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最終章
第20話 …ムリ。かわいすぎ
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幽霊小屋の取り壊しで胸がざわついたのは、俺と陸くらいなもの。翌週、篠岡や玉置にその話をしても、大した反応は無かった。
「へえー、壊すんだあ。代わりに何か作るのかな?」
「ああ。そこまでは聞いてないが…」
体育の持久走終わりの更衣室。玉置は顔に似合わず、豪快にバッと服を脱ぐ。てか腹筋割れてるし…。
以前見た、ギラッと光る犬歯が頭の片隅に浮かび、そっと目を逸らす。
「オカ研の奴らが騒ぎそうだよな~、あと新聞部とかよ。」
「え、オカ研?」
「オカルト研究会。あれ、知らねぇ?俺も入ってるぜ?」
既に着替え終わっている篠岡が、窓枠に寄りかかりながら口を開く。シャツの上にカーディガンを羽織って、すっかり秋仕様だ。
「篠岡は『星空研究会』じゃなかったか?」
「篠岡は節操なさすぎなの。同好会何股もしてる」
静かに運動着を脱ぐ陸の質問に、玉置が代わりに答える。陸の白い肌に思わず目が奪われるのを、頭を振って視線と意識を逸らす。
えーっと、えーっと…、そうだ、このタオル、新しいのに買い替えようかな。
手に持ったタオルに無理やり意識を集中させてると、篠岡が俺の肩に肘をついた。
「それより小日向さんだろ!再来週には退職だって聞いたかよ!?小日向さん優しかったのにマジ困る~」
篠岡の言葉に、タオルをしまう手が一瞬止まった。幽霊小屋の取り壊しと、小日向さんの退職が結び付いているなんて、誰も想像しないだろうな。
「次の管理人さんも優しそうだったぞ」
「え!?涼海、もう会ったのかよ!?」
「ああ。楓も会っている」
「先週ね。挨拶したくらいだけど。若いにーちゃんって感じ。『東雲』って人」
「シノノメ?」
「おー!俺は『シノオカ』だからシノ仲間だなぁ!」
シノ仲間とは?
ニシシと笑う篠岡の横で、「しの、のめ…」と呟く玉置。もしかして、「東雲」って漢字が思い当たらないのか?確かに知らなければ書けないよなあ。
「あ、ヤバ!それどころじゃない!次、英語じゃん!僕、今日当たるんだった」
「おー、がんばれ~」
「篠岡!和訳教えてくれるって言ったじゃん!来て!」
「ええ~、言ったっけ?副会長に教えてもらえよ~」
「言ってた!それに今から特別クラスの方行くと時間かかるから!ほら早く!」
「うぃー」
玉置と篠岡がバタバタと服を片付けて更衣室を出ていく。
他の生徒も大方退室していて、更衣室に残っているのは俺たちを含めて、出入り口付近にいる数人程度。
俺も服を片付けていると、陸が口を開く。
「理事長室ってどこにあるんだ?」
「理事長室?」
突然の質問に、俺も頭にもハテナが浮かぶ。
「管理棟のどこかだろうけど、職員室以外にどんな部屋があるのかさえ、よく知らないし…」
「…」
「行ってみれば分かるか」
「もしかして、理事長の説得、直接理事長室に乗り込もうとしてる?」
「ああ。もちろんだ」
出た。陸の猪突猛進モード。陸の瞳の力強さから、固い意志が伝わる。
いや、どう考えても前野先生に聞いてみた方が良いって。
陸の発想って、時々ちょっとズレてんだよな。
そう頭の中では思いながらも、俺はただ黙って陸を見つめた。
「…どうかしたか?」
「別に?」
だって、なんかかわいい。
頭の隅で、さっき見た陸の白い肌がチラつく。
