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監禁! 最後の文化祭
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なだめすかして三十分。ひとまず泣き止んでもらって、桔梗のポストカードも渡してお礼も言った。いや、なかなか面白い人である。先に教えて欲しかった。もうすぐ卒業するってのに。
「もうすぐ卒業なので、素直に言ったのもありますけど」
「そうなんだ?」
「ええまぁ……卒業前に、心残りはなくしておくべきかと。私たちと違い、貴方はどこに就職するかもわからないのですから」
うーん、耳が痛い。皮肉っぽい口調は照れ隠しの一環だったらしく、そう考えると大して辛くもない。武藤様によく似た、かわいい人である。何より俺は俺のことを好きな人を邪険にできない。
「うーん、わりと受かってるところが……どうだろうなぁ」
「ブラックですよね。調べてきています。ご随意にどうぞ」
「わぁ、レジュメ」
「ついでにすでに稼いだ金で田中様を専属絵師にさせていただきたい。衣食支給、完全週休四日、3LDKの寮付きでいかがですか」
「職権濫用~! 流石にクラスメイトに飼われる趣味はないかも~」
ペットじゃん、それは。俺はなんなの? 他人のペットになるのが得意なの?? それがステータスなの俺の?? このスキルで就職氷河期を生き抜けと。どういうなろう系小説だよ。
「飼わっ……!? い、いえそそんなつもりは! 勿論田中様のおっしゃるならやぶさかでもないですが……」
「いやだってば」
「飼う側でも良いですから!!」
「どういう譲歩なの?」
飼う側もいやだよ。犬を飼う責任を説いていたのに急に人間を飼うの怖すぎるでしょ。
暴走している副会長を宥めつつ、一応お化け屋敷の方に向かう。と、お化け屋敷に入った様なそぶりもない水瀬と武藤様が何やら喋っていた。
水瀬の方はフラットに、世間話でもするかの様な顔をして何かを口にしているけれど、武藤様の強張った顔つきが異常を訴えている。
何か話しているのだろう、というのはわかるけれど何を話しているのかまでは。
二人の元へ自然を装って──自然なことではあるが──歩み寄ると、以外なことに水瀬の方から心底驚いた、みたいな大声が発せられた。
「えっっお前、童貞なの!?!?!?!?!?」
本当に何を言っているんだお前は。
「何の話してんの、二人とも……」
俺の存在に気づいての反応は、二人とも真反対とすら言えるくらいだった。
「おっ宗介良いところに! 聞いてくれよ、お前の旦那ったら童貞なんだってよ。お前が男にしてやるしかないと思わねーか」
「俺が男ではないのに……? 童貞も守れない男に何を守れるっていうんだ。少なくとも校則は守ってないだろ」
「不純同性交友の場合は明記されてないから良いんでねーの?」
水瀬は嬉しそうに早速絡んでくる。俺が武藤様関連のちょっとえっちな話題でヒイヒイ言うと思っているらしく、時折このネタを振ってくるのだ。
しかしこの多様性に配慮していない校則め。おかげで俺がシンプル童貞であることがバレてしまったではないか。
まぁ俺たちの入学した当時はここまで多様性が激化していなかったので別に構わないのだが。
「っ、ち、ちげぇ!! こいつが勝手に……」
「おや、恋人の前で堂々と初体験の話ですか。なかなか肝が据わっていますね」
「初体験とかいねーし!!」
武藤様に至ってはわかりやすいほど副会長に遊ばれていた。
時々他の人に揶揄われて馬鹿正直に反応する武藤様を見るから思うのだが、あのきゃんきゃん吠える足が長いだけのコーギーはよくもまぁ俺様生徒会長として君臨したものである。
気付かないのかな。今遊ばれてるって。気づかないだろうな。毛を逆立てて怒ってるもん。
「へぇ~? 武藤様、初体験が俺じゃなくていーんだ。フーン、ざんねーん」
「だから初体験は──ッ……」
「どしたの」
やばい、からかいすぎたか? でもそのくらいは許してくれよ、もっと酷いからかいされてるからなあんた。
いやそれは俺じゃないから許してるのか。無理ぽ。
ぽかり、と口を開けて間抜けに固まる武藤様に首を傾げる。と、いや、と口にされる。
「……てめー、自分が初体験ってことは……抱かれる側なんだな」
「ぁえ」
間抜けは見つかった様だな……!!!!!!!!!
