215 / 252
ヴィランの幕引き
21.出立
しおりを挟む
「セリオーン、おはよう。今日は出立日だぞ!」
そんな明るい声と、無遠慮に割り入ってきた光のせいで眠りの淵から引き戻される。シャッとあっさりカーテンを開けて叩き起こした男の正体なんか見なくても分かるが、目を開けなければ現実には戻れない。
──目を開けてみれば、変わらぬ景色。と誤解しそうなほど最近はしょっちゅう見る景色が広がっていた。何が楽しいのか普段は仏頂面の男が朝日に照らされて微笑みながら、目を覚ましたセリオンの頭を撫でてくる。
「おはようセリオン。今日もご機嫌が悪いみたいで何よりだ。さ、ご飯食べるから目ヤニとかよだれとか落としておいで」
「……」
「おお、魔法。お前が学生時代使ってたやつだな。便利~」
カエラムも使い出したんだが教えたか、と問われたので頷いておいた。あの隻腕だが健気な子供は、魔法使いとしては優秀と言い難いが生徒としては好感の持てる子供であったので、生活に便利な魔法を重点的に教えることにしたのだ。
おそらく昔の自分は、この世話焼きを当たり前に……または好意的に受け止めていたのだろう。すくなくともセリオンの体は食事の後口を拭かれても受け入れているし、よっこいしょと無理やり立たされても大人しく洗面台へ向かう作りになっていた。
「てか、毎回思うけど、何で朝からいるの……お前早起きすぎじゃない」
「知っての通り俺は魔力が封印されてるからな、取り戻した時に暴走しないため、錬金術で魔力操作のカンを維持してるんだ。朝早くにしか咲かない花があってな、あれを素材にしたら変なの作れそうなんだよ」
「変なのつくんないでよ気色悪いな。錬金術ってレシピ通りにやるもんじゃ無いの」
「おい、好奇心を失ったら魔法使いは終わりだぞ! レシピに従って何になる?」
それに、時折魔法使いとしての道理も解いてくるようになった。これが的外れであれば嘲笑できるのだが、さすがは天下の魔法使い一族の後継であっただけあり的を射ている。
朝の錬金術、略して朝錬だな~みたいなことをのんびりと述べる男は、普段の寡黙で無愛想な姿とはかけ離れた気さくな素振りだった。
イルドリやカエラムといった彼の家族は変わりように驚いてはいたが、逆にルースやうちの侍従は慣れ切ったように対応している。となると、死罪を下される前の男はそういう男だったのだろう。
宿泊施設のロビーに降りれば、すでに起きていた使用人たちがそれぞれで朝食を作り用意してある。
「公爵様、……アーノルド様、おはようございます」
「ん。」
「おはようございます。あれ、俺の分も用意していてくれたんですか? すみません」
「い、いえ! ……ご迷惑でなければ」
かねてより公爵家に仕える忠実な執事が、柔らかく笑んだアーノルドに一瞬冷静さを乱す。セリオンは半目になった。ああコイツ、こうやって色んな人を味方につけてきたんだろうな……。
「お前は何。愛想振りまかないと生きていけないの?」
「お前を家に泊めてた俺がそう見えたなら、いい癒し手を紹介するぜ」
「今の話。あれがお前の本性なら、朝っぱらからにこにこ愛想振り撒いて、バカみたい」
同じ席に着き、食事をする。石造だがなぜか暖かく、足が当たりそうなほど近い場所だが、朝食を済ませるぶんには問題がない。
どうしてかこの男と顔を突き合わせて食事をすると緊張が走る。マナーにうるさい訳でもないし、仕事内容を叱責する厳格な相手でもない。この、遠い異国の地に家を見つけた実の兄は、兄として以上の言葉をセリオンに投げかけなかった。
「今日はいよいよここから出る日だな。兄としては心配だよ。道中お腹空かせないかとか、迷わないかとか、喉乾かないかって」
「何それ。子供のお使い?」
「ふふ。お前にとって難易度は変わらないだろ」
男の所作は美しかった。丁寧に叩き込まれたカトラリーの使い方は王国風。どんな食事でも食器同士を擦れさせない、品のいい食べ方をする。口に運ぶ量だって適切だし、どの角度、どのタイミングで見ても男の姿には隙がなかった。