いやいや、ダメだ。ここは学校で、今は休み時間。他のクラスメイトもいる。
適当な話題を口にする。
「あー、陸ってさ、案外涙脆いよなー?」
「は!?今関係ないだろ、そんな話」
「この前、小日向さんの話聞いて、泣いてたじゃん」
「仕方ないだろ、勝手に出てきたんだから」
からかうように笑うと、ほんのり頬を染めて睨んでくる。でも本気で怒ってるわけじゃない。これはどちらかというと照れてる感じ。
陸はぶっきらぼうに運動着を畳みながら、付け加える。
「他人の恋愛話で泣いたのは、…初めてだった」
「そーなの?」
綺麗な横顔に長いまつ毛が繊細に揺れた。
「…もしも、小日向さんたちのように、俺も、楓とすれ違っていたら、と思ったら…勝手に…」
言葉を飲み込み、口をきゅっと結んだ陸に、胸がときめきを訴える。
俺たち以外の最後のクラスメイトが更衣室を出た。ドアが閉まる音。
は?なにそれ。かわいすぎ。
思わず、陸の顎を指で持ち上げ、表情を確認した。
「また泣きそうになってるじゃん」
「…別に、なってない…」
いつも素直なのに、なんで強がるんだか。顔にはこんなにハッキリと出てるのに。
たえきれず、愛でるようにそっと陸の下唇を押した。
陸が目を見開き、息を飲む。
潤んだ唇は、ぷっくりと、やわらかい。
眉を顰め、はあ、と息をついて手を離した。
「ねぇ、この前言ってた、キスしたら死ぬって何?」
カーテンの隙間から漏れる陽に、細かい埃が光の粒になってゆっくり舞う。
陸の体がビクリと揺れ、俺から距離を取るように背を反らした。
反射的に陸の手を掴む。
逃さねーから。
「教えてよ?」
陸は逃げられないことを悟ってか、渋々体を戻す。一度大きく息をつくと、小さな声で話し出した。
「…楓に、見つめられるだけで、心臓がドキドキして痛いんだ」
「うん?」
「こうやって触れられるのも、触れられたところが、すごく熱いし…」
「…うん」
「だ、抱きしめられたときなんて、もう、身体中が心臓になったみたいにバクバクして、息も止まって…」
「…」
「なのに、キ、キ、キス、なんか、したら…」
陸の目が潤む。
「きっと、死んでしまう…!」
必死に自分の状況を伝えようとしているのは分かる。分かる、けど。
笑いと愛おしさが込み上げる。
「ぷっ…くくく…」
「なんで笑うんだ!俺は真剣だぞ!」
「ごめんごめん」
こんなかわいい恋人、黙って見ていられるわけがない。
好き、めっちゃ好き。
身体の中が陸への想いでいっぱいになる。
ぽんぽんと頭を撫でると、そのまま覗き込むようにして、熱い視線を送る。
細い光の筋が、陸の頬に差す。白い肌は眩しく煌めいた。
「ねえ、死んじゃうかどうか、試してみる?」
「楓っ!?今の話、聞いてたか!?」
「陸が俺のこと、ちょー好きって話でしょ?聞いてた。…俺も、陸が好き」
耳元で低く囁くと、陸の体が小さく反応する。
体を離すと、手を広げ、ハグ待ちの体勢をとる。陸が飛び込んでくれば、それってオッケーってことだよね?
陸を誘うように、甘く呼びかけた。
「陸」
陸の瞳が迷いに揺れる。
たっぷり5秒ほど固まったままだった陸は、つま先を引き摺るようにして半歩分、俺に近づいた。
頭はブレーキをかけてるのに身体が勝手に動く、そんな感じだった。
「…、」
息を止め、俺の胸元に手を添える。
…これって、いいってこと?だよね?
俺はそっと腕を回し、陸を包み込んだ。
あー、なんか感動。
「楓…、その…、」
見上げる潤んだ瞳。
陸の鼓動が伝わってくる。本当に、すごくドキドキしてる。あれ?これって俺の鼓動?
