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監禁! 最後の文化祭
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例年、王道高校の文化祭における盛り上がりというのは二年生が一手に担っている。部活や委員会ごとに展示はあるが、底辺部活や底辺委員会は基本的に注目されない。何よりクラスごとの出し物が大掛かりなのだ。
「では、えーーと三年生Cクラスの出し物を決めていきたいと思います」
よれたジャージにメガネ、じょりじょりとしたヒゲというまるでだらしないおっさんが教壇に立つ。我らが担任の白井先生である。わりと影が薄いがそれなりにいい先生だ。
「とはいえね、皆さん受験や就活もありますから参加できる人だけで……参加できる人は手あげてください、ああ~少ないですね」
パラ……パラ……と数人が手を挙げる。
俺はあげなかった。
実は一ヶ月以上に渡る監禁により俺も大変就職活動がまずいことになっており、九月十月に急いで面接に行ったり応募書類を書いて提出したりしなければならない。
というか、もうやっている。地獄のような日々である。これでもヒイコラ言っているのだ。
しかしどうもやりたいことが見つからずとにかく大手企業を受けとってくれる場所があれば縋り付く所存だ。そもそも説明会とか体験会とか行ってないので圧倒的に不利だし。
「はい、じゃあ数人で出来ることを考えていきましょう」
「はいはい! 劇!!」
「数人で出来ることって言われただろ座れ!」「何すんの? 独白劇? 文化祭で??」「逆にロック」
独白劇でも最低限配役は必要だしな。
三年生は基本的に忙しく、文化祭は回る側に行く方が多い。なぜなら毎日残って作業するゆとりがないからである。何も生み出せないので生み出されたものだけ貪って生きる悲しき生き物。
「メイド喫茶、やりてぇ……!」
「去年やった」「2Aの二番煎じ」「てかAクラスとCクラスのメイド喫茶ならAクラスしか勝たんかないか」「そもそめ数人って言ってるだろ」
いると思ったメイド喫茶やろうとするやつ。定期的にいるんだよな。去年もやったってそれ。
ちなみに去年は猫耳メイドで語尾は『にゃん』が必須だった。
俺は体が分厚いせいで──筋肉である、断じて太ったわけではない──安い衣装がパツパツだったし動きにくすぎたのでジャージで接客していた。
ちなみに水瀬はお化け屋敷のお化け役をやっており、俺がガチビビりして泣きながら入り口に戻る一部始終を握っている。
「たこ焼き屋台とかどうよ、カラースプレーかけて甘いたこ焼きにしたら女子にもウケるっしょ!」
「女を舐めすぎ」
「スイートたこ焼きを買うのはどちらかといえばネット民」
「食べ物で遊ぶな」
「焼き餃子!」
「食べ物系ってそもそも衛生管理法的にどうなん? 基準クリアしないといけなくない?」
「俺らそれ今年許可取ってないぞ」
「ダメです」
ぽんぽん意見が飛ぶが、それに対しての否定も飛び交っている。
文化祭あるあるの準備期間に恋愛色が入りそうなものや接客中に好きな子が見に来てプチパニック的なやつは、衛生指導を受けていないということからことごとく却下になった。
「みんなよく飽きないよねぇ」
「アハハ……最後の行事だもんね……」
椅子に寄りかかった俺の隣で、ちょうどいた佐藤くんが苦笑する。
俺がぼっちなのを察したらしく、クラスで何くれとなく気にかけてくれていて、友達が他にいるのに俺の近くにいてくれる。すごくありがたい。
「食べ物系が封じられたのは大きいよね、あとは展示でしょ?」
「展示ね~……」
よくあるやつだと写真とかだろうか。園芸委員会では一応外のブースで植物の展示を行っている。手作りのポプリも販売するつもりだ。
「劇とかも展示の一部だよねぇ」
「人がいなくてダメだったけどね」
そりゃそうだ。劇って用意するのにめちゃくちゃ時間かかるんだぞ、衣装とか!