「もうすぐ卒業なので、素直に言ったのもありますけど」
「そうなんだ?」
「ええまぁ……卒業前に、心残りはなくしておくべきかと。私たちと違い、貴方はどこに就職するかもわからないのですから」
うーん、耳が痛い。皮肉っぽい口調は照れ隠しの一環だったらしく、そう考えると大して辛くもない。武藤様によく似た、かわいい人である。何より俺は俺のことを好きな人を邪険にできない。
「うーん、わりと受かってるところが……どうだろうなぁ」
「ブラックですよね。調べてきています。ご随意にどうぞ」
「わぁ、レジュメ」
「ついでにすでに稼いだ金で田中様を専属絵師にさせていただきたい。衣食支給、完全週休四日、3LDKの寮付きでいかがですか」
「職権濫用~! 流石にクラスメイトに飼われる趣味はないかも~」
ペットじゃん、それは。俺はなんなの? 他人のペットになるのが得意なの?? それがステータスなの俺の?? このスキルで就職氷河期を生き抜けと。どういうなろう系小説だよ。
「飼わっ……!? い、いえそそんなつもりは! 勿論田中様のおっしゃるならやぶさかでもないですが……」
「いやだってば」
「飼う側でも良いですから!!」
「どういう譲歩なの?」
飼う側もいやだよ。犬を飼う責任を説いていたのに急に人間を飼うの怖すぎるでしょ。
暴走している副会長を宥めつつ、一応お化け屋敷の方に向かう。と、お化け屋敷に入った様なそぶりもない水瀬と武藤様が何やら喋っていた。
水瀬の方はフラットに、世間話でもするかの様な顔をして何かを口にしているけれど、武藤様の強張った顔つきが異常を訴えている。
何か話しているのだろう、というのはわかるけれど何を話しているのかまでは。
二人の元へ自然を装って──自然なことではあるが──歩み寄ると、以外なことに水瀬の方から心底驚いた、みたいな大声が発せられた。
「えっっお前、童貞なの!?!?!?!?!?」
本当に何を言っているんだお前は。
「何の話してんの、二人とも……」
俺の存在に気づいての反応は、二人とも真反対とすら言えるくらいだった。
「おっ宗介良いところに! 聞いてくれよ、お前の旦那ったら童貞なんだってよ。お前が男にしてやるしかないと思わねーか」
「俺が男ではないのに……? 童貞も守れない男に何を守れるっていうんだ。少なくとも校則は守ってないだろ」
「不純同性交友の場合は明記されてないから良いんでねーの?」
水瀬は嬉しそうに早速絡んでくる。俺が武藤様関連のちょっとえっちな話題でヒイヒイ言うと思っているらしく、時折このネタを振ってくるのだ。
しかしこの多様性に配慮していない校則め。おかげで俺がシンプル童貞であることがバレてしまったではないか。
まぁ俺たちの入学した当時はここまで多様性が激化していなかったので別に構わないのだが。
「っ、ち、ちげぇ!! こいつが勝手に……」
「おや、恋人の前で堂々と初体験の話ですか。なかなか肝が据わっていますね」
「初体験とかいねーし!!」
武藤様に至ってはわかりやすいほど副会長に遊ばれていた。
時々他の人に揶揄われて馬鹿正直に反応する武藤様を見るから思うのだが、あのきゃんきゃん吠える足が長いだけのコーギーはよくもまぁ俺様生徒会長として君臨したものである。
気付かないのかな。今遊ばれてるって。気づかないだろうな。毛を逆立てて怒ってるもん。
「へぇ~? 武藤様、初体験が俺じゃなくていーんだ。フーン、ざんねーん」
「だから初体験は──ッ……」
「どしたの」
やばい、からかいすぎたか? でもそのくらいは許してくれよ、もっと酷いからかいされてるからなあんた。
いやそれは俺じゃないから許してるのか。無理ぽ。
ぽかり、と口を開けて間抜けに固まる武藤様に首を傾げる。と、いや、と口にされる。
「……てめー、自分が初体験ってことは……抱かれる側なんだな」
「ぁえ」
間抜けは見つかった様だな……!!!!!!!!!
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