もうどっちでもいいか。
「試してみる気になった?」
「あ…、えっと…、」
答えを聞く前に、俯いた陸の黒髪にキスを落とす。
陸がピクリと身体を震わすけど、拒絶はされない。
そのまま今度はこめかみのあたりに優しくキスをする。
「ふ…、」
ぎゅっと目をつぶる陸から、吐息とも呻きとも取れるような声が漏れた。
唇に感じる陸の肌は、サラサラしていて気持ちいい。いつもの石鹸の匂いに、体育終わりの汗の匂いがかすかに混じり、俺の理性を揺さぶってくる。
今度は頬に──。
唇が触れる寸前で、陸が俺の胸をやんわりと押し、大きく顔を逸らした。目の前に晒された首元は、薄く赤に染まっている。
「楓、やっぱ、これ以上は…、」
真っ赤な顔で、弱々しい声が呟く。綺麗な横顔に長いまつ毛が震える。
羞恥に耐えるような様子に、俺の胸の真ん中がぎゅっと掴まれた。
分かってる。こんなとこで…、でも。
「…ムリ。かわいすぎ」
掠れた声で呟くと、陸が息を飲む。
ずっと抑えていた熱が、とめどなく溢れ出る。止められない。
胸元のささやかな抵抗を無視して、目の前に差し出されている首筋に、唇で触れる。
陸の身体がビクンと跳ねた。
熱い。陸の匂いに頭がクラクラする。
好き、…欲しい。
──このまま、食べてしまいたい
「~っか、楓ッ!!」
「ぅぐっ!」
思い切り胸を押される。肺が圧迫されて、思わず呻き声が出た。
…馬鹿力め。
陸は赤い顔で俺を睨みながら後退りする。
「がが学校だぞ!?それ以上近づくな、バ楓!」
「はぁ!?キスされに来たのはお前じゃん!」
「そっ…!そ、…いや、違う!」
「違わねーよ!」
そっぽを向いて、あくまで否認する陸にツッコむ。
確かにちょっとヤバかった。
それは…ごめんだけど…、でも絶対俺だけのせいじゃないから!
あー、てか、あとちょっとだったのに!
クソ!
反省やら悔しさやらで、頭の中が忙しい。
その時、狭い更衣室に、授業開始を知らせる本鈴の音が響いた。
「あ、」
「!早く戻ろう、楓!」
躊躇いなく俺の手を掴む陸。
なんでこういうことはできるのに、抱きしめたりキスは怒られるのかなー。
胸の内だけでボヤくも、陸に手を引かれながら、頬が緩む。
こうやって目の前のことに集中して突き進む陸も、好き。
勢いよく教室に飛び込んだ俺たちが、先生に怒られるのは、その後すぐの話。
放課後、俺たちは前野先生の元へ訪れていた。
「理事長の説得…?お前たちが?」
机に片肘をかけ、回転椅子に座ったまま俺たちを見る。
「はい。たった半年ですけど、あの小屋で生活した僕たちが、自分たちの言葉で、理事長先生に直接伝えてみたいんです」
「…お前たちの意思を軽んじるつもりはない。でもな…」
陸のまっすぐな視線をしっかりと受け止めて、答える。でもその答えは、途中で止まってしまった。
前野先生が難色を示すのは想定内。だって理事長の決定を、たった二人の生徒の気持ちだけで覆せるわけがない。
しかも、「理事長との直接交渉」なんて、普通、生徒はできない。総合祭の優勝クラスに与えられる特権のレベルなんだから。
「先生、」
陸に続いて俺も口を開く。
「『おたすけ部』の活動の一環として、協力してください」
意外そうな顔で俺を見る。
「小屋の取り壊しをやめるように、理事長を説得する…。これは、小日向さんからの依頼でもあるんです」
前野先生の喉仏が上下した。
「俺たち、小日向さんから、当時の話を聞きました。…それで、小日向さんと理事長に、あの小屋で、もう一度ちゃんと話をしてもらいたいんです。」
前野先生は目を逸らし、どこか遠くを見る。この前見た、昔を思い出す小日向さんと同じ目をしてる。
そんな反応を見て確信した。
やっぱり、前野先生はふたりの事情を知ってるんだ。
「先生、覚えてますか。『どうなっていきたいか、その為にどうしたらいいのか。自分がどうしたいか。よく考えろ』。入学早々、前野先生が俺に言ってくれた言葉です」
前野先生の太い眉がピクリと動く。
「自分の心の声から逃げずに、向き合わないと、いつか後悔する。今の俺なら分かります。」
「千秋…」
「俺、あの小屋が取り壊されるのは嫌です。それに、理事長と小日向さんにも…、向き合う『機会』が必要だって、思うんです。」
「僕もそう思います。小日向さんは来月辞められてしまうし…、これが最後のチャンスだと思います!」