演劇部に協力を頼んでもいいが、あそこもあそこで劇をするのだし。
何か面白いものはないものか。できれば他のみんなの目を楽しませて、最後の文化祭らしいフィナーレにできるものであるといい。
……思いついたら苦労しないけどさ。
「では、えーーと三年生Cクラスの出し物を決めていきたいと思います」
よれたジャージにメガネ、じょりじょりとしたヒゲというまるでだらしないおっさんが教壇に立つ。我らが担任の白井先生である。わりと影が薄いがそれなりにいい先生だ。
「とはいえね、皆さん受験や就活もありますから参加できる人だけで……参加できる人は手あげてください、ああ~少ないですね」
パラ……パラ……と数人が手を挙げる。
俺はあげなかった。
実は一ヶ月以上に渡る監禁により俺も大変就職活動がまずいことになっており、九月十月に急いで面接に行ったり応募書類を書いて提出したりしなければならない。
というか、もうやっている。地獄のような日々である。これでもヒイコラ言っているのだ。
しかしどうもやりたいことが見つからずとにかく大手企業を受けとってくれる場所があれば縋り付く所存だ。そもそも説明会とか体験会とか行ってないので圧倒的に不利だし。
「はい、じゃあ数人で出来ることを考えていきましょう」
「はいはい! 劇!!」
「数人で出来ることって言われただろ座れ!」「何すんの? 独白劇? 文化祭で??」「逆にロック」
独白劇でも最低限配役は必要だしな。
三年生は基本的に忙しく、文化祭は回る側に行く方が多い。なぜなら毎日残って作業するゆとりがないからである。何も生み出せないので生み出されたものだけ貪って生きる悲しき生き物。
「メイド喫茶、やりてぇ……!」
「去年やった」「2Aの二番煎じ」「てかAクラスとCクラスのメイド喫茶ならAクラスしか勝たんかないか」「そもそめ数人って言ってるだろ」
いると思ったメイド喫茶やろうとするやつ。定期的にいるんだよな。去年もやったってそれ。
ちなみに去年は猫耳メイドで語尾は『にゃん』が必須だった。
俺は体が分厚いせいで──筋肉である、断じて太ったわけではない──安い衣装がパツパツだったし動きにくすぎたのでジャージで接客していた。
ちなみに水瀬はお化け屋敷のお化け役をやっており、俺がガチビビりして泣きながら入り口に戻る一部始終を握っている。
「たこ焼き屋台とかどうよ、カラースプレーかけて甘いたこ焼きにしたら女子にもウケるっしょ!」
「女を舐めすぎ」
「スイートたこ焼きを買うのはどちらかといえばネット民」
「食べ物で遊ぶな」
「焼き餃子!」
「食べ物系ってそもそも衛生管理法的にどうなん? 基準クリアしないといけなくない?」
「俺らそれ今年許可取ってないぞ」
「ダメです」
ぽんぽん意見が飛ぶが、それに対しての否定も飛び交っている。
文化祭あるあるの準備期間に恋愛色が入りそうなものや接客中に好きな子が見に来てプチパニック的なやつは、衛生指導を受けていないということからことごとく却下になった。
「みんなよく飽きないよねぇ」
「アハハ……最後の行事だもんね……」
椅子に寄りかかった俺の隣で、ちょうどいた佐藤くんが苦笑する。
俺がぼっちなのを察したらしく、クラスで何くれとなく気にかけてくれていて、友達が他にいるのに俺の近くにいてくれる。すごくありがたい。
「食べ物系が封じられたのは大きいよね、あとは展示でしょ?」
「展示ね~……」
よくあるやつだと写真とかだろうか。園芸委員会では一応外のブースで植物の展示を行っている。手作りのポプリも販売するつもりだ。
「劇とかも展示の一部だよねぇ」
「人がいなくてダメだったけどね」
そりゃそうだ。劇って用意するのにめちゃくちゃ時間かかるんだぞ、衣装とか!
演劇部に協力を頼んでもいいが、あそこもあそこで劇をするのだし。
何か面白いものはないものか。できれば他のみんなの目を楽しませて、最後の文化祭らしいフィナーレにできるものであるといい。
……思いついたら苦労しないけどさ。
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