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義母の奉仕活動
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ミルヴァ様に連れてこられたのは、ミルヴァ様の書斎だった。その書斎に入るなり、驚いた。
部屋中に積み上げられた本の数々。床にまで積み上げられていた。
「こちら側に積まれた本を一つずつ包装してちょうだい」
「こちらの本をですか?」
「ええ、孤児院に贈る本よ。ペンも忘れずに入れるのです」
「一つずつに?」
「子供たち一人ずつ贈ります。それと……」
ちらりと書斎の扉に視線を移したミルヴァ様。すると、タイミングよくノック音がした。
「王太后様。お持ちしました」
「入りなさい」
邸の使用人たちが次々と入ってくる。しかも、大荷物を抱えて。
「荷物はそこに置いておいてちょうだい」
「はい。すぐにお包みいたします」
「けっこうよ。今日はミュリエルがするわ」
「ミュ、ミュリエル様が?」
「何か異論でもあるの?」
「いえ……」
ミルヴァ様の威圧感に何も言えない使用人。思わず、わかりますと頷きたくなる。
「では、下がりなさい」
「かしこまりました。出来上がれば、またお持ちします」
「そうしてちょうだい」
淡々したやり取りを横で聞いていた。使用人たちが持ってきた箱を見ると、巾着のような包み方をしたクッキーがたくさん入っていた。
大量の本にペン。そして、クッキー。
まさかと思う。
「あの……ミルヴァ様。もしかして、こちらのクッキーもご一緒に入れるのでしょうか?」
「察しがいいわね。その通りです」
このタイミングでクッキーを大量に持ってくれば、そうかなぁと思う。
「では、始めなさい」
「は、はい!」
ミルヴァ様の号令で包装を始める。あまりの多さに驚きながらも、驚きなど一瞬のことだった。本とペンとクッキーを一つずつ包んで箱に詰めていく。
それをひたすらに繰り返していた。
そして、ミルヴァ様は積み上げられた本に囲まれた書斎机に座りカリカリをひたすらに何かを書き始めた。そして、何かを書いた本は私が包装する本へと積み上げられていく。
「もしかして、こちらの本はミルヴァ様がお書きに?」
「そんなわけないでしょう。これは、私のサインです」
「サ、サイン……?」
詰めている本を開けば、そこには堂々と『ミルヴァ・グリューネワルト』とサインが書かれていた。
「……」
なぜ、贈る本にサインを書くのでしょうか?
聞きたいけど、ミルヴァ様はひたすらにサインを書き続けており聞けない。すると、ミルヴァ様が話し出した。
「贈る本にサインをするのが、不思議と思っているのでしょう?」
「……寄贈ということでしょうか?」
「寄贈ではあるのでしょうけど……キレイな本を孤児が持って学校へ行けば、それを揶揄う子供がいるからです」
「……からかう?」
「子供は良くも悪くも素直なのですよ……」
「まさか、それでサインを書かれているのですか?」
「私のサインの入った本をどうやって破るつもりかしら?」
そう思う。王太后様であるミルヴァ様のサイン入りの本に悪戯などできない。手を出すことすら恐ろしい。下手をすれば、不敬罪で首が飛びそうだ。ミルヴァ様なら、やってしまいそうだ。
なんだろうか。ミルヴァ様のサインにすら威圧感が放っているように見えた。
そうして、開いた本を丁重に閉じて、何も言えないままで包装を再開していた。
ミルヴァ様のサイン入りの本を詰めて、箱がいっぱいになれば、それを馬車へと運んでいく。詰めるよりも、運ぶほうが一苦労だった。
午後には一休みするのかと思えば、ミルヴァ様が突然立ち上がった。
「……まだ、終わらないのかしら? 嫌ならやめてもいいのよ」
「でも、子供たちには必要なのですよね? 私も何かできればいいのですが……」
すべての財産を処分して、爵位だけ持って身一つでグリューネワルト王国に戻ってきた。ドレス一つ買えない。今のドレスもゲオルグ様がすべて私のために揃えてくれたものだ。
だから、私ができることは労働なのだ。