俺たちの言葉を聞いて、前野先生は大きく息を吐くと、背もたれに体重を預けて天を仰いだ。
「高校生の半年の成長は、目覚ましいな…」
何かをボソッと呟く。普段の声がデカすぎるせいか、小声で話されると本当に聞き取れない。
回転椅子がギッと鳴り、前野先生が勢いよく立ち上がった。
「分かった。取り計らおう」
「「ありがとうございます!」」
「ただ、時間がない。小日向さんが退職されるまで、あと1週間と少しだ。それまでのどこかで調整をつけよう。」
パソコンの画面を起動して、先生達が共有しているらしいスケジュールアプリを立ち上げる。
「理事長も忙しいからな…。土日になるかもしれない。お前たちは予定を空けておけよ」
陸と目を見合わせニッと笑う。そして二人で「もちろんです」と答えた。
「あと、どちらにしても、お前たちは寮に戻ることになるからな。片付けもちゃんと進めておけよ」
「えー」
「はい!」
やっぱ退去は絶対なんだ。
「日時が決まったら連絡する」と言われ部屋を出て、陸と幽霊小屋に戻る。
理事長への説得が現実味を帯びてきて、俺は少し緊張を感じるけど、陸は純粋に喜んでいた。
「無事に理事長と話す機会が持てそうだな!」
「そーだね」
来週末に迫った引越しのために、少しずつ片付けを進める。
陸のゆげまるグッズは段ボール1つ分になり、既に部屋の隅に置かれていた。
「寮生活も、楽しみだ!篠岡や玉置とも会いやすくなるな!」
「…」
そこなんだよ。
俺としては、陸と二人の、この幽霊小屋暮らしが、今では最高の生活。
だって恋人と(ほぼ)24時間、誰にも邪魔されずに二人きりなんだから。
そんな俺とは正反対に、無邪気に喜ぶ陸。もしかして、二人きりの生活を望んでるのって、俺だけ?
「ねえ、陸ってさ、卒業後の進路、もう決めてる?」
「いや?まだだが」
「…一緒に住もうよ」
「えっ、」
作業の手を止めて陸を見つめる。陸も、俺を見つめ返した。
すぐにイエスと返事をくれない陸に、ちょっと不安が募る。
やっぱり、こんなにも陸と一緒にいたいって思ってるのは、俺だけなのかも。
「…嫌?」
「嫌ではない!その…、楓と一緒にいられるなら、嬉しい。でも、少し気が早くないか?」
「進路とかまだ分かんないけどさ。俺は、陸とずっと一緒にいたい。…約束が、欲しい」
陸に歩み寄り、両手をとる。
縋るような声に、陸が優しく眉尻を下げた。
「ずっと、って…」
「前も言ったけど、俺は本気。」
握った手が、熱くなる。
「陸のこと、一生離したくない」
陸の顔がみるみる赤くなる。
いい加減慣れてよって思いながら、俺も顔が熱い。
「多分、陸が思ってる以上に、俺は陸が好き」
「…っ、」
「陸はキスで死ぬって言ってたけど、俺だって、陸が笑うと胸がギュッてなるし、突っ走ってる時の陸だって、見てると愛おしさでいっぱいになる。」
片手を離し、陸の頬にかかる髪を耳にかけた。
「陸のこと、もっと触れたいし、もっと抱きしめたい。…俺、結構、我慢してるんだからね?」
「……そうなのか?」
「陸に嫌われたくないから、これでもセーブしてる…つもり」
できてるかは自信ないけど。
バツの悪さから、ちょっと目を逸らしてしまったけど、改めてまっすぐ見つめ直して、伝える。
「ずっと、大事にしていきたい」
強く手を握ると、陸も頬を染めながら、でもしっかりと応えるように、俺の手に手を重ねた。
「俺も、楓が…好きだ。」
そう言って、優しく口元を緩ませる。
「約束しよう。俺も、楓とずっと一緒にいたい」
小指に、陸の小指が絡まる。
見上げる凛とした黒い瞳が愛おしい。
「例えこの場所じゃなくても、楓のいる場所が、俺の居場所だ。これからも、ずっと。」
はっきりと言い切った陸に、心が満たされると同時に、胸の奥がぎゅっと甘く痛む。
「…そういうの…反則」
「え?何がだ?」
陸はいつも、俺の弱さを大きな器で受け止める。
かわいくて、かっこよくて、ほんとに…、大好き。
小指ごと引き寄せて、強く抱きしめた。
「わっ!楓!?」
「…ありがとう、陸」
小さな声だったけど、陸にはちゃんと届いたみたいだった。
返事の代わりに、陸の腕も俺の背中に回って、優しくトントンと撫でられた。
室内を包むオレンジ色の優しい光、この小屋の至る所に使われている木の温もり、二人で設置したコルクボード、そして、陸が選んだ緑のカーテン。
