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おかしな夫婦生活 3
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セルシスフィート伯爵邸に帰ると、さっそくアリス様がウォルト様を迎えに出ていた。
「ウォルト。おかえりなさい」
「ああ。帰った」
そう言って、満面の笑顔のアリス様がウォルト様に抱き着いてくる。ウォルト様は、相変わらず何を考えているのかわからないけど、それを拒否することはなかった。
むしろ、そっとアリス様の肩に手を添えていた。
「ウォルト様。送って下さってありがとうございます」
二人の仲良し具合にちょっとホッとして、ウォルト様が持っている小麦粉を渡してもらおうとすると、ウォルト様が冷ややかな表情で眉根をつり上げた。その顔で見下ろされると、思わず腰が引けてしまう。怖いのですよ。
「……あの、ウォルト様。小麦粉を……」
「……他に何かないのか?」
「他に、ですか? 焼けるまで時間がかかりますので、お待ちしてください」
何も言わないウォルト様に、アリス様がウォルト様に抱き着いたままでジッと睨んでくる。
「ウォルト。早く邸に行きましょう」
早く私とウォルト様を引き離したいアリス様が、ウォルト様を引っ張るがウォルト様は引かない。
無言で小麦粉を出したウォルト様にお礼を言って、二人を置いて後にした。
それなのに、足早に別邸へと戻ると、愕然として持っていた小麦粉を落とした。
ない。何もない。
あるのは、もともとあったセルシスフィート伯爵家が用意した大きな家具だけ。私が居間で読んでいた本も何もない。
まさかと思い、二階にある自分の部屋へと駆け上がると、自分の部屋のほうが何もない。あまりの殺風景さに、ここでも愕然とした。
衣装部屋の扉は換気のために開けられているような光景。視線の先の衣装部屋の中には、服一枚見えない。
「うそでしょ……」
急いで踵を返してウォルト様のところへと走ると、私が戻ってくるのを待っていたように玄関先のベンチに足を組んで一人で待っていた。すでにアリス様はいない。
ウォルト様が帰って来たのだから、遊びにいかないで邸で大人しくしていて欲しい。
「ウォルト様――!!」
「ああ、戻って来たか。ずいぶん早かったな」
「へ、部屋が……っ!!」
「部屋が?」
「何もないんです!!」
「ティアナの荷物は、全て本邸へと移した。今日から、本邸で住むぞ」
い、嫌すぎる……。
「私は、別邸がいいんです!」
「だが、母上もいなくなってしまったし、邸の人間が別邸で生活するわけにはいかないだろう」
「アリス様と住めばいいじゃないですか!」
「俺の妻はティアナだぞ」
「住めば都と言います。アリス様と楽しく住んでくださいよ!!」
「その言葉はそのまま返そう。それに、結婚の決まり事で一緒に住むことだと決めたはずだぞ」
「夜だけ来てくださればいいのですよ……」
なぜ、何も言わないで人の荷物を勝手に運ぶのでしょうか。思わず、拳に力が入る。
「夜も毎晩共にするから、心配しなくていい」
「毎晩とは言ってませんし、そんな心配はしていません」
私は、月に一回ほどでいいのです。
項垂れた私を気にすることなく、ウォルト様が立ち上がり私の手を引き寄せた。
「戻って来てくれたことだし、邸を案内しよう」
そう言って、問答無用で豪華なセルシスフィート伯爵邸へと連れていかれた。
「ウォルト。おかえりなさい」
「ああ。帰った」
そう言って、満面の笑顔のアリス様がウォルト様に抱き着いてくる。ウォルト様は、相変わらず何を考えているのかわからないけど、それを拒否することはなかった。
むしろ、そっとアリス様の肩に手を添えていた。
「ウォルト様。送って下さってありがとうございます」
二人の仲良し具合にちょっとホッとして、ウォルト様が持っている小麦粉を渡してもらおうとすると、ウォルト様が冷ややかな表情で眉根をつり上げた。その顔で見下ろされると、思わず腰が引けてしまう。怖いのですよ。
「……あの、ウォルト様。小麦粉を……」
「……他に何かないのか?」
「他に、ですか? 焼けるまで時間がかかりますので、お待ちしてください」
何も言わないウォルト様に、アリス様がウォルト様に抱き着いたままでジッと睨んでくる。
「ウォルト。早く邸に行きましょう」
早く私とウォルト様を引き離したいアリス様が、ウォルト様を引っ張るがウォルト様は引かない。
無言で小麦粉を出したウォルト様にお礼を言って、二人を置いて後にした。
それなのに、足早に別邸へと戻ると、愕然として持っていた小麦粉を落とした。
ない。何もない。
あるのは、もともとあったセルシスフィート伯爵家が用意した大きな家具だけ。私が居間で読んでいた本も何もない。
まさかと思い、二階にある自分の部屋へと駆け上がると、自分の部屋のほうが何もない。あまりの殺風景さに、ここでも愕然とした。
衣装部屋の扉は換気のために開けられているような光景。視線の先の衣装部屋の中には、服一枚見えない。
「うそでしょ……」
急いで踵を返してウォルト様のところへと走ると、私が戻ってくるのを待っていたように玄関先のベンチに足を組んで一人で待っていた。すでにアリス様はいない。
ウォルト様が帰って来たのだから、遊びにいかないで邸で大人しくしていて欲しい。
「ウォルト様――!!」
「ああ、戻って来たか。ずいぶん早かったな」
「へ、部屋が……っ!!」
「部屋が?」
「何もないんです!!」
「ティアナの荷物は、全て本邸へと移した。今日から、本邸で住むぞ」
い、嫌すぎる……。
「私は、別邸がいいんです!」
「だが、母上もいなくなってしまったし、邸の人間が別邸で生活するわけにはいかないだろう」
「アリス様と住めばいいじゃないですか!」
「俺の妻はティアナだぞ」
「住めば都と言います。アリス様と楽しく住んでくださいよ!!」
「その言葉はそのまま返そう。それに、結婚の決まり事で一緒に住むことだと決めたはずだぞ」
「夜だけ来てくださればいいのですよ……」
なぜ、何も言わないで人の荷物を勝手に運ぶのでしょうか。思わず、拳に力が入る。
「夜も毎晩共にするから、心配しなくていい」
「毎晩とは言ってませんし、そんな心配はしていません」
私は、月に一回ほどでいいのです。
項垂れた私を気にすることなく、ウォルト様が立ち上がり私の手を引き寄せた。
「戻って来てくれたことだし、邸を案内しよう」
そう言って、問答無用で豪華なセルシスフィート伯爵邸へと連れていかれた。
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