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監禁! 最後の文化祭
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目を瞑っていて、何か近くて、俺は目を見開いた。ふに、と俺の唇が何かに触れた。それが唇の端だったのに気がついて、残念なような安心したような。
ぎゅっと瞑っている目と触れるまつ毛にくらくらしそうだ。何も言えずにいれば、武藤様がそっと離れた。
「びっくりした……」
「……」
本当にするのかと。気まずそうでちょっとやっぱり機嫌の悪い武藤様に、まだ定まっていない不思議な心地で笑いかける。安心したけどがっかりした。
「花音さん、これで満足ですか? まったく……」
「スッゲーラブラブでびっくりした! 本当にするとは思わんかった!!」
興奮している。顔を真っ赤にしてきゃあきゃあはしゃいでいる姿は年相応の女子高生らしいが、俺といえばプチパニックだった。これ、契約外かもしれんな。違反しているというかえっちなことに含まれるのでは? 俺は殺されます。来世で会おうな。
「宗介!」
青ざめていると、真の通った女の子の声が俺の名前を呼んだ。
「あ、萌さん」
「萌!? なんで、ヘブ」
「この馬鹿がごめん!」
「花音さんが!!!!!!!!!」
鉄板スレスレに!!!!!!!!!
端の方から俺たちを見守っていた萌さんが慌てて駆けつけてきたかと思ったら花音さんの頭を無理やり押さえつけた。何を言っているのかわからないと思うが俺もわからない。怒涛である。
フードコートの端っこ、クレープ屋前での騒動など誰も気にかけてはいない。いや、キスしたの見られて拡散されるかも。でもうちの生徒は基本都合の悪いことは幻覚だと思い込むのでそう思い込んでもろたら。
いつも通り制服を着こなして気の強そうな黒髪の萌さんは、俺の隣にいる人を視認した瞬間青かった顔をさらに青ざめさせる。
「ッ、武藤瑛一……!」
「知ってるんですか?」
「当たり前すぎるんだが。花音が特別世間知らずなだけ」
いや俺もここにくるまで武藤様の顔知らなかったよ、と言おうと思ったが世間知らずの馬鹿扱いされるのも嫌だったので黙っておいた。いくらイケメンで話題でも天上人の顔を覚えてる社会の歯車なんて数少ないわな。
武藤様の立場を知っているらしい萌さんが、花音さんの頭を下げさせたまま自分も頭を下げる。
「どうせこいつが囃し立てたんでしょ。ごめん。田舎出身の令嬢だから、物知らずで。武藤瑛一も……」
「……ッチ」
確かに囃し立てられはしたが、別に食い下がれば断れたしな。カノンさんの横暴には時折ため息が出るが、別に傍若無人というほどではない。そんなことわかっていて武藤様だって乗ったのだろうし。
俺が首を傾げていると、武藤様がふとこっちを見つめていた。
「?」
「……いや、気にすんな。来栖の子女だろ、お前。この程度で腹に据えかねてたら、男子校なんか通えるわけねーだろ」
確かにそれはそう。というかそれならそれでどうしてさっきは乗ったのかという話である。武藤様がキスしてきて、萌さんの謝罪によってそれは限りなく自由意志によるものだと確定して。
いや、じゃあなんでこんなことしたの!?!?!?!?!?
俺のこと好き!?!?!?!?!?
になるわけで。
武藤様の許しに萌さんがほっと息を吐く。たまに忘れるけど、武藤様ってめちゃくちゃ偉い人なんだよなぁ。
「てか、来栖ってなんか聞いたことありますよね。萌さんの名前聞くたびに思ってたんですが……」
「宗介、たまに思ってたけど本当に庶民なんだなー」
「え?」
「何意外そうな顔してんだ。テメーは世間知らずのゆるふわ脳馬鹿だよ」
えっ??