その全ての温かさが、今、俺の腕の中にある気がした。
陸と一緒なら、大丈夫。
俺の中に小さく燻っていた不安や緊張は、優しく溶けていった。
「へえー、壊すんだあ。代わりに何か作るのかな?」
「ああ。そこまでは聞いてないが…」
体育の持久走終わりの更衣室。玉置は顔に似合わず、豪快にバッと服を脱ぐ。てか腹筋割れてるし…。
以前見た、ギラッと光る犬歯が頭の片隅に浮かび、そっと目を逸らす。
「オカ研の奴らが騒ぎそうだよな~、あと新聞部とかよ。」
「え、オカ研?」
「オカルト研究会。あれ、知らねぇ?俺も入ってるぜ?」
既に着替え終わっている篠岡が、窓枠に寄りかかりながら口を開く。シャツの上にカーディガンを羽織って、すっかり秋仕様だ。
「篠岡は『星空研究会』じゃなかったか?」
「篠岡は節操なさすぎなの。同好会何股もしてる」
静かに運動着を脱ぐ陸の質問に、玉置が代わりに答える。陸の白い肌に思わず目が奪われるのを、頭を振って視線と意識を逸らす。
えーっと、えーっと…、そうだ、このタオル、新しいのに買い替えようかな。
手に持ったタオルに無理やり意識を集中させてると、篠岡が俺の肩に肘をついた。
「それより小日向さんだろ!再来週には退職だって聞いたかよ!?小日向さん優しかったのにマジ困る~」
篠岡の言葉に、タオルをしまう手が一瞬止まった。幽霊小屋の取り壊しと、小日向さんの退職が結び付いているなんて、誰も想像しないだろうな。
「次の管理人さんも優しそうだったぞ」
「え!?涼海、もう会ったのかよ!?」
「ああ。楓も会っている」
「先週ね。挨拶したくらいだけど。若いにーちゃんって感じ。『東雲』って人」
「シノノメ?」
「おー!俺は『シノオカ』だからシノ仲間だなぁ!」
シノ仲間とは?
ニシシと笑う篠岡の横で、「しの、のめ…」と呟く玉置。もしかして、「東雲」って漢字が思い当たらないのか?確かに知らなければ書けないよなあ。
「あ、ヤバ!それどころじゃない!次、英語じゃん!僕、今日当たるんだった」
「おー、がんばれ~」
「篠岡!和訳教えてくれるって言ったじゃん!来て!」
「ええ~、言ったっけ?副会長に教えてもらえよ~」
「言ってた!それに今から特別クラスの方行くと時間かかるから!ほら早く!」
「うぃー」
玉置と篠岡がバタバタと服を片付けて更衣室を出ていく。
他の生徒も大方退室していて、更衣室に残っているのは俺たちを含めて、出入り口付近にいる数人程度。
俺も服を片付けていると、陸が口を開く。
「理事長室ってどこにあるんだ?」
「理事長室?」
突然の質問に、俺も頭にもハテナが浮かぶ。
「管理棟のどこかだろうけど、職員室以外にどんな部屋があるのかさえ、よく知らないし…」
「…」
「行ってみれば分かるか」
「もしかして、理事長の説得、直接理事長室に乗り込もうとしてる?」
「ああ。もちろんだ」
出た。陸の猪突猛進モード。陸の瞳の力強さから、固い意志が伝わる。
いや、どう考えても前野先生に聞いてみた方が良いって。
陸の発想って、時々ちょっとズレてんだよな。
そう頭の中では思いながらも、俺はただ黙って陸を見つめた。
「…どうかしたか?」
「別に?」
だって、なんかかわいい。
頭の隅で、さっき見た陸の白い肌がチラつく。
いやいや、ダメだ。ここは学校で、今は休み時間。他のクラスメイトもいる。
適当な話題を口にする。
「あー、陸ってさ、案外涙脆いよなー?」
「は!?今関係ないだろ、そんな話」
「この前、小日向さんの話聞いて、泣いてたじゃん」
「仕方ないだろ、勝手に出てきたんだから」
からかうように笑うと、ほんのり頬を染めて睨んでくる。でも本気で怒ってるわけじゃない。これはどちらかというと照れてる感じ。
陸はぶっきらぼうに運動着を畳みながら、付け加える。
「他人の恋愛話で泣いたのは、…初めてだった」
「そーなの?」
綺麗な横顔に長いまつ毛が繊細に揺れた。
「…もしも、小日向さんたちのように、俺も、楓とすれ違っていたら、と思ったら…勝手に…」
言葉を飲み込み、口をきゅっと結んだ陸に、胸がときめきを訴える。
俺たち以外の最後のクラスメイトが更衣室を出た。ドアが閉まる音。
は?なにそれ。かわいすぎ。
思わず、陸の顎を指で持ち上げ、表情を確認した。
「また泣きそうになってるじゃん」
