呪文が発動し、竜のブレスをすべて凍らせた上彼の口を封じる。私はさらに闇魔法を唱える。
「闇魔法、『立方体の牢獄』!」
魔法は巨大な緑の竜の身体を圧縮し、手のひらサイズの立方体の中に押し込めていく。 竜の骨がきしみ砕ける音が辺りに響く。程なくして彼を入れたキューブが私の元に落ちてくる。
「これでいいかな」
落ちてきたキューブをキャッチし、中の竜に問う。
「貴様! ここから出せ! ぐふっ!」
グルメングルームは束縛から逃れるため暴れようとするが、何もできずにいる。
「女王の気配は……」
私が探ろうとした直後、気配が一気に現れる。あまりの感覚に驚いてしまう。
「私を呼んだのはお前か?」
私の目の前に女王の姿はあった。長い黒髪にルビー色の瞳と唇の美女だが、額には湾曲した角があり、背中には大きな皮の翼が生えている。
「貴女がマルカンテト様ですか?」
シルクのガウンを羽織り、剃刀が散りばめられた皮の肩ストラップを身に着けている。そして曲がりくねった長い尾が彼女の美を際立たせている。
「いかにも。私がこの階層の主、マルカンテトだ。貴様、何者だ?」
イブニンググローブをつけた左手に光るスカージを持ちながら私に尋ねる。私は一礼し挨拶する。
「タクトと申します。魔王クライスラインの夫になった人間で、今日は協力を求めるために来ました」
「魔王の夫だと! バカな事を言うでない!」
マルカンテトが驚いて聞き返す。私は左手を彼女に差し出す。
「嘘ではないです。貴女ならわかりますよね?」
私はマルカンテトの眼を見ながら答える。彼女は私を少しの間私を凝視し答える。
「なるほど。嘘ではないようだな。その右手の物は何だ?」
「貴女の守護者らしい。倒せば貴女に会わせてくれると言ってました」
彼女は驚き、表情が曇る。
「まさかグルメングルームなのか? 信じられん……。だが、私が呼ばれたという事は、まことなのだろうな」
マルカンテトは答えながら納得しているようだ。私は目的の内容を切り出し、正直にすべてを話して依頼する。
「何と! お前はあのグラズトを丸め込んだというのか。あなどれぬ奴だな……」
驚きながらも爪を噛み、斜め下を見て考えている。
「どうか力になってもらえないでしょうか?」
私の説得に彼女は私の顔を見て答える。
「なかなか面白い奴のようだが、グラズトと共闘はあり得ぬ。残念だが諦めてもらうしかない」
予想通りの答えが返ってきたが、諦めるつもりはない。
「無理は承知でお願いに来たのです。味方になってもらえないのなら、せめて相手に与するのだけは避けてもらえないですか?」
「そうだな……」
マルカンテトは少し考えた後、私に答える。
「私達と戦って勝てば、望みの一部を叶えてやらなくはない」
「え?」
私は意味が分からなかったが、彼女は急に高音の美声を発し始めた。少しして、私達の頭上に三つの黒い次元穴が現れる。中から全長三メートルほどの悪魔が現れる。
「こ、これは……」
「私の友人だ」
右手に鋭い長剣を持ち、四枚の茶色の翼をはばたかせる野生の鷹と人間の特徴を持つ顔。筋肉質の均整の取れた身体。嘴には針のような歯がびっしり並び、私を見てニヤついている。
「私の最も信頼する友、バズズ」
雄羊の頭部に牙がびっしり生えた顎、巨大な身体は筋肉と脂肪の両方をまとっているようだ。背中には血の色の大きな翼、異様に太い両腕には凶悪な爪を備えたガントレットを身に着けている。
「私の親しい話し相手、オルクス」
彼らの中で最も大きい身体の男はマントヒヒの頭を二つ持ち大猿の分厚い上半身、肩から長い触手が二本ついている。胴体の下はコウモリに似ているが、二股に分かれた巨大な尾を振って威嚇している。
「そして私の最大の理解者、デモゴルゴンだ」
今私の前に四人の悪魔公が聳え立ち、睨みを利かせている。圧倒的な圧を私に向けて放っている。しかもその二人はグラズトの天敵という。最悪だ。
「私達と戦って勝てば認めてやろう。どうだ?」
マルカンテトは不敵な笑みを浮かべ私に問う。後ろに控える三人も私を見て嘲笑っている。一人でも圧倒的強さを誇るのはわかっている。とてもじゃないが四人を相手は苦労してしまう。
「そう……だなあ」
私は考えを巡らせる。だが彼らは待ってくれないだろう。実は一つだけ答えを持ってきていた。だがそれはスマートなものではない。一か八かのギャンブル的なものだ。しかし私にはほかに考える時間はない。
