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密着! 夏休み旅行!
19.風紀委員長は清廉潔白
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天下の風紀委員長が童貞。いや別に童貞なのはいいだろ、童貞も守れない男に何が守れるんだよ!!
「い、いや。何? 普通にいつも通り接してればいいじゃないですか……大体不純異性交遊は校則で禁止されているのでは」
「うむ……規律を正す立場の者が、規律を破るわけにはいきません」
そうだろうそうだろう。俺の言葉に風紀委員長が重々しく頷く。その規律正しい真面目さといえばルールを偏愛する副会長と並んで数えられるほどで、誰もが知るところとなっている。
「俺は……今まで治安を守り、真面目に生き、ありがたいことに皆からも信をおいてもらっています。そして大学を出れば家を継ぎ、いっぺんの傷もなく生きていくのでしょう」
「うん」
「それを全部投げ捨ててでも性交がしたいッ!!」
「とんでもねぇドスケベ野郎出てきたな……」
これがあの真道家の嫡子、その成れ果てか。性交って言ってくるのが腹立つななんか。生々しくて。
大体そういうのってたいていは世継ぎにと女性をあてがわれるものじゃないのか。
「元々はそういう予定だったのですが、多様性の時代ということで。血縁は問わないと」
「真道家はいつも新しいですね考えが」
「よいことだとは思いますが合法的性交の機会を奪われてしまい」
「ドスケベ野郎には勿体無い新しさですねぇ」
衣料品において常に最先端をゆくファッション界の最大手、それが真道家だ。
元々は老舗の反物屋で、江戸の頃からその経営力で栄華を誇っており、常に新しい考え方を取り入れ成長を怠らぬ姿勢と積み上げられ卓越されたセンスで幅広い層の支持を獲得している。
「田中宗介……いえ、師匠!! 貴方だけが頼りなのです!! この哀れな童貞めに女子との接し方を!! 何卒!! そして師匠のように目につくありとあらゆる存在を食い物とする技術を教えていただきたい!!」
「マジで救いようがない」
その御曹司がこれだ。
真面目なくせに……真面目だからこそ全力で童貞卒業の手伝いを強要されている。知らんよ勝手にしてくれ。マッチングアプリとか入れとけよ。
「え~っ、そーちんってそぉだったの?」
「最低だー宗介」
「エッ、花音さん萌さん!?!? ち、違いますよ俺そんなこと」
「なるほど!! そうして無害なフリをすることで女子の警戒を解くと!! 流石は師匠です!!」
「お前もうマジ黙れよ!!」
ショートケーキを食べ終えた萌さんたちが茶々を入れてくる。そういう感じのノリの茶々入れはやめて欲しい。ほらカウンターの方でこうちゃんドン引きしてる。いやこれは真道にドン引きしてるだけか。
「ところで師匠は何故粗チンと? 師匠の股間は暴れ馬の筈ですが」
「筈ですが、じゃねーよ俺が“そうすけ”だからこう呼ばれてんだわ全部をシモで捉えるんじゃねぇ」
きょと……みたいな顔腹立つな。
それで誰だよ俺の股間が暴れ馬とか言ったやつ。平均より二回りでかい程度だわ。大体デカけりゃいいってもんじゃない(姉談)ぞ。
「大体童貞童貞って……恥ずかしくないんですお客様?」
「む? 童貞は恥ずべき事ではないでしょう。成人までは不純異性交遊など言語道断です」
これこれ、これが俺の知ってる風紀委員長。周囲の流れに流されず自分の信念を貫く! 漢である。
「ただ俺は性交がしたい。したことがないから興味がある。いやさらに言いましょう、男子高校生なんて皆結局は性欲猿なんですよ!!」
「正直であればなんでも言っていいわけではないですからね」
「しかし敢えて言いましょう俺は!! 清廉潔白なだけなのだと!!」
「そんで童貞ってのも恥じてんじゃねぇか」
なんだこのダブルスタンダードは。しかもクソデカ主語やめろ。こんな稀代のドスケベお前くらいだわ。箱入り息子の集まる私立寮制高校を舐めるなよ。あとなんかそういうこと言うとまずいからできる限りやめて欲しい。
「確かに、抱いた相手は数知れず、同じ生徒は二度相手することなく一夜の夢を見せそのまま依存させて捨てるような、家庭的で料理上手な美女に何もかもの世話を任せて自堕落に生きる性活の師匠にはわからないでしょうが」
「何なんですか? その噂は」
この高校噂に尾鰭つく確率高すぎるだろ。火のないところにキャンプファイアーだよ。自堕落という点以外なにも合ってない。
