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激動! 体育祭!
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暇を持て余し、二十分間の間また戻って宿題をしていればいまいち進まなかった。カレー未満のカレーの出来が気になってソワソワする。
武藤様と俺はぽんぽん会話を交わすほど親しくはなかったので、気まずい。なんか特定条件下だけで親しく話せる相手とかいるよね。
「……そろそろ良いか?」
「おお」
武藤様の声に喜び勇んでキッチンに戻る。弱火でくつくつと煮込まれた野菜、と肉。
うーーん。
「カレー? これ……臭いがあんましないんだけど~……」
「ルゥを知らねぇのか」
「カレーって概ねルーでできてるんだなぁ」
思ったよりカレー感がない。無言であく取りをしていた──手伝おうとしたら邪魔だと追い出されている──武藤様がおたまを置き、ビニール袋からカレールーを取り出す。
「火、止めちゃうんだ」
「ダマんなる」
へぇ~~
慣れた手つきでいくつか割り入れ、火を止めた鍋にルーが溶けていく。意外と溶けないんだな。入れた瞬間バスボムみたいになると思ってた。
じわじわとルーがその原型を保たなくなって行き……あ! なんかカレーだ!! カレーの匂いする!!
「んで、これをとろみがつくまで煮込む。時々かき混ぜながらな。てめーは邪魔だ」
「手洗ったのに」
「おにぎりとか握っとけ」
適当だ。だが納得もしたのでおにぎりとかを握っておくことにする。クソデカ炊飯器を開けてコメを寄せる。持ってきたプラスチックのお茶碗に食べたいだけ入れ、手にめっちゃ塩をつけてキュッキュッと握った。
「おい、米出しす──おいどうなってんだそのサイズ。不安になってくるだろ」
「フツーだよー」
茶碗大盛り分をきゅっとして一口ぶんのおにぎりにする。お弁当とかにちょっと入ってる俵おにぎりくらいのサイズだ。我が家は基本こんな感じでおにぎりを作っている。
「お袋の味ってやつ~? 母さんは無限に塩入れるから、もうちょいしょっぱかったんだよね~」
「今それどころじゃねぇんだわ。質量保存の法則に真っ向から対抗してんだぞ今。その自覚を持て」
「そんな常識を覆す感じの事はしてないんだけど」
急に難しい話してる。何なんだこの熱量は、牢屋の窓から星見せられそう。
お袋の味ってなんか良くないのかな。世間話程度で出したのだが、ここまで突っ込まれないと不安になってくる。
「エピソードトークとしては間違っちゃいねぇがそれより注目すべき点がある」
間違っていなかったらしい。
武藤様の視線は俺の手元で固定されていた。流石に、同居生活慣れてきたとはいえ照れるのだが。俺が武藤様オタクであるということに留意が必要なんだが。無理か明かしてないもんな。
おにぎりをもたもたといくつか作っていると、武藤様が鍋の様子を見てよし、と呟く。その頃にはもうすっかりカレーはカレーの姿を得ていて、良い匂いがあたりに漂ってきている。カレールーとは凄いんだなぁ。
「カレー注いでやるから白米持って来い。俺の分は圧縮すんなよ」
「そんな何でもかんでも圧縮するみたいな……うわ食器いっぱいある」
「うわとか言うんじゃねぇ」
ところどころ二枚揃えの皿や茶碗があるのは、ご飯を作る時俺に合わせて買ってきてくれたのだろう。時々模様同じのどんぶりと茶碗になっているが、気が付かなかった。そういえばやけに俺の食器デカいなとか思ってた。
じゃあまぁ、多分食器は合わせた方がいいよね。
「自炊力カスのくせに良いセンスじゃねーか。料理じゃなきゃ発揮されるんか?」
「そんな芸術面にのみ特化した生活力皆無人間みたいな言い方しなくても」
「よく分かってんじゃねぇか」
「自己分析できますって自己PRに書いちゃおっかな!」
皮肉である。めちゃくちゃ通じてないかほんのりと馬鹿にされているけども。いやさっきからずっと馬鹿にはされてるのか。
ともかく俺は正解を選び取ったらしく、白米を盛って渡せば若干嫌そうな顔をされつつカレーをかけられた。
「欲張りすぎてカレーの表面張力に頼ることになってるだろ。見栄え!」
「え~? 会長さま厳しい~」
「でもテメェの自炊力の方が厳しいわ」
「会長さまこのネタノってくるんだ」
カレーの表面張力って初めて聞いた。カレーに表面張力を求めたことがないから。今求めてるか。いっけね!
二人分料理を配膳──いつのまにか他の品もできていた。何? 魔法?──する。服にしっかりカレーのにおいがこびりついている。ちゃんと洗濯しないとな。
爆速で片付けていた武藤様も席に着くと、俺は手を合わせた。
と言うか武藤様って俺いない時の手際が良すぎる。この人の周りだけ時間めちゃくちゃ速かったりする? アレじゃん、子供がお手伝いしようとしてお母さんの仕事増えるやつ。
「いただきまーす! 美味い!」
「良かったな。ンでそれで綺麗に食えんだてめーはよ」
ちなみに、自分で作ったカレーは美味しかった。自分で作ったとはギリギリ言い難いが、しっかり努力マジックはかけられていたらしい。
武藤様と俺はぽんぽん会話を交わすほど親しくはなかったので、気まずい。なんか特定条件下だけで親しく話せる相手とかいるよね。
「……そろそろ良いか?」
「おお」
武藤様の声に喜び勇んでキッチンに戻る。弱火でくつくつと煮込まれた野菜、と肉。
うーーん。
「カレー? これ……臭いがあんましないんだけど~……」
「ルゥを知らねぇのか」
「カレーって概ねルーでできてるんだなぁ」
思ったよりカレー感がない。無言であく取りをしていた──手伝おうとしたら邪魔だと追い出されている──武藤様がおたまを置き、ビニール袋からカレールーを取り出す。
「火、止めちゃうんだ」
「ダマんなる」
へぇ~~
慣れた手つきでいくつか割り入れ、火を止めた鍋にルーが溶けていく。意外と溶けないんだな。入れた瞬間バスボムみたいになると思ってた。
じわじわとルーがその原型を保たなくなって行き……あ! なんかカレーだ!! カレーの匂いする!!
「んで、これをとろみがつくまで煮込む。時々かき混ぜながらな。てめーは邪魔だ」
「手洗ったのに」
「おにぎりとか握っとけ」
適当だ。だが納得もしたのでおにぎりとかを握っておくことにする。クソデカ炊飯器を開けてコメを寄せる。持ってきたプラスチックのお茶碗に食べたいだけ入れ、手にめっちゃ塩をつけてキュッキュッと握った。
「おい、米出しす──おいどうなってんだそのサイズ。不安になってくるだろ」
「フツーだよー」
茶碗大盛り分をきゅっとして一口ぶんのおにぎりにする。お弁当とかにちょっと入ってる俵おにぎりくらいのサイズだ。我が家は基本こんな感じでおにぎりを作っている。
「お袋の味ってやつ~? 母さんは無限に塩入れるから、もうちょいしょっぱかったんだよね~」
「今それどころじゃねぇんだわ。質量保存の法則に真っ向から対抗してんだぞ今。その自覚を持て」
「そんな常識を覆す感じの事はしてないんだけど」
急に難しい話してる。何なんだこの熱量は、牢屋の窓から星見せられそう。
お袋の味ってなんか良くないのかな。世間話程度で出したのだが、ここまで突っ込まれないと不安になってくる。
「エピソードトークとしては間違っちゃいねぇがそれより注目すべき点がある」
間違っていなかったらしい。
武藤様の視線は俺の手元で固定されていた。流石に、同居生活慣れてきたとはいえ照れるのだが。俺が武藤様オタクであるということに留意が必要なんだが。無理か明かしてないもんな。
おにぎりをもたもたといくつか作っていると、武藤様が鍋の様子を見てよし、と呟く。その頃にはもうすっかりカレーはカレーの姿を得ていて、良い匂いがあたりに漂ってきている。カレールーとは凄いんだなぁ。
「カレー注いでやるから白米持って来い。俺の分は圧縮すんなよ」
「そんな何でもかんでも圧縮するみたいな……うわ食器いっぱいある」
「うわとか言うんじゃねぇ」
ところどころ二枚揃えの皿や茶碗があるのは、ご飯を作る時俺に合わせて買ってきてくれたのだろう。時々模様同じのどんぶりと茶碗になっているが、気が付かなかった。そういえばやけに俺の食器デカいなとか思ってた。
じゃあまぁ、多分食器は合わせた方がいいよね。
「自炊力カスのくせに良いセンスじゃねーか。料理じゃなきゃ発揮されるんか?」
「そんな芸術面にのみ特化した生活力皆無人間みたいな言い方しなくても」
「よく分かってんじゃねぇか」
「自己分析できますって自己PRに書いちゃおっかな!」
皮肉である。めちゃくちゃ通じてないかほんのりと馬鹿にされているけども。いやさっきからずっと馬鹿にはされてるのか。
ともかく俺は正解を選び取ったらしく、白米を盛って渡せば若干嫌そうな顔をされつつカレーをかけられた。
「欲張りすぎてカレーの表面張力に頼ることになってるだろ。見栄え!」
「え~? 会長さま厳しい~」
「でもテメェの自炊力の方が厳しいわ」
「会長さまこのネタノってくるんだ」
カレーの表面張力って初めて聞いた。カレーに表面張力を求めたことがないから。今求めてるか。いっけね!
二人分料理を配膳──いつのまにか他の品もできていた。何? 魔法?──する。服にしっかりカレーのにおいがこびりついている。ちゃんと洗濯しないとな。
爆速で片付けていた武藤様も席に着くと、俺は手を合わせた。
と言うか武藤様って俺いない時の手際が良すぎる。この人の周りだけ時間めちゃくちゃ速かったりする? アレじゃん、子供がお手伝いしようとしてお母さんの仕事増えるやつ。
「いただきまーす! 美味い!」
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