「その……」
私は小さな声でつぶやく。四人は相変わらず笑っている。私の声など届いていないだろう。
そうだ、ヒントはグラズトとザグトモイが教えてくれた。私はもうやるしかないのだ! 覚悟を決め彼らを直視し、言い放つ。
「エレノーラ」
私の発した言葉に彼らの笑いはピタと止まる。一瞬の出来事だが、間違いなく彼らは反応した。
「き、貴様、なぜその者の名を?」
マルカンテトが震える声で私に尋ねる。他の三人の顔色も先ほどとは打って変わって曇り出す。
「私はタクト=ヒビヤ。エレノーラ=オーベルシュタインの弟子……」
私の言葉に彼らは身体の震えを隠せなくなる。私は持っていたキューブをマルカンテトに投げ渡す。そして新たな結界でできたキューブを魔法で作り出す。
「そして魔王クライスライン=リータ=レイアの夫!」
透明のキューブの中から高速で渦巻く黒い物体が出現する。彼らは私の手に載ったこの物体を見て戦慄し始める。
「綺麗な景色だけど、空気が汚いな」
私の言葉にマルカンテト達は目を丸くする。
「な、何を言っている?」
「どうせなら、綺麗な空気を吸いたいだろ?」
マルカンテトは固まっている。ほかの三人も私の意図を掴めず困惑しているようだ。
「『不完全な黒い穴』、不純物を吸い取ってくれ」
私の言葉を受けてキューブは頭上に舞い上がり、強烈に不純物を吸い込んでいく。四人は必死に強力な風圧をしのいでいる。やがて風は止み、キューブは私の手元に戻る。
「これで綺麗になった」
マルカンテト達は辺りを見回し、風一つない中に心地よい空気を感じ取る。そして目の前の私を見直す。
「どうです? これでも私達の敵になりますか?」
彼らは言葉を失い、呆然と立ち尽くしているだけだった。やがてオルクスが口を開く。
「マルカンテト、我等の負けだ。彼の要求を呑むしかない」
グラズトの天敵があっさり降伏宣言する。その言葉にデモゴルゴンの二つの頭も深く頷き始める。
地上に降り立ったパズズがマルカンテトの肩に触れる。
「マルカンテト、戦いは無意味だ。わかるな?」
パズズの言葉にマルカンテトは振り向く。パズズが彼女に頷いた後、マルカンテトが私に答える。
「負けを認めましょう。私達は貴方の側につく事にしよう」
「おお! ありがとうございます!!」
マルカンテトからの信じられない回答に私は喜んだ。私は賭けに勝ったのだ。
「それで、俺達は何をすればいいんだ?」
パズズが私に尋ねる。私は彼らに戦争の事を改めて説明し、追って連絡する旨を伝えた。
「話は分かった。また連絡してくるがいい」
「ありがとう。必ず連絡するよ」
私は彼らにそう告げ、グレーター・テレポートを使用してレイア達の待つ魔王城へと戻るのだった。
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【まめちしき】
【マルカンテト】…………サキュバスの女王。アビスに存在するデーモン・ロードの一人。快楽主義者や自身の魅力を使用して周囲の者を支配し破滅させる者の守護者である。シェンディラヴリに住み、多くのサキュバスとインキュバスを従え君臨する。長きにわたりイーグノフと争っている。さらにグラズトとは過去の因縁で完全に敵対している。
【シェンディラヴリ】…………アビス第570階層に広がる領域でマルカンテトの住まい。永遠の日没の中で赤く染まっている雄大な山脈と生命の豊富な海洋の間に位置している草木に覆われた土地の切れ端にある。美しく壮大なこの階層すべてはマルカンテトの為の楽園である。この階層に住む住民の大部分はサキュバスやインキュバスによってアビスに引きずり込まれた者である。
【パズズ】…………下方空中諸王国のプリンス。アビスに存在するデーモン・ロードの一人。マルカンテトの大親友。
【オルクス】…………アンデッドのプリンス。アビスに存在するデーモン・ロードの一人。グラズトの天敵。デモゴルゴンとも敵対し争っていた。
【デモゴルゴン】…………プリンス・オブ・デーモンの異名を持つ。アビスに存在するデーモン・ロードの一人。グラズトの天敵。オルクスとも敵対し争っていた。
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