「…別に、なってない…」
いつも素直なのに、なんで強がるんだか。顔にはこんなにハッキリと出てるのに。
たえきれず、愛でるようにそっと陸の下唇を押した。
陸が目を見開き、息を飲む。
潤んだ唇は、ぷっくりと、やわらかい。
眉を顰め、はあ、と息をついて手を離した。
「ねぇ、この前言ってた、キスしたら死ぬって何?」
カーテンの隙間から漏れる陽に、細かい埃が光の粒になってゆっくり舞う。
陸の体がビクリと揺れ、俺から距離を取るように背を反らした。
反射的に陸の手を掴む。
逃さねーから。
「教えてよ?」
陸は逃げられないことを悟ってか、渋々体を戻す。一度大きく息をつくと、小さな声で話し出した。
「…楓に、見つめられるだけで、心臓がドキドキして痛いんだ」
「うん?」
「こうやって触れられるのも、触れられたところが、すごく熱いし…」
「…うん」
「だ、抱きしめられたときなんて、もう、身体中が心臓になったみたいにバクバクして、息も止まって…」
「…」
「なのに、キ、キ、キス、なんか、したら…」
陸の目が潤む。
「きっと、死んでしまう…!」
必死に自分の状況を伝えようとしているのは分かる。分かる、けど。
笑いと愛おしさが込み上げる。
「ぷっ…くくく…」
「なんで笑うんだ!俺は真剣だぞ!」
「ごめんごめん」
こんなかわいい恋人、黙って見ていられるわけがない。
好き、めっちゃ好き。
身体の中が陸への想いでいっぱいになる。
ぽんぽんと頭を撫でると、そのまま覗き込むようにして、熱い視線を送る。
細い光の筋が、陸の頬に差す。白い肌は眩しく煌めいた。
「ねえ、死んじゃうかどうか、試してみる?」
「楓っ!?今の話、聞いてたか!?」
「陸が俺のこと、ちょー好きって話でしょ?聞いてた。…俺も、陸が好き」
耳元で低く囁くと、陸の体が小さく反応する。
体を離すと、手を広げ、ハグ待ちの体勢をとる。陸が飛び込んでくれば、それってオッケーってことだよね?
陸を誘うように、甘く呼びかけた。
「陸」
陸の瞳が迷いに揺れる。
たっぷり5秒ほど固まったままだった陸は、つま先を引き摺るようにして半歩分、俺に近づいた。
頭はブレーキをかけてるのに身体が勝手に動く、そんな感じだった。
「…、」
息を止め、俺の胸元に手を添える。
…これって、いいってこと?だよね?
俺はそっと腕を回し、陸を包み込んだ。
あー、なんか感動。
「楓…、その…、」
見上げる潤んだ瞳。
陸の鼓動が伝わってくる。本当に、すごくドキドキしてる。あれ?これって俺の鼓動?
もうどっちでもいいか。
「試してみる気になった?」
「あ…、えっと…、」
答えを聞く前に、俯いた陸の黒髪にキスを落とす。
陸がピクリと身体を震わすけど、拒絶はされない。
そのまま今度はこめかみのあたりに優しくキスをする。
「ふ…、」
ぎゅっと目をつぶる陸から、吐息とも呻きとも取れるような声が漏れた。
唇に感じる陸の肌は、サラサラしていて気持ちいい。いつもの石鹸の匂いに、体育終わりの汗の匂いがかすかに混じり、俺の理性を揺さぶってくる。
今度は頬に──。
唇が触れる寸前で、陸が俺の胸をやんわりと押し、大きく顔を逸らした。目の前に晒された首元は、薄く赤に染まっている。
「楓、やっぱ、これ以上は…、」
真っ赤な顔で、弱々しい声が呟く。綺麗な横顔に長いまつ毛が震える。
羞恥に耐えるような様子に、俺の胸の真ん中がぎゅっと掴まれた。
分かってる。こんなとこで…、でも。
「…ムリ。かわいすぎ」
掠れた声で呟くと、陸が息を飲む。
ずっと抑えていた熱が、とめどなく溢れ出る。止められない。
胸元のささやかな抵抗を無視して、目の前に差し出されている首筋に、唇で触れる。
陸の身体がビクンと跳ねた。
熱い。陸の匂いに頭がクラクラする。
好き、…欲しい。
──このまま、食べてしまいたい
「~っか、楓ッ!!」
「ぅぐっ!」
思い切り胸を押される。肺が圧迫されて、思わず呻き声が出た。
…馬鹿力め。
陸は赤い顔で俺を睨みながら後退りする。
「がが学校だぞ!?それ以上近づくな、バ楓!」
「はぁ!?キスされに来たのはお前じゃん!」
「そっ…!そ、…いや、違う!」
「違わねーよ!」
そっぽを向いて、あくまで否認する陸にツッコむ。
確かにちょっとヤバかった。
それは…ごめんだけど…、でも絶対俺だけのせいじゃないから!
あー、てか、あとちょっとだったのに!
クソ!
反省やら悔しさやらで、頭の中が忙しい。
その時、狭い更衣室に、授業開始を知らせる本鈴の音が響いた。
「あ、」
「!早く戻ろう、楓!」
躊躇いなく俺の手を掴む陸。
なんでこういうことはできるのに、抱きしめたりキスは怒られるのかなー。
胸の内だけでボヤくも、陸に手を引かれながら、頬が緩む。
こうやって目の前のことに集中して突き進む陸も、好き。
勢いよく教室に飛び込んだ俺たちが、先生に怒られるのは、その後すぐの話。
放課後、俺たちは前野先生の元へ訪れていた。
「理事長の説得…?お前たちが?」
机に片肘をかけ、回転椅子に座ったまま俺たちを見る。
「はい。たった半年ですけど、あの小屋で生活した僕たちが、自分たちの言葉で、理事長先生に直接伝えてみたいんです」
「…お前たちの意思を軽んじるつもりはない。でもな…」
陸のまっすぐな視線をしっかりと受け止めて、答える。でもその答えは、途中で止まってしまった。
前野先生が難色を示すのは想定内。だって理事長の決定を、たった二人の生徒の気持ちだけで覆せるわけがない。
しかも、「理事長との直接交渉」なんて、普通、生徒はできない。総合祭の優勝クラスに与えられる特権のレベルなんだから。
「先生、」
陸に続いて俺も口を開く。
「『おたすけ部』の活動の一環として、協力してください」
意外そうな顔で俺を見る。
「小屋の取り壊しをやめるように、理事長を説得する…。これは、小日向さんからの依頼でもあるんです」
前野先生の喉仏が上下した。
「俺たち、小日向さんから、当時の話を聞きました。…それで、小日向さんと理事長に、あの小屋で、もう一度ちゃんと話をしてもらいたいんです。」
前野先生は目を逸らし、どこか遠くを見る。この前見た、昔を思い出す小日向さんと同じ目をしてる。
そんな反応を見て確信した。
やっぱり、前野先生はふたりの事情を知ってるんだ。
「先生、覚えてますか。『どうなっていきたいか、その為にどうしたらいいのか。自分がどうしたいか。よく考えろ』。入学早々、前野先生が俺に言ってくれた言葉です」
前野先生の太い眉がピクリと動く。
「自分の心の声から逃げずに、向き合わないと、いつか後悔する。今の俺なら分かります。」
「千秋…」
「俺、あの小屋が取り壊されるのは嫌です。それに、理事長と小日向さんにも…、向き合う『機会』が必要だって、思うんです。」
「僕もそう思います。小日向さんは来月辞められてしまうし…、これが最後のチャンスだと思います!」
俺たちの言葉を聞いて、前野先生は大きく息を吐くと、背もたれに体重を預けて天を仰いだ。
「高校生の半年の成長は、目覚ましいな…」
何かをボソッと呟く。普段の声がデカすぎるせいか、小声で話されると本当に聞き取れない。
回転椅子がギッと鳴り、前野先生が勢いよく立ち上がった。
「分かった。取り計らおう」
「「ありがとうございます!」」
「ただ、時間がない。小日向さんが退職されるまで、あと1週間と少しだ。それまでのどこかで調整をつけよう。」
パソコンの画面を起動して、先生達が共有しているらしいスケジュールアプリを立ち上げる。
「理事長も忙しいからな…。土日になるかもしれない。お前たちは予定を空けておけよ」
陸と目を見合わせニッと笑う。そして二人で「もちろんです」と答えた。
「あと、どちらにしても、お前たちは寮に戻ることになるからな。片付けもちゃんと進めておけよ」
「えー」
「はい!」
やっぱ退去は絶対なんだ。
「日時が決まったら連絡する」と言われ部屋を出て、陸と幽霊小屋に戻る。
理事長への説得が現実味を帯びてきて、俺は少し緊張を感じるけど、陸は純粋に喜んでいた。
「無事に理事長と話す機会が持てそうだな!」
「そーだね」
来週末に迫った引越しのために、少しずつ片付けを進める。
陸のゆげまるグッズは段ボール1つ分になり、既に部屋の隅に置かれていた。
「寮生活も、楽しみだ!篠岡や玉置とも会いやすくなるな!」
「…」
そこなんだよ。
俺としては、陸と二人の、この幽霊小屋暮らしが、今では最高の生活。
だって恋人と(ほぼ)24時間、誰にも邪魔されずに二人きりなんだから。
そんな俺とは正反対に、無邪気に喜ぶ陸。もしかして、二人きりの生活を望んでるのって、俺だけ?
