婚約破棄されたら騎士様に彼女のフリをして欲しいと頼まれました。

屋月 トム伽

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覚悟しろ!

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今日は朝からクロード様は私に会いに平屋に来ていた。

でも、今までとは違う。
今日は、クロード様が正式に婚約を申し込みに来たのだ。
勿論お父様にクロード様との結婚に反対する理由はない。

メイベルは、お姉様ばかりズルいです。と言っていたが、メイベルにはハロルド様がいるから、もうどうしようもない。

クロード様のご両親がいる領地にも行くつもりで今朝、クロード様はご両親に手紙を出したらしい。

「クロード様、今度王宮の夜会が終われば叔母様の所に行くつもりでしたので、もしお休みがあれば一緒に行きませんか?」
「それは構わないが…王宮の夜会?」

王宮の夜会と言う言葉にクロード様の眉間にシワが寄ってしまった。

「もう、行きませんよ。」
「それは良かった。あれは殿下が気に入る貴族の令嬢を探しているのだ。」

そうです。
王宮の夜会で殿下は貴族の令嬢を見ているのです。
だから、ご令嬢は皆着飾って殿下に見初められようと王宮の夜会に行くのです。
私も婚約破棄され、お父様に行くように言われてました。

「夜会に行く時は俺も一緒に行くから、一人で行かないでくれ。」
「はい、そうします。」

クロード様は優しい。
今日も来る時には、大量の花束を抱えてやってきたのだ。

「受付嬢も受けないで欲しいんだが…、どうしても仕事がしたいなら何か別の仕事にしてくれないか?」
「もう受けませんよ。結婚したら、クロード様を微力ながら支えます。」

クロード様ははにかむように微笑んでくれた。

穏やかな時間だと思ったが、そうは続かなかった。

平屋に誰かがやって来たのだ。
扉を開けると、いたのはハロルド様と弟のアーヴィン様だった。

「…今日は何のご用ですか?アーヴィン様までどうされたのです?」

ハロルド様は不機嫌そのものだった。
そんな様子で来ないで欲しい。

「父上がお前に話があるそうだ!覚悟しろ!」

覚悟しろ!と怒鳴るハロルド様に隣にいるアーヴィン様は口がポカンと開いていた。




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