「妾ごときに何ができるというのです」
フンッと鼻を鳴らすミルヴァ様が、扇子を持って歩き出した。
「あの……」
「何かしら? 音を上げるのかしら?」
「実はクッキーが残り少なくなりまして……取りに行ってもいいでしょうか?」
「クッキーは、今日の分はそれだけよ。最後の箱を持って来なさい。出発するわよ」
どこにですか? など聞けないままで本を詰めた箱を持ち上げた。ずしっと重い。それでも、歩む足を止めないミルヴァ様について馬車に乗り込んで出発した。
ミルヴァ様に連れてこられたのは、フォルシア伯爵領にある孤児院だった。ミルヴァ様は、孤児院の院長と挨拶を交わして何か話している。
「ミュリエル」
「は、はい! ミルヴァ様!」
「あなたも出てきなさい」
「あの……私はあまり出られなくて……」
馬車の中でも、書斎の中でもずっと目が見えないようにヘッドドレスのベールを下ろしていた。今も誰かに見られないようにと気を付けてヘッドドレスのベールを抑えている。
「では、あなたは荷物を下ろしなさい」
「はい! すぐに!」
そう言って、ミルヴァ様は孤児院へと入っていった。
荷物を馬車から下ろしていると、孤児院の職員もやって来て荷物を運び始めた。慌てて私は馬車の陰に隠れた。
「遅くなりまして申し訳ございません。すぐに一緒にお運びいたします!」
女の人の声が聞こえた。女性の職員なのだろう。
「すみません。私が馬車から下ろすので、こちらに置いたものを運んでいただけますか?」
「もちろんです」
軽快な声で返事された。
「あの……王太后様の親戚の方ですか? 王太后様が令嬢をお連れになっているのは初めてでして……」
「親戚では……ミルヴァ様は、令嬢をお連れになったことがないのですか?」
「連れてくるのは、お供にする使用人たちだけです」
知らなかった。ミルヴァ様なら、幾人もの側近がいてもおかしくない立場だ。令嬢だって、そばに置きそうな立場であるのに……。
「でも、王太后様は孤児院によく来られるのですか?」
「ここは王太后様の援助で成り立っている孤児院です。一年に一度は本を贈ってくださって……すごく助かります。孤児院は、貴族様の援助なしでは成り立たないので」
「あの、サイン入りの本を、毎年ですか?」
物凄い労力だと思う。しかも、部屋中に積んであった本。ミルヴァ様は、あれに全部サインを入れるつもりなのではないだろうか。
「いいアイデアでした。おかげで、学校へ行く子供たちへのいじめが無くなりました。本を無くすこともなくなって……」
「そうだったのですか……」
わかる。サイン一つでも、ミルヴァ様に失礼なことはできない圧力を感じるのだ。
本を運べば、孤児院の中で一人一人に職員たちが渡している。それを、窓から密かに見ていた。せめて、私も配れたら役に立つかもしれないのに……この『魔眼』のせいで人前に出られない。でも、少しならいけるだろうか。
でも、ミルヴァ様には、嫌われているかもしれない。
「困りました……」
ゲオルグ様のお母様にまで嫌われるとは……。
すると、隠れて見ていたそばの扉が開いた。
「ここにいたの?」
「ミルヴァ様。すみません。お役に立てなくて……」
「遺物持ちだと聞いたけど……そんなに強力なの……? 見せてみなさ、い……」
「そ、そう言うわけには……すみません! 勝手に顕現することもありまして……」
慌ててヘッドドレスのベールを押さえると、目の前でミルヴァ様が呆然として腰が砕けるように座り込んだ。
「……っ!?」
思わず、声にならない声が出る。やってしまった。ミルヴァ様が、私が目を隠す直前に見てしまったのだ。
疲れていたせいか、突然ミルヴァ様がやって来て驚いて感情が乱れたせいか……理由は不明だけど、いつもの突然顕現する『魔眼』をミルヴァ様が見てしまったせいで、彼女の意識が一瞬で飛んでしまった。
「す、すみません!! ミルヴァ様……っ!」
「……」
「と、とりあえず、帰りましょう! すぐに!」
このままでは、私は王太后様を操る不埒ものになってしまう。さすがにミルヴァ様を担いで運べないけど、ちょうどいいことに彼女は私の言いなりだった。そのおかげで、馬車まで素直についてきて乗り込んでくれた。そのまま、急いでフォルシア伯爵邸へと帰宅した。
部屋中に積み上げられた本の数々。床にまで積み上げられていた。
「こちら側に積まれた本を一つずつ包装してちょうだい」
「こちらの本をですか?」
「ええ、孤児院に贈る本よ。ペンも忘れずに入れるのです」
「一つずつに?」
「子供たち一人ずつ贈ります。それと……」
ちらりと書斎の扉に視線を移したミルヴァ様。すると、タイミングよくノック音がした。
「王太后様。お持ちしました」
「入りなさい」
邸の使用人たちが次々と入ってくる。しかも、大荷物を抱えて。
「荷物はそこに置いておいてちょうだい」
「はい。すぐにお包みいたします」
「けっこうよ。今日はミュリエルがするわ」
「ミュ、ミュリエル様が?」
「何か異論でもあるの?」
「いえ……」
ミルヴァ様の威圧感に何も言えない使用人。思わず、わかりますと頷きたくなる。
「では、下がりなさい」
「かしこまりました。出来上がれば、またお持ちします」
「そうしてちょうだい」
淡々したやり取りを横で聞いていた。使用人たちが持ってきた箱を見ると、巾着のような包み方をしたクッキーがたくさん入っていた。
大量の本にペン。そして、クッキー。
まさかと思う。
「あの……ミルヴァ様。もしかして、こちらのクッキーもご一緒に入れるのでしょうか?」
「察しがいいわね。その通りです」
このタイミングでクッキーを大量に持ってくれば、そうかなぁと思う。
「では、始めなさい」
「は、はい!」
ミルヴァ様の号令で包装を始める。あまりの多さに驚きながらも、驚きなど一瞬のことだった。本とペンとクッキーを一つずつ包んで箱に詰めていく。
それをひたすらに繰り返していた。
そして、ミルヴァ様は積み上げられた本に囲まれた書斎机に座りカリカリをひたすらに何かを書き始めた。そして、何かを書いた本は私が包装する本へと積み上げられていく。
「もしかして、こちらの本はミルヴァ様がお書きに?」
「そんなわけないでしょう。これは、私のサインです」
「サ、サイン……?」
詰めている本を開けば、そこには堂々と『ミルヴァ・グリューネワルト』とサインが書かれていた。
「……」
なぜ、贈る本にサインを書くのでしょうか?
聞きたいけど、ミルヴァ様はひたすらにサインを書き続けており聞けない。すると、ミルヴァ様が話し出した。
「贈る本にサインをするのが、不思議と思っているのでしょう?」
「……寄贈ということでしょうか?」
「寄贈ではあるのでしょうけど……キレイな本を孤児が持って学校へ行けば、それを揶揄う子供がいるからです」
「……からかう?」
「子供は良くも悪くも素直なのですよ……」
「まさか、それでサインを書かれているのですか?」
「私のサインの入った本をどうやって破るつもりかしら?」
そう思う。王太后様であるミルヴァ様のサイン入りの本に悪戯などできない。手を出すことすら恐ろしい。下手をすれば、不敬罪で首が飛びそうだ。ミルヴァ様なら、やってしまいそうだ。
なんだろうか。ミルヴァ様のサインにすら威圧感が放っているように見えた。
そうして、開いた本を丁重に閉じて、何も言えないままで包装を再開していた。
ミルヴァ様のサイン入りの本を詰めて、箱がいっぱいになれば、それを馬車へと運んでいく。詰めるよりも、運ぶほうが一苦労だった。
午後には一休みするのかと思えば、ミルヴァ様が突然立ち上がった。
「……まだ、終わらないのかしら? 嫌ならやめてもいいのよ」
「でも、子供たちには必要なのですよね? 私も何かできればいいのですが……」
すべての財産を処分して、爵位だけ持って身一つでグリューネワルト王国に戻ってきた。ドレス一つ買えない。今のドレスもゲオルグ様がすべて私のために揃えてくれたものだ。
だから、私ができることは労働なのだ。
「妾ごときに何ができるというのです」
フンッと鼻を鳴らすミルヴァ様が、扇子を持って歩き出した。
「あの……」
「何かしら? 音を上げるのかしら?」
「実はクッキーが残り少なくなりまして……取りに行ってもいいでしょうか?」
