王道学園のコミュ障ニセチャラ男くん、憧れの会長と同室になったようで

伊月乃鏡

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監禁! 最後の文化祭

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薄情な水瀬は置いておいて、俺たちはまず一年生の教室に向かった。一ミリも接したことのない学年である。向こうも接客のテンションでくるので実はコミュニュケーションポイントはあんまり消費されな、

「あっ!! ひろし先輩ザーーッス!!」
「おお、やってるかー?」

水瀬ひろしィ!!!!
思い出したこいつ、そういえば運動部のエースじゃん。園芸委員会とかいう究極のインキャが集う底辺委員会に所属してたから気づいてなかったけど!! ど!!

知り合いが見知らぬ後輩と喋ってる時の疎外感ったらない。俺はこうちゃんに気持ち肩を入れた。

「知り合いが後輩と話してる時の、疎外感……知らないし、話せないし、共通の話題もない……」
「こうちゃんわかる?? 俺今それ」
「おれも」

ウェーーイ仲間。こうちゃんも一年生に知り合いはいないらしく、遠巻きにちらちらと眺められていた。俺も概ね同じである。
自分が校内の有名人なのは理解しているが、話しかけられないほどの悪評も広まってるしな……。

「てかあそこクレープだってさ。朝食になんか食わね? 水瀬ずっと喋ってるし」
「朝から?」
「えっダメ? まぁ別にそんならホットクレープとかでも良いし、おかず系もあるし」

こうちゃんは甘いもの朝から食べられないタイプだろうか。ちなみに俺は基本的にいつでもなんでも食べれる。海のカー○ィとは俺のことよ。元は星だから結構ランクダウンしてるな。

「風邪の時とかも普通にカレー食べてた」
「吐きそう」

よく考えたら熱出してるガキにカレーを作る母親もまぁイカれている。
水瀬からちょっと離れてクレープの屋台に近づく。廊下の途中にあるちょっと広い休憩スペースでいくつか屋台が立ち並んでいて、フードコートみたいだった。

生徒のざわめきに何かを調理する音、様々な香りを掻い潜りクレープの屋台に辿り着く。

「すんません、クレープひと──は?」
「おん?」

めちゃくちゃ見知ったバイト仲間が目の前にいた。は?
あっさりとした顔でイブキが何やら調理している。何やら調理しているというかクレープなのだが。どういうことだ。可愛いクレープを食いにきてなんでデケェ男の顔を眺めなきゃいけないんだ。

「そういえば、アネラが提携したと……」
「せ、宣伝で出店したの!? 今ひまりさん本格的に金どこから出してきてるの。湯水だったりする?」

食堂のメニューに喫茶アネラのものが増えていた。そういう理由もあってキッチンであるイブキが呼ばれたのだろう。俺に関しては接客以外カス、こうちゃんは主にドリンクとカウンターでの接客なので。

ぽかんとしているイブキはどこまでも驚きに理解を示してくれない。てっと手のひらを差し出され六百五十円のとまぁまぁの値段をむしり取られたくらいだ。客のこと金としか思ってないの?

「ホイップは無料で増量できるで」
「喫茶アネラ、最高~!!」
「夏映画?」

黙れ。この世に困窮と空腹を経験したことがないものだけが石を投げろ。この場合やけをられないほうが腹立つな。
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