幼い頃から社交界に出ていたのはこの兄だという。
元公爵子息であることを隠す必要がなくなった──使用人はみな一目で見てわかったらしい──ためか、男の姿には目を惹く上品さがいつの間にか生まれていた。意図的に隠していたものなのだろう。
「殿下……陛下もご立派に統治なされているようで何よりだ。王にはある種の博愛という非情さが必要になる。言葉にするのは簡単だが、中々そういう気質の人間は生まれてくれないものだからな」
「お前ってアーサー派だったの」
「まぁ。周囲の反応は違うのか?」
意外な言葉が出たので、思わず目を瞬かせる。と、アーノルドそこ意外そうに首を傾げた。貴族というには手の入っていない栗色の髪がさらりと揺れる。
「アーノルドはヴィンセント殿下の信者だ、ってのが今の主流かな。ぼくは覚えてないけど、ヴィンセント殿下と仲が良かったんだよね。たまにうちに来てたとも伝え聞いてるよ」
「ああ、それで」
納得したように頷くアーノルド。本当に仲は良かったとでもいうのだろうか。不愉快な感傷が湧き上がってきて、思わず眉を顰める。
そんなセリオンの様子を気にすることもなく仲は良いぞ、と男は続けた。
「とはいえどちらかといえば喧嘩友達というか。俺はヴィンセントが王位を継ぐとは思っていなかったし、ヴィンセントも王位を継ぐ気は無かったように思う」
「そうなの? てっきりヴィンセント殿下も王位を狙ってるものだと」
「ルースの浄化があったにせよ、今いる王家の人間にとって王位は恐怖の象徴だ。誰よりも早く老い、私を滅して国に尽くさなきゃいけない。少なくともヴィンセントは、一度も王になんてなりたがっていなかったよ」
王家に代々続く呪いの話は聞いたことがある。ルースが覚醒し聖女の力を得たことにより、どうにかその呪いは浄化されたのだが──長らく恐怖してきた人間の心は変わらない、とアーノルドはなんでもないことかのように言った。
王国でそんな発言をする貴族はいない。いたとしても、失言として処罰される。
今の国の地獄を知らないが故に口にできる、道理を外れたものとしての言葉なのだろう。セリオンはそれが心地よかった。
「どちらが悪いとは言っていない。ただアーサー殿下はかつて、王になるために生まれてきたかのようなお人だった。俺もヴィンセントも、その庇護のもとで安心して生きていたことがある」
「……しらない」
「ははっ、お前にも秘密だった。後にも先にも、お前にまるまる隠し通せたのは王宮の秘密基地の場所だけだ……きっともうなくなっているだろうから」
紅茶をつまんで自虐的に笑う男を、どうしてかどこかで見たような気もする。きっとこんな顔をしたことがあったのだろう。笑ったり照れたりだけしていれば良いのに。そっちの方が可愛らしい。
それに、秘密というのも気に入らない。まるでヴィンセントとの間に不可侵の絆があるみたいで。
「さ、そろそろ時間だな。もう食べ終わったか?」
「うん」
「忘れ物はないか? お腹はいっぱいになった?」
「大丈夫」
「よし」
兄はいつも笑っている。明るく笑うこともあるし、自虐的に笑むこともあるし、時折悪い笑みを浮かべることも。そんな記憶が多分、体の奥底に封印されていた。
笑顔が好きだ──視線を向けられるだけで、うぶな少年のようにどきりとする。異国の地に落ちてきたセリオンを拾った男は、目を惹きつけてやまなかった。
施設の外に出れば明け方の空が薄く色づき、朝日が目に眩しく突き刺さってくる。
出立の準備はもうすっかり整えられていて、いつの間にか馬車にはルースが寝ぼけ眼で座っていた。
「飛ばしたら明日の昼には着くだろうな。そこからは戦場だ、気を引き締めていけ。兄さんはお前とルースが傷つくことが何より苦しい」
それなら一緒に行ってよ、と口を開こうとして、やめた。目の前で自分を送り届ける兄にはもう別に家族がいて、幼い子供たちは一生懸命彼の両手を握りしめている。
戦場になど、行かせたくない。
人を当たり前に殺す場所を、セリオンがまだ物語でしか見たことのない場所を、きっとこの男とルースは知っている。