「クッキーは、今日の分はそれだけよ。最後の箱を持って来なさい。出発するわよ」
どこにですか? など聞けないままで本を詰めた箱を持ち上げた。ずしっと重い。それでも、歩む足を止めないミルヴァ様について馬車に乗り込んで出発した。
ミルヴァ様に連れてこられたのは、フォルシア伯爵領にある孤児院だった。ミルヴァ様は、孤児院の院長と挨拶を交わして何か話している。
「ミュリエル」
「は、はい! ミルヴァ様!」
「あなたも出てきなさい」
「あの……私はあまり出られなくて……」
馬車の中でも、書斎の中でもずっと目が見えないようにヘッドドレスのベールを下ろしていた。今も誰かに見られないようにと気を付けてヘッドドレスのベールを抑えている。
「では、あなたは荷物を下ろしなさい」
「はい! すぐに!」
そう言って、ミルヴァ様は孤児院へと入っていった。
荷物を馬車から下ろしていると、孤児院の職員もやって来て荷物を運び始めた。慌てて私は馬車の陰に隠れた。
「遅くなりまして申し訳ございません。すぐに一緒にお運びいたします!」
女の人の声が聞こえた。女性の職員なのだろう。
「すみません。私が馬車から下ろすので、こちらに置いたものを運んでいただけますか?」
「もちろんです」
軽快な声で返事された。
「あの……王太后様の親戚の方ですか? 王太后様が令嬢をお連れになっているのは初めてでして……」
「親戚では……ミルヴァ様は、令嬢をお連れになったことがないのですか?」
「連れてくるのは、お供にする使用人たちだけです」
知らなかった。ミルヴァ様なら、幾人もの側近がいてもおかしくない立場だ。令嬢だって、そばに置きそうな立場であるのに……。
「でも、王太后様は孤児院によく来られるのですか?」
「ここは王太后様の援助で成り立っている孤児院です。一年に一度は本を贈ってくださって……すごく助かります。孤児院は、貴族様の援助なしでは成り立たないので」
「あの、サイン入りの本を、毎年ですか?」
物凄い労力だと思う。しかも、部屋中に積んであった本。ミルヴァ様は、あれに全部サインを入れるつもりなのではないだろうか。
「いいアイデアでした。おかげで、学校へ行く子供たちへのいじめが無くなりました。本を無くすこともなくなって……」
「そうだったのですか……」
わかる。サイン一つでも、ミルヴァ様に失礼なことはできない圧力を感じるのだ。
本を運べば、孤児院の中で一人一人に職員たちが渡している。それを、窓から密かに見ていた。せめて、私も配れたら役に立つかもしれないのに……この『魔眼』のせいで人前に出られない。でも、少しならいけるだろうか。
でも、ミルヴァ様には、嫌われているかもしれない。
「困りました……」
ゲオルグ様のお母様にまで嫌われるとは……。
すると、隠れて見ていたそばの扉が開いた。
「ここにいたの?」
「ミルヴァ様。すみません。お役に立てなくて……」
「遺物持ちだと聞いたけど……そんなに強力なの……? 見せてみなさ、い……」
「そ、そう言うわけには……すみません! 勝手に顕現することもありまして……」
慌ててヘッドドレスのベールを押さえると、目の前でミルヴァ様が呆然として腰が砕けるように座り込んだ。
「……っ!?」
思わず、声にならない声が出る。やってしまった。ミルヴァ様が、私が目を隠す直前に見てしまったのだ。
疲れていたせいか、突然ミルヴァ様がやって来て驚いて感情が乱れたせいか……理由は不明だけど、いつもの突然顕現する『魔眼』をミルヴァ様が見てしまったせいで、彼女の意識が一瞬で飛んでしまった。
「す、すみません!! ミルヴァ様……っ!」
「……」
「と、とりあえず、帰りましょう! すぐに!」
このままでは、私は王太后様を操る不埒ものになってしまう。さすがにミルヴァ様を担いで運べないけど、ちょうどいいことに彼女は私の言いなりだった。そのおかげで、馬車まで素直についてきて乗り込んでくれた。そのまま、急いでフォルシア伯爵邸へと帰宅した。
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