なんか有名な名前だったりする?? まぁでも天下の武藤様にタメ口きける時点で相当ではある。武藤様と萌さんの両方に引いた顔をされ、流石にちょっと傷つく。
萌さんのフルネームは来栖萌だ。聞いた時からちょっと思ってたけど、どこかで聞いたことのあるような……
俺を置いて、武藤様と花音さんが和解している。彼女のすぐ反省して謝れるところは美点だと思う、じゃなくて。
「居たっ、マイリトルシスタ~~♡♡♡♡ お兄ちゃんだよ~~!!」
概ね和やかなフードコートの空気を切り裂いて、知っている声が俺たちを捕捉した。
ぎゅっと瞑っている目と触れるまつ毛にくらくらしそうだ。何も言えずにいれば、武藤様がそっと離れた。
「びっくりした……」
「……」
本当にするのかと。気まずそうでちょっとやっぱり機嫌の悪い武藤様に、まだ定まっていない不思議な心地で笑いかける。安心したけどがっかりした。
「花音さん、これで満足ですか? まったく……」
「スッゲーラブラブでびっくりした! 本当にするとは思わんかった!!」
興奮している。顔を真っ赤にしてきゃあきゃあはしゃいでいる姿は年相応の女子高生らしいが、俺といえばプチパニックだった。これ、契約外かもしれんな。違反しているというかえっちなことに含まれるのでは? 俺は殺されます。来世で会おうな。
「宗介!」
青ざめていると、真の通った女の子の声が俺の名前を呼んだ。
「あ、萌さん」
「萌!? なんで、ヘブ」
「この馬鹿がごめん!」
「花音さんが!!!!!!!!!」
鉄板スレスレに!!!!!!!!!
端の方から俺たちを見守っていた萌さんが慌てて駆けつけてきたかと思ったら花音さんの頭を無理やり押さえつけた。何を言っているのかわからないと思うが俺もわからない。怒涛である。
フードコートの端っこ、クレープ屋前での騒動など誰も気にかけてはいない。いや、キスしたの見られて拡散されるかも。でもうちの生徒は基本都合の悪いことは幻覚だと思い込むのでそう思い込んでもろたら。
いつも通り制服を着こなして気の強そうな黒髪の萌さんは、俺の隣にいる人を視認した瞬間青かった顔をさらに青ざめさせる。
「ッ、武藤瑛一……!」
「知ってるんですか?」
「当たり前すぎるんだが。花音が特別世間知らずなだけ」
いや俺もここにくるまで武藤様の顔知らなかったよ、と言おうと思ったが世間知らずの馬鹿扱いされるのも嫌だったので黙っておいた。いくらイケメンで話題でも天上人の顔を覚えてる社会の歯車なんて数少ないわな。
武藤様の立場を知っているらしい萌さんが、花音さんの頭を下げさせたまま自分も頭を下げる。
「どうせこいつが囃し立てたんでしょ。ごめん。田舎出身の令嬢だから、物知らずで。武藤瑛一も……」
「……ッチ」
確かに囃し立てられはしたが、別に食い下がれば断れたしな。カノンさんの横暴には時折ため息が出るが、別に傍若無人というほどではない。そんなことわかっていて武藤様だって乗ったのだろうし。
俺が首を傾げていると、武藤様がふとこっちを見つめていた。
「?」
「……いや、気にすんな。来栖の子女だろ、お前。この程度で腹に据えかねてたら、男子校なんか通えるわけねーだろ」
確かにそれはそう。というかそれならそれでどうしてさっきは乗ったのかという話である。武藤様がキスしてきて、萌さんの謝罪によってそれは限りなく自由意志によるものだと確定して。
いや、じゃあなんでこんなことしたの!?!?!?!?!?
俺のこと好き!?!?!?!?!?
になるわけで。
武藤様の許しに萌さんがほっと息を吐く。たまに忘れるけど、武藤様ってめちゃくちゃ偉い人なんだよなぁ。
「てか、来栖ってなんか聞いたことありますよね。萌さんの名前聞くたびに思ってたんですが……」
「宗介、たまに思ってたけど本当に庶民なんだなー」
「え?」
「何意外そうな顔してんだ。テメーは世間知らずのゆるふわ脳馬鹿だよ」
えっ??
なんか有名な名前だったりする?? まぁでも天下の武藤様にタメ口きける時点で相当ではある。武藤様と萌さんの両方に引いた顔をされ、流石にちょっと傷つく。
萌さんのフルネームは来栖萌だ。聞いた時からちょっと思ってたけど、どこかで聞いたことのあるような……
俺を置いて、武藤様と花音さんが和解している。彼女のすぐ反省して謝れるところは美点だと思う、じゃなくて。
「居たっ、マイリトルシスタ~~♡♡♡♡ お兄ちゃんだよ~~!!」
概ね和やかなフードコートの空気を切り裂いて、知っている声が俺たちを捕捉した。
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