(そしてきっとぼくは、他人の血に塗れたこの人を美しいと感じてしまう……)
アーノルドはそれに傷つくだろう。妙な確信がある。きっとこの体が培ってきた、弟としての勘なのだろう。
「大丈夫だって。もうぼく、子供じゃないよ……アーノルド兄さん」
「……うん。知ってるよセリオン。お前はとびきりの魔法使いだ」
行っておいでと頭を撫でたその姿を覚えていたい。陽の光に照らされた花のような笑顔が、兄という生き物にしておいてやりたかった。
馬車の扉が閉じ、みるみるうちに崖の姿が遠ざかっていく。過ぎ去る雲を眺めていれば、眠そうにもしゃもしゃとパン(足りなかったらしいので追加でアーノルドが持たせたらしい)を咀嚼していたルースがセリオンは気遣わしげに目を向けた。
「良かったの? セリオン。アーノルド様と話せる事、もうないかもしれないよ」
「いいよ。いや、よくないけど」
元々は、魔法使いとして足りないものを補うため、何かを変えたくてこの任を受けた。それは十二分に果たされた。幼いセリオンが唯一慕う、最強で至上の魔法使いがそこにいたから。
今のセリオンにその記憶はないけれど、足りないものは補えた。
「それよりルース、お前の演技力には感服したよ。劇団にでも所属してみたら?」
「セリオンが騙されやすいだけじゃない? まぁ、僕もびっくりしたけど……なんでもないふりを貫くアーノルド様もアーノルド様だよ」
そんな明るい声と、無遠慮に割り入ってきた光のせいで眠りの淵から引き戻される。シャッとあっさりカーテンを開けて叩き起こした男の正体なんか見なくても分かるが、目を開けなければ現実には戻れない。
──目を開けてみれば、変わらぬ景色。と誤解しそうなほど最近はしょっちゅう見る景色が広がっていた。何が楽しいのか普段は仏頂面の男が朝日に照らされて微笑みながら、目を覚ましたセリオンの頭を撫でてくる。
「おはようセリオン。今日もご機嫌が悪いみたいで何よりだ。さ、ご飯食べるから目ヤニとかよだれとか落としておいで」
「……」
「おお、魔法。お前が学生時代使ってたやつだな。便利~」
カエラムも使い出したんだが教えたか、と問われたので頷いておいた。あの隻腕だが健気な子供は、魔法使いとしては優秀と言い難いが生徒としては好感の持てる子供であったので、生活に便利な魔法を重点的に教えることにしたのだ。
おそらく昔の自分は、この世話焼きを当たり前に……または好意的に受け止めていたのだろう。すくなくともセリオンの体は食事の後口を拭かれても受け入れているし、よっこいしょと無理やり立たされても大人しく洗面台へ向かう作りになっていた。
「てか、毎回思うけど、何で朝からいるの……お前早起きすぎじゃない」
「知っての通り俺は魔力が封印されてるからな、取り戻した時に暴走しないため、錬金術で魔力操作のカンを維持してるんだ。朝早くにしか咲かない花があってな、あれを素材にしたら変なの作れそうなんだよ」
「変なのつくんないでよ気色悪いな。錬金術ってレシピ通りにやるもんじゃ無いの」
「おい、好奇心を失ったら魔法使いは終わりだぞ! レシピに従って何になる?」
それに、時折魔法使いとしての道理も解いてくるようになった。これが的外れであれば嘲笑できるのだが、さすがは天下の魔法使い一族の後継であっただけあり的を射ている。
朝の錬金術、略して朝錬だな~みたいなことをのんびりと述べる男は、普段の寡黙で無愛想な姿とはかけ離れた気さくな素振りだった。
イルドリやカエラムといった彼の家族は変わりように驚いてはいたが、逆にルースやうちの侍従は慣れ切ったように対応している。となると、死罪を下される前の男はそういう男だったのだろう。
宿泊施設のロビーに降りれば、すでに起きていた使用人たちがそれぞれで朝食を作り用意してある。
「公爵様、……アーノルド様、おはようございます」
「ん。」
「おはようございます。あれ、俺の分も用意していてくれたんですか? すみません」
「い、いえ! ……ご迷惑でなければ」