「ねえ、陸ってさ、卒業後の進路、もう決めてる?」
「いや?まだだが」
「…一緒に住もうよ」
「えっ、」
作業の手を止めて陸を見つめる。陸も、俺を見つめ返した。
すぐにイエスと返事をくれない陸に、ちょっと不安が募る。
やっぱり、こんなにも陸と一緒にいたいって思ってるのは、俺だけなのかも。
「…嫌?」
「嫌ではない!その…、楓と一緒にいられるなら、嬉しい。でも、少し気が早くないか?」
「進路とかまだ分かんないけどさ。俺は、陸とずっと一緒にいたい。…約束が、欲しい」
陸に歩み寄り、両手をとる。
縋るような声に、陸が優しく眉尻を下げた。
「ずっと、って…」
「前も言ったけど、俺は本気。」
握った手が、熱くなる。
「陸のこと、一生離したくない」
陸の顔がみるみる赤くなる。
いい加減慣れてよって思いながら、俺も顔が熱い。
「多分、陸が思ってる以上に、俺は陸が好き」
「…っ、」
「陸はキスで死ぬって言ってたけど、俺だって、陸が笑うと胸がギュッてなるし、突っ走ってる時の陸だって、見てると愛おしさでいっぱいになる。」
片手を離し、陸の頬にかかる髪を耳にかけた。
「陸のこと、もっと触れたいし、もっと抱きしめたい。…俺、結構、我慢してるんだからね?」
「……そうなのか?」
「陸に嫌われたくないから、これでもセーブしてる…つもり」
できてるかは自信ないけど。
バツの悪さから、ちょっと目を逸らしてしまったけど、改めてまっすぐ見つめ直して、伝える。
「ずっと、大事にしていきたい」
強く手を握ると、陸も頬を染めながら、でもしっかりと応えるように、俺の手に手を重ねた。
「俺も、楓が…好きだ。」
そう言って、優しく口元を緩ませる。
「約束しよう。俺も、楓とずっと一緒にいたい」
小指に、陸の小指が絡まる。
見上げる凛とした黒い瞳が愛おしい。
「例えこの場所じゃなくても、楓のいる場所が、俺の居場所だ。これからも、ずっと。」
はっきりと言い切った陸に、心が満たされると同時に、胸の奥がぎゅっと甘く痛む。
「…そういうの…反則」
「え?何がだ?」
陸はいつも、俺の弱さを大きな器で受け止める。
かわいくて、かっこよくて、ほんとに…、大好き。
小指ごと引き寄せて、強く抱きしめた。
「わっ!楓!?」
「…ありがとう、陸」
小さな声だったけど、陸にはちゃんと届いたみたいだった。
返事の代わりに、陸の腕も俺の背中に回って、優しくトントンと撫でられた。
室内を包むオレンジ色の優しい光、この小屋の至る所に使われている木の温もり、二人で設置したコルクボード、そして、陸が選んだ緑のカーテン。
その全ての温かさが、今、俺の腕の中にある気がした。
陸と一緒なら、大丈夫。
俺の中に小さく燻っていた不安や緊張は、優しく溶けていった。
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