「えぇ……そーち、宗介クンっておもったより爛れてんだね……?」
「あたしらのこと狙ってたわけ? 田中」
「そっ……んなわけないじゃないですか!! お二人のことは妹のように思っていて」
「成程!! 女子に手を出す際気休め程度に警戒を解くため大学生がよく用いる手ですね!!」
「お帰りくださいお客様ァッ!!」
花音さんたちがそっと俺から距離を取った。しかも呼び方めっちゃ距離取られてるし。萌さんに関しては呼び方変える必要ないだろ。
クソッ、スケベ童貞ひとりが俺の人間関係をめちゃくちゃにしていく。もう帰れよこの童貞。
「違いますからね! 俺は本当にお二人のこと妹みたいだと思ってて、小学生の甥っ子に似てて、カケラも恋愛対象にはなりませんから!!」
「……なんかそれも腹立つー」
「あたしらは可愛くないってか?」
「二人は可愛らしいですって……!」
女の子、理不尽である。
カス暴君の姉とほぼ赤ちゃんの甥に囲まれていたからか、妹というのに憧れがある。それもきゃいきゃいと自分を慕ってくれるし、二人とも兄持ちの妹だしでどうもそういう目では見れない。
「俺のタイプは年上なんで……」
「そんな離れてないだろうがよーそーちんやい」
「ひまさんか? ひまさんのような人がタイプなのか? お前のようなものは」
否定は出来ない。
ひまりさんは優しく穏やかで可憐だ。
猫や子供とと接する時、必ず身を屈めるところがいいと思う。
あと笑った時にエクボができるからよく笑う人なんだろうし、一緒に賄いを食べる時箸使いが丁寧で、三角食べをしていた。
喫茶店に来ると絶対『おはよう』とか、挨拶を怠らないのとか、可愛い雑貨に少女みたいにはしゃいで買いすぎちゃうところも可愛いと思う……
「ずーぼーしーかーよ!!」
「ひっどぉいそーちん!! ウチらのことは遊びだったわけ!?」
ハッ、危ない。ひまりさんのことを考えてた。
綺麗な人だとは思うけれど、別に恋愛的に見ているというわけでもない……と思う。わからん。
俺は恋愛を知らずに恋愛を語っている。
「別にお二人ともひまりさんともその……そ、そういうことは出来ませんよ! だいたい失礼でしょそういうジャッジ!」
「なるほど、ここで耳を赤くすることでウブさの演出、さらに可愛らしさを醸し出すわけですね!」
「ウソそーちんお耳みして!!」
「マジで赤くなってる。愛いやつめ」
やめろォ!!!!!!!!!
「い、いや。何? 普通にいつも通り接してればいいじゃないですか……大体不純異性交遊は校則で禁止されているのでは」
「うむ……規律を正す立場の者が、規律を破るわけにはいきません」
そうだろうそうだろう。俺の言葉に風紀委員長が重々しく頷く。その規律正しい真面目さといえばルールを偏愛する副会長と並んで数えられるほどで、誰もが知るところとなっている。
「俺は……今まで治安を守り、真面目に生き、ありがたいことに皆からも信をおいてもらっています。そして大学を出れば家を継ぎ、いっぺんの傷もなく生きていくのでしょう」
「うん」
「それを全部投げ捨ててでも性交がしたいッ!!」
「とんでもねぇドスケベ野郎出てきたな……」
これがあの真道家の嫡子、その成れ果てか。性交って言ってくるのが腹立つななんか。生々しくて。
大体そういうのってたいていは世継ぎにと女性をあてがわれるものじゃないのか。
「元々はそういう予定だったのですが、多様性の時代ということで。血縁は問わないと」
「真道家はいつも新しいですね考えが」
「よいことだとは思いますが合法的性交の機会を奪われてしまい」
「ドスケベ野郎には勿体無い新しさですねぇ」
衣料品において常に最先端をゆくファッション界の最大手、それが真道家だ。
元々は老舗の反物屋で、江戸の頃からその経営力で栄華を誇っており、常に新しい考え方を取り入れ成長を怠らぬ姿勢と積み上げられ卓越されたセンスで幅広い層の支持を獲得している。
「田中宗介……いえ、師匠!! 貴方だけが頼りなのです!! この哀れな童貞めに女子との接し方を!! 何卒!! そして師匠のように目につくありとあらゆる存在を食い物とする技術を教えていただきたい!!」
「マジで救いようがない」
その御曹司がこれだ。
真面目なくせに……真面目だからこそ全力で童貞卒業の手伝いを強要されている。知らんよ勝手にしてくれ。マッチングアプリとか入れとけよ。
「え~っ、そーちんってそぉだったの?」
「最低だー宗介」
「エッ、花音さん萌さん!?!? ち、違いますよ俺そんなこと」
「なるほど!! そうして無害なフリをすることで女子の警戒を解くと!! 流石は師匠です!!」
「お前もうマジ黙れよ!!」
ショートケーキを食べ終えた萌さんたちが茶々を入れてくる。そういう感じのノリの茶々入れはやめて欲しい。ほらカウンターの方でこうちゃんドン引きしてる。いやこれは真道にドン引きしてるだけか。
「ところで師匠は何故粗チンと? 師匠の股間は暴れ馬の筈ですが」
「筈ですが、じゃねーよ俺が“そうすけ”だからこう呼ばれてんだわ全部をシモで捉えるんじゃねぇ」
きょと……みたいな顔腹立つな。
それで誰だよ俺の股間が暴れ馬とか言ったやつ。平均より二回りでかい程度だわ。大体デカけりゃいいってもんじゃない(姉談)ぞ。
「大体童貞童貞って……恥ずかしくないんですお客様?」
「む? 童貞は恥ずべき事ではないでしょう。成人までは不純異性交遊など言語道断です」
これこれ、これが俺の知ってる風紀委員長。周囲の流れに流されず自分の信念を貫く! 漢である。
「ただ俺は性交がしたい。したことがないから興味がある。いやさらに言いましょう、男子高校生なんて皆結局は性欲猿なんですよ!!」
「正直であればなんでも言っていいわけではないですからね」
「しかし敢えて言いましょう俺は!! 清廉潔白なだけなのだと!!」
「そんで童貞ってのも恥じてんじゃねぇか」
なんだこのダブルスタンダードは。しかもクソデカ主語やめろ。こんな稀代のドスケベお前くらいだわ。箱入り息子の集まる私立寮制高校を舐めるなよ。あとなんかそういうこと言うとまずいからできる限りやめて欲しい。
「確かに、抱いた相手は数知れず、同じ生徒は二度相手することなく一夜の夢を見せそのまま依存させて捨てるような、家庭的で料理上手な美女に何もかもの世話を任せて自堕落に生きる性活の師匠にはわからないでしょうが」
「何なんですか? その噂は」
この高校噂に尾鰭つく確率高すぎるだろ。火のないところにキャンプファイアーだよ。自堕落という点以外なにも合ってない。
「えぇ……そーち、宗介クンっておもったより爛れてんだね……?」
「あたしらのこと狙ってたわけ? 田中」
「そっ……んなわけないじゃないですか!! お二人のことは妹のように思っていて」
「成程!! 女子に手を出す際気休め程度に警戒を解くため大学生がよく用いる手ですね!!」
「お帰りくださいお客様ァッ!!」
花音さんたちがそっと俺から距離を取った。しかも呼び方めっちゃ距離取られてるし。萌さんに関しては呼び方変える必要ないだろ。
クソッ、スケベ童貞ひとりが俺の人間関係をめちゃくちゃにしていく。もう帰れよこの童貞。
「違いますからね! 俺は本当にお二人のこと妹みたいだと思ってて、小学生の甥っ子に似てて、カケラも恋愛対象にはなりませんから!!」
「……なんかそれも腹立つー」
「あたしらは可愛くないってか?」
「二人は可愛らしいですって……!」
女の子、理不尽である。
カス暴君の姉とほぼ赤ちゃんの甥に囲まれていたからか、妹というのに憧れがある。それもきゃいきゃいと自分を慕ってくれるし、二人とも兄持ちの妹だしでどうもそういう目では見れない。
「俺のタイプは年上なんで……」
「そんな離れてないだろうがよーそーちんやい」
「ひまさんか? ひまさんのような人がタイプなのか? お前のようなものは」
否定は出来ない。
ひまりさんは優しく穏やかで可憐だ。
猫や子供とと接する時、必ず身を屈めるところがいいと思う。
あと笑った時にエクボができるからよく笑う人なんだろうし、一緒に賄いを食べる時箸使いが丁寧で、三角食べをしていた。
喫茶店に来ると絶対『おはよう』とか、挨拶を怠らないのとか、可愛い雑貨に少女みたいにはしゃいで買いすぎちゃうところも可愛いと思う……
「ずーぼーしーかーよ!!」
「ひっどぉいそーちん!! ウチらのことは遊びだったわけ!?」
ハッ、危ない。ひまりさんのことを考えてた。
綺麗な人だとは思うけれど、別に恋愛的に見ているというわけでもない……と思う。わからん。
俺は恋愛を知らずに恋愛を語っている。
「別にお二人ともひまりさんともその……そ、そういうことは出来ませんよ! だいたい失礼でしょそういうジャッジ!」
「なるほど、ここで耳を赤くすることでウブさの演出、さらに可愛らしさを醸し出すわけですね!」
「ウソそーちんお耳みして!!」
「マジで赤くなってる。愛いやつめ」
やめろォ!!!!!!!!!
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