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第十四節 奸計の時・セイル編
第255幕 初めて出会う女王
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ヘンリーの出された条件通り、俺たちは彼とアルディの二人と一緒にグランセストの首都アッテルヒアへとたどり着いた。
「へー、ここがグランセストの首都なんだね」
シアロルとはまた違った発展をしている町を、スパルナははしゃぎながら眺めている。
初めて来た町ではいつもこうで、なんか妙に微笑ましい。
ヘンリーも同じはずなんだけど、まるでいつも歩いているというかのように溶け込んでいた。
「我らが女王陛下への謁見には少々時間が掛かると思いますので、その間にでも楽しまれてはいかがですか?」
アルディが言うには女王も忙しいらしく、すぐに謁見することは無理なのだそうだ。
二~三日は掛かるだろうから、その間なら観光してもいいそうだ。後からゆっくり……でもいいけど、スパルナの方は我慢できずにうずうずしながらこっちを見ていた。
「……仕方ないな。ちょっとだけ見て回るか」
「やったー!」
きゃっきゃと騒ぐスパルナは一通り喜んだ後、俺の隣までやってきて手を差し伸ばしてきた。仕方がないな、と思いながらその手を握ってやると、嬉しそうに笑う。
……なんというか、これだけで少し癒される気がしないでもない。
「改めて思うのですけど、随分仲が良いですよね。普通、そこまでべったりとはならないと思うんですけど」
「ま、色々あってな」
流石にラグズエルの実験場所で見つけて、死にかけていたのを生き返らせたから……なんて正直には言えない。適当な言い訳を思いつくことも出来なかったから、誤魔化すことにした。
これについてはスパルナにもきちんと言い含めてある。面倒そうな事になるのは目に見えているからな。
ヘンリーは詳しく聞きたそうな顔をしていたけど、俺の方が気にしないようにしていると、彼もそれ以上触れることはなかった。
――
それから三日後……町の探索を楽しんだ俺たちは、アルディに連れられて改めて城に向かった俺たちは、門兵たちにビシッと敬礼され、スパルナが真似をするのを諌めながらどんどん先へと進み……とうとう謁見の間にたどり着いた。
「……なんだかちょっと緊張してきちゃった」
「安心しろ。俺もだ」
「二人共、あまり落ち着きのない事をしてはいけませんよ?」
ロンギルス皇帝の時もそうだったけど、やっぱり国を治めるような相手と会うとなるとそうもなる。
仕えてるアルディはともかく、ヘンリーはある意味敵地だと言っても言い過ぎじゃないのに、よくも堂々としてられると思う。
「ふふっ、我らが女王陛下は寛大な御方です。あまり無礼のないようにしていただければ大丈夫です」
笑って言ってくれるのはいいけど、その『あまり』の部分が気になって、余計に不安になってしまう。
……だけど、こうなったら仕方ない。ここまで来たんだからいい加減覚悟決めるべきだろう。
「……よし、それじゃあ行こう」
アルディに合図するように深く頷くと、ゆっくりと扉を開いた。
俺たちはアルディを先頭にして、静かに謁見の間に入っていって……そこで衝撃的なものを見てしまった。
真っ赤なカーペットに兵士たちが六人ぐらい並んでいる。奥には大臣がいて……そこまではまあ、問題ない。なんというか、ありふれていそうな感じだ。
だけどその大臣の隣にある玉座にちょこんと座っていたのは、どうみても小さな女の子だった。白金の髪に透き通るような綺麗な水色の目。これは成長すればまず間違いなく美しい女性に成長する――そういう確信を抱かせるほど整った容姿をしていた。
「ね、お兄ちゃん。あの子、なんであそこに座ってるんだろう?」
明らかにスパルナよりも小さい子が玉座にいることに心底疑問に思ったんだろう。首を傾げて俺に小声で話してきた。
恐らくここは否定するところだろう。人……というか魔人は見た目じゃないって。
だけど椅子に座った彼女は、足台が無ければ床に足すらついてないのだから、どうにも締まらない。
「……わからない。もしかしたら、あの子は俺たちだけに見える幽霊なのかも――」
「あの方こそ我らの女王陛下。ミルティナ・アルランス様です」
「それは当たって欲しくなかった」
俺はスパルナに最も可能性の高い話をしたはずなんだけれど、アルディのせいでそれは打ち砕かれてしまった。
ロンギルス皇帝のあの威厳に比べたら、間違いなく幼女。大人と子どもくらいの差がある。
「一つ伝えておきますが、あの御方は私が子どもの頃から変わらずそのままですよ」
「……本当?」
「ええ。幼い頃の男は誰しも彼女に恋し、育ったものです」
過ぎ去った昔を思い出すかのようにアルディはここでは見えもしないどこか遠い空を眺めるように思い馳せていた。
というか、それほど変化がないってのもある意味すごいな。永遠の美少女って感じか。
「……あの、女王陛下の御前であることを忘れていませんか?」
