29 / 148
第一章 ブラッドフォード編
出発前
しおりを挟む
翌朝、皆で朝食を取っているといつも通り、リンクスがオズワルド様に手紙を持って来た。
今朝は私にも手紙がきていた。
差出人はアニスだった。
内容は、婚約おめでとうやお茶会のお誘いだった。
婚約をお父様からでも聞いたのだろう。
私は誰にも言わず、この邸に来たから。
戻る前はアニスとよくお茶会をしたから、まあいつもの内容だな、と思った。
行くつもりは全くなかったから、後でお断りの手紙でも出すか、と思っていた。
そして、ふとオズワルド様を見ると、差出人だけ、パパッと見て封を開けずそのまま横に置いていた。
「手紙は読まないのですか?」
「どうせ借金の申し込みや投資の頼みだ。いずれ破産しそうな者には金は貸さん。後は婚約をまだ知らんらしいから、娘を紹介したいとかの話だろう。夜会も今は全て断っているし。」
夜会に行かなくていいのは、ちょっと良かったと思った。
結構疲れるから。
すると、アレク様がリンクスに手紙を書くから出してくれるか、と話し出した。
「リンクス、後で手紙を出してくれるか?薔薇を添えて出すように手配して欲しいのだが。」
「まあ、薔薇を添えるのですか。ロマンチックですね。」
「フェリシアは花言葉をよく知っているから、花を添えてやると喜ぶんだ。」
素敵です。
アレク様、さすがですわ。
しかし、花言葉か。
この時、戻る前にアニスから貰ったあの胡散臭い香水瓶を思い出した。
確か黒百合ともう一つはなんだったかしら?
黒百合の花言葉は何なのか気になってきた。
朝食も終わり、すぐに行くのかと思いきや、アレク様はフェリシア様への手紙を取りに行った。
フェリシア様は、今回のアレク様の休暇と、実家が領地に帰る日が重なり来られなかった。
アレク様と結婚したら、そうそう家族と領地に帰れないから、婚約中は家族と帰ることに二人で決めているらしい。
玄関の外にオズワルド様と行くと、警備の話をしてくるから待っていろ、と言われた。
「もう警備は行っているのではないのですか?」
「ヒースや残っている護衛達との話もあるからな。」
アレク様にレオン様が来ているから、まあ忙しいのだろうけど。
オズワルド様は私を残して、足早に行ってしまった。
一人残されていると、マリオンが駆け足でやって来た。
「リディア様、すみません!もう少し時間はありますか?」
「どうしたの?」
「すみません!膝掛けが見つからなくて…もう少し待って頂けますか?」
なんだ。
そんなことか、と思った。
「気にしなくて大丈夫よ。まだ皆来てないし、なかったら、オズワルド様のマントでも借りるわよ。」
マリオンはまたすみません、と頭を下げ走って行った。
何か変だと思う。
どうして膝掛けが見つからないのかしら。
リンクスが出してくれるはずなのに、マリオンに渡してないのかしら。
そうは思えないけど。
玄関外の立派な柱にもたれ、一人ボッーとオズワルド様や皆を待っていた。
従者のウィル達が今、馬を連れて来ているから、もうすぐで皆集まる。
そして、一番にやってきたのは、レオン様だった。
今朝は私にも手紙がきていた。
差出人はアニスだった。
内容は、婚約おめでとうやお茶会のお誘いだった。
婚約をお父様からでも聞いたのだろう。
私は誰にも言わず、この邸に来たから。
戻る前はアニスとよくお茶会をしたから、まあいつもの内容だな、と思った。
行くつもりは全くなかったから、後でお断りの手紙でも出すか、と思っていた。
そして、ふとオズワルド様を見ると、差出人だけ、パパッと見て封を開けずそのまま横に置いていた。
「手紙は読まないのですか?」
「どうせ借金の申し込みや投資の頼みだ。いずれ破産しそうな者には金は貸さん。後は婚約をまだ知らんらしいから、娘を紹介したいとかの話だろう。夜会も今は全て断っているし。」
夜会に行かなくていいのは、ちょっと良かったと思った。
結構疲れるから。
すると、アレク様がリンクスに手紙を書くから出してくれるか、と話し出した。
「リンクス、後で手紙を出してくれるか?薔薇を添えて出すように手配して欲しいのだが。」
「まあ、薔薇を添えるのですか。ロマンチックですね。」
「フェリシアは花言葉をよく知っているから、花を添えてやると喜ぶんだ。」
素敵です。
アレク様、さすがですわ。
しかし、花言葉か。
この時、戻る前にアニスから貰ったあの胡散臭い香水瓶を思い出した。
確か黒百合ともう一つはなんだったかしら?
黒百合の花言葉は何なのか気になってきた。
朝食も終わり、すぐに行くのかと思いきや、アレク様はフェリシア様への手紙を取りに行った。
フェリシア様は、今回のアレク様の休暇と、実家が領地に帰る日が重なり来られなかった。
アレク様と結婚したら、そうそう家族と領地に帰れないから、婚約中は家族と帰ることに二人で決めているらしい。
玄関の外にオズワルド様と行くと、警備の話をしてくるから待っていろ、と言われた。
「もう警備は行っているのではないのですか?」
「ヒースや残っている護衛達との話もあるからな。」
アレク様にレオン様が来ているから、まあ忙しいのだろうけど。
オズワルド様は私を残して、足早に行ってしまった。
一人残されていると、マリオンが駆け足でやって来た。
「リディア様、すみません!もう少し時間はありますか?」
「どうしたの?」
「すみません!膝掛けが見つからなくて…もう少し待って頂けますか?」
なんだ。
そんなことか、と思った。
「気にしなくて大丈夫よ。まだ皆来てないし、なかったら、オズワルド様のマントでも借りるわよ。」
マリオンはまたすみません、と頭を下げ走って行った。
何か変だと思う。
どうして膝掛けが見つからないのかしら。
リンクスが出してくれるはずなのに、マリオンに渡してないのかしら。
そうは思えないけど。
玄関外の立派な柱にもたれ、一人ボッーとオズワルド様や皆を待っていた。
従者のウィル達が今、馬を連れて来ているから、もうすぐで皆集まる。
そして、一番にやってきたのは、レオン様だった。
79
あなたにおすすめの小説
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
【完結】熟成されて育ちきったお花畑に抗います。離婚?いえ、今回は国を潰してあげますわ
との
恋愛
2月のコンテストで沢山の応援をいただき、感謝です。
「王家の念願は今度こそ叶うのか!?」とまで言われるビルワーツ侯爵家令嬢との婚約ですが、毎回婚約破棄してきたのは王家から。
政より自分達の欲を優先して国を傾けて、その度に王命で『婚約』を申しつけてくる。その挙句、大勢の前で『婚約破棄だ!』と叫ぶ愚か者達にはもううんざり。
ビルワーツ侯爵家の資産を手に入れたい者達に翻弄されるのは、もうおしまいにいたしましょう。
地獄のような人生から巻き戻ったと気付き、新たなスタートを切ったエレーナは⋯⋯幸せを掴むために全ての力を振り絞ります。
全てを捨てるのか、それとも叩き壊すのか⋯⋯。
祖父、母、エレーナ⋯⋯三世代続いた王家とビルワーツ侯爵家の争いは、今回で終止符を打ってみせます。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済。
R15は念の為・・
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚
mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。
王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。
数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ!
自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる