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監禁! 最後の文化祭
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来栖は目を見開いてわなわなと震え、俺と萌さんを指差した。指先まで震えており、絶望したような顔に逆に狂気を感じる。
「も……萌たん……何? その男…………」
「来栖、誤解だから。俺は萌さんとはただの知り合いで」
「お前に来栖と呼ばれる筋合いはないわーーーッッッ!!!!!!!!!」
「呼んでねぇーーーッッッ!!!!!!!!!」
やべーーブチギレてる。まがりなりにも大人のブチギレって怖い。後ろの萌さんも怒声にますます怯えて俺の後ろに隠れてしまうし、来栖はその様子が見えていないのかさらにバチギレていた。
やば~なんだこいつほんとに人間か? 身体をブルンブルンと回しており、その残像で腕が四本くらいに見える。
一応教師としての倫理が俺への体罰を止めているのか、今にも飛びかかりそうな溜めタイムにフスーッと熱く深い鼻息がここまで届く。
「だぁーもう話聞かねーなー! 怒る気持ちはわかるけど状況判断くらい的確にしろよ!」
「テメーは……いや、まぁいい、許す」
「? なに?」
「構わん」
どうしたんだろう。
どこか呆れたような諦めたような顔をした武藤様が、ひとまず暴走しそうな来栖に向き直った。本当にヤバげな顔をしている。壊れかけのラジオみたいに男、男と繰り返しておりかなり限界気味のようだ。
「とにかく、俺は萌さんの恋人とかじゃない! これはお前が嫌われてるだけだろ来栖!!」
「オス……モエタン……ブッコロ……」
「ごめん、ダメかもしれません!!」
「頑張れ宗介骨は拾う!」
「あーーもう!!」
四足歩行になった来栖はもはや言葉が通じていない。萌さんは俺の後ろに縮こまって隠れる。こいつのせいでだいぶ時間を食ってしまったし、さっさと始末しておくか。
「あの、萌さん。怒んないでくださいね」
「? 何が」
「──っすぅ……」
さっき居るの見かけたんだよな、届くと良いんだけど。
大きく息を吸って──
「獅童くーーーーーーーん!!!!!!!!! 助けてーーーッッッ!!!!!!!!!」
銀の閃光。
助けて、のてのじも言い終わらないうちに、銀の細い髪が翻った。同時にどごめしゃぁ、と何かしてはいけない音がする。
駆けつけて一瞬で来栖を叩きのめした獅童くんが、くるりんとこちらを向く。恐ろしいことに心から可愛らしい。
殴った姿勢からかつんとヒールを慣らして起き上がるのも、ふりふりの衣装を見せつけるように回って自分を世界で一番可愛く見せるのもプロの仕業だ。
「っうお、兄貴大丈──かわいっだれこの子!?!?」
「えーーっっ美少女なんだが!?!? ちょっそーちんうちら以外に女の知り合い居たん!?」
「居るっちゃ居ますけど……」
花音さんが大盛り上がりし、一旦火を消してこちらに走ってくる。一撃で気絶した来栖を踏みつけ、俺の腹くらいに勝手にくっついている美少女とやらを見にくる。
いやまぁ確かに可愛いけど。
「あーーんセンパイ! 今日もう会えんと思っとったー!! 呼んでくれて嬉しか~!」
「やっほ獅童くん、可愛いかっこしてんね。胸を揉むなセクハラだぞ」
「ふかふかや」
「ふかふかではなくね」
「テメッ何してんだ獅童……、大月!?!?!?!?!?」
「あれっ、武藤様知らないんだっけ」
あーもうむちゃくちゃだよ。どうやら昨日メイド喫茶に行かなかったらしく、武藤様が喉よ枯れんとばかりに叫んでいた。まぁ確かに驚くのも無理はない。最近獅童くんの顔面を見て横転する──してないが──奴の相手ばかりしている気がする。
萌さんと花音さんはまだ獅童くんの性別を誤解しているらしく、ハスキーな声だねーと撫で回していた。狂犬っぷりを知っているこちらとしては心配しかない。
「ちょ、やめぇ。離せや女ども!」
「えー何この子かわゆ~」
「自分も女のくせにな」
「獅童くんは男ですよ」
「はっはは何を宗介」
「そーだよそーちん、先輩後輩プレイならともかく、男の娘プレイなんて……」
しがみついて離れない獅童くんを抱き上げて、姫カワメイド服に引っ掛けたポシェットから学生証を取り出す。
ついでに今見えている名札が見えるうちに抱え直し、二人に見せた。
「はい」
「…………都内怖!!!!!!!!!」
「嘘だろ。この学校の何人性癖破壊したんだこの子」
「知らんそんな性癖弱者。俺はセンパイにしか興味ないけんな」
「宗介ってあらゆる位置から敵作りそうだな、頑張れよ」
さっきその敵作る位置に立たせたのは貴方ですけどね萌さん。下ろそうとしたが、獅童くんは首にしがみついて離れない。
デート中だとは分かっているはずなのだけれど。ため息をついて、一旦向こうのベンチになすりつけに行こうと踵を返し、制服の背中がグイッと引っ張られてるのに気がついた。
「? 武藤様、どうしたの」
「……、いや……」
「おい何や箱入り。離せや。今俺に構っとるやろこん人は」
武藤様は何か言いにくそうというか、拗ねた顔をしている。
まさか。
「……獅童くんはダメだからね」
「は?」「は?」
「今の恋人は俺なんだから、いくら獅童くんが可愛いったって目移りしないで。まぁ確かにめちゃくちゃ可愛いけどね。……いやほんとに可愛いな、人間国宝だね~」
「あんたほんま言うとる?」
「…………早く戻してこい!」
「流石におもろやん。俺は可愛いけどな!」
あれっ、違った……!?!?
「も……萌たん……何? その男…………」
「来栖、誤解だから。俺は萌さんとはただの知り合いで」
「お前に来栖と呼ばれる筋合いはないわーーーッッッ!!!!!!!!!」
「呼んでねぇーーーッッッ!!!!!!!!!」
やべーーブチギレてる。まがりなりにも大人のブチギレって怖い。後ろの萌さんも怒声にますます怯えて俺の後ろに隠れてしまうし、来栖はその様子が見えていないのかさらにバチギレていた。
やば~なんだこいつほんとに人間か? 身体をブルンブルンと回しており、その残像で腕が四本くらいに見える。
一応教師としての倫理が俺への体罰を止めているのか、今にも飛びかかりそうな溜めタイムにフスーッと熱く深い鼻息がここまで届く。
「だぁーもう話聞かねーなー! 怒る気持ちはわかるけど状況判断くらい的確にしろよ!」
「テメーは……いや、まぁいい、許す」
「? なに?」
「構わん」
どうしたんだろう。
どこか呆れたような諦めたような顔をした武藤様が、ひとまず暴走しそうな来栖に向き直った。本当にヤバげな顔をしている。壊れかけのラジオみたいに男、男と繰り返しておりかなり限界気味のようだ。
「とにかく、俺は萌さんの恋人とかじゃない! これはお前が嫌われてるだけだろ来栖!!」
「オス……モエタン……ブッコロ……」
「ごめん、ダメかもしれません!!」
「頑張れ宗介骨は拾う!」
「あーーもう!!」
四足歩行になった来栖はもはや言葉が通じていない。萌さんは俺の後ろに縮こまって隠れる。こいつのせいでだいぶ時間を食ってしまったし、さっさと始末しておくか。
「あの、萌さん。怒んないでくださいね」
「? 何が」
「──っすぅ……」
さっき居るの見かけたんだよな、届くと良いんだけど。
大きく息を吸って──
「獅童くーーーーーーーん!!!!!!!!! 助けてーーーッッッ!!!!!!!!!」
銀の閃光。
助けて、のてのじも言い終わらないうちに、銀の細い髪が翻った。同時にどごめしゃぁ、と何かしてはいけない音がする。
駆けつけて一瞬で来栖を叩きのめした獅童くんが、くるりんとこちらを向く。恐ろしいことに心から可愛らしい。
殴った姿勢からかつんとヒールを慣らして起き上がるのも、ふりふりの衣装を見せつけるように回って自分を世界で一番可愛く見せるのもプロの仕業だ。
「っうお、兄貴大丈──かわいっだれこの子!?!?」
「えーーっっ美少女なんだが!?!? ちょっそーちんうちら以外に女の知り合い居たん!?」
「居るっちゃ居ますけど……」
花音さんが大盛り上がりし、一旦火を消してこちらに走ってくる。一撃で気絶した来栖を踏みつけ、俺の腹くらいに勝手にくっついている美少女とやらを見にくる。
いやまぁ確かに可愛いけど。
「あーーんセンパイ! 今日もう会えんと思っとったー!! 呼んでくれて嬉しか~!」
「やっほ獅童くん、可愛いかっこしてんね。胸を揉むなセクハラだぞ」
「ふかふかや」
「ふかふかではなくね」
「テメッ何してんだ獅童……、大月!?!?!?!?!?」
「あれっ、武藤様知らないんだっけ」
あーもうむちゃくちゃだよ。どうやら昨日メイド喫茶に行かなかったらしく、武藤様が喉よ枯れんとばかりに叫んでいた。まぁ確かに驚くのも無理はない。最近獅童くんの顔面を見て横転する──してないが──奴の相手ばかりしている気がする。
萌さんと花音さんはまだ獅童くんの性別を誤解しているらしく、ハスキーな声だねーと撫で回していた。狂犬っぷりを知っているこちらとしては心配しかない。
「ちょ、やめぇ。離せや女ども!」
「えー何この子かわゆ~」
「自分も女のくせにな」
「獅童くんは男ですよ」
「はっはは何を宗介」
「そーだよそーちん、先輩後輩プレイならともかく、男の娘プレイなんて……」
しがみついて離れない獅童くんを抱き上げて、姫カワメイド服に引っ掛けたポシェットから学生証を取り出す。
ついでに今見えている名札が見えるうちに抱え直し、二人に見せた。
「はい」
「…………都内怖!!!!!!!!!」
「嘘だろ。この学校の何人性癖破壊したんだこの子」
「知らんそんな性癖弱者。俺はセンパイにしか興味ないけんな」
「宗介ってあらゆる位置から敵作りそうだな、頑張れよ」
さっきその敵作る位置に立たせたのは貴方ですけどね萌さん。下ろそうとしたが、獅童くんは首にしがみついて離れない。
デート中だとは分かっているはずなのだけれど。ため息をついて、一旦向こうのベンチになすりつけに行こうと踵を返し、制服の背中がグイッと引っ張られてるのに気がついた。
「? 武藤様、どうしたの」
「……、いや……」
「おい何や箱入り。離せや。今俺に構っとるやろこん人は」
武藤様は何か言いにくそうというか、拗ねた顔をしている。
まさか。
「……獅童くんはダメだからね」
「は?」「は?」
「今の恋人は俺なんだから、いくら獅童くんが可愛いったって目移りしないで。まぁ確かにめちゃくちゃ可愛いけどね。……いやほんとに可愛いな、人間国宝だね~」
「あんたほんま言うとる?」
「…………早く戻してこい!」
「流石におもろやん。俺は可愛いけどな!」
あれっ、違った……!?!?
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