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第四節 魔人の国・探求編
第70幕 掠め取る者
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魔方陣を解除し、部屋の中に入った俺たちを待ち受けるのは小さな部屋。
入り口に向かうように棒状の箱のようなものが埋め込まれていて、中央には宝箱だというかのように箱が置いてある。
「随分と殺風景な部屋ね。
箱以外何もない……」
「そんなに立派にするもんでもないからな」
俺は迷わずその棒状の箱のところに進、魔方陣を床の方に展開した。
これは先ほどのように解除のためのものじゃない。
この床を使って、鍵を作るためだ。
最後の最後で鍵が無いと開かないなんて我ながら随分意地の悪いものを作ったものだ。
たった今出来たばかりの鍵を、棒状の箱にかかっている錠前にゆっくりと差し込んで、回す。
するとかちゃりという音共に錠が外れ、箱をゆっくりと開く。
そこにあったのは鞘の中に収められた一振りの剣。
俺はただ黙ったまま剣を抜くと、そこには700年前にあった輝きがそのままそこにあった。
黒銀の刃に真紅の剣身。
柄の方は黒と赤の入り混じった感じだ。
「……すごい」
シエラは恐る恐るこちら側に近づいてきて、その目はとても神聖な物を畏れ敬うようにも思えた。
それもそうだ。
アッテルヒアに飾られてる剣と全く同じ。
だけどあんな模造品なんかとは比べ物にならない輝きを放っている。
「きれい……ちょっと怖いくらいに」
「これが本物の『グラムレーヴァ』だ。
見るだけでわかるだろう? アッテルヒアにある物は、ただ外側を見繕っているだけの偽物だってことに」
深く、深く魅入られるかのように目が釘付けになってるシエラは、ただゆっくりと頷くだけだ。
このままだとキリがない。
仕方がないから『グラムレーヴァ』を鞘の中に収めると、シエラは残念そうな目でそれを見ていた。
「目的は果たした。
さっさとここから出るぞ」
「……そうね。これ以上ここにいても仕方ないしね」
シエラも多少冷静になったようで、俺の言葉に頷くと、そのまま部屋を後にする。
「そういえば、もう一個の箱の中身はもっていかなくていいの?」
「あれにはなんにも入ってないさ。ただ空箱を置いてただけだ」
なにか入れようとは思っていたのだが……結局なにも入れないまま終わってしまったんだったか。
今思えばとりあえずなんでもいいから入れておけば、例え侵入者が入ってきたとしてもなんとでもなったかもな……なんて思うのと同時に、そもそもここまで来れるやつなんていないんだから、余計なことだったかと一人で納得してしまったのだった。
――
隠していた部屋を出て、再度封印を施した後、俺達は迷宮から脱出してすぐに……待っていましたと言わんばかりの複数の兵士達に囲まれることになった。
「な、なに?」
「その剣……入る前は持っていなかったろう?
迷宮はこの国の所有物だ。その中の物も、当然この国の物。
おとなしく渡してもらおうか」
「入り口には誰もいなかったが、どうして俺が迷宮から見つけたと思う?
そこからしておかしいだろう」
俺たちが迷宮の中に入った時、こんな奴らはいなかった。
それに……この国の兵士にしてはシエラの方を厳しい目で見ている。
「そんな事は関係ない。早く渡せ!」
手を伸ばして力づくで奪おうとする兵士の一人を蹴り飛ばして、すぐさま魔方陣を展開。
こういう時は逃げるに限るってね。
「貴様……やはり……!」
「やはり?」
今、間違いなく兵士の一人はそう言った。
『やはり』っていうのは『やっぱり』ってことだ。
魔方陣を使ってる俺の姿を見て、そんな言葉が出る辺りこいつら……魔人じゃないな。
不味いな……魔人の領域ってことで魔方陣を使ったのに、これじゃあ今まで隠していた意味がないというものだろう。
こうなったらしょうがない。
こっちもたかをくくってやることに決めた。
「悪いが、ただの人にはこれは扱いきれないぞ。
お前たちには過ぎた代物だ」
そのまま近づく兵士たちを蹴り飛ばしながら、魔方陣を発動させる。
ただ単に周囲に煙幕を撒く程度の魔方陣だが、こいつらには効果てきめんだった。
「くっくそっ! 毒霧か!?」
「こいつ……!」
苦々しい声が兵士達に上がる中、俺はシエラの手を取ってそのまま有無も言わさず走り出した。
「ちょ、ちょっと! なんで逃げるのよ!」
「あれは魔人の兵士に化けた人の……ヒュルマの兵士だ。
早く逃げないと何をされるかわかったもんじゃないぞ」
驚きの声を上げるシエラだったが、今はそんなことはどうでもいい。
追いつかれるのならそれでも構わないが……せめてこの村に被害が及ばないように離れた場所で迎え撃たないと。
「な、なんでヒュルマが魔人の国に……」
「前にお前が学園にいた時と同じだろ。あいつらもこの国に潜伏してたってわけだ」
「ちょっと! 人聞きの悪いこと言わないでよ!