かねてより公爵家に仕える忠実な執事が、柔らかく笑んだアーノルドに一瞬冷静さを乱す。セリオンは半目になった。ああコイツ、こうやって色んな人を味方につけてきたんだろうな……。
「お前は何。愛想振りまかないと生きていけないの?」
「お前を家に泊めてた俺がそう見えたなら、いい癒し手を紹介するぜ」
「今の話。あれがお前の本性なら、朝っぱらからにこにこ愛想振り撒いて、バカみたい」
同じ席に着き、食事をする。石造だがなぜか暖かく、足が当たりそうなほど近い場所だが、朝食を済ませるぶんには問題がない。
どうしてかこの男と顔を突き合わせて食事をすると緊張が走る。マナーにうるさい訳でもないし、仕事内容を叱責する厳格な相手でもない。この、遠い異国の地に家を見つけた実の兄は、兄として以上の言葉をセリオンに投げかけなかった。
「今日はいよいよここから出る日だな。兄としては心配だよ。道中お腹空かせないかとか、迷わないかとか、喉乾かないかって」
「何それ。子供のお使い?」
「ふふ。お前にとって難易度は変わらないだろ」
男の所作は美しかった。丁寧に叩き込まれたカトラリーの使い方は王国風。どんな食事でも食器同士を擦れさせない、品のいい食べ方をする。口に運ぶ量だって適切だし、どの角度、どのタイミングで見ても男の姿には隙がなかった。
幼い頃から社交界に出ていたのはこの兄だという。
元公爵子息であることを隠す必要がなくなった──使用人はみな一目で見てわかったらしい──ためか、男の姿には目を惹く上品さがいつの間にか生まれていた。意図的に隠していたものなのだろう。
「殿下……陛下もご立派に統治なされているようで何よりだ。王にはある種の博愛という非情さが必要になる。言葉にするのは簡単だが、中々そういう気質の人間は生まれてくれないものだからな」
「お前ってアーサー派だったの」
「まぁ。周囲の反応は違うのか?」
意外な言葉が出たので、思わず目を瞬かせる。と、アーノルドそこ意外そうに首を傾げた。貴族というには手の入っていない栗色の髪がさらりと揺れる。
「アーノルドはヴィンセント殿下の信者だ、ってのが今の主流かな。ぼくは覚えてないけど、ヴィンセント殿下と仲が良かったんだよね。たまにうちに来てたとも伝え聞いてるよ」
「ああ、それで」
納得したように頷くアーノルド。本当に仲は良かったとでもいうのだろうか。不愉快な感傷が湧き上がってきて、思わず眉を顰める。
そんなセリオンの様子を気にすることもなく仲は良いぞ、と男は続けた。
「とはいえどちらかといえば喧嘩友達というか。俺はヴィンセントが王位を継ぐとは思っていなかったし、ヴィンセントも王位を継ぐ気は無かったように思う」
「そうなの? てっきりヴィンセント殿下も王位を狙ってるものだと」
「ルースの浄化があったにせよ、今いる王家の人間にとって王位は恐怖の象徴だ。誰よりも早く老い、私を滅して国に尽くさなきゃいけない。少なくともヴィンセントは、一度も王になんてなりたがっていなかったよ」
王家に代々続く呪いの話は聞いたことがある。ルースが覚醒し聖女の力を得たことにより、どうにかその呪いは浄化されたのだが──長らく恐怖してきた人間の心は変わらない、とアーノルドはなんでもないことかのように言った。
王国でそんな発言をする貴族はいない。いたとしても、失言として処罰される。
今の国の地獄を知らないが故に口にできる、道理を外れたものとしての言葉なのだろう。セリオンはそれが心地よかった。
「どちらが悪いとは言っていない。ただアーサー殿下はかつて、王になるために生まれてきたかのようなお人だった。俺もヴィンセントも、その庇護のもとで安心して生きていたことがある」
「……しらない」
「ははっ、お前にも秘密だった。後にも先にも、お前にまるまる隠し通せたのは王宮の秘密基地の場所だけだ……きっともうなくなっているだろうから」
紅茶をつまんで自虐的に笑う男を、どうしてかどこかで見たような気もする。きっとこんな顔をしたことがあったのだろう。笑ったり照れたりだけしていれば良いのに。そっちの方が可愛らしい。