ヘンリーに言われるまで目の前の光景から目を背けていたけど、どうやらこれ以上は無理らしい。
見てみると女王様の方も呆れた顔してこっちを見ていた。
「お主ら……」
初めて会った女王の深い……深いため息がやたらと印象に残ったのだった……。
「へー、ここがグランセストの首都なんだね」
シアロルとはまた違った発展をしている町を、スパルナははしゃぎながら眺めている。
初めて来た町ではいつもこうで、なんか妙に微笑ましい。
ヘンリーも同じはずなんだけど、まるでいつも歩いているというかのように溶け込んでいた。
「我らが女王陛下への謁見には少々時間が掛かると思いますので、その間にでも楽しまれてはいかがですか?」
アルディが言うには女王も忙しいらしく、すぐに謁見することは無理なのだそうだ。
二~三日は掛かるだろうから、その間なら観光してもいいそうだ。後からゆっくり……でもいいけど、スパルナの方は我慢できずにうずうずしながらこっちを見ていた。
「……仕方ないな。ちょっとだけ見て回るか」
「やったー!」
きゃっきゃと騒ぐスパルナは一通り喜んだ後、俺の隣までやってきて手を差し伸ばしてきた。仕方がないな、と思いながらその手を握ってやると、嬉しそうに笑う。
……なんというか、これだけで少し癒される気がしないでもない。
「改めて思うのですけど、随分仲が良いですよね。普通、そこまでべったりとはならないと思うんですけど」
「ま、色々あってな」
流石にラグズエルの実験場所で見つけて、死にかけていたのを生き返らせたから……なんて正直には言えない。適当な言い訳を思いつくことも出来なかったから、誤魔化すことにした。
これについてはスパルナにもきちんと言い含めてある。面倒そうな事になるのは目に見えているからな。
ヘンリーは詳しく聞きたそうな顔をしていたけど、俺の方が気にしないようにしていると、彼もそれ以上触れることはなかった。
――
それから三日後……町の探索を楽しんだ俺たちは、アルディに連れられて改めて城に向かった俺たちは、門兵たちにビシッと敬礼され、スパルナが真似をするのを諌めながらどんどん先へと進み……とうとう謁見の間にたどり着いた。
「……なんだかちょっと緊張してきちゃった」
「安心しろ。俺もだ」
「二人共、あまり落ち着きのない事をしてはいけませんよ?」
ロンギルス皇帝の時もそうだったけど、やっぱり国を治めるような相手と会うとなるとそうもなる。
仕えてるアルディはともかく、ヘンリーはある意味敵地だと言っても言い過ぎじゃないのに、よくも堂々としてられると思う。
「ふふっ、我らが女王陛下は寛大な御方です。あまり無礼のないようにしていただければ大丈夫です」
笑って言ってくれるのはいいけど、その『あまり』の部分が気になって、余計に不安になってしまう。
……だけど、こうなったら仕方ない。ここまで来たんだからいい加減覚悟決めるべきだろう。
「……よし、それじゃあ行こう」
アルディに合図するように深く頷くと、ゆっくりと扉を開いた。
俺たちはアルディを先頭にして、静かに謁見の間に入っていって……そこで衝撃的なものを見てしまった。
真っ赤なカーペットに兵士たちが六人ぐらい並んでいる。奥には大臣がいて……そこまではまあ、問題ない。なんというか、ありふれていそうな感じだ。
だけどその大臣の隣にある玉座にちょこんと座っていたのは、どうみても小さな女の子だった。白金の髪に透き通るような綺麗な水色の目。これは成長すればまず間違いなく美しい女性に成長する――そういう確信を抱かせるほど整った容姿をしていた。
「ね、お兄ちゃん。あの子、なんであそこに座ってるんだろう?」
明らかにスパルナよりも小さい子が玉座にいることに心底疑問に思ったんだろう。首を傾げて俺に小声で話してきた。
恐らくここは否定するところだろう。人……というか魔人は見た目じゃないって。
だけど椅子に座った彼女は、足台が無ければ床に足すらついてないのだから、どうにも締まらない。
「……わからない。もしかしたら、あの子は俺たちだけに見える幽霊なのかも――」
「あの方こそ我らの女王陛下。ミルティナ・アルランス様です」
「それは当たって欲しくなかった」
俺はスパルナに最も可能性の高い話をしたはずなんだけれど、アルディのせいでそれは打ち砕かれてしまった。
ロンギルス皇帝のあの威厳に比べたら、間違いなく幼女。大人と子どもくらいの差がある。
「一つ伝えておきますが、あの御方は私が子どもの頃から変わらずそのままですよ」
「……本当?」
「ええ。幼い頃の男は誰しも彼女に恋し、育ったものです」
過ぎ去った昔を思い出すかのようにアルディはここでは見えもしないどこか遠い空を眺めるように思い馳せていた。
というか、それほど変化がないってのもある意味すごいな。永遠の美少女って感じか。
「……あの、女王陛下の御前であることを忘れていませんか?」
ヘンリーに言われるまで目の前の光景から目を背けていたけど、どうやらこれ以上は無理らしい。
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