私は別に好き好んで……あの時だって、別にあそこに行きたくていったんじゃ……」
「その話は後にしろ」
シエラが何を思って学園にいたのか、今ここでそんな話をしてる場合じゃない。
若干頭が痛くなりながらも前方から立ちふさがるように躍り出た複数の人影に警戒する。
「お前は……」
「……敵発見。排除する」
そこには……なにか変な武器を持った兵士たち。
あれは確か――シアロルの勇者であるヘルガが持っていた武器にそっくりだった。
入り口に向かうように棒状の箱のようなものが埋め込まれていて、中央には宝箱だというかのように箱が置いてある。
「随分と殺風景な部屋ね。
箱以外何もない……」
「そんなに立派にするもんでもないからな」
俺は迷わずその棒状の箱のところに進、魔方陣を床の方に展開した。
これは先ほどのように解除のためのものじゃない。
この床を使って、鍵を作るためだ。
最後の最後で鍵が無いと開かないなんて我ながら随分意地の悪いものを作ったものだ。
たった今出来たばかりの鍵を、棒状の箱にかかっている錠前にゆっくりと差し込んで、回す。
するとかちゃりという音共に錠が外れ、箱をゆっくりと開く。
そこにあったのは鞘の中に収められた一振りの剣。
俺はただ黙ったまま剣を抜くと、そこには700年前にあった輝きがそのままそこにあった。
黒銀の刃に真紅の剣身。
柄の方は黒と赤の入り混じった感じだ。
「……すごい」
シエラは恐る恐るこちら側に近づいてきて、その目はとても神聖な物を畏れ敬うようにも思えた。
それもそうだ。
アッテルヒアに飾られてる剣と全く同じ。
だけどあんな模造品なんかとは比べ物にならない輝きを放っている。
「きれい……ちょっと怖いくらいに」
「これが本物の『グラムレーヴァ』だ。
見るだけでわかるだろう? アッテルヒアにある物は、ただ外側を見繕っているだけの偽物だってことに」
深く、深く魅入られるかのように目が釘付けになってるシエラは、ただゆっくりと頷くだけだ。
このままだとキリがない。
仕方がないから『グラムレーヴァ』を鞘の中に収めると、シエラは残念そうな目でそれを見ていた。
「目的は果たした。
さっさとここから出るぞ」
「……そうね。これ以上ここにいても仕方ないしね」
シエラも多少冷静になったようで、俺の言葉に頷くと、そのまま部屋を後にする。
「そういえば、もう一個の箱の中身はもっていかなくていいの?」
「あれにはなんにも入ってないさ。ただ空箱を置いてただけだ」
なにか入れようとは思っていたのだが……結局なにも入れないまま終わってしまったんだったか。
今思えばとりあえずなんでもいいから入れておけば、例え侵入者が入ってきたとしてもなんとでもなったかもな……なんて思うのと同時に、そもそもここまで来れるやつなんていないんだから、余計なことだったかと一人で納得してしまったのだった。
――
隠していた部屋を出て、再度封印を施した後、俺達は迷宮から脱出してすぐに……待っていましたと言わんばかりの複数の兵士達に囲まれることになった。
「な、なに?」
「その剣……入る前は持っていなかったろう?
迷宮はこの国の所有物だ。その中の物も、当然この国の物。
おとなしく渡してもらおうか」
「入り口には誰もいなかったが、どうして俺が迷宮から見つけたと思う?
そこからしておかしいだろう」
俺たちが迷宮の中に入った時、こんな奴らはいなかった。
それに……この国の兵士にしてはシエラの方を厳しい目で見ている。
「そんな事は関係ない。早く渡せ!」
手を伸ばして力づくで奪おうとする兵士の一人を蹴り飛ばして、すぐさま魔方陣を展開。
こういう時は逃げるに限るってね。
「貴様……やはり……!」
「やはり?」
今、間違いなく兵士の一人はそう言った。
『やはり』っていうのは『やっぱり』ってことだ。
魔方陣を使ってる俺の姿を見て、そんな言葉が出る辺りこいつら……魔人じゃないな。
不味いな……魔人の領域ってことで魔方陣を使ったのに、これじゃあ今まで隠していた意味がないというものだろう。
こうなったらしょうがない。
こっちもたかをくくってやることに決めた。
「悪いが、ただの人にはこれは扱いきれないぞ。
お前たちには過ぎた代物だ」
そのまま近づく兵士たちを蹴り飛ばしながら、魔方陣を発動させる。
ただ単に周囲に煙幕を撒く程度の魔方陣だが、こいつらには効果てきめんだった。
「くっくそっ! 毒霧か!?」
「こいつ……!」
苦々しい声が兵士達に上がる中、俺はシエラの手を取ってそのまま有無も言わさず走り出した。
「ちょ、ちょっと! なんで逃げるのよ!」
「あれは魔人の兵士に化けた人の……ヒュルマの兵士だ。
早く逃げないと何をされるかわかったもんじゃないぞ」
驚きの声を上げるシエラだったが、今はそんなことはどうでもいい。
追いつかれるのならそれでも構わないが……せめてこの村に被害が及ばないように離れた場所で迎え撃たないと。
「な、なんでヒュルマが魔人の国に……」
「前にお前が学園にいた時と同じだろ。あいつらもこの国に潜伏してたってわけだ」
「ちょっと! 人聞きの悪いこと言わないでよ!
私は別に好き好んで……あの時だって、別にあそこに行きたくていったんじゃ……」
「その話は後にしろ」
シエラが何を思って学園にいたのか、今ここでそんな話をしてる場合じゃない。
若干頭が痛くなりながらも前方から立ちふさがるように躍り出た複数の人影に警戒する。
「お前は……」
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そこには……なにか変な武器を持った兵士たち。
あれは確か――シアロルの勇者であるヘルガが持っていた武器にそっくりだった。
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