それに、秘密というのも気に入らない。まるでヴィンセントとの間に不可侵の絆があるみたいで。
「さ、そろそろ時間だな。もう食べ終わったか?」
「うん」
「忘れ物はないか? お腹はいっぱいになった?」
「大丈夫」
「よし」
兄はいつも笑っている。明るく笑うこともあるし、自虐的に笑むこともあるし、時折悪い笑みを浮かべることも。そんな記憶が多分、体の奥底に封印されていた。
笑顔が好きだ──視線を向けられるだけで、うぶな少年のようにどきりとする。異国の地に落ちてきたセリオンを拾った男は、目を惹きつけてやまなかった。
施設の外に出れば明け方の空が薄く色づき、朝日が目に眩しく突き刺さってくる。
出立の準備はもうすっかり整えられていて、いつの間にか馬車にはルースが寝ぼけ眼で座っていた。
「飛ばしたら明日の昼には着くだろうな。そこからは戦場だ、気を引き締めていけ。兄さんはお前とルースが傷つくことが何より苦しい」
それなら一緒に行ってよ、と口を開こうとして、やめた。目の前で自分を送り届ける兄にはもう別に家族がいて、幼い子供たちは一生懸命彼の両手を握りしめている。
戦場になど、行かせたくない。
人を当たり前に殺す場所を、セリオンがまだ物語でしか見たことのない場所を、きっとこの男とルースは知っている。
(そしてきっとぼくは、他人の血に塗れたこの人を美しいと感じてしまう……)
アーノルドはそれに傷つくだろう。妙な確信がある。きっとこの体が培ってきた、弟としての勘なのだろう。
「大丈夫だって。もうぼく、子供じゃないよ……アーノルド兄さん」
「……うん。知ってるよセリオン。お前はとびきりの魔法使いだ」
行っておいでと頭を撫でたその姿を覚えていたい。陽の光に照らされた花のような笑顔が、兄という生き物にしておいてやりたかった。
馬車の扉が閉じ、みるみるうちに崖の姿が遠ざかっていく。過ぎ去る雲を眺めていれば、眠そうにもしゃもしゃとパン(足りなかったらしいので追加でアーノルドが持たせたらしい)を咀嚼していたルースがセリオンは気遣わしげに目を向けた。
「良かったの? セリオン。アーノルド様と話せる事、もうないかもしれないよ」
「いいよ。いや、よくないけど」
元々は、魔法使いとして足りないものを補うため、何かを変えたくてこの任を受けた。それは十二分に果たされた。幼いセリオンが唯一慕う、最強で至上の魔法使いがそこにいたから。
今のセリオンにその記憶はないけれど、足りないものは補えた。
「それよりルース、お前の演技力には感服したよ。劇団にでも所属してみたら?」
「セリオンが騙されやすいだけじゃない? まぁ、僕もびっくりしたけど……なんでもないふりを貫くアーノルド様もアーノルド様だよ」
332
あなたにおすすめの小説
モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。
神獣様の森にて。
しゅ
BL
どこ、ここ.......?
俺は橋本 俊。
残業終わり、会社のエレベーターに乗ったはずだった。
そう。そのはずである。
いつもの日常から、急に非日常になり、日常に変わる、そんなお話。
7話完結。完結後、別のペアの話を更新致します。
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
悪役の僕 何故か愛される
いもち
BL
BLゲーム『恋と魔法と君と』に登場する悪役 セイン・ゴースティ
王子の魔力暴走によって火傷を負った直後に自身が悪役であったことを思い出す。
悪役にならないよう、攻略対象の王子や義弟に近寄らないようにしていたが、逆に構われてしまう。
そしてついにゲーム本編に突入してしまうが、主人公や他の攻略対象の様子もおかしくて…
ファンタジーラブコメBL
不定期更新
乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について
はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる