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激動! 体育祭!
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よく分からないが、ともかく障害物競走が始まった。
『それでは、ルール説明を行います』
司会は放送委員会から代わり、園芸委員会の島田くんだ。勝負に関して有利な条件で譲ったからか最初に刺客を送り込んでいたからかこの交換は特に揉めることなく終わった。
『距離はトラック一周分、200mです。トラックの中、多彩に設置された障害物を避けたり乗り越えたりして相手より先にゴールを目指してください』
なるほど、内容としては単純なものだな。トラックの真ん中あたり、観覧席からよく見える場所でうさぎくんと獅童くんが横並びになり体操している。この子、カツラとメガネ取らないのかな。
「ッチ、あの二年調子乗りやがって」
「うさぎくんになんて態度だ」
「可哀想にうさぎくん、あんなのに絡まれて……」
うちの生徒はもうダメだな。うさぎくんの可愛さにすっかりメロメロになっている。うさぎくん自身もぴょこぴょこと小さな身体をわざとらしく目一杯動かして小動物みを演出してるし。
反転、獅童くんは必要最低限しか動かない。特に媚びる気もない。そういうゴーイングマイウェイなところ結構気に入っている。
「いいのです? このままだとうさぎくんがんばれーって言われちゃいますですよ」
「ハン、元より応援されるような仲やないわ」
「それはそれでどうなのです?」
本当のことなのだから悲しいな。まぁ実際獅童くんがリンチしてきた相手を犬にしたところを見た人もいる訳で、基本的に怖がられている。狂犬なので。
『それでは位置について、よーい』
スタート。
ぱん、と軽い空砲が鳴り──先んじたのはうさぎくんだった。マジで!?!?
「っんな……!」
「嘘だろ!」
獅童くんも当然相当のスピード。小柄な分瞬発力に優れているため、スタートダッシュも上々だが──
「なんだあいつ、早すぎる……!」
うさぎくんはその名に違わぬ瞬発力を見せつけ、最初の障害物エリアへ辿り着いた。
最初のエリアはボール挟み。十メートル程度の短い区間を、バランスボールの小さいやつみたいなのを股に挟んで走るものだ。
少し遅れてボールを受け取った獅童くんが明らかに減速する。
「くっ、そこの、歩きにく……!」
「お先なのです」
だがうさぎくん、難なくクリア。どうなってるのかはよく分からんが両足を揃えたまま高速で兎跳びをしていた。何言ってるか分からんと思うが俺も分からん!
「うさぎくんはうさぎなのです! こーゆーのでは負けなしなのですよーっ!」
くそ、やっぱ得意分野選んできたか。
俺が思わず歯軋りすると、同じく放送席、島田くんを挟んで隣に座っていたイブキが鼻を鳴らす。くそ、この自慢げなツラ。法律が許すのなら力いっぱい殴りたいぜ。
次の障害物は麻袋飛び。こちらは先ほどの様子で獅童くんも要領を掴んだのか追い抜きかけ、うさぎくんの方が僅差で先に出し抜く。
「ほぉ。中々やるやんけ、あのチビ」
「そっちのペットこそ。愛玩用じゃなかったんだな?」
『お二人とも僕を挟んでギスらないでいただきたいですね~』
ああ、人の勝敗を見守るのってすごいドキドキする。ヤジじゃなくて応援に声出す気持ちもなんとなくわかってきちゃうな。
次の種目は平均台渡り──って、え!?
『うさぎ選手、すごい! 平均台の上を軽々と飛び越えた! 平均台の端に足をかけ、次の瞬間には大空へ! なんということでしょう、ここまで名が体を表したことはあったでしょうか、いや、ない!』
島田くん?
園芸委員会の初心者とは思えない解説がかかったが、まさにその通り。うさぎくんは平均台の前にきたと思えば減速せず端に足をかけ、ポンと飛び上がった。そのまま中空を回り、寸分の狂いもなくもう片方の端へ着地。その間まさに一瞬!
『この芸当どう思われますか、解説のイブキさん!』
「やはりうさぎは跳ぶがが得意やきね。ああ見えて注意力は高う、凡ミス言うた凡ミスはせん。障害物競走にうってつけの人材とも言えるろう」
「ながっながと解説するなぁお前は! 大好きか!?」
しかし獅童くんも驚異の速さで平均台を渡りきり、喰らいつく! その差約一メートル。今から縮めるのは厳しいか……?
いや、次の障害物はタイヤ引きだ。うさぎくんが自分にタイヤをくくりつけ少し減速した頃合い、指導くんも慣れた手つきでくくりつける。そしてーー
『な──早い早い! 獅童選手、タイヤを引いているとは思えない速さです!! 蹴り上げた土埃が舞い、周囲の確認すらできなくなる! これはうさぎ選手には厳しいか!?』
「ッチ、アイツまさか体力お化けか!」
小柄なうさぎくんには重いだろう。しかし獅童くんは、日々園芸委員会で俺にこき使われ、ここ最近はケンカの役目もお願いしているため体力がやけについている!
『解説の田中さま! こちらどう見ますか?』
「ウチから獅童くんを出した理由が、何にでも対応できるオールラウンダーだからね。あの後輩、あらゆるパラメータがピカイチだぜ。特技ひとつじゃ勝てねーと思えや!」
「ながながと喋るやいか」
そして最後の種目──イブキ派が障害物に工作してくれたおかげで使える障害物が少なくなっている──はなんと、足ツボマット!
「かっかっかっ! こりゃ勝ったな、うさぎの家は整体師。足つぼ程度アイツには慣れっこってわけちや」
「くそ!」
これはシンプルに健康な方が勝つが、うさぎくんの家は整体師らしい。うちの獅童くんもそこまで不健康な生活はしていない。これはどうか──
「っダァ!! いだだだだだありえんこれ鋭利な石やんけ!」
「痛ァッ!!!!!!!!! これが食べ過ぎのツボであることはわかるのです!!!!!!!!!」
やばい二人ともヨボヨボした歩き方になってる画面映えもクソもねぇ!!!!!!!!!
『こッ……れは……双方初めての一人暮らしで調子こいたか!?』
「ありゃダメやな」
「後で叱っておくか……」
ヨボ……ヨボ……みたいな歩きが一分ほど続き、最後のエリアは獅童くんの勝利で幕を下ろした。
よし! 一本先取! なんか卑怯な気もするけど!
『それでは、ルール説明を行います』
司会は放送委員会から代わり、園芸委員会の島田くんだ。勝負に関して有利な条件で譲ったからか最初に刺客を送り込んでいたからかこの交換は特に揉めることなく終わった。
『距離はトラック一周分、200mです。トラックの中、多彩に設置された障害物を避けたり乗り越えたりして相手より先にゴールを目指してください』
なるほど、内容としては単純なものだな。トラックの真ん中あたり、観覧席からよく見える場所でうさぎくんと獅童くんが横並びになり体操している。この子、カツラとメガネ取らないのかな。
「ッチ、あの二年調子乗りやがって」
「うさぎくんになんて態度だ」
「可哀想にうさぎくん、あんなのに絡まれて……」
うちの生徒はもうダメだな。うさぎくんの可愛さにすっかりメロメロになっている。うさぎくん自身もぴょこぴょこと小さな身体をわざとらしく目一杯動かして小動物みを演出してるし。
反転、獅童くんは必要最低限しか動かない。特に媚びる気もない。そういうゴーイングマイウェイなところ結構気に入っている。
「いいのです? このままだとうさぎくんがんばれーって言われちゃいますですよ」
「ハン、元より応援されるような仲やないわ」
「それはそれでどうなのです?」
本当のことなのだから悲しいな。まぁ実際獅童くんがリンチしてきた相手を犬にしたところを見た人もいる訳で、基本的に怖がられている。狂犬なので。
『それでは位置について、よーい』
スタート。
ぱん、と軽い空砲が鳴り──先んじたのはうさぎくんだった。マジで!?!?
「っんな……!」
「嘘だろ!」
獅童くんも当然相当のスピード。小柄な分瞬発力に優れているため、スタートダッシュも上々だが──
「なんだあいつ、早すぎる……!」
うさぎくんはその名に違わぬ瞬発力を見せつけ、最初の障害物エリアへ辿り着いた。
最初のエリアはボール挟み。十メートル程度の短い区間を、バランスボールの小さいやつみたいなのを股に挟んで走るものだ。
少し遅れてボールを受け取った獅童くんが明らかに減速する。
「くっ、そこの、歩きにく……!」
「お先なのです」
だがうさぎくん、難なくクリア。どうなってるのかはよく分からんが両足を揃えたまま高速で兎跳びをしていた。何言ってるか分からんと思うが俺も分からん!
「うさぎくんはうさぎなのです! こーゆーのでは負けなしなのですよーっ!」
くそ、やっぱ得意分野選んできたか。
俺が思わず歯軋りすると、同じく放送席、島田くんを挟んで隣に座っていたイブキが鼻を鳴らす。くそ、この自慢げなツラ。法律が許すのなら力いっぱい殴りたいぜ。
次の障害物は麻袋飛び。こちらは先ほどの様子で獅童くんも要領を掴んだのか追い抜きかけ、うさぎくんの方が僅差で先に出し抜く。
「ほぉ。中々やるやんけ、あのチビ」
「そっちのペットこそ。愛玩用じゃなかったんだな?」
『お二人とも僕を挟んでギスらないでいただきたいですね~』
ああ、人の勝敗を見守るのってすごいドキドキする。ヤジじゃなくて応援に声出す気持ちもなんとなくわかってきちゃうな。
次の種目は平均台渡り──って、え!?
『うさぎ選手、すごい! 平均台の上を軽々と飛び越えた! 平均台の端に足をかけ、次の瞬間には大空へ! なんということでしょう、ここまで名が体を表したことはあったでしょうか、いや、ない!』
島田くん?
園芸委員会の初心者とは思えない解説がかかったが、まさにその通り。うさぎくんは平均台の前にきたと思えば減速せず端に足をかけ、ポンと飛び上がった。そのまま中空を回り、寸分の狂いもなくもう片方の端へ着地。その間まさに一瞬!
『この芸当どう思われますか、解説のイブキさん!』
「やはりうさぎは跳ぶがが得意やきね。ああ見えて注意力は高う、凡ミス言うた凡ミスはせん。障害物競走にうってつけの人材とも言えるろう」
「ながっながと解説するなぁお前は! 大好きか!?」
しかし獅童くんも驚異の速さで平均台を渡りきり、喰らいつく! その差約一メートル。今から縮めるのは厳しいか……?
いや、次の障害物はタイヤ引きだ。うさぎくんが自分にタイヤをくくりつけ少し減速した頃合い、指導くんも慣れた手つきでくくりつける。そしてーー
『な──早い早い! 獅童選手、タイヤを引いているとは思えない速さです!! 蹴り上げた土埃が舞い、周囲の確認すらできなくなる! これはうさぎ選手には厳しいか!?』
「ッチ、アイツまさか体力お化けか!」
小柄なうさぎくんには重いだろう。しかし獅童くんは、日々園芸委員会で俺にこき使われ、ここ最近はケンカの役目もお願いしているため体力がやけについている!
『解説の田中さま! こちらどう見ますか?』
「ウチから獅童くんを出した理由が、何にでも対応できるオールラウンダーだからね。あの後輩、あらゆるパラメータがピカイチだぜ。特技ひとつじゃ勝てねーと思えや!」
「ながながと喋るやいか」
そして最後の種目──イブキ派が障害物に工作してくれたおかげで使える障害物が少なくなっている──はなんと、足ツボマット!
「かっかっかっ! こりゃ勝ったな、うさぎの家は整体師。足つぼ程度アイツには慣れっこってわけちや」
「くそ!」
これはシンプルに健康な方が勝つが、うさぎくんの家は整体師らしい。うちの獅童くんもそこまで不健康な生活はしていない。これはどうか──
「っダァ!! いだだだだだありえんこれ鋭利な石やんけ!」
「痛ァッ!!!!!!!!! これが食べ過ぎのツボであることはわかるのです!!!!!!!!!」
やばい二人ともヨボヨボした歩き方になってる画面映えもクソもねぇ!!!!!!!!!
『こッ……れは……双方初めての一人暮らしで調子こいたか!?』
「ありゃダメやな」
「後で叱っておくか……」
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